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ドラマ「火花」第6話 ネタバレあらすじ

   

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Netflixオリジナルドラマ「火花」第六話

徳永太歩(林 遣都)「スパークス」のボケ担当
山下真人(好井まさお)「スパークス」のツッコミ担当

神谷才蔵(波岡一喜)「あほんだら」のボケ担当
大林和也(村田秀亮)「あほんだら」のツッコミ担当

緒方健治(染谷将太)日向企画社員
西田英利香(菜葉菜)日向企画社員
日向征太郎(田口トモロヲ)日向企画社長

渡辺(小林 薫)吉祥寺「武蔵野珈琲店」の寡黙な店主

百合枝(高橋メアリージュン)スパークス山下の恋人

あゆみ(徳永えり)徳永の昔のコンビニバイト仲間、今は美容師

宮野真樹(門脇 麦)神谷の彼女

ロクさん(渡辺 哲)徳永が暮らすアパートの住人

単独ライブのチラシ

日向企画の緒方が、「スパークス 単独ライブ」のチラシをコピーしている。
じっとコピー機を見つめる緒方が動かないので、「寝てるんちゃう?」と言う徳永。
山下が咳払いをしてみるが、反応はない。

コピーが終わり、「出来たよー!」とチラシを持ってきた。

構成作家のコラムに取り上げられてたと、緒方が雑誌を見せてくれた。

【独特の世界観を持つ徳永のボケと、華のある山下のツッコミが文字通りスパークする】

「ほんまや」と山下が言う。

「これに取り上げられると、必ずブレイクするってジンクスがあるらしいよ」と言う緒方。
「そんなんありましたっけ?」
「知ってます、この髙田……髙田知ってます」
「知らんやんけ、お前!」

「さっそく出たね、華のあるやつ……」と緒方。
「いけますかね?スパークス天下獲れますかね?」
「いや、いけんじゃない!?獲れんじゃない!?まあ、わかんないけど……」

「わからないんすか……」
「だって、スパークスは今、うちの事務所のイチオシだから」

西田が、プー・フブーブの単独ライブのチラシが届いたと社長に言う。
「いいねー! いや、なかなか出なかったんですよね、蛍光色のこの感じ。やっぱ、事務所イチオシ芸人だったら、これぐらい派手さがないと」

それに比べ、スパークスのチラシは白黒だった……
緒方が言う。
「あのね、仕事は人と比べてするもんじゃないの。「昨日より今日の自分、今日より明日の自分」って、加藤鷹先生も言ってたよ」

事務所にどんだけイチオシおんのじゃ!

喫茶店で、スパークスとプー・フブーブのチラシを見比べる山下と徳永。

山下が言う。

「露骨やなー」
「さっきのポポロ、プー・フブーブ ランキング4位やったよ」

「なにがイチオシやねん! 事務所にどんだけイチオシおんのじゃ! イチオシだらけやんけ」
「まあ、俺は白黒のがかっこええ思うけどな」

「いや、金かけてへんだけやろ」
「フェリーニの『道』も、ゴダールの『勝手にしやがれ』も、みんなモノクロやで」

「なんなんそれ?」

「パンダ、オセロ、遺影、人気のもんはみんな白黒」
「遺影?あの葬式の遺影?いや、流行り廃りないから」

「どうあがいても、最後はみんなモノクロや」
「やめとけよ。ほんで最近の遺影、カラーやからな!」

「ええやん、初単独ぐらい」
「次は絶対、カラーにしたろうぜ」

口で紙が破れる音を立てながら、プー・フブーブのチラシを破る真似をする2人。

最後に徳永が本当に破ってしまい、「えっ!?え、え!?」と驚く山下。

ハエ川柳と赤ちゃん

2005年。
シューマイを買う神谷。
徳永が金を出そうとすると「ええがな!」と言う。

「隙あらば小銭出そうとすな!」

シューマイを食べながら歩く2人。
井之頭公園でシューマイを食べる。

隣のベンチに、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた女性が座った。
その赤ちゃんが泣きだす。

神谷は立ち上がって側にいき、「お子さん、かわいいですね」と声をかける。
徳永もやってきた。

「尼さんの 右目にとまる ハエ2匹」
「恩人の 墓石にとまる ハエ2匹」

「神谷さん、それ何ですの?」
「これは、昨日考えたハエ川柳である」

「笑うわけないじゃないですか」
「お子さん、元気でいいですね~」

「ハエどもの 対極にいる パリジェンヌ」
「僕はハエ 君はコオロギ あれは海」

「怖がってますやん、もう」
「母親の お土産メロン ハエだらけ」

「……」
「ちょっとやめてもらえますか?」と女性が言う。

「神谷さん、ハエ川柳で赤ちゃん笑わないですからね」
「ほだらお前、やってみろよ。見てみい、お母さん困ってはる、可哀想やんか」

「あー、おい、おい、いないいない ばあー」
「いないいないいないー ばあー。ばあー」

「すいません」と言って、女性は赤ちゃんを連れていってしまった。

「本番前にお参りしとこうかな」

いつもの公園でネタ合わせ。

「小さなポッケに夢詰め込んで、2人でてっぺん目指したろかい!」
「ラクダもゴリラも笑かしたる! ダサいねんお前! ダサいなあ、お前! そんなことばっか言ってたらなあ、俺の手の甲お前の胸に押し当てて『もうええわ』言うたろかい!」

「なんやとお前!」
「いや、もうええ! どうもありがとうございました」

「ラクダとゴリラはないなあ。まあまあ、変えてそこ……」

ベンチに座る2人。

「やっぱりツッコミあれやな、なんか、一定というか……」
「一定……」

「最初、もっと落として、最後、いれたほうがええんちゃう?」
「うん……最初じゃあ、抑え目にいくわ。で、最後、後半強めに意識するわ」

「ま、これ、コンビ結成時から思ってたん……」
「コンビ結成時から思ってたん!? 結構、前から思ってたな。なんで言わんかったん?」

「初めてしゃべった時から……」
「初めてしゃべった時!?」

「こいつ、一定……」
「いや、覚えてない、お前と会うたとき、一番最初な、そんとき思うてたんや」

「こいつ一定やなって」
「言うてや、今後。ほかない?」

「いま、そんぐらいかなあ……」
「……ライブ、うまいこといくかなあ?」

「やるだけのことはやったからな」
「本番前にお参りしとこうかな」

「いらんよ、そんなん」

神社に一人でやってきた徳永。
1000円札を出そうとして、やっぱり小銭を入れてお祈りをした。

おみくじを引くと、小吉だった。

「真樹なあ、男できてん」

神谷と待ち合わせた徳永。
神谷がやってきた。

「ちゃうねん」
「はい?」

「だから、ちゃうねん」
「どうかしたんですか?」

「あんな、真樹の家に俺の荷物取りに行きたいから、ついてきてほしいねん」
「……全然大丈夫ですけど。なんかケンカでもしたんですか?」

「真樹なあ、男できてん」
「……えっ!? うそでしょ?」

「吉祥寺のキャバクラで働いてるって言うたやろ」
「はい」

「あれな、実は風俗やってんて」
「……」

「上京してすぐに吉祥寺歩いてたら、キャバクラのスカウトやって声かけられて、ほんであとから面接行ったらな、幽霊の格好してサービスする風俗やったらしいわ。あいつそういうの断らへんやろ」
「……」

「幽霊の格好してサービスするとか、そんな説明いる? 想像してまうからディティールまで……」
「……」

「ほんま、勝手な話なんやねんけど、なんか心臓痛いねん。好きやったんかもな」
「……」

「めっちゃ好きやったんかも……」
「……」

「全てはお前の股間にかかってんねん」

2人が歩いていると、徳永という表札の家があった。

「徳永やって!? これお前んちちゃうんかい? えー!?」

サイレンを鳴らしてきた緊急車両に、「救急車かと思ったらパトカーかい! パトカーかい!」

”その日の神谷さんは、普段からは考えられないほど、面白くなかった”

真樹の家に行く途中、神谷が立ち止った。

「徳永、すまん」
「なんですか?」

「俺……部屋行くの怖い」と言って帰ろうとする。

「じゃあ、僕、一人で行きましょか? なんか文句言われたら殺しますけど」
「いや……俺も行く。ほんで、男になに言われても、真樹のためやと思って黙っとく。でも、悲しいのも惨めなのも嫌やねん。だからすまんけど、真樹の部屋に入ったら、ずっと……」

「ずっと!?」
「ずっと……勃起しといてほしいねん」

「……勃起ですか?」
「感情的にヤバくなったらお前の股間見るわ。先輩が大変なときに、こいつ勃起してるやんて思えたら笑えるし、平常心保てるがな」

「それ、僕のリスク高くないですか? それ男に気づかれたら僕、問答無用で殴られますよ」
「殴られる理由としては珍しいから、顔面に傷でも残ったら、あとあとクイズで出題できるで」

「しませんよ。で、このタイミングで言うのもあれですけど、下ネタあんまり好きちゃいますから」
「頼むわ。全てはお前の股間にかかってんねん」

「いろいろすまんな、ありがと」

携帯で、いやらしい画像を捜し、勃起させようとする徳永を、後ろからじっと見つめる神谷。

「ちょっと待ってください……。読み込まないと」

真樹の部屋の前に来た2人。
徳永がインターホンを鳴らす。

「あっ、徳永くん。ありがとうね」
「おじゃまします」

真樹の新しい男が、コタツに入ってテレビを見ていた。

「すまんな、すまん」と神谷が言う。

真樹がお茶を入れようとするが、すぐ行くからと神谷は断る。

「すまんな、まだ家決まってなくて、全部持ってくのは無理やねんけど」
「いいよ、別に急いでないし」

「ほんまにすまん。明日、劇場の出番あるから、漫才の衣装と着替えだけとって……」

男が見ているテレビの真上に、神谷のジャンパーがかかっている。

「徳永……」神谷は徳永にとってもらう。

徳永が小物をバッグに入れていると、神谷の熱い視線を感じた。
急いで携帯の画像を見る徳永。
左手をポケットに入れ、股間を刺激する。
その様子を真樹は不思議そうに見ている。

「どうですか?」という目で神谷を見つめる徳永を見て、クッションで笑いを隠す神谷。
真樹も笑っていた。

「ほな、行くわ」
「うん」
「お邪魔しました」

「いろいろすまんな、ありがと」
神谷の言葉に首を横に振る真樹。

変顔をして笑わせる真樹に「何しとんねん」とツッコミを入れる神谷。

「体に気をつけてね」
「うん」
「徳永くんも」
うなずく徳永。

再び変顔をする真樹。

「もうええわ」が、神谷の最後の言葉だった。

立ち去る神谷と徳永を、真樹はドアの中からしばらく見送っていた。

「自分が命令したんでしょ!」

帰り道、クッションを持つ徳永は泣いていた。

「お前、なに勃起しながら泣いとんねん!?」
「してませんよ……」

「性欲の強い赤ちゃんか」
「自分が命令したんでしょ!」

真樹の部屋を見上げる2人。

「お前、さっき真樹の部屋で、ちょっとだけ自分のチンコいじくっとったやろ、あれせこいぞ」
「あんな状況じゃ無理ですって」

真樹の部屋のベランダの窓が開き、男が出てきたのであわてて歩きだす2人。
神谷はときどき振り返っていた。

おっさんの会計をする……

居酒屋にいる神谷と徳永。

「なあ」
「はい」

「そこに、一人で飲んどるおっさんおるやろ」
「いますね」

「生まれてからこのかた、この先にも、『自分にはいい事なんか一つもない』みたいな顔してはるわな」
「そうですか?」

「あれ、どう見てもそうだろ」
「そうですね」

「あのおっさん、店出ていくときに、誰かが自分の会計済ませてくれてたら、どんな顔すんのやろな」
神谷は立ち上がって、会計に向かった。

店の外で、おっさんが出てくるのを震えながら待っている2人。

「おっさんのちっさいちっさい幸せ、結構寒いですね」
「あのおっさん、ときどき見かけんねや。いつも一人で、ハイボールきっちり3杯飲まはるんや」

「ようそんなん見てますね」
「今日はタダや思うたらおっさん、マッチ擦ったときのマッチ売りの少女みたいな、パアーっと明るい顔すんのやろか?」

「なんでそんなんにお金使わなあかんのですか?マッチ売りの少女て、最後死にますやん」

「……寒いなあ」
徳永の股間を触ろうとする神谷。

そこへ、おっさんが出てきた。
頭を傾げて歩いていくおっさん。

「おっさん、こんなしてはったわ」と言いながら笑う神谷。

「……なにが可笑しいんですか?」

「せやった……せやった、せやった」

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テンションが高い神谷。

「徳永ー!お前酔うてるから、俺んち来い!」
「俺んちって……どこ行くんですか?」

「ああー、気持ち悪い……ああ」

ふらふら歩く神谷に「どこ行くんですか?」と徳永が聞く。

神谷は振り向いて笑う。

「せやった……せやった、せやった」

徳永が持っていた荷物をとり、歩いていく神谷。

ロクさんの宝物

徳永がアパートに帰ると、外にロクさんが座っていた。

「大丈夫ですか?」と声をかける。

「ああ!?」

以前はアパートの中にあった、ロクさんの集めていた電器製品が外に出ていた。

「捨てちゃうんですか?」
「大家の野郎がな……」

「……ひどいっすね。戻しましょう!」
「ん!?手伝ってくれるの?悪いな」

「これ何ですか?」
「ん、いまどきの電蓄」

レコードをかけてみる。

単独ライブ「Throw Sparks」

スパークスの単独ライブ「Throw Sparks」。

「どうもー、スパークスです、よろしくお願いします」

「いやーありがたいですね」
「仰山入っていただいて。こんな入るんですね」

「単独ライブですから」
「顔が全員わかりますもんね。ありがとうございます。知ってる人もおれば、知らん人もいますしね」

「そうですねー」
「嬉しいですね」

「初めての単独ライブですからね」
「ぱんぱん入ってますから」

「ほんまに皆さんのおかげでここまで来れましたから、ほんまにありがとうございました」と言って帰ろうとする徳永。
「ええっ!? ええっー!? ヤバいヤバい。ありがとうございました6回に2000円も払われへんから。こっから小1時間ありますから」

「単独ライブのタイトルってすごい大事なんですよ」
「大事なんですよ」

「困ると思いますよ、皆さんも単独ライブやるとき・・」
「やらへんから。いや、肉親とかでおる?単独ライブした人、俺おらへんもん。誰もせえへんと思うで」

「このタイトル決めるときね、ちょっとしたミラクル起きましてぼくら」
「あったっけ、そんなん?」

「あったやんけや」
「ええ!?」

「タイトルどうしようか言うてて、じゃあとりあえず、てきとうな言葉だそうや言うてて、出した言葉がこれなんです……」
「いや、ならへんよそんな。そんなミラクルある?じゃあまあ、てきとうな言葉言ってみようか、せーの」

「Throw Sparks!おー!?」(声をそろえて言う)
「ならへんから!そんな奇跡、テレビとか来るから。アメリカとかのテレビ来るで」

「ちゃうかったっけ?」
「ちゃうよ。大うそつきやんけお前」

「まあまあね、言うてますけども」
「うん」

「ぼくら、単独ライブなんて出来ると思ってなかったですよ」
「思ってなかったっすよね、ほんまもう……すごい!」

「事務所がね、ヤバいんすよ」
「やめろお前、事務所の人来てるから」

「ヤバい……」
「気まずいねん、来てるから事務所の人」

「あの、忘れもしないんですけど、初めて事務所に入ったときにね、社訓みたいのあるじゃないですか」
「ほんまこんな感じでね、野太い感じで飾られてんですよ」

「なんて書いてたと思います?」
「漢字4文字でね」

「他力本願て書いてある……」
「ほんまなんですよ。人に任せるてね。ヤバいですよ」

「まあ、そんな事務所ですから、社員もヤバくて」
「やめろてお前、来てはるから」

「ぼくらの担当マネージャーね。あのまー、ヤバい人でね。」
「緒方さんて……。言うてもうた、緒方さんて」

「緒方さんがヤバい人なんです」
「ヤバいて言うたらあかんねや」

「緒方さんの机ね、デスクって言うんですか?今もそうなんですけど、AVが山ほど積んであるんです」
「そうなんですよ、ほんまもう、思春期の学生ぐらい積んでるんですよね」

「どう反応したらええの?」
「うん、なんとも言われへんからな」

「たまにその、漫才のダメ出しとかしてくれはるんですけど」
「まあ、ぼくらに対してアドバイスみたいなんされるんですよ」

「だいたい、AV男優の名言を絡める……」
「言われるんですよね。どうしたらいいかわからないんですよね。女の体が、言われても」

「誰か何か言うてくれや思うて」
「うん」

「そしたら、目の前にいた女性の社員がね」
「社員が言ってくれたんですよね」

「いい言葉ね~」
「そっちいくんや、そっち側の味方なんや、てね」

「よう単独ライブできましたわ」
「こんな環境でね、できましたよほんまもう。小1時間ぐらいですかね、お付き合いくださいほんまもう」

「あー、カレー食べたい」
「しょっぱななんですけどね、ぼく……」

「カレー食べたいわ」
「あの、ぼくが体験した話……」

「カレー食べたいー」
「なんやねん、お前。なんや、カレーで邪魔してお前。カレー・ハラスメントやめろお前。邪魔やねん、俺がしゃべ……」

「いや、ちゃうねん。ちゃうねん、ちゃうねん」
「えっ!?」

「今日は単独ライブやって家出たらね、隣の家からカレーのええ匂いしてきて、もうそっからカレーの口なって、そっからずっとカレー食いたいねん」
「……知らん! それは知らん、出てきてカレーの匂いしたからカレーの話していいってちゃうから」

「えっ!?カレーの漫才じゃなかったっけ!?」
「したことないから、カレーの漫才って」

「俺らいつもターバン巻いてカレー……」
「やったことない、やったことない。ターバン巻いてカレー言うてん。ターバン巻いてカレーなんてしたことない。ターバン巻いて漫才はしたことあるかも知れんけど。それもないわ、ターバン巻いてカレーて、なに言おうとしてんねん。気になるわ」

「だからね、今日はカレーのために漫才やっていこうと」
「カレーのためにはやりたくない、お客さんのためにやりたい、俺は」

「わかりました」
「ちょっと集中してよ。カレーの話ばっかしてるから、ちょっとやめて」

「カレーあかんか?」
「頭ん中、カレーだらけになってるわ」

「ほんまやな」
「うん。やめて、カレーちょっと忘れて」

「カレー忘れよ」
「いや、ぼくね、インドアなんで、あんま出かけたりしないんですけど、結構インドアなぼくが、出かけて出かけ先で体験した話があるんですよ」

「なんやの、言えや!」
「いや、一人で出かけるやろそりゃ」

「いや、アメリカとかヨーロッパとかあるけど、俺もそやで」
「なんの話してんの?」

「俺も断然、インド派!」
「……」

「カレーの本場って言ったらインド、あー、カレー食べたい!」
「インドアって言うてんねん。俺、インド派って言うてない、インドア言うてんねん。カレーから離れて」

「ごめん」
「やめて。ぼく、温泉旅行行ってきたんです」

「ええな、温泉ええよなー。温泉と言ったらあれやん。食べた?温泉タマゴ?」
「温泉タマゴ食べたよ」

「あれ、カレーに入れたら美味いねん、味がまろやかになるからな。あー、カレー食べたい!」
「カレーの話やめてよ。なんなん、お前さっきから。頭おかしいんちゃう?なんでカレーの話ばっかすんの?」

「なんなん?」
「えっ!?」

「なんなん言うた、今?」
「えっ!?」

「カレーのこと・・あーカレー食べたい!」
「やめてって。カレーやめて。バーカ!」

「……」
「バーカ!」

「……」
「バー……」

「ハーイ!」
「……バー……」

「ハーイ!」
「……バー……」

「ハーイ!」
「……」

「ハーイ!」
「俺、バーカ言うてハーイやねん。ハーイだけ言うたらおかしいやん。カレーちょっとやめて」

「忘れなな」
「忘れて、カレー1回出しとこ」

「カレーーー!!!」
「大丈夫?」

「余計食べたい」
「余計食べたい……」

「カリーーー!!!」
「ほんまや」

「カリーーー!!!」
「カレー、食っとこ、1回。はい、カレーどうぞ」

「いただきます」
「箸で食うん?」

「……」
「カレー、箸で食うん!? もうええて! ええて! カレー離れて」

「離れた」
「大丈夫?」

「完全に離れた」
「お前もう、カレー言うたら……叩くで!」

「……」
「やめてや!」

「約束する!」
「わかったな!」

「で?」
「温泉旅館で一晩寝たんですけど……」

「一晩寝た、一晩寝かせたカレー美味いねんなー、カレー食べたい!」
叩く山下。
「出てるから、出てるからやめて!」

「言うてた?」
「言うてたやん。カレー食べたい言うてたやろ。6秒前くらい言うてたがな。やめて!」

「……」
「で、夜、寝てたん。ほんならね、背筋ゾクッて悪寒走って……」

「おかん!?おかんが作ったカレー、シンプルやけど美味い、あーカレー食べたい!」
「……もう無視すんで。今後お前のこと無視すんで。やめて。ほんで窓側から視線感じるから何やかなと思ったら、窓側に血だらけの女の人が立ってんねん」

「血、血は赤い、赤いと言ったら福神漬け、あーカレー食べたい!」
「ええかげんにせえよお前、どんだけカレーの話したいねん。めちゃくちゃ頑固やんけ」

「がんこ、がんこ、ガラムマサラ、あーカレー食べたい!」
「全然ちゃう、がんことガラムマサラ、全然ちゃう!」

「全然ちゃう、チャイ、あーカレー食べたい!」
「力強く、チャイて、なんやねんお前!チャイ!て、なんやねんお前、なんなんさっきから」

「なんなん?カレーの友、ナン、あーカレー食べたい!」
「そのナンちゃう。そのナンでもない」

「そのナンでもない?カレーの友、なん、あーカレー食べたい!」
「すいません、ぼくのミスです。ぼくのミスのせいでこんなんなってしまいました、すいません」

「お前のミス、ミスユニバース、ミスユニバースと言ったらスタイルがいい、スタイルがいいと言ったら代謝がいい、代謝が良くなる食べものと言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「だいぶ遠くから来たな。だいぶ遠いところからカレーに来たな。なんぼでもいけんちゃう、カレーに。500円玉」

「500円玉、500円玉と言ったら銀、銀と言ったらスプーン、スプーンで食べる食べ物と言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「お前すごない?誰でも出来んちゃいます?」

「やってみろや」
「ちょっとちょうだい」

「お客さん」
「お客さんと言ったら笑顔、笑顔と言ったら嬉しい、嬉しいと言ったら太陽が燦々としてる、燦々としてる太陽と言ったら丸い、丸いと言ったらお月さま、お月さまと言ったらまん丸、まん丸のもんと言ったらメガネ、なんやこれ!?めちゃ難いやんけ」

「全然あかんな」
「すごいなお前。レモン!」

「レモンと言ったら黄色、黄色と言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「すごいな!ひまわり!」

「ひまわりと言ったら黄色、黄色と言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「いやすごいな、信号機!」

「信号機と言ったら赤、赤と言ったら福神漬け、あーカレー食べたい!」
「赤でもいけんねん。黄色じゃなくて赤でもいけんねん。なんかちょうだい」

「お前もう、簡単なやつにしたるわ」
「簡単なやつ、あんねや」

「宇宙ステーション!」
「宇宙ステーションて簡単なん?え、宇宙ステーションて簡単なん?」

「……」
「宇宙、宇宙と言ったら月がある、月と言ったら丸い、丸いと言ったらメガネ、なんでメガネくんやろ!?」

「……」
「俺、なんでメガネいくんやろ?」

「メガネループやな、お前」
「メガネ!」

「メガネ、メガネと言ったら黄色、黄色と言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「メガネ、黄色とは限らへんよ。メガネ、黄色とは限らへんよ。なんなんお前。コーヒー!」

「コーヒー、コーヒーと言ったら茶色、茶色と言ったらカレー、あーカレー食べたい!」
「すごいな。お前、それでテレビ……なんやこの話!?」

「……」
「おい!俺は温泉旅館で体験した怖い話したいねん。お前のカレーの特技見せるためにこんな集まってもろたんちゃうねん」

「……」
「もうええ、お前とはこういう話は一切せえへんから。もうこういう話は一切せずに、俺は友だちとかにする、お前にはプライベートは一切出さへん」

「連発すんなよお前」
「なにをや?」

「もうええ、もうええ、モーと言ったら牛、牛と言ったらビーフ、ビーフと言ったら……」
「ビーフカレー……」

「あー、ビーフストロガノフ食べたいー!」
「いやカレーちゃうんかい、もうええわ! どうもありがとうございました」

いい知らせがあるんだけど……

控室の2人。

「わー、この人、徳永のことめっちゃ好きや」
「読んで!」

「徳ちゃんかっこいい、徳ちゃんの銀髪最高!」
「かっこいいとか言うか」

「徳ちゃんかわいいです、つきあいたい~」
「なんやねん」

「職業、歯科助手、年齢28歳。番号も書いてるわ」
そのアンケートをとろうとする徳永に「手え出すなお前」

「わ、なんやこいつ。テンポは良かったが、設定が良くない。1発目のボケが弱い」
「そりゃ、いつも来てるおっさんや」

緒方が入ってきた。

「お疲れさまー」
「お疲れっす」

「上出来ー、いやいや、上出来だよ。前より良くなったんじゃないの」
「正直、手ごたえ感じてます」
「あざっす!」

「あと、これ言っちゃおうかなー?」
「なんすか?」

「もう一つ、いい知らせがあるんだけど……」
「えっ、なんすか?」

「実は、宮田さんの深夜ラジオで、2分間だけネタやらせてもらえることになった」
「えーーー!?」

そこへ、西田と一緒に、構成作家の髙田が入って来た。
以前、雑誌のポポロにコラムを書いてくれた髙田だった。

”その頃ぼくらは、どうかしていた”

神谷から呼び出されて居酒屋に来てみると、神谷はテーブルで寝ていた。

「神谷さん……師匠……」
「おお……来たか……」

「寝てますやん」
「俺も今、来たとこや」

「半分目、閉じてますやん」

カラオケに来ている2人。
店員と肩を組んで歌う。
声を枯らして歌っていた。

”その頃ぼくらは、どうかしていた”

第六話(了)

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