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代償(Hulu) 第1話「過去」 ネタバレ あらすじ 感想

   

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Huluオリジナルドラマ「代償」第1話「過去」 あらすじ&ネタバレ

2016年11月18日(金)Huluにて日米同時配信
以降毎週金曜配信 全6話(初回のみ第1話&第2話同時配信)

出演キャスト・登場人物相関図はこちら

オープニング

奥山圭輔(小栗旬)が歩いている。
テレビでは、警察が圭輔を事件の重要参考人として追っていると報道している。

圭輔が、廃墟ビルのような建物で待っていると、安藤達也(高橋努)が入ってきた。

圭輔「遅かったね」
達也「良い場所選んだね、圭ちゃん。懐かしいよ。大事な思い出の場所だ」
圭輔「大事な思い出か…」
達也「ようやく二人っきりになれたね、圭ちゃん」
圭輔「…」
達也「もう17年か。懐かしいな、あの頃が」
圭輔「お前のくだらない遊びで、何人の人を死なせた?」
達也「さあ、ははは。覚えてないな、そんな事は」
圭輔「贖罪の気持ちはないんだな!?」
達也「何を償う必要があるんだよ?」
圭輔「…お前は、狂ってる」
達也「俺を断罪できる証拠を見つけたんだって?」
圭輔「証拠じゃない。方法だよ」

圭輔は、ポケットから特殊警棒を取り出した。
圭輔「罪を償ってもらう」
笑う達也。

圭輔「死ぬんだよ。お前はここで」

無罪判決

圭輔の自宅。
キッチンで、コーヒーを飲もうとお湯を沸かしている圭輔の元に、婚約者の白石真琴(高梨臨)が来た。

白石法律事務所。
所長であり、真琴の父・白石慎次郎(石橋凌)が、ホワイトボードで、明日の「中目黒ストーカー殺人事件」の裁判の説明をしている。

白石「被告人は無罪を主張しているが、状況としてはクロだ。減刑判決がせいぜいだろう」
圭輔「いえ、被告人はシロです。検察側は、自分たちに都合の良いストーリーを作り上げ、明らかに自白を強要しています。明日は、あくまで無罪を主張します」

裁判所。
裁判長「では、これから判決を言い渡します。主文、原判決を破棄する。被告人は無罪!」
安堵する圭輔と真琴。

マスコミが圭輔を取り囲む。
「無罪判決が出た今の気持ちを」とマイクを差し出す。

圭輔「はい。我々が信じた通りの結果が出たということで、とても嬉しく思っております」

丸岡運輸。
金庫からお金を取り出し、数えている従業員。
後ろから、男の影が忍び寄る。
背後から棒で殴りつける男。
男は、何度も何度もしつこく、動かなくなった従業員の頭を殴り続けた。
そして、金を奪って逃げていく。

「持ち主だけに、良く似合うわ。ははは」

達也の自宅。
達也は、テレビで記者に答える圭輔の姿をじっと見ている。
ドアが開いて、達也の義母・安藤道子(片岡礼子)が達也の後ろを通る。

続いてのニュースで、昨日の東京都中野区 丸岡運輸の倉庫で従業員の男性が殺され、現金が奪われた事件を報道している。

達也「俺も頑張るとするか」
道子「そうだよ。頑張んな」

背後で音がして二人は振り向く。
奥から店(スナック「たっちゃん」)の方に出てきた達也。
達也「門田さん、どうかしたんですか?」

息を切らして顔を洗う門田。
門田「お前が手伝わねえから、俺一人でやる羽目になったんだろうがよ!」

達也は黙って電話の子機を持った。
門田「おい、何やってんだよ!?警察なんかに電話してみろ、マジぶっ殺してやるかんな!失くすもんなんかねえんだ、こっちは!」

達也は黙って子機を置いた。
門田はおイスレコーダーを見せた。
門田「おい、コピー、取ったんだ」
達也「どうしろって言うんですか?」
門田「ふはは」

門田はカバンから、帽子とビニール袋に入った血の付いた凶器を取り出した。
門田「わかんだろ!?」

門田は、犯行時に被っていた帽子を、達也に被せた。
門田「持ち主だけに、良く似合うわ。ははは」
そう言って、店を出た。

達也の逮捕

白石法律事務所。
白石「刑事事件裁判の有罪率は、99.98%とも言われている。無罪獲得は、0.02%の奇跡だ。そんな偉業を奥山がやってのけた」
圭輔「ありがとうございます」
事務所の全員が拍手する。

達也は穴を掘っている。

海老沢「いい気になるなよ。お前がチヤホヤされるのも、俺が民事事件で稼いでやってるからだ」
圭輔「海老沢さん、金儲けだけが弁護士の仕事じゃないですよ」
海老沢「…」

掘った穴に凶器を入れる達也。

白石と二人で話す圭輔。
白石「お前のお陰で、ウチの株はあがったよ。だが、刑事事件は金にならん、ははは。それでも、刑事がやりたいか?」
圭輔「罪を犯した人間に、償いの機会を与えること。冤罪をなくすこと。それが弁護士の責務だと思っています」
白石「それだけ正義を語れれば立派だ。だがそのためには、結果を出し続けなきゃならんぞ」
圭輔「はい」
ブラインド越しに真琴を見る。
真琴も圭輔を見る。

圭輔「所長、真琴さんの件、進めます」
白石「まあ、たまには、二人で家に来い、ふふ」
圭輔「ありがとうございます」

公衆電話で警察に電話する達也。
達也「あの、情報提供なんですけど。丸岡運輸の強盗殺人事件、犯人は、スナック勤務の男です」

道子のスナック「たっちゃん」。
達也の舎弟・田口優人(栁俊太郎)が佃紗弓(柳英里紗)を殴る。
達也が声をかける。
達也「嫌な役割ばっか押し付けてごめんな」
優人「いえ、達也さんに比べれば全然…」
達也「頼りにしてる」
優人は達也の顔を見る。

達也は殴られた紗弓を抱きしめる。
達也「紗弓、俺、嬉しいんだ。お前のほうが苦労してきたのに、俺のためにこんな事までしてくれる」
紗弓「私、達也さんのためだったら何だって出来るから」

達也が店の外に出ると、パトカーが止まっていた。
警官「安藤達也さん、署までご同行願います」
達也はまぶしそうに空を見上げた。

達也からの弁護依頼

春 2ヶ月後。
街を歩く圭輔と真琴。
真琴「昨日の名古屋の判決聞いた?あの判例、今後の裁判に影響しなきゃ良いけど」
圭輔「勉強熱心だねえ、真琴さんは」
真琴「からかわないでよ。私だって圭輔に追いつきたいの」
圭輔「週末、どうしよっか?何か食べに行く?」
真琴「たまには私が作ろうか?」

白石法律事務所。
スタッフに弁護依頼を渡される圭輔。
白石「依頼殺到だな、奥山。体がいくつあっても足んないだろ?」
圭輔「全部引き受けますよ」
白石「そうか、ははは」

その中に、圭輔宛ての手紙が入っていた。
差出人の名前はない。
封筒を開けると、2人の少年が映っている写真が入っていた。
その写真を見て唾を飲み込む圭輔。
それは、達也の義母・道子からの弁護依頼だった。
圭輔は慌てて写真を背広の内ポケットにねじ込み、カバンを持って部屋を飛び出した。
トイレに駆け込むと、薬を取り出し、慌てて飲み込んだ。

★圭輔の回想シーン★
達也との初めての出会いの場面。
達也は、圭輔の母のいとこの息子だった。
近くに引っ越してまだ馴染めなかった達也に「友だちになろうよ」と言ったのは圭輔だった。
達也は圭輔の部屋で「カメラを借りるよ」と言う。
「お父さんのだから、お父さんに聞いてから」と言う圭輔に「すぐ返すからさ。友だちだろ?」と言って2人で写真を撮る。
達也はそのカメラで、圭輔の母の着替えている写真を撮った。
母はそれに気づかない。
達也は圭輔を見て笑う。

圭輔はトイレで吐いていた。

「友だちが手に入れば良いかな」

検察庁。
机に向かっている茂手木一之(堀部圭亮)。
「茂手木検事」
「何ですか?」
「安藤達也ですが、私設弁護人を希望しているようです」
「今さら何を言ってるんだ。受けてくれる人なんていないよ。まあ、いずれにしろ有罪には変わりない」

拘置所の中の達也。
「いや、奥山弁護士は必ず助けてくれます」

★達也の回想シーン★
少年の頃の達也と義母の道子。
道子「達也、今度もきっちり頼むよ」
達也「楽しければ何でも良いけどね」
道子「はは。あんたって本当に金には興味ないんだね。欲しいものとかないの?」
達也「友だちが手に入れば良いかな」

心療内科「吉田クリニック」。
精神科医・吉田肇に注射を打ってもらう圭輔。
吉田「しばらく顔見せないから元気だと思ってたよ」
圭輔「…」
吉田「ここはお前の家でもあるんだ。もっと帰ってきても良いんだぞ」
そう言って、圭輔に薬を渡す。
圭輔「ありがとうございます」
吉田「どうした?急に薬をくれなんて」
圭輔「達也の母親から連絡がありました」
吉田「なんだって」
圭輔「事件を起こして起訴された達也の弁護依頼です」
吉田「それで、どうするんだ?」
圭輔「病気の事は気づかれずにやってこれたんです。これまで築いてきたこの暮らしを、壊されるわけにはいきません」

「これは引き受けるべきじゃない!」

白石法律事務所。
「すべて安藤さんからです」
圭輔が手渡された封筒は10通くらいあった。
圭輔は、一通一通破いていく。
それを見つめる真琴。

海老沢「何やってんだよ?」
圭輔は黙って破り続ける。
海老沢は封筒を手にとる。

海老沢「なんなら、俺が担当してやろうか?」
圭輔「海老沢さんには無理ですよ」
海老沢は黙って封筒を置いた。

白石がスタッフに話しかける。
白石「奥山の奴、どうした?」
女性「ストーカーみたいに弁護依頼が来てるんです」
白石「丸岡運輸の事件じゃないか」
女性「ええ、そうなんですけど…」

白石が圭輔の所にきた。
真琴も立ち上がる。
白石「なに弁護依頼を勝手に断ってる?」
圭輔「…」
白石「俺に報告もなしか?」
圭輔「この事件はクロです。弁護に値しない」
白石「奥山、思い上がるな」
圭輔「これは引き受けるべきじゃない!」
語気が強くなる圭輔。

圭輔「別件があるので…」
カバンを持って事務所を出ていく。
心配そうな真琴。

白石法律事務所にやってきた道子

レストラン。
真琴は白石と食事をしている。
真琴「正直、良くわかんない。圭輔らしくない」
白石「なにか理由でもあるのか?」
首を横に振る真琴。
白石「あいつ、時々なにを考えているかわからない時がある。幼いときに両親を亡くしてることは関係してるのかな?」
真琴「圭輔のご両親って亡くなってるの?」
白石「知らなかったのか?お前にまだ、話してなかったんだな、あいつ。だいたいお前は、人を信用し過ぎるところがある。少しは疑うことを覚えろ」
真琴は黙ってワインを飲む。

白石「結婚相手、本当に奥山で大丈夫なのか?」
真琴「自分で決める。お父さんは口出さないで!」

白石法律事務所。
道子が入ってきた。
女性「御用があれば承りますが?」
道子「白石さん、いらっしゃいます?」
女性「白石は2人おりますが…」
道子「出来れば、2人!」
道子は圭輔の方を見て微笑む。
圭輔は道子に気づき、その場に立ち上がった。
少年時代に道子に背中を殴られた記憶が蘇る。

白石「なにか?」
道子「安藤道子です。無実の罪を着せられそうになっている安藤達也の母です」
白石「弁護依頼ですね?直接、奥山に?」
道子「いえ、この際、娘さんにご依頼しようかと。白石真琴さんに」
真琴「私ですか?」
道子「ええ。是非お願いします」
真琴は圭輔を見る。
白石「しかし、なぜ奥山だったはずが彼女に?」
道子「いろいろ調べたんですけど、直接お会いして確信しました。真琴さんて、ほんと名前の通り誠実そうでウソもつかなそう」
白石「わかりました。検討しましょう」
道子「必ず連絡くださいね」
そう言って、真琴に名刺を手渡す。
道子は圭輔を少し見て、そのまま帰っていった。

2人の死

白石法律事務所 白石の部屋。
白石、真琴、圭輔が話をする。

真琴「安藤は、以前勤めていた丸岡運輸を、被害者の本間とシフトの事でもめてクビになった。その恨みで強盗に入ったと一旦自白するけど、その10日後、供述を覆してる」
白石「自白強要か…」
真琴「そうだと思う。帽子の目撃証言もあるし、自宅から押収された紙幣には被害者の指紋がついてた。明らかに不利な証拠。このままなら求刑通り無期刑になる。でもこれ、無罪に持ってける可能性はゼロじゃない」
唾を飲み込む圭輔。

白石「奥山、どう思う?」
圭輔「…」
ため息をつく白石。

白石「真琴、やってみるか?」
真琴「…やらせてください。さっそく明日、接見に行ってみます」
呼吸が荒い圭輔。
白石「よし、わかった」
圭輔は部屋を出た。

トイレで手を洗い圭輔。
昔の記憶が蘇る。

★少年時代の達也★
達也は、ネズミのエサに白い粉を振りまいていた。
道子「なにしてんの?」
達也「実験だよ、睡眠薬の」
道子「ああ、なるほどね。で、奥山ん家はどう?絞りとれそう?」
道子を見て笑う達也。
達也「友だちがね、見つかったんだ」
ネズミは倒れている。

屋上。
服がはだけ、靴が片方脱げているエリが、座ったまま後ずさりする。
エリ「もうやめてよ。お母さんに全部言うから。絶対に許さない」

歩「ねえ、どうする?これ絶対ヤバいって」
達也「つまんないなあ」
そう言って、達也が歩を押すと、歩は女の子を押してしまい、彼女は落ちていった。

座り込む歩。
達也「俺は何もしてないよね?エリちゃんを落としたのは歩くんだよね」

圭輔が歩いていると、達也と歩が公園にいた。

歩「もうこれで終わりだからね」
達也「えっ!?こんなんじゃ足りないよ。お母さんに全部言っちゃうよ」
歩「いい加減にやめてくれよ」
達也「でも、歩くんが全部やったんだよね?」
歩「ちがう、達也くんだろ!?」
避妊具をポケットに入れる達也。

達也「そんなこと言うなよ。ぼくたち友だちじゃん」
歩「お前なんか友だちじゃない!」
走っていく歩。

歩の後姿を見ながらつぶやく達也。
達也「つまんないなあ」
圭輔は達也をじっと見ていた。

夜。
歩が両親に「おやすみ」と言っている場面。
外からそれを達也が見ている。
ベランダには灯油缶が置いてある。

歩の母「やっぱりなくなってる。私数えたの」
歩の父「コンドームの数、数えたの?」
歩の母「うん」
2人の会話をドアの外で歩が聞いている。

歩の母「下着もなくなってる気がするし」

達也が歩いている。
後ろの歩の自宅からは火が勢いよく燃えている。

両親と道を歩く圭輔。
圭輔「達也くんが家に来るの?」
圭輔の母「ご両親が共働きで、1週間大阪へ出張なんだって。困ったときは助け会わないとね」
圭輔「やだよ!呼ばないでよ」
圭輔の母「どうして嫌がるの?」
圭輔の父「圭輔、達也くんは他に頼るところがないんだよ」
圭輔「でも…」

そこはちょうど、火事があった歩の自宅前だった。
圭輔の父「残念だったな、立て続けに2人も…。どうなってるんだろうな」
圭輔の母「最近、なんか私、気味が悪くて…。(圭輔に)気をつけてね」
圭輔「お母さん!最近、友だちが死んでるのは、絶対、あいつが…」
圭輔が目を上げると、達也が圭輔の方を見ていた。
目を伏せる圭輔。

圭輔の母「なに?どうしたの、圭輔?」
圭輔は、首を横に振った。

「お母さん!こいつが、エリちゃんと歩くんを殺したんだ!」

圭輔の自宅。
帰ってきた圭輔と真琴。

真琴「なに、話って?」
圭輔「安藤達也の弁護、断ってほしい」
真琴「どうして?」
圭輔「これは、真琴さんが考えてるようなただの事件じゃない。」
真琴「どういうこと?私は興味深い否認事件だと思ってる。無罪の可能性だって…」
圭輔「そういう問題じゃない」
真琴「…嫉妬じゃないよね!?」
圭輔「それでも良い。とにかく断るんだ。君を守りたいから言ってるんだよ。頼む」
真琴「じゃあ、ちゃんと説明して」
圭輔「達也に会わせるわけにはいかないんだ」
真琴「達也?」
「しまった」という顔をする圭輔。

真琴「被告人知ってるの?」
圭輔「………」
真琴「私、ご両親のことも聞いてなかった。ねえ、過去に何があったの?教えてよ」
圭輔「………今は無理だ」
真琴「わっかんない。納得できないよ」
圭輔「………」
カバンを持って帰ろうとする真琴。

圭輔「真琴さん!真琴さん、真琴さん!」
真琴を引き留める圭輔。

圭輔「お願いだ……。元はと言えば、ぼくに来た依頼だ。だったら、ぼくに行かせてほしい。真琴さんは待っててくれ」
真琴「………わかった」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅に来た達也。
達也「おじゃまします!」
圭輔の母「ようこそ。自分の家だと思って楽しんでってね」
達也「はい!」
圭輔の母「どうぞー!」
圭輔は不安な顔をしている。

圭輔の父がリビングでタバコを吸っている。
圭輔の母「あ、お父さん。もう、タバコやめて!」
圭輔の父「(タバコを消して)ゴメン、ゴメン。(達也に)いらっしゃい」
達也「今日から1週間、よろしくお願いします!」

圭輔「ねえ、ぼく嫌だって言ったよ!」
圭輔の父「こら、圭輔」
達也「ごめんなさい。ぼくなんかやっぱり、来ないほうが良かったんですか?」
首を横に振る圭輔の母。
圭輔の父「そんなことないぞ。ゆっくりしてってくれ」
圭輔の母「圭輔!謝りなさい!」

達也は振り向いて圭輔を見た。
圭輔はリビングを出て行った。

圭輔の部屋。
達也がカメラの画像を圭輔に見せる。
そこには、圭輔の母の下着姿や、屋上でのエリの姿が残っていた。

圭輔「なんだよ、これ!?」
達也「圭ちゃんもさ、一緒にいろいろなことして遊ぼうよ」
圭輔「返せよ!」

圭輔はカメラをとろうとするが達也は渡さない。
達也「絶対楽しいから」
圭輔はベッドの上に倒れる。

達也はしゃがみこんで圭輔に話しかける。
達也「圭ちゃん、こいつらはもう、死んじゃったんだよ。何をしても、悲しまないんだよ。(笑って)だからさ、圭ちゃんも俺といっしょに…」
圭輔「達也くん、変だよ!」

そこへ圭輔の母が入ってきた。
圭輔の母「ケンカしてるの?」
圭輔「お母さん!こいつが、エリちゃんと歩くんを殺したんだ!」
圭輔の母「なに言うの!?」
達也「ぼくが悪いんです」

達也を見る2人。
達也「圭ちゃんが嫌がってるのに、お家にお邪魔しちゃったから」

圭輔の母「(圭輔に)ねえ、どうして仲良くできないの?」
母の顔をじっと見て、黙って部屋を飛び出す圭輔。
追いかける母。
立ったままの達也。

面会室での圭輔と達也

道子のスナック「たっちゃん」。
テーブルで向かい合って話す道子と真琴。

道子「達也は、可哀想な子なんです。16年前に父親が行方不明になって、ようやく離婚が成立して、浅沼から安藤姓に戻しました。その間もあの子、私のこと親身になって支えてくれて…」
真琴「あの、達也さんと奥山は、どういうご関係だったんですか?」
道子「本当はあの2人、凄く仲が良かったんですよ」
真琴「……そうなんですか」
道子「ええ」
影から紗弓が見ている。

雨の中、傘もささずに立っている圭輔。
真琴が圭輔に電話をしてきた。

真琴「圭輔、今どこ?」
圭輔「懐かしい場所にいる」
売地と書いてある。

真琴「安藤さんのお母さんに会ってきた。圭輔と安藤さん、すごく仲が良かったって言ってた。なのにどうして?」
圭輔「ぼくは過去から逃げてた。でも立ち向かう。そうしなくちゃ、ぼくたちの未来はない」
真琴「…なんの話?ねえ、圭輔」
圭輔「ごめん」
電話を切った。

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。
葬式に出かける両親。

圭輔の父「圭輔、留守番頼んだぞ」
圭輔の母「2人で仲良くね」
達也「はい」

両親を追いかけ、母にすがる圭輔。
圭輔の母「どうしたのよ?おかしな子ね」
圭輔の父「なるべく早く帰るからな」
圭輔の母「じゃあね」

両親が歩いていき、圭輔が後ろを振り返ると、達也が笑って言った。
達也「最近、葬式が多いね」

警察・留置場。

達也「どうして忌まわしい過去を忘れたがるんだろう?過去に学ばない人間は、同じ過ちを繰り返す愚かな存在だ。でも君はそうじゃない。そう、過去に向き合うときが来たんだ」

★圭輔の回想シーン★

両親が出かけた圭輔の自宅。

達也「いつもお世話になってるからさ、帰ってきて料理が出来てたら、お母さんとお父さん、きっと喜ぶじゃん!?」
そう言って、達也はカレーを作っていた。
圭輔は達也をじっと見ている。
達也「よし、できた!」

達也は、圭輔の父のタバコを吸い始める。
圭輔「なにしてんの?」
達也「お父さんも吸ってるじゃん。どうして子どもは吸っちゃダメなの?」

達也は圭輔の前に進み、タバコを差し出した。
達也「はい!」
圭輔「いらないよ!」
圭輔はその手を払いのける。

達也「圭ちゃん、ちょっと意気地がないところがあるよ。男でしょ!?さっき見たよ。まだママが恋しいの?圭ちゃんは子どもだよ」

圭輔は面会室で待っている。
達也が入ってきた。

達也「圭ちゃん、来てくれたんだね。信じてたよ。弁護、引き受けてくれるよね?」
圭輔「はあはあ……どういうつもりだ?…」
達也「だって、手紙に返事もないし、真琴さんに頼めば圭ちゃんが来てくれると思ってさ。ああ、勘違いしないで。圭ちゃんを呼ぶためだけだよ、真琴さんに頼んだのは」
圭輔「お前の弁護などしない!」
達也「……俺たち、生死を共に乗り越えた友だちだろ?」
圭輔「黙れ…話はそれだけだ」
帰ろうとする圭輔。

達也「せっかく久しぶりに会ったんだ。昔話をしようよ、圭ちゃん」
圭輔「必要ない」
ドアの前に立つ圭輔。

達也「終っていいの?俺、まだ大切なこと伝えてないんだよ!?きっと圭ちゃんがすごく知りたいことなんじゃないかな?心の底から。まあ座ってよ、圭ちゃん」
圭輔はゆっくりと振り返る。

達也「俺は17年間、ずっと圭ちゃんを見守ってきたんだよ」
圭輔「……」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。

達也「2人で作ったんです」
圭輔の父「すごいな、達也くん。ありがとう」
圭輔の母「良いニオイ。おいしそう」
圭輔の父「本当おいしそうだな」
圭輔は立ち上がり、灰皿の中の吸い殻を隠した。

キッチンに立つ達也。
ズボンのポケットから睡眠薬を取り出し、圭輔の両親の皿に入れた。
そして、その上からカレーを注いだ。

達也「お待たせしました」
圭輔の両親にカレーを渡す達也。
達也「召し上がれ」
圭輔の父「よし、じゃあ頂きます」
圭輔の母「頂きます」

圭輔は、ドアの前に立ったまま。
達也「ちょっと、話しにくいよ。なんか見下ろされてる感じで。圭ちゃんが俺を見下して良いわけないよね!?」
圭輔はゆっくりと椅子に座る。

達也「飽きた。やっぱり帰っていいよ」
圭輔「大切なことって何だ?」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。
圭輔の母がテーブルで居眠りしている。
横に立っている達也は笑っている。
圭輔は食べ終わった食器を流し台に持っていく。
そこで圭輔は、皿に残った白い粉を見つける。

達也「3つだけ質問して良いよ。なんでも答えてあげる」
圭輔「あの時、睡眠薬を入れたんだろ?」
達也「そんなことするわけないでしょ!?秘伝のスパイスでも入れたっけ?」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。
圭輔の母が風呂に入っている。
達也は、カゴに入った母の下着を手に取り、匂いを嗅いでみる。
圭輔が走ってきて、その下着を奪い取る。

圭輔「明日で終わりだよ。もう二度と、この家には入れない。絶対!」
達也「そうだね。来たくても来れないかな。寂しいなあ」

圭輔の母が風呂から出てきた。
圭輔の母「どうしたの?」
達也「いや、なんでもないです」
圭輔の母「今日、ありがとね」
達也は圭輔の母に抱き着く。
母は笑いながら優しく頭を叩く。
達也は圭輔の方を見る。
圭輔は2人を離す。
圭輔の母「ヤキモチやかないの。いつまでも子どもなんだから」
圭輔は母の手を払いのける。
圭輔の母「なに怒ってんの?」
じっと母を見る圭輔。
圭輔の母「じゃあ、おやすみ」
2階に上がる母。

達也は圭輔にタバコを持たせる。
達也「圭ちゃん。俺、先に入るね。いつまでも子どもなんだから」

圭輔「あの日、タバコを何本吸った?」
達也「それは圭ちゃんが一番知ってるじゃない」
圭輔「いいから答えろ!!」
達也「1本だけだよ」
圭輔「ウソを言うな」
達也「だって、加奈子さんタバコ嫌いじゃん」
苦しそうに下を向く圭輔。

圭輔「何で……もう1本あったはずだ!」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。
タバコの吸い殻がクッションの上に落ちる。
火が燃え上がる。
カーテンや壁に燃え移る。
圭輔が倒れている。
達也が駆け寄る。

達也「圭ちゃん!圭ちゃん!」
圭輔「…なに?なんなの?」
達也「火事だよ、逃げるんだよ!」
達也は圭輔の肩を抱き上げる。

圭輔「お父さん!お母さん!」
達也「大丈夫!先に逃げたよ」

圭輔の母「キャー!!!」
圭輔「お父さん!お母さん!」
達也「早く!!」

圭輔「お前が…あの火事を起こしたんだ!」
達也「なに言ってんの。警察の調べであれは、お父さんのタバコの不始末ってことになったでしょ!?」
圭輔「父はあの日タバコを吸ってない」
達也「じゃあ…誰の不始末だったんだろう」
圭輔「ぼくは吸ってない!」

★圭輔の回想シーン★

圭輔の自宅。
圭輔はタバコを咥えた。
ライターで火をつけようとするが眠くなる。
ライターに火がついた。

達也「タバコの火種がクッションに落ちるとね、中でゆっくり燃え広がるんだって。そんで、あるとき、一気にボワーっと…」
震えていた圭輔が立ち上がる。

圭輔「やめてくれ!」
壁にもたれかかる圭輔。

圭輔「あの火事は、すべてお前の計画通りじゃないのか!?」
達也「……質問は3つまでだよ」
カバンを持って帰ろうとする圭輔。

達也「デジカメ見つかった?あのときの」
圭輔「…」
達也「お母さん、いい女だったよねえ。今でも思い出すと興奮すんだよ。俺、もっともっと加奈子さんと一緒にいたかったな。透き通るような白い肌してた。(脇腹を指さし)ここにホクロあったの覚えてる?デジカメで撮ったと思うよ、俺」
圭輔「もうたくさんだ!」
達也は左腕のやけどの痕を見せる。

達也「ほら、俺と圭ちゃんの、絶対に消えない友情の証だよ」
圭輔「…」
達也「弁護、引き受けてくれるよね?」
圭輔はガラスを拳で叩く。

圭輔「…誰がお前のなんか。はあ…」
カバンを持って帰ろうとする圭輔。

達也「良いの?圭ちゃんが引き受けなきゃ、真琴さんが俺の弁護することになるんだよ」
圭輔は黙って出て行った。

達也「大事な婚約者なんだろ?」

「彼を助けられるのは、僕だけだって…」

廊下を歩く圭輔。
記憶が蘇る。

★圭輔の回想シーン★

病院。
廊下を走る圭輔。

霊安室には両親の遺体。

圭輔「お父さん…うう、お母さん…うう、お父さん!お母さん!」
泣き崩れる圭輔。
そこへ達也が現れる。

達也「やったよ圭ちゃん。これ(カメラ)燃え残ってたよ」
圭輔「お父さん!お母さん!」

吉田の自宅。
圭輔の両親の位牌がある。

圭輔「絆という言葉は、ぼくは嫌いです。ぼくは、お父さんとお母さんが…憎い!絆があるから、苦しいんだ。それさえなけりゃ…過去なんか振り返らなくても…。なぜまたぼくに付きまとうんだ…。全部終わりだったんじゃないのか?」
圭輔の肩に手を置く吉田。

吉田「精神分析の世界では、彼のような人間のことを反社会的人格者と言うんだ。またはサイコパス。我々の理解は到底及ばない。圭輔、これからいったいどうするつもりだ?」
圭輔「仕方ありません。達也を再び社会に解き放つわけには…いかないでしょう」

白石法律事務所。
白石の部屋。

圭輔「すいませんでした。安藤達也に会って、考えを改めました。彼はぼくの弁護を望んでいます。引き受けようと思います」

道子の店の前。
道子の姿を写真に撮るジャーナリストの諸田寿人(淵上泰史)。

圭輔の自宅。
圭輔「安藤達也のことは、僕に任せてほしい」
真琴「圭輔がその気になってくれたならそれでいい。私も全力でサポートする。でも、どうして急に引き受ける気になったの?」
真琴を抱き寄せる圭輔。

圭輔「達也に会って気づいたんだ。彼を助けられるのは、僕だけだって…」
そう言ってキスをする圭輔。

(了)

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