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ドラマ模倣犯【前編】ネタバレあらすじ 感想批評 宮部みゆきサスペンス

      2016/09/24

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ドラマ「模倣犯 前篇」あらすじ&ネタバレ&感想

2016年9月21日放送のドラマ「模倣犯 前篇」

ドラマ模倣犯 後編ネタバレあらすじ

※こちらも参考にどうぞ
⇒ ドラマ模倣犯 相関図
⇒ 【映画】模倣犯 ネタバレあらすじ

一家惨殺事件

塚田真一(濱田龍臣)が自宅マンションに帰ってきてエレベーターに乗る。
耳にはイヤホンをつけている。
エレベーターを降り、自宅のドアを開けた真一は、前を見て一瞬止まる。
高層階の風で閉まったドアに驚いて振り向いたが、再び前を向きなおす。

イヤホンをとると、「ファッションモンスター」の歌が聞こえてきた。
ゆっくりと歩く真一の息遣いが荒い。
廊下を進み、左手にある浴室を見ると、そこには息絶えた小さな妹の遺体があった。

キッチンの中には、脚を伸ばして壁に寄り掛かって絶命している母の姿。
照明の暗いリビングを抜け、開け放たれた窓の外には、ベランダでネクタイ姿のまま胸を真っ赤に染めている父が横たわっていた。

腰を抜かして、ただそこにいるしかない真一だった。

発見された右腕

一年後。
東京都台東区、午前六時。
西今戸八丁目八の二十三の家のポストに、新聞が届けられた。
それと入れ替わりに、玄関を出る真一と犬のロッキーが、散歩に出かけた。

隅田川のほとりにやってきた真一とロッキー。
すると、ロッキーが突然、吠えながら走り出した。
数十メートル先にあるごみの集積所の中に頭を突っ込んだロッキーは、白い人形のような人間の右腕をくわえて出てきた。

追いかけてきた真一が思わず立ち止まる。
幾人かの通行人が驚いている。

そして、宮部みゆきサスペンス「模倣犯 前篇」のタイトルが浮かび上がる。

有馬義男の孫娘・鞠子の腕か!?

同日・台東区三ノ輪、午前九時 有馬豆腐店。
豆腐を切る有馬義男(橋爪 功)に話しかけるのは、近所で雑貨店を営む義男の幼なじみ・木田隆夫(吉田鋼太郎)。

店内のラジオからは、台東区の大川公園のゴミ箱から女性のものと思われる遺体の一部が発見されたとのニュースが流れた。
有馬と木田の動きが止まる。

ニュースが終わると、電話がかかってきた。
電話をかけてきたのは義男の娘の古川真智子(室井 滋)だった。
警察から電話があり、DNA鑑定のために、現在行方不明中の真智子の娘・鞠子(松本穂香)の歯ブラシや櫛を持ってきてほしいとの連絡があったのだ。
側にカバンと定期入れがあり、それは鞠子のものだった。

警察署に来た有馬と真智子

捜査本部のある警察暑。
警視庁捜査一課の叩き上げの刑事・武上悦郎(岸部一徳)が白手袋はめる。
そこには、有馬義男と娘の古川真智子がいた。
真智子は、鞠子の成人式の写真も持ってきていた。

鞠子が行方不明になって今日で九十七日目。
真智子の夫は愛人を作って家を出ていた。

発見されたカバンと定期券が二人の前に出された。
上野から有楽町までの定期で、期限は2016年3月30日まで、カタカナでフルカワマリコと書かれてある。
「鞠子のカバン!」と叫んで嗚咽する真智子。

一緒にあった腕も見せてほしいと、有馬は武上に願い出る。
しかし、見せることはできなかった。
「鑑識の所見によれば、十代後半から四十代までの女性、肩から先の右腕、肘の裏に小豆状の小さなアザと…」
武上の話を遮り、真智子は、鞠子には腕にアザはないと言って喜ぶ。
さらに、紫のマニキュアをしていたと聞き、鞠子はマニキュアなどしないと言ってさらに真智子は喜ぶ。

大川公園の腕は古川鞠子じゃない

そこへ、テレビ局HBSからの通報が入った。
ついさっき、ボイスチェンジャーを使った匿名の電話が報道部にかかってきたと。
「特ダネをやる。大川公園の腕は古川鞠子じゃない、古川鞠子は別の場所に埋めてあると…」
「おいっ!」と、部下の言葉を制する武上。
凍りついて動かなくなる真智子と有馬。
刑事たちは場所を移動した。

HBSは「会話を録音としていたので要請があれば提出する、しかし、報道部の番号を調べてかけてきたタレこみはガセとは思えないので未確認情報としてこのネタを流したい」と。
絶対に流させるなと神崎警部(益岡 徹)は指示する。
武上は録音を提出してもらえと指示。

武上が振り向くと、真智子の姿がなくなっていた。
有馬も気づかないうちにいなくなっていた。

真智子は日傘をさしたまま、警察署から出てきた。
ぶつぶつと独り言を言いながらぼーっと歩く真智子に、トラックが迫ってきた。
クラクションを鳴らすトラックをゆっくりと見つめる真智子。
日傘は空高く飛んでいき、真智子はバタリと倒れた。

フリールポライター・前畑滋子

東京都葛飾区 前畑鉄工所。
工場の中では、クレーンやフォークリフトが動いている。
前畑昭二(杉本哲太)は忙しくしていた。

布団から起き上がってきた昭二の妻・前畑滋子(中谷美紀)は、「だって低血圧なんだもん」と言いながらテレビをつけた。
ちゃぶ台の上には、夫が用意したであろう食事が準備されていた。
食べながらテレビを見る滋子。
HBSニュースで、大川公園の事件の速報が流れていた。
警視庁は、三か月前に失踪した桜葉銀行有楽町支店銀行員・古川鞠子(二十歳)の所持品と断定したと伝えた。
「鞠子…」とつぶやく滋子。

古川鞠子と聞き、滋子はあわてて書類を探す。
滋子は、連続失踪事件を追っていたフリーのルポライターだ。
滋子が手にしていた資料には、たくさんの女性の顔写真と情報が書かれてあった。
その中に、鞠子の名前があった。
《古川鞠子(ふるかわまりこ) 銀行員 東京都中野区東中野 2016年3月16日失踪》

雑誌「サブリナ」で再びルポを開始

車に乗った滋子に「安全運転で」と声をかける昭二。
滋子は、東中野警察署に来た。
鞠子の情報を聞きにきたが、長らく取材を中断していた滋子は冷たくあしらわれた。

朋憂出版社。
雑誌「サブリナ」の編集長・板垣雅子(高畑淳子)は、滋子のまとめた女性たちの資料を見ていた。
滋子が「サブリナ」編集部にこの企画を持ち込んだのは、2年前のことだった。
謝る滋子に、結婚などが重なったからねと、理解を示す板垣。
滋子は、自分の筆に限界を感じて結婚に逃げていたのだが、もう一度書きたいと板垣に願い出る。

板垣は、千葉県佐和市教師一家惨殺事件の生き残り・塚田真一が第一発見者だと告げる。
「悲劇の少年が、新たな悲劇の発見者になった、そういう切り口で書く勇気が、ずぶとさが滋ちゃんにある?」
「塚田君の住所と電話番号、今は父の友人・石井という家に世話になっている、原稿期待している」と板垣は言った。
滋子は何も言えなかった。

真一を追いかける樋口めぐみ

滋子は石井宅にやってきた。
すると、後から真一が走ってきて玄関に入ってドアを閉めた。

後から追いかけてきて、「逃げるなんて卑怯だよ塚田君」と言いながらドアを叩く樋口めぐみ(久保田紗友)。
「あなたには責任があるんだから、開けろ!」と叫ぶむぐみ。

振り向くめぐみに「あなたは!?」と声をかける滋子。
滋子を睨んだめぐみは、ふてぶてしい態度で玄関前に座った。
滋子はたじろぎ、何も言わずにその場を離れた。

滋子が上を見上げると、ベランダから下を覗き込む真一が見えた。
滋子は携帯電話を見せるジェスチャーをし、真一は中に引っ込んだ。
めぐみは玄関の前に座っている。

滋子は「ダメ元」とつぶやきながら電話をかけた。
真一は、電話に出ながら滋子の方を見た。
「助けが必要なら、私が…」と滋子が言う。

滋子の家に来た真一

滋子は車を裏口に回し、出てきた真一を乗せて車を走らせた。
めぐみは未だ玄関の前にいて、前を睨んでいる。

滋子は、大川公園のルポの一環で取材させてほしいと言う。
警察に誰にも話すなと言われていると答える真一。

真一は、石井家には帰らず、ホテルに泊まると言う。
「家出はダメだよ」と言う滋子に、「取材の協力をする代わりに匿ってほしい」と願い出る真一。
「もう二度と、あいつに会いたくないから…」

滋子は、真一を自宅に招き入れ、夕食を作っていた。
昭二が「両親は知ってるの?」と聞くと、真一は両親と妹が強盗に殺されたことを話しだした。
「知っててきたんですよね!?」と滋子に言い、滋子は何とも言えなくなる。

強盗殺人は裁判中で、さっきの女は犯人の一人娘・樋口めぐみだった。
死刑が求刑された父親の減刑嘆願書に署名しろと言っている。
被害者家族の真一が署名すれば、死刑判決は免れるだろうと、真一につきまとっていたのだ。

「おかしくない!?」と憤る滋子に、「あの事件を引き起こしたのは、僕だから…」と真一は話し始めた。
去年祖父が亡くなり、父親が現金で一千万円相続することになり、それをゲームセンターで友人に自慢していた。
それを聞いていたゲームセンターの店長の樋口が、強盗に入ったのだった。
樋口は、妹が小学校から帰ってくるときを狙い、家に侵入して妹を縛り、その後帰ってきた母親も縛り、帰ってきた父親も縛られ真一が帰ってくるのを待った。
一家全員捕まえて、金だけ奪って逃げる計画だった。
しかし、真一はバイトで帰りが遅くなり、しびれをきらした樋口が、父親を脅して金の隠し場所を聞き出そうとしたがうまくいかなかった。
妹、母親、父親の順に刺していった樋口。

真一は、「自分が友人に自慢さえしなければ誰も死なずに済んだし、樋口も殺人犯にならなかった」と、ずっと苦しんできたことを、一気に吐き出すように二人に話し続けた。
「君のせいじゃない」と言う滋子は、「じゃあ、誰のせいなんです?僕の家族、何も悪い事してなかったのに、なんで殺されなきゃいけなかったんです?」と真一に言われ、何も答えられない。

気が済むまで家にいればいいと言う昭一。
石井家には、滋子が話をすることに。

真一は、取材だけでなく、大川公園のルポの手伝いをさせてほしいと滋子に願い出る。
「あの事件と、向き合ってみようと思って…」
ゴミ箱の腕を見てから、家族の夢を見るようになっていた真一。
少しでも前に進むためのきっかけにしたいのだった。

有馬豆腐店を訪ねる滋子と真一

昭一は兄とともに、実家の前畑鉄工所の仕事をしていた。
昭一の母親は、子どもも産まず、食事や掃除・洗濯を夫と交代でする滋子のやり方が気に入らずに昭一に文句を言う。
そこへ真一とともに出かけようとする滋子が現れ、開いた口がふさがらない母。
昭一は、そんな滋子を応援し、真一を乗せた車で出かけようとする滋子に「後は任せろ、安全運転でな、滋ちゃん。真一君」と言って送り出す。

滋子は運転しながら、真一に小説家になりたかった話をする。
気づけば四十路前、ライターとしては負け組だが、このルポで起死回生の大勝負をするつもりだ。
滋子は、真一に自分のことを正直に話したかったのだ。

鞠子の祖父・有馬義男の豆腐店にやってきた二人。
ちょうど、木田が休業を知らせる張り紙をしていた。
HBSのテレビカメラが店の近くに来ていた。

真智子の夫・茂

真智子の様子を心配する滋子に、命だけは取り留めたと木田は伝える。
有馬は、台東医科大学に来ていた。
真智子はICU(集中治療室)にいる。

有馬は、真智子の夫・古川茂(吉見一豊)を真智子の自宅に呼び、話をしていた。
正座をして、しばらく下を向いていた茂が口を開き、一緒に暮らしている彼女が妊娠をしたと告げ、真智子の治療費・入院費・生活費は全て自分が払うから、この家を売らせてほしいと有馬に願い出る。
有馬は、開いた口がふさがらず、女のところへ戻れと吐き捨てた。

会社に戻らないとと言って出て行った茂。
一人になった有馬は「この家を売ったら、真智子や鞠子はどこに帰ればいいんだ、バカ野郎が!」と叫ぶ。

ボイスチェンジャーの男からの電話

すると、突然、電話がかかってきた。
電話の主は、ボイスチェンジャーで声を変えた男だった。
有馬は、警察署で聞いたことを思い出した。

「ケケケ、豆腐屋のジジイ」
鞠子は無事かと尋ねる有馬に「じいさん次第だ」と言う。
「今夜七時のニュースに出て、テレビに土下座しろ。犯人様、私の孫を返してください、ケケケ。アッハッハ!」

有馬は、本当の犯人ならなんでもしてやる、本当の犯人だという証拠を見せてくれと頼む。
「おもしれえ」と取引を切りだす男。

「今夜七時、六本木のロイヤルウェスタンホテル、フロントに来い。警察にはまだ言うなよ。最高級のホテルだからな、一番良い服着てこいよ。ケケケ」

「俺が本物だという証拠は鞠子の家にある」

有馬はホテルのフロントに来て、「有馬義男です」と告げると、「八時に最上階のバーで待て」と書かれた紙を渡された。
これを持ってきた男のことを尋ねたが、持ってきたのは制服を着た女子高生だった。

バーのテーブルにつき、時計を見ると八時になっている。
有馬は、明らかに周りとは浮いていた。

八時五分になり、スタッフから電話が来たと告げられ、子機を受け取った。
「もっと楽しめよ、じいさん、ケケケ」
有馬は、趣味の悪いイタズラに腹を立てながら、鞠子を返してくれと男に頼む。
「ケケケ、はっはっは!」と笑い、「俺が本物だという証拠は鞠子の家にある」と言って電話を切った。

有馬は、タクシーに乗って真智子の家にやってきた。
門扉にかけてあった紙袋を手にとる。
中には、鞠子のしていた腕時計が入っていた。
それは、有馬が鞠子にプレゼントしたものだった。
さらに中には紙が入っていて、それを読んだ有馬は頭を抱え、紙を落とした。
門扉につかまって泣き崩れる有馬。
紙には、「これで俺が本物だってわかったか。まだ終わらない。むしろスタートだ」と書かれてあった。

女子高生・日高千秋

同日。三鷹市・深夜二時 日高家。

日高道子(有森也実)は、薄暗いリビングでタバコを吸っていた。
昼間、道子は、娘の千秋(小松美月)が通う高校の職員室で、「両親の離婚がきっかけで千秋の素行が悪くなり、出会い系サイトで売春の噂もある」と告げられたことを思い出していた。

そこへ千秋から電話がかかってきた。
千秋は三日も家に帰らず、電話にも出なかった。
「今どこ?千秋!」と聞くと、「ケケケ」という声が。
道子は凍りつく。

「お宅の近くに児童公園あるよな。千秋がガキの頃、お父さんとお母さんと遊んだタコの滑り台…」
道子は千秋のイタズラだと思った。

「行ってやれよ。思い出の公園で千秋が待ってるぜ」と言い残し、電話を切った。

道子は児童公園にやってきた。
タコの滑り台のところにいた千秋の背中越しに、話し続ける道子。
返事のない千秋が泣いていると思った道子は、背中から千秋を抱きしめる。
ぐったりと後ろに頭を下げた千秋の首には、絞められた跡が残っていた。
道子は目を剥き、大声を上げて滑り落ちた。

捜査本部での捜査会議

捜査本部には、「大川公園女性死体損壊遺棄事件」「女性銀行員失踪関連事件」「三鷹市女子高校生殺人事件」の貼りだしがしてある。
千秋の殺害時刻は、発見時から五時間内外。
首に残った痕の指の長さから、犯人は男だと推定。

捜査本部管理官・田中管理官(国広富之)が、「ホテルフロントで、有馬宛てに封筒を届けた女子高生」のことを尋ねる。
防犯カメラによって、届けた女子高生は千秋だったことが判明したと報告する。
田中は、日高家と、古川家・有馬との接点を尋ねるが、なんの関係もなく、犯人は場当たり的に犯行を重ねていると報告。

HBSへのタレこみに関する声紋分析の結果を尋ねる田中。
科捜研で分析した結果、ボイスチェンジャーではなく、人工音声を合成して電話をかけたことが判明したと武上が報告する。
そのため、声紋での犯人の照合は不可能だった。
犯人は、ボイスチェンジャーでは声紋の照合が可能であると知っていて、犯罪捜査に精通していると推定。

竹本捜査一課長(日野陽仁)は立ち上がり、マスコミ対策をするように指示。
神崎警部はマスコミ対応が難航していることを報告するが、竹本は大声で強く指示する。

大川公園の腕のことを聞く田中。
刑事が、一人不審人物が浮かんだことを報告する。
腕が発見された六月二十一日の前日・前々日、その前の週の三度にわたり、友人名義でレンタカーを借り、大川公園にいた男がいた。
「元コンピュータープログラマーで盗撮の前科がある、品川区在住の田川一義(笠原秀幸)25歳、無職」

有馬を訪ねる滋子と真一

マスコミ各局が、大川公園、特別捜査本部のある台東警察署前、鞠子の自宅前などで中継をしている。
そのニュースを、真暗な部屋の中で真一は見ていた。
滋子はその様子を、隣の部屋から曇りガラス越しに見ていた。

滋子と真一は、有馬の店を訪ねた。
滋子が中を覗くと、有馬が中から出てきた。
有馬が店の戸を開けると、木田が貼った張り紙が落ちた。
どうやら有馬は張り紙のことは知らなかった様子。

電話がかかってきた。
「やあ、じいさん元気?」と犯人の声。
その声を聞き、胸を押さえて座り込む有馬。

田川は犯人ではなかった

鞠子を返せ、せめて声だけでも聞かせろと言う有馬に「ケケケ、私はみじめなじじいですって言ってみろ。何の力もない、弱くてみじめなじじいですって、はい…」
有馬は黙って受話器を置いた。

桶を持って外に飛び出した有馬は、頭にかぶって突然道の真ん中で踊りだした。
その様子を見つめる滋子と真一。

受話器からは「じいさん、もしもーし。じじい、早く言えよ」と声が聞こえる。
有馬は戻ってきて、黙って受話器を耳にあてた。

「じじい、俺を無視すんな、じじい!」という男に、「何怒ってんだ」と一言。
犯人は咳き込みながら、鞠子がひどい目にあってもいいのかと言う。

「風邪か?」と聞く有馬に「上等だよ、くそじじい!」と捨て台詞を吐いて電話を切った。
有馬は、道で踊ったのは、犯人が近くにいるかどうかを確かめるためだったと滋子たちに説明した。

店の奥の戸が開き、武上刑事たちが出てきた。
武上に「あなたは?」と聞かれ、帰ることにした滋子たち。

武上は、「電話はインターネット経由で、発信元は特定できなかった」と有馬に言う。
「鞠子はもう、死んでいると思います」と言う有馬。

武上は言う。
「あなたは弱いじじいなんかじゃない」
「ホシは風邪をひいていた、風邪をひくなら人間だ。人間なら捕まえられる。必ず我々が捕まえます」

田川に張り付いている篠崎からの電話が、武上にかかってきた。
田川は散髪屋で整髪中で、電話をかけておらず、風邪をひいている様子もなかった。

見つかった人骨

一週間後・中野区、午前六時半 坂崎運送。
「老眼見なかったか?」と聞きにきた坂崎弘光(温水洋一)に、料理をしながら「テレビの横でしょ」という妻。
坂崎が新聞を探していると、HBSテレビ報道部のディレクター・浅川智也(山中崇)が訪ねてきた。
犯人からHBSに電話があり、鞠子の骨が中野の坂崎運送に置いてあるとのこと。
坂崎はトラックのミラーにかかっていた袋を見つけ、震えながら中を覗くと、悲鳴を上げながら思わず袋を落とした。
落ちた袋の中には、数本の人骨が入っていた。

HBSニュースで鞠子のものとみられる人骨が発見されたという速報が流れた。
街中では、バスを待つ人たちが携帯のワンセグでニュースを見ている。

真一もテレビでそのニュースを見ていた。
そして、犯人からHBSにかかってきた電話の声が放送された。
真一はその場に座り込んでしまった。

そこへ滋子が帰ってきた。
青ざめた真一を心配して「大丈夫?」と声をかける。
「僕、負けたくないから」という真一。
有馬が闘う姿を見て、自分も逃げててはダメだと思ったのだ。
滋子はあわててテレビを消し、「無理に闘うことなんてないから。闘えるようになるまでは、逃げてていいんだから」と言う。

「日常を奪う権利は誰にも無い」

滋子が有馬豆腐店を訪れると、多くの報道陣が店先に押しかかていた。
木田は店の前に立ち、「帰れ!」と怒鳴る。

有馬は戸を開け、外に出てきた。
報道陣に、警察が照合中だと説明する。

木田は、「俺と一緒に警察に行って、側にいてやろうよ」と有馬に言うが、有馬は怒りだす。
「誰の側にだ。鞠子はな、俺の豆腐が大好きなんだよ、隆ちゃん。だから俺は、豆腐作って店開けて、鞠子が帰ってくるの待っててやるんだ。帰ってくんの待っててやんだよ!」
その言葉を、滋子はせつなそうに聞いていた。

奥から武上が出てきて有馬を呼び、DNA鑑定の結果、鞠子だったと告げた。
武上は、本部に戻るので有馬にも一緒に来てほしいと言う。
言葉が出ない有馬を見て、滋子は駆け寄り、自分が店番をして待っていますからと告げる。
有馬は頭を下げ、木田と共にパトカーに乗り込んだ。

一人店に残った滋子は手帳を取り出し書き込んだ。
「日常を奪う権利は誰にも無い」

「男が殺されたら、お前のせいだ」

すると、店の電話が鳴った。
滋子が電話に出ると、「あれ、あんた誰!?」の声。

滋子は固まる。
「じじいはどうした!?ショックで死んだか?ケケケ」

「あんた、バッカじゃないの!」と滋子は怒鳴る。
女性や年寄りをいじめるクズ、大人の男だったら何もできない臆病者と挑発する。

「だったら方針を変える。次は大人の男だ。男が殺されたら、お前のせいだ」
そう言って電話を切った。
滋子は、呆然として受話器を置いた。

「ついに容疑者浮上!イニシャルはT!」

武上は駅の売店で新聞を手にした。
「ついに容疑者浮上!イニシャルはT!」と書いてある。

パトカーの中で秋津と篠崎は、「誰がリークした?上か!?」と言い合っていた。
武上は「あせるな、秋、篠、上は上、現場は現場」と諭す。

三人はパトカーから田川の様子を見張っていた。
田川は、HBSテレビの浅川ディレクターと、増岡匡史(渡辺いっけい)プロデューサーと会っていた。

その現場が、車から写真に撮られ、「犯人か!?」とネットにアップされた。

滋子が料理を作っていると、新聞を見ていた昭二が「犯人がテレビに出る」と騒ぎ出す。

田川が生放送に出演

田川は曇りガラスの向こうに座り、声を変えてテレビに出演した。
自分は虫も殺せないと言って高笑いする田川。

増岡プロデューサーは「こいつ本当にシロなのか?もし、クロだったら、うちの局ヤベえぞ」と言う。
浅川ディレクターは、劇場型の犯人に見せるために生番組に田川を出したのだった。

田川は一方的に、自分の言いたいことをしゃべっていた。
滋子と昭二がテレビを見るなか、真一は離れたところで声だけを聞いていた。

すると、犯人から局に電話がかかってきた。
浅川は犯人からの電話をスタジオにつないだ。

犯人からの電話

「もしもしTさん!?ケケケ、こんにちは。犯人です」
犯人は、田川が顔を出して名前を名乗ったら、交換条件として右腕の残りの部分を返すと言った。
その瞬間、テレビ局はCMに切り替えた。

「お前ら、俺の話を真面目に聞く気があるのか、ふざけるな!」と怒った犯人は、電話を切ってしまった。
くもりガラスの向こうでは、「最高、面白えじゃん」と田川が笑っている。

「うちの局、終わった」とうなだれる増岡プロデューサー。
浅川ディレクターは、田川の顔をテレビに出そうとする。

そこへ、犯人から電話がかかってきた。
「さっきみたいな無礼な事をしないなら続けてもいいですよ」と言う。
浅川は、この後はCMを上げないと約束する。

CMが終わり、番組が再開した。
犯人は、田川に顏を出して名前を出すように要求。
田川はしばらく考えたあと、「俺の名前はTさんじゃない。俺の名前は田川一義だ」と言って顔を出した。

捜査本部に電話が入った。
テレビを見ていた主婦が、田川は大川公園で八歳の女児を連れ去ろうとした男だと通報した。
通報者は女児の母親で、田川は母親を殴って逃げていた。
武上は、幼女連れ去り容疑で田川に同行をかけるよう指示した。

テレビを見ていた滋子は、カバンを持って家を飛び出した。

「俺は顔を出した、被害者を返せ!」と叫ぶ田川。
犯人は「偉いよTさん、君は永遠の英雄で、永遠のバカだ」と言い、電話を切った。

犯人は二人

有馬は見ていたテレビを消した。
立ち上がって胸を押さえ、苦しそうに座っていた。
そこへ、滋子が「こんにちは」とやってきた。
有馬の様子を心配する滋子に「こんにちは、奥さん。心臓がちょっとね。心配いりません、犯人が捕まるまでは、死なないって決めてっから」と言う。

滋子は番組を見たかと有馬に尋ねた。
以前、店で電話を受けた時の話し方と、CM明けの話し方が違っていたと滋子は言う。
そこへ武上が入ってきた。
「犯人のしゃべりかたが何です?」
電話を受けたことを黙っていたことを滋子に問いただす武上。

有馬も、CM前と後では違う人間が話していたと言う。
「CM前は、子どもじみたふざけた話し方、ここに電話をかけてきた奴だ。でも、CM後は、冷静な大人の話し方、別人だ」
武上も、有馬の意見に賛同する。

CM前は「俺」、CM後は「僕」、犯人は二人いると滋子。
「あなた何者です?」と武上に言われ、滋子はやっとここで有馬に自己紹介した。

武上は滋子を店の外に連れ出し、犯人との会話について聞いた。
滋子は犯人を怒らせてしまい「次は大人の男だ」と言われたことを話した。
「男が殺されたら、私のせいだと…」

男性の犠牲者

同日・川崎市・午後十時。
木村えり(藤吉久美子)のもとに犯人から電話がかかってきた。
「やあ、木村さんの奥さん」と切りだし、朝から晩までマスコミで流れているこの声が電話をかけてきた意味は何だ?と質問する。
えりは嫌な予感がした。

殺す前に夫の木村庄司(飯田基祐)から聞いた話をする。
「(模型を)早く仕上げて、旦那の棺桶に入れてやれ」と言って電話を切った。

捜査本部。
被害者は木村庄司、五十二歳。日本住林ホーム勤務。宅地開発プロジェクトリーダー。
消息を絶った七月九日は、群馬方面を自分の車で単独で回っていた、正確なルートは不明。
七月九日以降、犯人からマスコミへのコンタクトはなし。
HBSには多数の苦情が寄せられ、次は報道しないと言質をとった。

犯人二人と木村の遺体

群馬県警から緊急の報告が入った。
今から四時間前、群馬県県道十二号、通称、赤井山グリーンロードにて、乗用車の単独転落事故が発生した。
衝撃で車のトランクが開き、中から木村庄司の遺体が発見された。
乗用車の中から、高井和明(満島真之介)二十九歳、高井の幼なじみ・栗橋浩美(山本裕典)二十九歳の遺体が発見された。
「犯人は二人組」から、高井と栗橋の二人が犯人と推定。

そこへ、緊急の報告が入った。
渋谷区初台の栗橋のマンションから、右腕のない腐乱した遺体を発見、他にもたくさんの女性が…。

栗橋浩美のマンション

渋谷区初台・午後四時。
武上たちを乗せたパトカーが栗橋のマンションに到着。
四階の栗橋の自宅クローゼットに、暴行を加えられた女性たちの写真が数多く貼られていた。
その中に、鞠子、千秋の写真もあった。

ベランダには、右腕がなく、紫色のマニキュアをした女性の腐乱した遺体が放置されていた。
被害者は、現在判明している他に少なくてもあと七人。

栗橋は、練馬区春日町の栗橋薬局の一人息子。
薬局は既に潰れ、両親は他界、一昨年からこのマンションに在住。
高井は、同じ商店街のそば屋の長男。
二人は幼なじみで、高井は足に障害があり、少し知能が低く、栗橋は精神に問題があったという情報がある。

二十一年前のヒロミとカズ

滋子は昼間から、自宅の風呂に入って、「なんであんなこと言っちゃったんだろう」と後悔していた。

二十一年前。
ヒロミ・栗橋浩美(山本裕典)、カズ・高井和明(満島真之介)、高井の妹・由美子(清水富美加)の幼い頃の思い出。
三人で、森の中の隠れ家で遊んでいた。
周りがカズをバカにしても、ヒロミはカズをバカにしなかった。
ヒロミは、カズに、姉の幽霊が家に出るという話をする。
姉は赤ちゃんの時に亡くなっていた。
ヒロミの名前は姉の名前だった。
姉が夢に出てきて、「私の体を返して」とヒロミに言うのだった。
ヒロミは姉に乗っ取られると怖がっていた。

カズは「僕がヒロミを守るよ。誓う。誓いを破ったら、死んでいい」と言う。

そば屋の新装開店の祝いにきたヒロミ

十九年後。
東京都練馬区春日町。

由美子がそば屋「増田屋」の外にいると、赤いスポーツカーに乗ったヒロミがやってきた。
助手席に乗せた恋人の岸田明美(石田ニコル)は胡蝶蘭を持っていた。

由美子は明美に、ヒロミとつきあわないほうがいいと忠告する。
ヒロミは嘘つきで、無職だし、車も服も親から金を巻き上げて、栗橋薬局は潰れかけていると。
「そのうえ、うちのお兄ちゃんからも時々お金、巻き上げに来るんですから」

その言葉を聞き、「今日は違うよ」と言うヒロミ。
「新装開店の祝い、届けにきてやったんだよ、バーカ!」と言って、持っていた胡蝶蘭の鉢を投げて割った。
それを見て笑う明美。
「どうした由美子」と、中からカズが出てきた。

カズはヒロミに会えて嬉しそうにする。
ヒロミは悪態をつき、由美子がいない時にまた来ると言って車を発進させた。
由美子は、ヒロミとのつきあいをやめないカズに愛想を尽かしていた。

助手席の明美は、今からオバケの出る心霊スポットに行こうと言いだす。
ヒロミは「今からだと夜になるから」と言う。
明美は「もしかしてヒロミ、オバケ怖い人?」とからかう。

HBSに電話をかけるヒロミ

二年後・大川公園。
マスコミが遺体が見つかったと中継している。
そば屋のテレビでもそのニュースが流れていた。
ニュースが気になる由美子の代わりに、カズが出前に行く。

出前の途中で、カズはヒロミの車を見つけた。
ヒロミは車の中から、HBS報道部に電話をかけていた。

ヒロミの様子を離れて見ていたカズの姿を、バックミラー越しに見つけたヒロミ。
カズはそのままバイクを走らせた。

由美子や両親がテレビを見ていると、犯人からHBSにかかってきた電話の音声が流された。
そこへカズが店に戻ってきた。
カズは「坂崎運送」「古川鞠子」とつぶやいている。
由美子は、カズが鞠子の名前を知っていたことを不思議に思った。
カズは、何かをつかまえようとする動きをしていた。

咳をしながらマンションを出てきたヒロミ。
目の前にはカズが立っていた。
「風邪かい?ヒロミ」

一昨年、ヒロミが引っ越したとき、カズが手伝い、その時の引越し会社が坂崎運送だったとカズは言う。
「古川鞠子って言った」
ヒロミは、その言葉に振り返った。

「今でも、死んだお姉ちゃんの幽霊、見る?」
ヒロミはいきなりカズの胸ぐらをつかむ。
「やめて」というカズに「幽霊なんて見ねえよ」と言って、ヒロミはカズを投げ飛ばし、歩いていった。

ヒロミからの電話

真暗なそば屋の店内で、カズは事件に関する新聞の切り抜きをしていた。
そこへヒロミから電話がかかってきた。
ヒロミは、カズが誰かに話したかを尋ね、黙っていてくれたことにホッとした。
ヒロミは、この前のことを謝り、「犯人はTなんかではなく、もっと頭の良い手ごわい奴さ」と言い、犯人に心当たりがあると言う。
犯人をさぐっている最中にカズが来て変なことを言うからカッとなったと説明した。

「自分も手伝う」というカズの言葉に、ヒロミは電話を持ったまま、笑いが止まらないのを我慢した。
カズは、「ヒロミが警察に届けないのはヒロミの友だちだから、ヒロミの友だちなら僕の知っている奴だ。助けがいるならいつでも僕に電話して」と言って電話を切った。

「電話があった?」と起きてきた由美子。
カズは「商店街の北側に出前があったら僕が行く。そっちには危険があるんだ」と言う。
そして、何かをつかまえる仕草をした。

ヒロミに呼ばれ群馬の別荘に来たカズ

カズは新聞を握りしめて、栗橋薬局の前にやってきた。
すると、携帯が鳴り、ヒロミからだった。
ヒロミは「犯人の別荘にいる。ここがきっと殺害現場だ」とカズに言う。
電話するヒロミの目の前には、ピース・網川浩一(坂口健太郎)がいる。
ヒロミはカズに「群馬の氷川高原の別荘に、誰にも見られないように車で来い」と言う。

カズは車の中で、住所を繰り返し言いながら別荘に向かった。
別荘に着くと、すっかり暗くなっていた。

ヒロミはカズを出迎え、「犯人は酒を買いに麓に行った」と言う。
「地下に怪しい物置がある」と言って、カズを地下に導くヒロミ。

カズは、小さい頃、ヒロミと蝶を取りに行った話をする。
「蝶はいなかった、最初からいなかった」
その言葉に、気まずい感じのヒロミ。

地下室で「おー、血だぞ、カズ!あの名刺入れ、調べろ、カズ!」とヒロミが言う。
その名刺入れは、木村庄司のものだった。
「ヒロミ、警察に知らせよう」というカズに「まだだよ」とヒロミは言う。

「まだ続きがある」と言って、ヒロミが布をめくると、木村庄司の遺体が出てきた。
カズは驚いて悲鳴をあげた。
「ははは」と笑うヒロミ。

「犯人は、カズの指紋を手に入れた、で、その次は…」
ヒロミはカズに向かってバットを振り下ろした。

中学の時、カズを殺そうとしたヒロミ

夜が明け、地下室に陽が差しこんでいる。
手錠をかけられたカズはゆっくりと目を覚ました。
そこへヒロミが入ってきた。
この別荘は山の一番上にあり、誰にも聞こえない。
「冒険は楽しかった?お前、理解できた?連続誘拐殺人事件の真犯人は…ケケケ、俺だよ」

カズは「うん、そういうことだと思っていた」と答える。
「あ?」と不思議に思うヒロミに、カズは言葉を続ける。

「でも、ヒロミの他に、犯人はもう一人いる。小学校四年生の時、僕らのクラスに転校してきたお金持ちの男の子…」
「ヒロミを操れるのは、ピースだけ」

カズはヒロミに、「ピースには危険がある、ピースから離れて、ヒロミは僕が守る」と告げる。

ヒロミはソファーに座ったまま、「あははは」と笑い転げた。
「俺を守ってくれたのはピースだよ。ピースは姉貴の幽霊を追い払ってくれた。俺はピースを崇拝して、お前が邪魔者になった」

ヒロミは中学の時の話を始める。
ヒロミはピースに言われ、図書室でカズの首をしめて殺そうとした。
周りの友人が止めてくれた助かった。
ピースは、少し離れた場所で見ていた。

「子どもだった俺は結局しくじっちまって…」

図書室を出るピースを追いかけ、ヒロミは「ごめん」と謝った。
ピースは振り返り「ヒロミに人殺しは無理だよ。よくわかったよ。バーイ」

ピースが去った後、ヒロミは姉の幽霊をまた見るようになった。

心霊スポットに行ったヒロミと明美

恋人の明美に「もしかしてヒロミ、オバケ怖い人?あはは」と言われたとき、ヒロミには、明美の後ろに姉の幽霊が見えていた。
「私の体、返して」とヒロミには聞こえた。

心霊スポットに着いたのは夜だった。
「やったー、オバケ見るぞー!」と明美は大はしゃぎをする。

廃墟ビルの中に入ると、霊感の強い明美は、白い服の小さな女の子の幽霊を見た。
「…帰る」と言いだす明美。
「あっ!?やっと着いたところだろ」とヒロミは言う。

ビルを飛び出す明美を連れ戻そうとするヒロミ。
暴れる明美を無理やり引っ張ろうとして、明美は倒れてしまった。

「おい、明美!」とヒロミは明美を探す。
ヒロミが見つけたのは、大きな穴に落ちて、バラバラのマネキン人形と共に横たわっている明美。
その腹には金属の棒が貫通し、明美は絶命していた。

「明美……、助けて、ピーーーーース!」と叫ぶヒロミ。

ヒロミとカズの会話、そしてピース…

「そして、奇跡が起こったー!」
何年も会っていなかったピースと電話がつながった。
ピースは、オバケビルの近くの、この別荘にいたのだ。
ピースはすぐに来て、明美を別荘に運び、庭に埋めて隠してくれた。

「ピースは言った、『僕がヒロミを守ってあげるよ。木を隠すには森の中、死体を隠すには死体の中、これから、たくさんの死体がいる、ヒロミ』」
「ピースは言った、『たくさんの死体が集まったら、それで僕たちの物語を作ろう。日本中が虜になる物語』」

「狙い通り、大騒ぎ。すると、Tさんのご登場だ、ケケケ」
田川をもてあそんだことを自慢するヒロミ。

大人の男として、ヒロミはカズを殺すことをピースに提案した。
「単純すぎてつまらない」と言われたので、別の男を殺した。
木村庄司を殺したのもヒロミだった。

「あの後、お前のトランクに遺体を積んだ、さてどうしてか?ケケケ」
金属バットを持ったヒロミは「お前と一緒にオバケビルまで運ぶのさ。なあ、カズ、全部自分がやりましたって遺書を残して自殺すんだよ!なあ、お前さ、犯人になれるんだぜ!これ、すげえだろ、ははは!」と高笑い。

「ヒロミ、僕は遺書なんて書かないよ」と言うカズ。
ヒロミは振り向き「もうピースは書いたよ。ピースは天才作家だ。ピースがつむぐ物語には、俺はいつもうっとりするんだ」

カズは言う。
「殺された人には家族がいる。その家族に全然説明できてないよ」
ヒロミはカズを見つめる。
「殺された理由も、君たちが殺した理由も…」
カズはヒロミの手を取って聞く。
「なんで殺したんだい?」
ヒロミは感情を爆発させ、金属バットを振り回して物を壊す。

「テレビ局に電話をする役もヒロミ、殺す役もヒロミ、このままではヒロミだけが犯人にされる」
カズは必死にヒロミを説得する。
「誰がお前なんか、バカでのろまなお前のことなんか、誰が信じるか、バカ―!」

カズは、そば屋の仕事をしながら、いろんな人に出会って知ったことを話す。
「ヒロミ、世の中の大人は、ヒロミやピースが思ってるほど冷血漢じゃないし、愚かでもないよ。大切なものがなにか、本当はちゃんとわかってるし、これ以上世の中が悪くならないために、何が出来るか探してる」
「悪い事は拒んで、できるだけ遠ざけて、大事な人を守ろうとする。僕がヒロミを守ろうとするみたいに」

「…なんでお前は、俺をそんなに守りたいんだよ。カズ…」

「目を覚ましてよ、ヒロミ。こんなこと、ヒロミには似合わない。ヒロミはそんな人間じゃない!ピースから離れて…」
そう言ったカズの背後から、ピースが注射針を打った。
「ピース、カズを殺さないで。ピース!」

「麻酔薬だよ、ヒロミ。」と言うピース。
「オバケビルに着くまでカズを殺さない、それが僕らの筋書きじゃない」
ピースがそう言うと、カズはゆっくりと倒れた。

「…ああ、そうだ、まだ殺さない」とヒロミ。
「向こうに着いたら、ヒロミが殺すんだよ」とピース。

「ああ、そうだ。向こうで俺がカズを殺す」とヒロミは言ったあと、ピースの後ろに姉の幽霊を見て悲鳴をあげる。
姉の幽霊を指さすヒロミに、ピースはゆっくりと近づく。

「お姉ちゃんが出た?」
ヒロミは声も出せずに頷く。
ピースは、ヒロミの手を固く握っていた。

車の中でのヒロミとカズの会話

カズが乗ってきた車にカズを乗せ、ヒロミが運転している。
カズは、さっき見ていた夢の話をする。
ピースが転校して来る前のこと。
ヒロミの家は商店街の北側、カズの家は商店街の南側。
「遊ぶ時の待ち合わせは」とカズが言うと「商店街の真ん中のパン屋の前だ」とヒロミが続ける。

車は赤井山グリーンロードを走っている。

カズは足が不自由なため、歩くのが遅かったが、ヒロミは怒らずに、パン屋を超えて南側まで来てくれた。
魚屋と風呂屋の前で、僕はいつもヒロミと出会った。
「はっはっは。だから俺を守りたいと思うわけ?」とヒロミは笑う。

バックミラー越しにカズを見ると、子どもの頃に二人でやっていた胸をたたく仕草をしていた。
「カズは、大切なことを思い出してるんだ。大人には、カズのすごさがわからないだけさ」
ヒロミは、由美子に言った言葉を思い出していた。

「俺は…本当はカズの事が大好きなのに…」
ヒロミは涙声になる。
「なんで…なんでこんな事を…」
「なんで人殺しなんて…」

カズは「警察に行こう」とヒロミに言う。
「終わりにしよう。こんな事は、終わりにしなくちゃダメだよ」

「…姉ちゃんの幽霊、また見るようになって…。殺しても殺しても、見るんだよ」
「なあ、カズ。俺、死刑かな?」

「幽霊は言い訳にはならないよ。でもヒロミは、ちゃんと治療するべきだと思う」

車は下り坂を走っている。
「警察までついてきてくれるか、カズ?」
「もちろんだよ、ヒロミ」とカズは言う。

ヒロミはブレーキを踏むが、ブレーキが効かない。
「ブレーキが効かない」
「えっ!?」
大きく揺さぶられる車を必死で操作する。

ヒロミは気がついた。
「ピースは…俺も一緒に殺すつもりで…」
「ヒロミ!」
「カズ、ごめん。お前まで巻き込んで」

急カーブを曲がりきれず、ヒロミは「あー!」っと叫びながら、車はガードレールを突き破って崖下に転がり落ちた。

被疑者死亡で送致

街頭の大型モニターで、ヒロミたちの事故の速報が流れ、真一はそれを見ていた。
滋子は自宅でテレビを聞いていた。

「一連の遺体遺棄事件の新たな被害者と見られます」
滋子は、トランクから見つかった木村庄司の遺体のことを知り、「男が殺されたらお前のせいだ」とヒロミに言われた電話を思い出していた。

警察は会見で、捜査終了後、被疑者死亡で送致すると発表した。

マスコミは、カズの実家のそば屋に押しかけてきた。
ライトが店内に浴びせられる。
由美子と両親は、厨房の陰に隠れていた。

カズがヒロミと共謀して犯行を行ったと報道する街頭テレビを見ている真一。
街をうろつく樋口めぐみ。
自宅でテレビを見ている有馬。
ICUで今も昏睡状態の真智子。

捜査本部の刑事たちは、テレビ報道を見ていた。
記者会見が早すぎると言う武上に、「上の判断だ、従うしかねえだろ」と神埼警部は言った。

ピースは、別荘でテレビを見ながらワインを飲んでいた。

滋子は「ごめんなさい。ごめんなさい、私のせいで…。ごめんなさい」とつぶやきながら、雑踏の中をさまよっていた。
ビルの大型モニターには、木村庄司の顔が映っていた。

ドラマ「模倣犯 前篇」終了。

 

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ドラマ「模倣犯 前篇」の総括及び感想

長かった。
映画一本分観た感じだった。
しかもこれでまだ半分、後篇が残っている。

このドラマは映画とは違い、原作にかなりの部分、忠実に作られていて、宮部先生も原作ファンの読者も満足されただろうと思う。
特に、ヒロミ役の山本裕典と、カズ役の満島真之介の演技には驚いた。
この二人の事しか記憶に残っていないくらいだ。

ヒロミの「ケケケ」というセリフはすごいと思った。
たった三文字に、ヒロミの異常性が凝縮されている。

ヒロミは、ピースが転校してくるまでは、カズの一番の理解者だった。
しかし、中学時代には、ピースの指示でカズを殺そうとしている。
どのようにピースに心酔するようになっていったのかが詳しく描かれなかったのが残念だった。
カズを思いやる心を持っていたヒロミが、どうして自堕落な生活に溺れるようになっていったのか、その過程が知りたかった。
カズの妹・由美子のセリフだけでは物足りないと思った。
しかし、そうなると三部作くらいにしないとだめなのだろう。

ベテラン俳優たちの渋い演技も良かった。
有馬義男役の橋爪 功、武上悦郎役の岸部一徳など。
特に、悪役がお似合いの岸部一徳の、抑えた演技が見ごたえがあった。

滋子役の中谷美紀の活躍は後篇からのようだ。
前篇では登場が少なかった、ピース役の坂口健太郎との対決が見ものである。

ドラマ模倣犯 後編ネタバレあらすじ

ドラマ模倣犯 相関図

【映画】模倣犯 ネタバレあらすじ

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Comment

  1. 匿名 より:

    模倣犯 後編へ
    上も下もリンクしていませんよ!

    後編の郎画に失敗し、見れなかった。
    このサイトの前編を読んで、ぜひこの続きを読みたいです!
    楽しみにしています。

    • Writerzlab より:

      あいすみません。
      現在、ねじりはじまきをしながら後編鋭意記事作成中です。
      本編がながーいので、チョッと時間がかかるかもしれません。
      いましばらくお待ちくださいm(_ _)m

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