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映画 実写版 『進撃の巨人』 町山智浩の解説/ネタバレ・あらすじ・ 批評

      2016/08/06

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「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」立体機動!
2015年8月1日(前編)/9月19日(後編)公開!

予告編

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キャスト

エレン(三浦春馬)―「自由」を求める者―
アルミン(本郷奏多)―心優しき賢者―
ジャン(三浦貴大)―反逆の刃―
サシャ(桜庭ななみ)―飢えた狙撃手―
ミカサ(水原希子)―戦場を舞う女神―
ハンジ(石原さとみ)―暴走する無邪気―

<<映画版の新キャラクター>>
シキシマ(長谷川博己)―人類「最強」の男―
サンナギ(松尾諭)―慈愛深き豪傑―
フクシ(渡部秀)―悲しみの守護星―
ヒアナ(水崎綾女)―勇猛なる母性―
リル(武田梨奈)―愛に生きる本能―
ソウダ(ピエール瀧)―嘆きの先導者―
クバル(國村隼)―「闇」を統べる者―

脚本を書いた町山智浩さんが『実写版・進撃の巨人』について語って下さいました。

町山さん解説・書き起こし

進撃の巨人の実写版。東宝映画です。8月1日公開なんですけども。これ、今日ですね……あ、そういえば山里さん、見てくれたんですよね?

(見てきましたよ)

どうでした?

(すごかった。面白かった。僕がすごい印象に残っているのが、僕、コミックスもアニメも見ているんですけど、巨人の人を捕食するシーンがいちばん怖かった)

すごかったでしょ?

(すごかった。いや、グロいし……)

よく、これ……こんなの作って大丈夫なの、って思いませんでした?

(そうなの?コミックでも相当怖いんですけど)

(いや、いろいろコミックとかアニメでね、ちょっと隠そうとしてきてた過激な描写が、映画で、なんのブレーキも踏まずにやっちゃっている感じ。内臓ビッチャビチャだし)。
これね、プロデューサーがものすごく映倫と掛けあってですね、もう根気よくやって、全部、あの表現を通過したんですよ、なんとか。

いま、この手の映画って全部テレビ局が制作じゃないですか。
そうすると、テレビで放送できないからこういう映画、作れないんですよ、現在。
だから、久々ですよ、これだけの残虐映画は。

どうでした?テンション的に、見ていてどんな感じになりました?

(いや、町山さんにいつもご紹介いただいている怪獣映画とか、あれ見ている感じ。特撮の)

はいはいはい。

(で、ちょっと原作を読んでいる人からすると、あれ?あ、こここんなに人、変わっちゃってる……みたいな驚きなんですけど)

はいはいはい。

(そこらへんは、どうしてなんだろう?とか聞きたいんですよね)

はいはい。今日はその話をしたいんですけど。
実は今日ですね、夕方ぐらいから全国で一斉にこの東宝の、進撃の巨人の一般試写が行われるんですね、初めて。

2万人ぐらい、同時に見るのかな?全国で。
で、たぶんその上映後ですね、アニメファンの人たちが大炎上すると思うんですよ。

(ああー、なんか、言わんとすることはわかります)

これね、キャラクターに大きな変更があるからなんですけど。

で、多分これね、「これは、原作暴行だ」っていう人がたくさん出てくると思うんですよ。

たいへんなことになると思うんですけど。今回、そのいきさつをちょっと話したいんですね。

ええと、僕がまあ、なぜこのシナリオをやることになったかって話も含めてですけど。

で、まず進撃の巨人っていうマンガについてザッと説明しますと、もうパッと説明しちゃうと、巨大な壁に囲まれた国があって、架空の国がありまして。

(はい。

その壁の外側には、人間を食う巨大な巨人たちがいるんですよ。
ところがその壁が破られて、巨人が中に入ってきて、人を食いまくってたいへんな騒ぎになるっていうのが進撃の巨人っていうストーリーなんですけども。

これは2009年秋にですね、別冊少年マガジンっていう雑誌の創刊号で連載が始まったんですけど。
で、これを描いた諫山創っていう人はですね、当時23才でまったくの新人だったんですけど。
その人をですねいきなり抜擢して、カラーでですね。
で、これが大当たりしてですね。まあこれ、担当の方が偉かったんですけど。担当の人もですね、編集者、入社1年目の川窪慎太郎さんっていう人だったんですね。

それでこの、完全にド新人の2人がいきなりカマしたこれでですね、講談社、それまで10年間、なにやってもダメで赤字でリストラで、本当に会社危なかったのが、いっぺんに立ち直っちゃったんですよ。

何やってもダメだったんですよ。おっさんたちが。いろんなことを。
この2人で立て直しちゃったんですよ。会社を。

(担当の方も、そんな新人だったんですね)

そうなんですよ。
この天才2人が作ったんで、しかも、2人とも結構イケメンなんですけど。
ま、それはいいや。

で、ですね、これを映画化しようってことになったのは、その前にですね、『告白』の中島哲也監督っていうのが映画化しようとしてですね、ちょっと試作フィルムも作っていたんですね。

それは現代の東京に巨人が現れるっていう、ぜんぜん原作と関係ない話だったんですけど。

それが流れてですね、突然、2013年にアニメ版が放送が始まる前なんですけど、僕ン家に電話がかかってきたんですよ。

で、樋口真嗣監督なんですね。樋口真嗣監督っていうのは『ガメラ三部作』とか『日本沈没』とかで有名な特撮監督と本編監督の方ですけども。

電話がかかってきてですね。「進撃の巨人をやろうと思うんだけど、町山さん一緒にやらない?」っていう電話だったんですよ。

で、これはもうたいへんな、びっくりしましてですね。
まあでも、脚本に映画評論家が参加するっていうのは結構よくあることで。

アメリカでも、いちばん権威のある映画評論家のロジャー・エバートさんっていう人が『ワイルド・パーティー』っていうおっぱい映画の脚本を書いたりとか。
ジェームズ・エイジーっていう評論家が『狩人の夜』っていう名作映画の脚本を書いたりしてんですけど。

ただ今回の場合は、ちょっとすごかったのは、この進撃の巨人っていうのは日本での実写映画化がほとんど不可能って言われていた作品なんですよ。

で、絶対に不可能で、ほとんどもう成功する見込みもないんじゃないか?とか言われていたものに、いきなり「ちょっと来ない?」って言われちゃったんですよ。

(へー!それはなぜ、町山さんにお声がかかるっていう経緯になったんですか?)

これね、樋口監督がね昔、高校生の時に、1983年にですね、『八岐之大蛇の逆襲』っていう自主特撮映画を撮ったんですね。
もう高校生で、たった1人でミニチュアから怪獣から撮影まで全部やって。合成まで。天才なんですよ。

で、いきなりなんの後ろ盾もなく、特撮界に突然現れた天才少年だったんで、まあ諫山さんと同じような人ですよだから。樋口監督は。
で、その時に僕はちょっと実は取材をしたことがあるんですよ。

僕も宝島っていう雑誌の編集部に入りたてで、それでまあ、その記事を書いたことがあって。でもその後はぜんぜん付き合いがなかったんですね。

したらまあ、諫山さんがずっとTBSラジオのファンで、ずっと僕のラジオを聞いてくれてたんですよ。

で、僕の名前が出て「あのバカにやらせてみるか?」みたいな話になったみたいなんですね(笑)

要するに、どうやって映画化したらいいかわからない状況だったから。
で、『ばかの手も借りたい』ことだったと思うんですけど。
で、僕としてはやっぱりこの時、『ホビットの冒険』でね、突然、そのドラゴンとの戦争に誘われたビルボの気持ちでしたよ。

それとか、いきなり世界チャンピオンの対戦相手にされたロッキーの気分ですよ。もう、本当に。

もう大変ですよ。それでね、どうしてこれが不可能だって言われていたかっていうと、規模の問題もあるんですけど、それ以上にですね、これ、原作の舞台がドイツなんですよ。

主人公の名前もドイツ人なんですよ。だからこれ、映画化が発表される前から、これは日本ではできないなって言われていたんですよ。

(町並みとかもドイツですもんね)

そうなんですよ。だから「日本人の俳優がドイツ人やるなよ」とかね、日本人顔してね、「ドイツ名、名乗るのかよ?」とか「草はえる」とか言われてたんですよ。
「ハリウッドにやらせろ」とか言われてたんですけど。

そう。だから樋口監督はね、これを軍艦島でね、撮りたいっていうアイデアがあって。
で、だったらもうこれ日本っていう舞台設定にするしかないと。
…いうことで、そっから始まったんですけどね。その作業がね。で、これも結構キャラクターの名前を全部日本名に変えるっていうアイデアもあって。それでもやってみたりね。
逆に開き直って、全員ドイツ名のままやったりとかね。

結構行ったり来たりしてて撮影直前まで結構悩んでいたんですけど。
でも、最終的にやっぱりね、主人公たちのグループは、原作どおり行こうってことになったんですよ。

エレン、アルミン、サシャ、ジャンはそのままで行こうと。
でね、屁理屈だけ考えてね、名前ってコロコロ変わるじゃないですか時代で。
で、今はホラ、エミリちゃんとかマリアちゃんとか日本人でいますけど、別に昔はいなかったでしょ?そんな名前。

で、いま、新左衛門っていう人はいないじゃないですか。
だから名前も変わったんだってことでいいかと。
で、一応調べてね。エレンっていう人は結構いるんですよ。沼田エレンっていうクラシックの演奏家もいますしね。

あと、サシャちゃんっていうのは、上田サシャっていうアイドルがいて。で、ジャンはね、鉄鍋のジャンっていう料理研究家がいますね(笑)

で、アルミンはね、岡田あーみんっていう漫画家さんがいますね。『お父さんは心配症』のね。

【漫画】お父さんは心配症 全巻セット (1-6巻 全巻) / 漫画全巻ドットコム

だからこれはまあ、いいかと。
でもね、それでもね、絶対に日本人の名前にはできないキャラがいっぱい出てくるんですよ、モロに、イッヒビンドイチっていう感じの人がね。
で、それはね、ベルトルト、ライナー、ハンネス、フランツ、ハンナ。
これはもう、どう考えてもドイツ人でしかないんでちょっと使えないと。
で、これは日本名にしました。はい。

だから日本名なんですよ。この人たちのキャラは。元になっているのは。
で、あと困ったのはリヴァイと、エルヴィンなんですよ。

(うわ、リヴァイとエルヴィンの、この、『ウ』にテンテンは難しいですね)

そう、『ウ』にテンテンって日本っていうか、東洋の方の音にないものなんで。
それをそのアジア人顔した人がその、『ウ』にテンテンっの『ヴ』っていうのを発音すると、やっぱなんか、おかしいんですよ。

で、まあそれ開き直ってやるっていう手もあるんですよね。
あの~、たとえばホラ、『のだめカンタービレ』でホラ、竹中直人さんがシュトレーゼマンさん演じてたじゃないですか。

あとホラ、阿部ちゃんが『テルマエ・ロマエ』でローマ人やっていたでしょ?

でもそれやると、コメディーになっちゃうんですよね。藤井隆さんのマシューなっちゃうんですよ。

ねえ、だからやっぱりこれは諦めるかっていう感じになったんですよ。
はい。ただ、リヴァイっていうのは人気キャラなんですよ、一番のね。

だから「リヴァイが出ないなら、実写版なんて見ないわ」つってファンの人がすごく多くてですね。非常にこれはね、難しい選択だったんですけど。
ただ、諦めたのは結構最終段階でね、結構ギリギリまで何とかね、一番大きいキャラとして出そうと思っていたんですけどまあ、難しかったですね、これもね。

(出しても出さなくてもね、クレーム来ますよ。出したら出したで、「こんなのリヴァイじゃない」って言う人も絶対に出てくるし…… うわあ、人気作品だけに難しいですね)

そうなんですよ。それもそうなんですけど、とにかく名前的にねリヴァイって旧約聖書に出てくるそのユダヤ人の名前なんですよね。

だから日本人がそれを名乗ってると、理由を説明しなきゃなんなくなっちゃうっていう問題があったんですけどね。

まあそれで、それはひとつ大きな壁だったんです。いっぱい壁があるんですよこの映画化にはね。困難がね。

そう。でね、もうひとつのね、どんな作業をしたかっていうと、実際僕ね、マンガの、コミックの最初から4巻目くらいまでをそのまま圧縮して90分にしたんですよ。

まったくそんまま、90分のシナリオにしたんですよ。90分で90ページなんですけど。

で、それを会議に提出して、原作者と編集者の川窪さんと、樋口監督とプロデューサーとあと、それをまとめる脚本家の渡辺雄介さんと僕とで、僕の書いた叩き台をもとにですね、ああでもないこうでもないって言いながら修正していくっていう作業をしたんですね。
たとえば今回は、原作では15歳くらいの男の子、女の子なんですけど。
まあ俳優の問題から、20歳ぐらいの設定にしなきゃいけないってことで。
したら、やっぱり、15歳の青春と20歳の青春って悩んでいるものとか違いますからね。

フェロモン的にもいろいろ違うんで、それも変わってくるんですけど。リアリティーがね。
そういうことをいろいろ調整したりしてたんですけどもね。
たとえば、馬を使わないとかね。そういうことやってったんですが。
ただ、一番大きな変更ってのは、この作品で一番大きな変更はですね、原作者の諫山さんから来た要請だったんですよ。

それはね、「主人公のエレンのキャラクターを変えてくれ」っていう依頼だったんですよ。

原作のエレンっていうのは、もうまったく恐れというものがない、猪突猛進の、とにかく巨人を倒すこと以外なにも考えてない少年なんですよ。

で、もう完全に、諫山さん曰くね、いかにも少年マンガのヒーローとして完成したものだったと。ただ、諫山さん自身は感情移入できないって言ったんですよ。会議の時に

ご本人がそれで、もし映画化するんだったら、エレンを非常にリアルな、巨人を見ると恐怖で身動きもできなくなっちゃうような青年として描いてくれという要望があったんですよ。

そうなんですよ。これで炎上する可能性があるんですよすごく。今回の試写で。

(まあ、たしかにエレン、ちょっとね、そうなの。ちょっとダメな要素も入っちゃってるんだよね……)

そう、主人公のヒーロー設定の変更してるんですよ。

根本的な部分だから、これ、全部書き直しになったんですけどその後。

で、ただね、この原作のエレンっていう少年が、なぜ巨人を恐れないかっていうと、小学生の頃に殺人経験しているんですよ。

幼い頃に、ミカサっていう女の子を救うために悪いやつを刺し殺してるんですね。
で、この2人は幼い頃に殺人を経験しちゃった、なんてか、まあ共犯関係で結ばれてる形なんですよ。原作では。

だからそんなになっちゃったらもう、要するに巨人どころじゃないですよね。子どもの頃に人を殺しちゃったらね。

で、ミカサはその自分を救ってくれて罪を背負ってくれたエレンのためだったら、人でも平気で殺すような…まあなんてか、うんまあ守護天使なんだけど、ちょっと怖い守護天使、殺戮の天使みたいなキャラクターなんですよ、ミカサは。

で、それで人気があるんですよ。

ただ、この話で主人公エレンが物語が始まった時に普通の人だったってことにしちゃうと、この殺人をした過去も消さなきゃならなくなっちゃうんですよ。今回のシナリオでは。
そうすると、ミカサとエレンの関係っていうものはそんなに強い絆じゃなくなっちゃうんですよ。

(青春の時のほれたはれたぐらいの関係性……)

ただの幼なじみですよね。で、しかも2人とも、罪を背負ってないから非常にイノセントな、ご覧になったらわかると思うんですけど、エデンの園のアダムとイブみたいなもんですよ最初は。この映画では。
これにはね、原作のファンの人は激怒するだろうなと。

(いや、まあたしかに驚く……あれっミカサが、そんな、あれー……?っていう)

そーうなんですよ。だからとにかく2人ともイノセントに始まるんですけども、そこから、大変なことになってくという話になりましたね。

だからこれね、諫山さんの要望はきついなと僕は思ったんですけどその時は。そっから組み立て直してみると、諫山さんの要望は、すごいなと思いましたね。

これ、ご覧になったらわかると思うんですけど、ものすごい厳しくてキツいドラマになっているでしょ?

ねえ。原作は要するに、主人公は絶対に負けない男だし、くじけない男だし。で、彼女の方は、それを命がけで守る女の子だからどんな地獄状況にあっても、それ、セーフティーネットなんですよ。

安心するですよ。ヒーロー・ヒロインで。読者はね。でも、この設定にすると、それも覆されちゃうし、守ってくれる、天使であるミカサすら奪っちゃうんですよ。

(エレンは本当に、どの作品よりも地獄だと思う。今回)

地獄なんですよ。今回、エレンはものすごい罪を背負って。で、その後が大変なんですよね。で、地獄の巨人との戦いに入ってくわけじゃないですか。
彼は1回罪を背負っちゃったから、後はもう自分を罰するかのように死に急いで、自分からどんどん危険に飛び込んで行くんですよね。

本当の死に急ぎ野郎になってくんですよ。で、これ非常に普通の青年が地獄を経験して、その贖罪を求めて地獄を巡っていくという恐ろしいドラマになったんですよ。

最初はアダムとイブだったんですよ。それが地獄に落ちるんですよ。

だからこれはね、諫山さんてのはすごいなと思って。普通、漫画家の人って自分が創りだしたヒーローっていうのは大事にするじゃないですか。
それにあえて重い枷をはめて、地獄に突き落としたんですよ、あの人は。

(いや、でも町山さん、大変でしたね)

でもやってみてね、あ、これは重くて深いわっていうか、諫山恐るべしと思いましたね。
はい。あの贖罪っていうのは『罪を贖う』って字ぃ書くんで、食べ物の材って書いている人がTwitterでいますが、間違ってますからね。はい(笑)

エレンとミカサが、映画ではラブラブみたいなことをファンの人は怒っているんですけど。

(予告編かなんかでね、そのシーンが、パッと出ちゃったんですよね)

そう。でもそんなシーンじゃないし、いま話したみたいに、そんな甘っちょろいもんじゃないんで。はい。

(そう。そこらへんのね、なんか、原作の2人がそんなことするわけないだろうって怒っていた人たちは、見たら、ああー…ってなる)

地獄に突き落とす話になってるんですよ。
でね、普通ね、普通原作者と編集者って映画化っていうことになったら、あれが違うこれが違うって言ってくるもんじゃないですか。

逆で。『映画として面白くするには、こんなことした方がいいよ』ってことばっかり言うんですよ2人は。諫山さんと川窪さんは。

これ、たとえば立体機動っていう武器があって。それで巨人を倒せるんですけど。それはなかなか見せない方がいい。1時間ぐらい見せんなって言われたんですよ、2人に。

そうなっていたから、地獄みたいな絶望が続くでしょ?延々と。

(人間はただ単に食いつくされてくだけの、恐ろしい地獄が)

そうなんですよ。だからこれ、すごいなと思って。さすがね、講談社を立て直したサゼスチョンだなと思いましたよ。
すごいと思った。

あとね、今回ね、前編後編で今回前編だけど、後編で完全に話を完結させるんですよ。

原作、なにもわからないですよ。巨人の秘密もわからないし、世界の秘密もわからないんですよ。でもそれ、全部決着つけますから今回。

そのためには、悪役が必要なんですよ。敵役が必要なんですよ。
でもそれも僕、原作に縛られていて、どうしたらいいかわからなかったんですよ。
したら川窪さんが、この映画、前後編が面白くなるかどうかは、この、あなたが作るキャラクターにかかわってると。かかってるんだと。
言われてね、まあ、自分で一生懸命考えましたけどね、はい。

でもこの2人はすごいなと思いましたね。本当ね。

(じゃあもう、まったく別物の、また楽しみ方ということになるんですね?

そうなんですけど。ただ、いま言ったみたいに原作者と編集者が非常に深く関わってくれて、しかもその、非常に重要な構造上のサジェスチョンもしてくれてんですよ。

はい。だからね、これはね、みんなのね、力でできたっていう感じでね。もうビルボーを、もう本当に感動ですよ、もう。

(町山さん、大変だったと思いますけど、映画作りにおいては、原作者の方とかとすごくいい関係性だったわけですね)

今回、すごくいい関係でしたね、はい。

でも、そうじゃないものもあるみたいですけど。
ただね、いまね、いまっていうかネット見てもわかるんですけど、『実写版進撃とか作るな!』とか散々書かれてますよ。

やめろとかね。マンガの実写化は成功したためしがねえじゃねえかとかね、どうせ失敗するとかね、これが上手くいかなかったら町山、映画評論家やめろとか書いている人いっぱいいますよね。

いっぱいいますよ!本当に。
でも、この映画は、絶対に勝ち目のない戦いに挑む話なんだから、作る側も、そうじゃなきゃ、おかしいじゃないですか!!

申し訳ないですよ主人公たちに。

これは本当に文字通りのこの映画の企画は、ジャイアント・キリングなんですよ。
巨人殺しなんですよ。だから、負ける可能性も高いし。
ね、でも、やってみなきゃわからないんですよ。

ねぇ。やってみなきゃわからない。それをまたどうせ失敗するとか言って、人を……ねえ、人が命がけで戦ってんのをね冷笑して、自分は何にもしない人たちもいますけども。
それ、確かにに安全だけども、勝つ確率はゼロだから!
何もしななきゃ!

ホント、壁の中だから!

(うわぁ、町山さん、戦士になってるわ。いまね、町山さんが立体機動装置で飛んでね、なんか……)

巨人とか、壁に挑む奴を笑うな!

後編、何もかもひっくり返す、めちゃくちゃな展開になっていますから。

(あと、大型の巨人がCGじゃなかったっていうのが驚きですけど…)

あ、CGって言われてます?CGじゃないですからみんな特撮で。

(すっごいクオリティーで。CGに見えちゃうんだけど、すごいの。

あの、本当に大きいモデルとか作ったりミニチュアとかそういうので撮影してる、特撮です。

(わかりましたぜひ拝見いたします。町山さん、ありがとうございましたー)

はい。どぉもでした!

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