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映画 『ブラック・スキャンダル』 町山智浩の解説/ネタバレ・あらすじ・ 批評

      2016/08/23

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ジョニー・デップ主演『ブラック・スキャンダル』
劇場公開日 2016年1月30日

ジョニー・デップがFBI史上最高の懸賞金をかけられた実在の凶悪犯ジェームズ・ホワイティ・バルジャーを演じた超極道映画。

舞台は1970年代、サウス・ボストン。

FBI捜査官コナリーはアイルランド系マフィアのボスであるホワイティに、共通の敵であるイタリア系マフィアを協力して排除しようと持ちかける。

しかし歯止めのきかなくなったホワイティは法の網をかいくぐって絶大な権力を握るようになり、ボストンで最も危険なギャングへとのし上がっていく……

映画評論家の町山智浩さんが『ブラック・スキャンダル』について語って下さいました。

町山さん解説・書き起こし

今日はですね、ジョニー・デップの新作映画の話をしたいんですけど。はい。ジョニー・デップってどうですか?

(かっこいいですよ。スーパースター。『パイレーツ・オブ・カリビアン』とかね)

あ、本当に?最近、ジョニー・デップあんまり調子よくないんですよ。

うん。あの、最近たとえばね、『トランセンデンス』とかね、『ローン・レンジャー』とかね。『チャーリー・モルデカイ』とかねいろいろあるんですけど映画は。どうもね、上手くいってないんですよね。

(あ、そうですか。なんかこう、ジョニー・デップさんがいろいろ変わっていく感じは印象に残ってますけどね)

あ、太っちゃってますね。最近ね。

(役作りじゃなくてですか?)

すっごくぽってりと太ったりとかね。いろいろして。なんか映画も上手く行ってないし。それで、『ローン・レンジャー』とかすごい超大作で。映画史上最高ぐらいの金額をかけたんですけども。見ました?

(見てないんです。カラスを頭に乗っけてる……)

そうそう(笑)。カラスを頭に乗っけたインディアンの役をやっているんですけど。まあ、見るとわかるんですけど、ずっとジョニー・デップは映画の中でふざけているだけなんですよ、ずっと。

どうしたんだろう?みたいなことを言われていてでですね。で、あとはまあ、最近自分の娘がモデルになったりして。そっちはね、結構美人でね、すごい注目されているんですけど。

自分自身は、23才年下の彼女を作ったりしててね、そっちの方はいってるんですけど、いい感じなんですけど、映画の方はダメなんですね。

で、このままじゃダメだと。2年ぐらいずっとダメなんで。2、3年?もっと前からダメかな?『ダーク・シャドウ』ぐらいからちょっと上手く行ってないんで。もともとジョニー・デップって、いま大スターですけど『パイレーツ・オブ・カリビアン』に出る前は、実は知る人ぞ知るカルトスターだったんですよ。

(えっ?そうだったんですか?)

あんまり一般的にはそんなに知られている映画とか、大ヒット作には出ていなかったんですね。

こう、知る人ぞ知る、渋い映画に出ていて。『シザーハンズ』とか『ギルバート・グ暴行』とか。

『エド・ウッド』とかですね。単館ロードショーの映画が多かったんですよ。

シネコンでかかるような映画にあんまり出てなかったんですよね。ジョニー・デップは。

で、『パイレーツ・オブ・カリビアン』から大作スターになっていって。一般的に知られるようになったんですけど。

これ、ちょっと人気なくなっちゃったんで。もう前の演技派だった頃のカルトスターにちょっと、原点回帰した方がいいんじゃないか?ってことで、いまの新作映画……今日、紹介する映画に出たんですね。

今日、紹介する映画は『ブラック・スキャンダル』というタイトルで日本で公開されるんですが。

ハゲ親父の役ですね。ジョニー・デップは。

これ、すごいですね。あの、目の色も変わっちゃってるんで。すごい薄い青にしてるんで。もう全然、ジョニー・デップに見えないですけど。で、これがいま、すごく評判がよくて『ジョニー・デップ復活か?』って言われてるんですね。アメリカでは。

で、このジョニー・デップがやったハゲ親父はですね、FBIの全世界指名手配でオサマ・ビンラディンの次に賞金が高かった大犯罪者なんですよ。

実在の人物なんですよ。で、世界で二番目に危険な男と言われたわけですね。

(それ、すごいですね。あのオサマ・ビンラディンの次?)

オサマ・ビンラディンの次だったんですよ2000年ぐらいに指名手配されていた時は。

この人はホワイティって言われている、ジェームズ・ホワイティ・バルジャーって言われているギャングなんですけども。裁判で彼が実際に手を下したって言われている殺人だけでも19人。

(ほー!)

で、それ以外わかんないのを入れると30人以上殺しているって言われている、非常に凶悪なギャングなんですね。

それをまあ、ジョニー・デップが演じるんですけど。

これは実際にですね、1970年代にアメリカのボストンであったことが元になっているんですがこの『ブラック・スキャンダル』っていう映画は。

ボストンっていうと、どういうイメージがあります?

(ボストン?うーん、なんか銀行とか?鉄道かな?)

ボストンっていうと、いちばん有名なのはハーバード大学ですよ。

あとね、マサチューセッツ工科大学。

ボストンマラソンとかね。まあ、爆破事件とかありましたけど。

僕、行きましたよ。そこから放送しましたから(笑)。

そういう伝統的な町で。行くとわかるんですけど、イギリスの町みたいな感じで

。石造りの古い家が並んでいて。非常になんていうか、落ち着いたところなんですね。

そうそう。アメリカじゃないみたい。ヨーロッパみたいな感じなんですけど。

ただ、川を渡って南に行くと、南ボストンっていうのはものすごく凶悪なところなんですよ。

そこは港町なんですけど。いわゆる港湾労働者の人たちを仕切っていたヤクザグループみたいなのがあって、もう町全体がヤクザっていうすごいところなんですよ。で、親子代々銀行強盗とか、そういう人たちがいっぱいいるところなんですね。

だから昔から南ボストンっていうのはいろんな映画になっているんですよ。あまりにもひどいっていうところで。

最近だと、『ザ・タウン』っていうベン・アフレック監督の映画で。それはもう、親子代々銀行強盗の話でしたけど。

あとね、『ディパーテッド』っていう映画がありましたね。

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『ディパーテッド』っていうのは、レオナルド・ディカプリオがボストン警察の秘密捜査官で、ボストンのヤクザグループに入って、内部から情報を送るんだけども、逆にヤクザグループの方がマット・デイモンを警察官にして、警察の情報を取り入れるっていう話。
これ、アカデミー作品賞をとりました。2006年に。

それがボストンの、サウス・ボストンの暗黒街を舞台にした映画で非常に有名なものですね。

その『ディパーテッド』っていう映画を見た人ならわかるんですけど、そこでジャック・ニコルソン扮するものすごく凶悪なギャングのボスが出てくるんですね。

で、人を殺してニコニコ喜んでいるような人なんですけども。

ハゲ親父なんですよ。

そのジャック・ニコルソンが演じたボストンのハゲのボスが、このジョニー・デップが演じる人なんですよ。実際は。

実在のホワイティっていうギャングのボスをモデルにしてたんですね。

(じゃあホワイティは結構映画になってるんですね)

映画に結構出てくるんです。テレビとか見てると、よく出てくるんですよ。

ボストンを仕切っていたボスっていうことで。

で、ただ今回は初めての実録物っていうことなんですね。事実をもとにして。フィクションにしてないものっていうことなんですけども。

で、この人、映画で予告編とかを見るとわかるんですけど、どういう風にして人を殺していたか?っていうと、要するに自分を裏切ったやつとか、商売敵のヤクザとかを殺すわけですけども。

たとえばその、オフィスビルの駐車場で真っ昼間に、みんなが見てる前でライフルでもって狙っているやつをバンバンバンバンバンバン、何発も撃って、蜂の巣にして殺したりしてるんですよ。

このホワイティっていうのは。

で、これを見ると、こんなにみんなが見ている前で殺して、どうして大丈夫なの?って思いますよね。

で、おかしいんじゃないか?っておもうんですけど……

(うん。隠そうっていう気はないのか?)

そう、隠そうとしてないんですよ。白昼堂々とやっていて。顔もマスクもしてないし。

それで、1970年代のある3年間では、たった3年間にわかっているだけで10人殺してるんですね。

そうなんですよ。で、わかってないのを含めると、もっと殺してるんですけど。こんなにたくさん殺していたら、普通、どうして逮捕されないの?って思いますよね。

わかっているのだけで19人なわけですから。

なんでこんなに堂々と殺して、どうして警察に捕まらないの?って思うんですけど。
それには理由がありまして、このホワイティ・バルジャーの弟は、ボストンがあるマサチューセッツ州っていうのがあるんですね。で、マサチューセッツ州の州議会の上院議長なんですよ。

すごいんですよ。

だから、大阪だと大阪のヤクザのボスの弟が、大阪市議会の議長だったりするみたいなことなんですよ。

(いや、でも……でも、捕まらない?)

そう。だから手が出せないんですよ。で、これはすごく、「ディパーテッド」とかを見ると複雑な事情があるんですけども。

その、ボストンっていうのは非常に特殊な町で、警察官とヤクザがほとんどアイルランド系なんですよ。

で、アイルランド系のお兄さんはヤクザだけど弟は警官とか。その逆とかいう家がいっぱいあるんですよ。

警察官とヤクザがごっちゃになっている世界なんですよ。

(怖いですね。権力と暴力の両方に人脈が)

そうなんですよ。だから、日曜日とかバーベキューとかやるんですけど。アメリカ人は、家族とかを集めて。

そうすると、お父さんのヤクザと息子の警官が一緒にご飯を食べたりしてるっていう世界なんですよ、ボストンっていう町は。

ぐちゃぐちゃなんですね。で、そういうところでやっていて。弟の州議会の上院議員っていうのはすごく地元のアイルランド系の警察官の支持を強く受けてるんですよ。

で、もう警察官とべったりなんで、ぜんぜんそのホワイティには手を出せないっていう状態だったんですって。

それでも、こんだけ殺してんだからアメリカっていうのは市の警察とか地方の警察が手が出せないと、その上の警察があるんですね。

地方自治体の上に、連邦警察っていうのが存在するんですよ。アメリカは。

FBIですね。で、FBIはそういう市議会が腐っていたりすると、市警察が腐っている上から来るんですね。

腐敗とか汚職を調査しに、FBIが上から来たりするんですけども。

このホワイティの場合は、FBIの捜査官も幼なじみなんですよ。

(抑えるところは抑えていると)

抑えようとして抑えたっていう感じじゃないんですけども。ジョン・コノリーというFBI捜査官がるんですけども。彼が子供の頃、いじめられっ子だったんですって。アイルランド系の非常に怖い南ボストンで。

で、その時にいつも助けてくれたのがホワイティなんですって。ちっちゃい頃に。

だから、ホワイティがヤクザになったけども、彼は勉強してFBIになったんですけども、義理を忘れなかったんですね。

でも、いじめられっ子から助けてくれたんですよ?ねえ。

恩があるから。で、しかもですね、利害が一致するんですよ。FBIとアイリッシュマフィアの。っていうのは、1970年代ってアメリカではイタリアンマフィアっていうのが大問題になったんですよ。

あのね、マフィアっていうのは昔からずーっとるんですけども。1930年代からずーっとるんですけど。イタリアンマフィアっていうのは。FBIはずっと、「マフィアっていうのは存在しない」って言ってたんですよ。

FBIの長官のフーバーがマフィアからお金をもらっていたから。マフィアの操作をしなかったんです。野放しにしてたんですよ。ところが70年代に入って、60年代から70年代にかけて、実はマフィアっていうのは存在するんだっていうことがマフィアの内部告発によって明らかになってったんですよ。

で、そのフーバーも死んで、さあ、FBIはマフィアを操作しなきゃならない、ってことになっちゃったんですね。いままで放っておいたから。

それもひどい話ですけどもね。

だから、40年ぐらいほったらかしにしてたから、マフィアはアメリカ全体の巨大組織になっちゃったわけですけども。

で、FBIはめちゃくちゃ突かれて、「マフィアをお前ら、なんとかしろ」って言われて。マフィア潰しっていうのをやんなきゃならなくなっちゃったんですよ。

ところが、ボストンっていうのはさっき言ったみたいにイタリア系じゃなくて、アイルランド系が仕切ってるわけですよ。

ねえ。で、そこにイタリア系がなんとか入り込もうとしてたんですね。イタリア系っていうのはだから、全国チェーンみたいなもんですよ。

(まあ、わかりやすく言っていただくとそうですかね?はい)

それで、アイルランド系のヤクザっていうのはローカルのお店なんですよ。

で、そこに全国チェーンのマフィアが入ろうとしたんですね。イタリア系が。

それで、ローカルのギャングのボスであるホワイティともう、抗争してたわけですよ。

で、そこのところで、そのさっき言ったFBIの捜査官で子供の頃に助けてもらったジョン・コノリーっていう人が、ホワイティに言ったんですよ。

「ホワイティさんは敵だから。ライバルだから、イタリアンマフィアの情報をいっぱい持っているだろ?それを僕にくれないか?そしたらFBIとしてはイタリアンマフィアを潰す方が世間的には非常に重要だから。ポイントになるんだ。したら、あんたも助かるだろ?その代わり、あなたは捕まえないよ」っていう条件をFBIから出されるんですよ。

闇取引して、イタリアンマフィアの情報があると、どんどんFBIに流して。

FBIはイタリアンマフィア、それで追い詰めて。盗聴したりして。

要するに、両方の利害が一致するんですね。

(ははあそういうことで。結びついちゃいけないところが結びついちゃって……)

そうだったんですよ。

だから、FBIも手を出せないし、地元警察も手が出せないから20年以上、もうボストンでやりたい放題だったのがそのホワイティ、ジョニー・デップだったという話なんですよ。
そんないい加減な話でいいの!?とか思いましたよ。

(実話っていうところがまた怖いんですが)

怖いですよ。だから人が見ている前で結構殺しちゃうんですよ。でも、誰も言えないんですよ。目撃したって、見たって。

誰も守ってくれないから、見たなんて言えないんで。

要するに、警察は形だけでも調べるわけですね。「誰か目撃した人はいないのか?」って。でも、誰も言わないですよ。怖くて。だって、誰も守ってくれないんだもん。

っていうことなんですね。

(えっ?でもこれ、そうやってドラマになるっていうことは、もうさすがに捕まったんですよね?)

もう、さすがに捕まったんですけども、。これね、まあ捕まった経緯っていうんは映画を見てっていう感じで、言いにくいんですけどもね。

あのね、とにかくジョニー・デップの演技がすごいんですね、怖くて。

最近、なんかふざけてばっかりで。「ジョニー・デップだよーん!」みたいな演技ばっかりしてましたけど。

軽いじゃないですか。ジョニー・デップ、最近、もう。

(アリス・イン・ワンダーランドとかでもね、ちょっとなんかピエロ的な感じが多かったですね)

そうそうそう。まあ、「パイレーツ・オブ・カリビアン」がね、もう本当、お調子者の役でしたからね。

でも、今回はさすがに本物の、実在の殺人者っていうことでね、ぜんぜん違う演技になってるんですよ。

とにかくね、もうバンバン殺しているもんだから、もう普通じゃないんですね。たとえば、仲間内でご飯を食べていても、ものすごい緊張感なんですよ。

ご飯を食べてて、自分の仲間が作ったステーキを食べるシーンがあるんですね。

で、「このステーキ、私が作りました。ホワイティさん」っつって出すわけですよ。

すると、ジョニー・デップのホワイティがですね、「うーん……美味いステーキだな。いったい、何にマリネしたんだ?」って言うんですね。

聞くわけですよ。すると、肉を出した相手がね、ちょっとふざけてね。ちょっとお茶目に「いや、ホワイティさんでもちょっとそれは言えないんですね。このステーキはね、うちの家族の秘伝ですから」って言ってんですね。

「企業秘密です」って言うんですよ。するとホワイティがね、「うーん……秘密のレシピか。ますます知りたいな。教えろ!」って言うんですよ。

ホワイティにそう言われたら、怖いじゃないですか。

だから、「あっ、わかりました。ここだけの話です!あの、ニンニクとワサビの醤油漬けなんですよ」とか言っちゃうわけですよ。

そうするとホワイティは黙ってそれを聞いていて、

「貴様には、死んでもらわないといかんな……」って。

「そんな大事なレシピを簡単に漏らすようなやつは、信用できん!」って言われるんですよ。

「教えてくれ」っていま、言ったじゃん!っていう(笑)。

教えたら、「そんなに口の軽いやつは殺す!」って言われるんですけど。どうすりゃいいんだって思いますね。

こういう時って、あるんですよ。でも、本当に。暴力団関係者の人と話している時って。

あるでしょ?こういう時って。

怖い人。どこでキレるかわからない人。

僕、カレーライスごちそうになったことがあってね。新宿の山口組系の事務所でね。

その時も、「どうだ?」って言われた時にね、なんて言おうかと思いましたよ、カレーの味を。

味、わかんないんですよ、だってもう。

「美味いです」って言った時に、「これが美味いっていうやつは、ダメだ!」って言われるかもしれないじゃないですか。

「わかってない!」みたいなことを言われるかもしんないんで、ものすごく怖かったですね。はい。

いや、でもその人、片目が刀傷で義眼だったですけどね。

ものすごく怖いことがありましたね。はい。

橘玲さんっていう作家がいるじゃないですか、いま。

あの人と一緒に行ったんですよその事務所。関係ないですけど。

ちょっとマズいことを書いちゃって怒られたんで、「事務所に謝りに来い。詫び状を持って来い」って言われたんですね。で、2人で行ったんですけど。本当に怖かったですよ。

いろんなところに謝りに行って。謝り人生なんでね、はい。

はい。だから、そういう映画なんですけどね。まあこれね、どうやってこいつを捕まえるの?とか思っているとですね、やっぱりですね、やりすぎたんですね。

やりすぎて、足元から崩れていくという映画なんですけどね。

(捕まっていく過程とかも出る?そこは映画で見ればわかるんですね)

そのへんはね。

ただね、この人、16年間も逃亡してたんでね。その間は結構……その間に「ディパーテッド」っていう映画になったりとかね。

その辺も面白いんですよ。で、まあ最近捕まったんですけど。「終身刑2回」っていうね、刑になりましたね。

終身刑2回ってどんなやねん!って思いましたけど。どうやるの?とか思いましたけど。

ただ本人はね、なんか弁護でね、「僕は30ぐらいになるまで人を殺したことなんかなかったんだ」とホワイティは証言をしてて。

で、20代に捕まって刑務所に入っている時に、「ボランティアで刑期を減らしてくれって言われて。ある人体実験をして、それから人殺しになっちゃったんだ」って言ってるんですね。裁判で。

映画の中には出てこないんですけど。これ、実際に彼、記録に残ってるんですけど。

CIAが「MKウルトラ計画」っていうのをやっていて。その当時。それでですね、人体実験で大量のLSDを飲まされて、マインドコントロールの実験を刑務所でやらされたらしいんですよ。このホワイティっていう人は。

で、これはね、最近になって判明したんですけど。

CIAが1950年代から70年代にかけて、いろんな人たちのお金を出して、LSDの実験をして。それで、人間をロボットにしてリモートコントロールできないか?って実験を本当にしてたんですよ。

映画じゃなくて、本当にあったことです。

これ、いまはもう完全に判明してます。どういうことがあったかって。

CIAはね、その頃ね、ソ連とか中国が共産主義に洗脳するっていう技術を持っているって思い込んでいて。

それだったら俺たちも機械的に人を洗脳できないか?っていうんで、その実験を始めてるんですね。

「その副作用で俺は人殺しになった」って言ってるんですけど。

実際はこの実験をされた人はものすごい人数がいるんで。全員人殺しになってたらおかしいんで。この言い訳はぜんぜん通らなかったですけどね。

というね、聞けば聞くほど、なにもかもめちゃくちゃだな、アメリカっていう話ですよ。

(しかも、聞けば聞くほど「ブラック・スキャンダル」っていうタイトルがピッタリだなという)

そうなんですね。

そういうジョニー・デップ復活のハゲ映画「ブラック・スキャンダル」は来年1月30日に公開ですね。

(はい。わかりました。町山さん、再来週はスペシャルウィークですが、その時にはどんなお話を?)

はい。マット・デイモンが火星でひとりぼっちになるという映画「オデッセイ」を紹介します。

アメリカでいま、大ヒットしてますね。

(へー!こちら、超大作。はい。ということで、こちらは来年2月公開という「オデッセイ」をスペシャルウィークにお話していただきます。今日は町山さんにジョニー・デップ主演の「ブラック・スキャンダル」ご紹介いただきました。町山さん、ありがとうございました~)

どぉもでした!

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