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映画 『ジュラシック・ワールド』 町山智浩の解説/ネタバレ・あらすじ・ 批評

      2016/08/06

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ジュラシックワールド予告編1


ジュラシックワールド予告編2


ジュラシックワールド特別映像

2015年8月5日(水)全国公開!

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映画評論家の町山智浩さんが怪獣映画『ジュラシックワールド』について語って下さいました。

※もう一つの怪獣映画『ラブ&ピース』 町山智浩の解説はこちら
⇒ http://writerzlab.com/love_and_peace-matiyama

町山さん解説・書き起こし

今日は怪獣映画2本ていうか、俺、なんかこの番組で怪獣映画ばっかり紹介している……50すぎて大丈夫か?っていう(笑)
……思いますが。

それで、もう1本の映画はですね、なんと全世界最大の、史上最大のヒットになってしまった『ジュラシック・ワールド』です!はい。

はい!もう血湧き肉踊る、ジョン・ウィリアムズ作曲の名曲ですけども。これ、もう大ヒットでまた『アベンジャーズ』、抜かれてますけども)。
アベンジャーズは抜かれるためにあるのかとも思いますけども。

(あのアベンジャーズを超えた!ってすぐ言われちゃう。たしかに)

そうそうそう。で、もうとにかく6月12日に公開されてアメリカと全世界でもう新記録ですよね。
すーごい大ヒットをしてますけども。すでにね、アメリカだけで200億円稼いだっていうね、大変な事態で。全世界で500億円稼いだとか、500億円以上?大変なことになってますけども。
全世界最大の、史上最大のヒット作になっているのがこのまあジュラシック・ワールドですけど。

これ、話はご存知ですよね?

ユニバーサルスタジオでライドにもなってますからね。
スティーブン・スピルバーグが監督した、もう22年前の映画なんですけども。

一作目、ちょっと簡単に話を説明しますと、1993年の映画でですね、『ジュラシック』っていうのは『ジュラ紀』っていう、恐竜時代の遊園地っていう意味ですけども。
恐竜時代の化石に入っていたですね、蚊の体の中に入っていた恐竜の血液からDNAを取りだして、そっからですね遺伝子操作によってクローンで恐竜を作り出す、っていう話なんですね。

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中南米にあるコスタリカっていう国の島を買い取って、そこをジュラシック・パークっていう遊園地にして、恐竜たちと遊ぶことができるというものを企画しているんですけども、一般にオープンする前にですね、恐竜が暴走をして大変な大惨事になると。
いうのがまあ一作目だったですね。

で、まあすごい恐怖映画だったんですけど。恐竜が次から次に襲っていって、大変な事態になるんですけども。
それだけ酷い大惨事になったにもかかわらず、そこがついに、本当に一般客にオープンしたっていうのが今回のジュラシック・ワールドなんですよ。

それがジュラシック・ワールドになった、オープンしたっていうのは、インドの、まあインドお金ありますからねいまインドと中国ね。インドの通信会社がそれを買収してオープンさせたっていう話になってるんですよ。

でね、これ自体がね、ひとつのギャグになっていて。
スティーブン・スピルバーグの制作会社のドリームワークスっていうのは2008年の金融危機の時に、まあ逃げ抜けたのは、インドの通信会社に買収されたからなんですよ。リライアンスっていう会社に。

だからそれ自体をこう、ジュラシック・パークっていうスピルバーグのフランチャイズを救ったのが、パークをオープンさせたのがインドの会社っていう風にひねってるんですね。

で、そのジュラシック・ワールド、オープンして一般のお客さんが何万人も入って、満員御礼で大儲けっていうところから映画は始まるんですよ。

はい。もうそれ聞いただけで、すっげーイヤな予感がするわけですけど(笑)

で、嫌な予感をさらにね、裏付けるっていうかね強化するのがね、今度はね、今回のジュラシック・ワールドの最大の売りはですね、史上最強の恐竜を超えた恐竜ってのが出てくるんですよ。

で、史上最強の恐竜っていうのは、ジュラシック・パークでも大暴れしていたティラノザウルス・レックスという恐竜ですけども。
で、そのDNAにさらにもっといろんなDNAを足して、超最強の恐竜ってのを人工的に創りだしたっていう話なってんですよ、今回。

(うわあ、危険なやつを… 作っちゃったねー)

そうなんですよ。それがね、インドミナス・レックスっていう名前なんですけども。
この新恐竜っていうか人工恐竜は、ものすごく頭がいいだけじゃなくて、いくつもの特殊能力を持っているんですよ、X-メンのような。

これ、言えないんですけど、どんどん展開していくんで。
で、それだけじゃなくて、餌のためにティラノザウルスは動物を狩りますけども。そうじゃなくて、このインドミナス・レックスっていうのは、単なる殺戮の楽しみのために他の動物を殺戮しまくるという超凶暴恐竜なんですよ。

すごい、だからもう、むやみやたらと殺しまくるんですけど。しかも、その『インドミナス』っていう名前はラテン語でなんかね、『凶暴すぎて飼いならせない』っていう意味らしいんですよ。
じゃあ、そんなもん作るなよ!と思いますけども(笑)。順調に、なんかね、破滅に向かっているわけですけども。

で、なんでそんなもんを作ったか?っていうと、お金儲けが目的なんですね。このジュラシック・ワールドのマネージャーを任されている人はクレアっていう女性なんですが、彼女はいわゆるキャリアウーマンバリバリを目指してて、ビジネスのことしか考えてないんですね。

で、タイアップでその新型の恐竜、新種の恐竜を作って、その名前を、学名を企業に売ろうとするわけですよ。
冠恐竜みたいなものを作ろうとしてやってるんですよ。
で、またね、この映画すごいのは、そういうアコギなタイアップ計画を計画している彼女が飲んでいるコーヒーがスターバックスだったりすんですね。

(あ、そこらへんも、お金のかおりが…)

そうそう、そのシーン自体がタイアップじゃねーかよ!っていうね(笑)。

(リアルな世界でのね、タイアップ)

すごいなこれと思いましたけど。でね、このクレアっていうマネージャーの女性を演じているのは、ブライス・ダラス・ハワードっていう名前の女優さんでですね。

150624_009

この人は、結構嫌な女の役をやるのが得意な人なんですけども。『ヘルプ 心がつなぐストーリー』っていう映画が結構有名で…。

ヘルプ 心がつなぐストーリー【DVD特別版】

それはすごく人種差別的な南部の嫌な女の人をやってるんですけど、あまりにも悪すぎて、ウンコ食べさせられちゃうんですよ。

そういう役をやっていた人で。今回もね、すごい気取った女の役なんですけども。いつもね、すっごい高いハイヒール履いてるんですよ。
で、ジュラシック・パークってでも、ジャングルじゃないですか基本的に。ジャングルなのに、タイトスカート履いてね、ハイヒール履いてんですよこの人。

あとね、恐竜から逃げるシーン……当然、恐竜から逃げるシーンばっかりなんですけども、その時もハイヒール履いてるんですよ。
で、これ、大変だなと思ったら、インタビューでね、「私はこの映画のためにハイヒールで全力疾走するように、ものすごいトレーニングしたの」って言ってるんですけど。
なんか間違っているようなね、正しいようなよくわからない、素晴らしい感じなんですけど役作りとして。

そこがでも、こだわりの役なんですね。
こだわりみたいですね。ハイヒールマニアは見ると、いいと思いますが。はい。

(だいぶピンポイントじゃないですか。おすすめポイント)

そう、ピンポイントなんですよ。で、今回ね、一応ヒーローいますからこのジュラシック・ワールドにも。
まともな人が一人だけいて。その人は恐竜の飼育係をやっている人で。オーウェンっていう人なんですね。

で、これを演じるのはですね、いまをときめくですね、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』っていう映画の主役だったクリス・プラットなんですよ。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード

これ、見ました?ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー。

(見ました、見ました)

あれ、最高にもう踊りまくってて、陽気で楽しいアンちゃんですよ。
で、アメリカでもあれで大スターになっちゃったんですけども。
で、今回は彼はすごくいい人でですね、恐竜を愛している人で。で、ヴェロキラプトルっていう恐竜を飼いならしているんですね。

で、ヴェロキラプトルっていうのは人間ぐらいの大きさの肉食恐竜なんですけども。これ、ジュラシック・パークでティラノザウルスよりも怖い殺人恐竜だった恐竜ですよ。

頭が良くて、走るのが早くて鉤爪で人間を切り裂いていくっていうのがヴェロキラプトルなんですけど。ただ、頭がいいから、飼いならせるはずだってことで、彼が調教をしようとしてるんですね。

ところがそこに、このジュラシック・ワールドの警備係をやっているやつがですね、警備員の責任者がですね、その恐竜を兵器として軍事利用したいなとか言って出てくるんですよ。

もうそれ、見るからに怪しいっていうか。出てきた2秒後にあやしいぞお前!ってやつが出てくるんですけど。
でね、あとこのインド人の社長っていうのもね、どうもね、なんかダメーな感じの人でですね。すごくね、なんでもできると思ってて。自分でヘリコプターを運転してるんですよ。
ド下手なんですよ、操縦が。ヘリコプターをね操縦してるんですけど、ド下手でね、あまりにも乱暴なんで、はっきり言って恐竜よりも怖いんですよ。この人は(笑)

(あ、そういうシーンも入るんですか、じゃあ)

そうなんですよ。お前がいちばん危ねえんじゃねえのみたいな、すごい状況でね。

(なんかね、緊迫したシーンの映画のイメージあるけど。そういうチョットお笑い的な……)

いや、非常に緊迫するじゃないですかこんな人ばっかりが運営している公園なんですよ!

(そうですよ、管理できなさそうみたいな)

(いや、そういう緊迫感、ここにいる?)

すごい緊迫感あるじゃないですかこれ。これ見ているとやっぱり、ああ、ちゃんと今回も大惨事になってくれるな、っていう風に安心するじゃないですか。
こりゃあ大変なことになるぞと思うじゃないですか、見るからに。

で、この中でいちばん言ってることがまともで、常識的な人が主人公のクリス・プラットなんですけども。
でも、はっきり言ってインドミナス・レックスの方が彼よりも頭がいいんですよ。

いちばん頭のいい人間よりも恐竜の方が頭のいいっていう、すごいヒエラルキーにあるのがこの映画なんですよ。

で、まあもう予告編を見ればわかるんですけども。まあ、満員状態のお客さんに恐竜の群れが襲いかかって、シリーズ最大の大殺戮が展開するわけですけど。ま、これが最高に楽しいんですね。

最高に楽しいですね。これね。もう本当に、ご家族連れでも笑って楽しめるように作ってあるんですよ。

(笑って?でも、殺戮シーンですよ?)

大殺戮シーンですよ、もう満員なんですよ。もう。そこにブワーッ!と恐竜の群れが襲いかかるんですよ。もうお客さん、ゲっらゲラ笑ってましたね、もう。
ひどいなと思いましたけどね。笑えるように演出してるんですよ、意図的に。

大変なことになってるんですけど。これ、いいの?とか思ったんですけど、これね、監督がね、コメディー出身の人なんですよ。
これね、今回監督して脚本も書いている人がですね、コリン・トレボロワって人なんですけども。この人、名前聞いたことないですよね?

コリン・トレボロウって。この人、実はこのジュラシック・ワールドを撮る前には、1本しか映画を撮ってなくて。しかもその1本がものすごい低予算で。制作費わずか7500万円のコメディー映画なんですよ。

(えっ?そんな人がいきなりジュラシック・パーク?)

いきなりなんですよ、7500万円から、今回150億円なんですよ制作費。いきなり、150倍以上の予算を任せたんですよこの人に。
大変なことになってますけど。

で、しかもその前のコメディー映画っていうのは本当に段ボール箱でセットを作っているような映画だったんですよ。

すっごいことをやらかしてるんですけど。これはね、この映画の、お金を出した人っていうのが、あのレジェンダリーピクチャーズのトーマス・タルっていう人なんですよ。

そう、あの『パシフィック・リム』と『ゴジラ』を作った人です。
あの、怪獣大富豪です。
そう。投資系の企業でお金を儲けて、大富豪になって、そのお金を惜しみなく自分が子どもの頃から好きだったバットマン映画とか怪獣映画につぎ込んでいる人です。

ゴジラの時も制作費が1億円いかないような規模の自主映画を撮っていたギャレス・エドワーズっていう人に、いきなりゴジラで100億円以上の制作費を任せた人なんですよ、この人は。

だからもう、いま、怪獣映画、すごくお金はないけどがんばっていると、いきなりこの人がお金を出してくれるかもしれない状態になってますね。150億円をね。ポーン!と。ということになってますけど。

(いやー、コリンさん震えたでしょうね)

ねえ。もういきなり、だってこの監督、コリンさんは、あれですよ。この映画、いきなり500億稼いでますから監督料って、まあ3%だとしても大変なことになってますね。
いきなり10億万円長者みたいになってますけど。

(その大抜擢、急にされても、ちゃんと期待には応えたっていう作品なんですね)

応えたんですね!はい。

(前のコメディーも気になりますね。そうなると相当面白かったんですかね?)

これはね、まあ一作目はものすごく怖かったですよね。もう恐怖映画に近い感じだったですけども。今回は楽しい映画です。はい。

まあこれ、言うとあれなんですけども。もう本当にね、罪もない人がすごい殺され方をするのを完全にギャグとして撮っていてね、いいのかな?って思うんですけど。

でもね、これはね、スピルバーグっていうジュラシック・パークを立ち上げた巨匠がそういう人なんですよ。
スピルバーグっていうのはどの映画でもひどい大殺戮シーンがあるんですけど、どれも、なんとなく笑っちゃうように撮る人なんですよ。

すごくね、意地の悪いっていうか、いたずらっぽい人なんですけども。それの血を引いちゃったっていう感じですね。

という、とんでもない映画がね、ジュラシック・ワールドなんですけども。
まあ、これもたぶんね、まあライドとなって遊園地にバックするんじゃないかなと思いますけどね。

ただね、ちょっと惜しいところはね、ティラノザウルスがちょっと違うんですね。
ティラノザウルスって最新の学説では、体にうっすらと毛が生えていたことが、だんだんわかってきてるんですよ。
それがね、有力な説になってるんですね。っていうのは、ティラノザウルスの仲間の恐竜が発掘された時に、毛が生えてたんですよ。
で、どうも色とりどりのうすい毛がティラノザウルスに生えていたらしいんですね。
色とりどりの。ようするに、ふわふわしたぬいぐるみみたいな感じ?(笑)。

ただね、それが今回やってないですね。

(ティラノ、ふわふわしたら変わっちゃうもん。イメージ)

そう。やっぱり怖くないっていうかね、非常に困るものですよね。そういうものが人を殺しまくっててもね。すごくかわいいね、なんかね、それが(笑)。
それとね、今回出てくるティラノザウルスは一作目に出てきたティラノザウルスと同一人物なんですよ。

そうなんですよ。だから、一作目と矛盾しちゃうんで、最新学説をとれなかったみたいですけど。

(えっ、生きてたの?)

ティラノザウルスは、恐竜って寿命長いですからね。何百才も生きますから。

(大事件が起きなきゃ、だってずっと生きてたっていうんだから)

そうそうそう。そういうところでもね、前のファンも非常によろこぶ、あっ、また会えたね!みたいなところがある映画でね。

ぜんぜん怖そうじゃないですね。僕が話してると。どの映画も(笑)。僕が悪いですね。

なんでも楽しくしちゃいますけど。すいません。はい。
っていうとこで、怪獣映画はダメな男たちの夢ってことで、怪獣映画2本でした。

はい。ありがとうございます。
今日は園子温監督の最新作『ラブ&ピース』と『ジュラシック・ワールド』の2本をご紹介いただきました。

町山さん、ありがとうございました~

どぉもでした!

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