Writerzlab

ライターズラボ ★ 知的快感!ポータルサイト

*

『君の名は。』 完全ネタバレあらすじ ラスト結末に○○!新海誠監督長編アニメ映画

   

Sponsored link

 

映画「君の名は。」あらすじ&完全ネタバレ&感想

オープニング

オープニングは、たくさんの流れ星。

宮水三葉(みやみず・みつは)と立花 瀧(たちばな・たき)が、朝目覚めた場面。

「朝、目が覚めると、なぜか泣いている。そういうことが時々ある」(三葉)

「見ていたはずの夢は、いつも思い出せない。ただ……」(瀧)

「ただ……何かが消えてしまったという感覚だけが、目覚めてからも長く残る……」(三葉)

三葉と瀧は、それぞれ別の電車に乗っている。

「ずっと何かを、誰かを、探している」(瀧)

「そういう気持ちにとりつかれたのは、多分、あの日から……」(三葉)

流れ星を見上げる瀧。

「あの日、星が降った日、それはまるで……」

流れ星を見上げる浴衣の三葉。

「まるで、夢の景色のように、ただひたすらに」

「美しい眺めだった」(瀧・三葉)

そして、RADWIMPSの「夢灯籠」が流れる。

目覚めた三葉

布団で眠る三葉の足元にあるスマホがアラームを鳴らし、朝を告げるが、眩しい朝日を浴びる三葉はまだ起きない。

「瀧くん、瀧くん、覚えて、ない?」

夢の中で電車に乗る瀧に「名前は、三葉!」と叫んだところで目を覚ます三葉。

部屋をゆっくりと見回し、右肩がはだけたパジャマから膨らんだ両胸を確認し、両手で押さえて揉んでみる。

「?」

上に押したり、横に押したりしながら考え込む三葉を、部屋の入り口に立って小学四年生の妹・四葉(よつは)が見ている。

「お姉ちゃん、何しとるの?」

「すげえ本物っぽいなあと……、へっ、お姉ちゃん?」

自分を指さす三葉。

「何寝ぼけとるの?ごはん!早よ来(き)ない!」

襖を閉めて四葉が立ち去ったあと、三葉は立ち上がり、姿見の前に立った。

服を脱ぎ、パンツだけの自分の体をまじまじと見る。

「えっ!?」

「えー!?」

「えーーーーー!?」

鏡に向かって大声を上げる三葉。

父は現職の町長

祖母の一葉(ひとは)と妹の四葉が朝食を食べるテーブルに、三葉がやってきた。

ご飯をよそう三葉を見て、「今日は普通やな」と一葉が言う。

四葉も「昨日はヤバかったもんな」と言うが、三葉には何のことかわからない。

町役場の放送が聞こえてくる。

スピーカーのコンセントを抜く一葉。

来月二十日に糸守町町長選挙があるという告知だった。

三葉がテレビをつけると、千二百年に一度の彗星が一ヶ月後に迫っているとアナウンサーが言っている。

三葉は組み紐で髪を結びあげ、四葉と一緒に家を出て学校に向かう。

かなり自宅は高所のようで、狭い階段を降りて行く。

四葉と別れ、三葉が一人で歩いていると、自転車に二人乗りした同級生の名取早耶香と勅使河原克彦が来た。

早耶香は克彦に好意を寄せているが、克彦は三葉が気になっている。

早耶香は三葉に「今日は髪ちゃんとしてるね」と言い、克彦は「ちゃんとおばあちゃんに御祓いしてもらったんか?」と聞く。

「あれは絶対、キツネ憑きや」という克彦。

三葉は二人の言っている意味がわからなかった。

三人が歩いていると、三葉の父で町長の宮水俊樹(としき)が、町長選挙のための演説をしていた。

黙って通りすぎようとする三葉を呼び止め「三葉、胸張って歩かんか!」と言う俊樹。

恥ずかしそうに通り過ぎる三葉は、「こんなときばっかり……」とつぶやく。

「お前は誰だ?」

古典の授業中、ノートをめくった三葉の目に飛び込んできたのは「お前は誰だ?」の文字。

「ん~?」

ユキちゃん先生(雪野百香里)が「誰そ彼は、黄昏の語源」という話をしている。

「昼でも夜でもない時間。世界の輪郭がぼやけて、人ならざる者に出会うかも知れない時間……」

生徒の誰かが「質問~!片割れ時やなくて?」

「片割れ時?それはこのあたりの方言じゃない!?糸守のお年寄りには、万葉言葉が残ってるって聞くし」

先生の話よりも、三葉は、ノートいっぱいに書かれた「お前は誰だ?」の言葉が気になっていた。

先生に「宮水さん」とあてられ、あわてて立ち上がる三葉。

「今日は自分の名前、覚えてるのね」

クラス中に笑われるが、三葉にはわからない。

三葉は校庭で、「覚えてらんの?」と、昨日は自分の机もロッカーも忘れ、髪は寝癖がつき、リボンはしていなかったと早耶香に言われる。

しかし、三葉には全く身に覚えはなかった。

記憶喪失みたいだったと早耶香に言われ、「そう言えば、ずっと変な夢を見とったような気がするんだけど……なんか、別の人の人生を……よく覚えとらんなあ」

オカルト好きの克彦は面白がる。

ストレスじゃないかと心配する早耶香。

「ほら、例の儀式ももうすぐやろ」

「あ~、言わんといて~。もう、私この町嫌や~」と嘆く三葉。

何もないこの町

三葉は、狭くて人間関係が濃いこの町を早く出て、東京に行きたいと思っている。

何も無いこの町。

電車は二時間に1本、コンビニは九時に閉まる。

本屋はないし、歯医者もない。

そのくせスナックは二軒もある。

雇用はないし、嫁は来ないし、日照時間は短い。

愚痴を言いながら歩く二人に、自転車に乗った克彦が「お前らなあ」と言う。

「カフェに寄ろう」と言って、自販機のジュースを買う克彦。

「な~にがカフェやさ」と言う早耶香に「この町にそんなのあるか」と克彦。

三葉は先に帰ってしまった。

ベンチに座り、ジュースを飲む二人。

口噛み酒

祖母の一葉と三葉と四葉の三人で、組み紐を作っている。

一葉が、糸守千年の歴史を語りだす。

一葉は宮水神社の神主をしている。

一葉の娘婿で三葉・四葉の父・俊樹は、妻の二葉が亡くなった後、家業を継がずに家を出て、政治の世界に入ったことが一葉には許せない。

その頃、俊樹は、勅使河原建設の社長である克彦の父と酒を飲んでいた。

父に週末の仕事を手伝えと言われた克彦。

窓を開け、宮水神社の方を見ながら「たまらんなあ、お互い……」とつぶやく。

三葉と四葉は巫女姿で、神社で舞を踊っていた。

その様子を見ていた早耶香の元に、克彦がやってきた。

三葉と四葉は、包みを開いて、一つまみの米を噛む。

世界最古の酒、米を噛んで吐き出して放置しておくだけで自然発酵してアルコールになると説明する克彦。

「口噛み酒……神様、嬉しいんかなあ?あんなお酒もらって」という早耶香に、「そら嬉しいやろ」と克彦は言う。

三葉は口に含んだ口噛み酒を、枡の中に吐き出す。

それを見にきていた同級生は、気持ち悪がっていた。

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!」

着替えて社務所を出る三葉と四葉。

同級生に見られて落ち込む三葉を四葉が慰めていた。

いっそ口噛み酒をいっぱい作って、東京行きの資金にしたらという四葉。

「生写真とメイキング動画つけてさ。巫女の口噛み酒って名前とかつけてさ。きっと売れるわ」

三葉は一瞬、その絵を思い描くが、「だ~め、酒税法違反」と言って階段を駆け下りる。

階段を一気に駆け下りた三葉は大声で叫ぶ。

「もう、こんな町、嫌やー!」

「こんな人生、嫌やー!」

「来世は東京のイケメン男子にしてくださーい!」

それを聞き、四葉はため息をついて「アホな人やなあ」とつぶやく。

夜空には、天の川が輝いていた。

「東京やー!」

スマホのアラームが鳴り響く。

ベッドで寝ていた瀧は、床に落ちているスマホに手を伸ばす。

が、ベッドから落ちて頭を打った。

目が覚め、部屋を見て一言つぶやく。

「どこ……?」

「ん?」「ん?」

胸を触るがふくらみはない。

下を見ると……

「なんや、ある……」

手を股間に当てる。

「うわーっ!!」と声を上げ、顔が真っ赤になる瀧。

洗面所で顔を洗い、鏡を見ると、左頬にガーゼがしてあった。

触ると痛い。

「瀧ー!起きたか?」

ネクタイ姿の父が瀧に声をかける。

「お前、今日、飯当番だっただろ、寝坊しやがって」

瀧は「すみません」と謝る。

みそ汁を飲んでおけと言い、遅刻でも学校はちゃんと行けよと言って出勤する父。

一人たたずむ瀧は、「変な夢……」とつぶやいた。

突然、スマホが鳴り、同級生の藤井司(つかさ)がラインで、「もしかしてまだ家か?走ってこい!!」とメッセージを送ってきた。

「え~、なになに、ツカサ?だれ~?」

制服に着替えようとした瀧は、思いついて赤くなった。

「トイレ行きたい……」

用を足して制服に着替え、玄関を出た瀧は、赤い顔で「リアル過ぎ」とつぶやく。

「はっ!」と驚いた瀧の目の前に広がっていたのは、朝日に照らされてまぶしく輝く東京・新宿のビル群だった。

新宿駅を出て歩き出す瀧は思わずつぶやく。

「東京やー!」

瀧の同級生、司と高木

学校に着き、クラスメートでにぎやかな教室の扉の前に立つ瀧は、ため息をついていた。

そこへ、メガネをかけた同級生の司が「瀧ー!」と声をかけて肩を抱いてきた。

思わず悲鳴を上げる瀧。

「まさか昼からとはね。飯行こうぜ」

「え~」と言いながらついていく瀧。

「メール無視しやがって」と言われ、「あっ、ツカサくん……」と言う瀧。

「くんづけ、反省の表明?」

学校の屋上で昼食を食べる、瀧と司と高木真太(しんた)。

道に迷って遅くなったという瀧に、「お前さ、どうやったら通学で道に迷えるんだよ」と言う高木。

正座をしている瀧は、「え~と、わたし……」

「わたし?」と高木に言われ、「わたくし」、「ぼく」、「オレ」と確認し、「オレ」が正しいとわかる瀧。

「オレ、楽しかったやよ。なんか、毎日お祭りみたい、東京って」

訛ってない?と指摘される瀧。

弁当を持っていなかったので、おかずを分けてもらう。

放課後にカフェ行こうと言われ、「え~!?カフェ~?」と驚く瀧。

放課後、三人はオシャレなカフェに来ていた。

隣のテーブルの二匹の犬が、メニューを持った瀧を見ている。

パンケーキの料金を見て、一ヶ月は暮らせるとつぶやく瀧。

「いつの時代の人だよ、お前は」という司。

「まあ、いっか、夢やし」とつぶやく瀧。

パンケーキをスマホで写し、「ああ、いい夢」と言う瀧を思わず見つめる二人。

スマホにバイト先からの連絡が入り、「ど~しよ、オレ、バイト遅刻だって」と慌てる瀧。

早く行ったらと言う二人に、「あの~、俺のバイト先って、どこやっけ?」と聞いて二人に呆れられる。

バイト先の先輩、奥寺ミキ

瀧のバイト先はイタリアンレストランだった。

瀧はボーイとして働いていた。

不慣れな仕事に怒られる瀧は「この夢、いつ覚めるんやさー!」と叫ぶ。

瀧はガラの悪い客に絡まれ、先輩の奥寺ミキ(女子大生)に助けてもらう。

さっきの客にスカートを切られた奥寺を連れて控え室に行き、切られたスカートを縫い始める瀧。

「できました」と言って差し出したスカートには、かわいい刺繍がしてあった。

いつもの瀧は、弱いくせにケンカ早いらしい。

頬のガーゼが物語っている。

「今日の瀧くんの方がいいよ。女子力高いんだね」と奥寺に言われる。

電車の中で、スマホで路線図を確認する瀧。

窓ガラスに映った顔に手をあてながら「良く出来た夢やなあ、我ながら」とつぶやく。

自宅のベッドに寝ころがり、スマホを見ながら「あっ、この子日記つけとる」と言ながら確認する。

スマホに残っている画像を見ながら、東京生活への憧れを口にする。

奥寺の画像がたくさん入っていた。

「片思いかな」と言いながら笑う。

女子力が高いと言われたことを日記につける。

「お前は誰だ?」のノートの文字を想い出し、左手にペンで「みつは」と書く。

眠くなってあくびをする。

男に戻った瀧

朝、目が覚めた瀧は、左手に書かれた「みつは」を見て「なんだ、これ……!?」と驚く。

父と朝食を食べながら、スマホに書かれた昨日の奥寺とのことを読み、「なんだこれー!?」と叫ぶ。

司、高木と屋上にいる瀧。

今日はあぐらをかいている。

今日もカフェに行かね?と誘われ、これからバイトと断る。

司が笑いながら「行先はわかるのか?」と言う。

瀧は「あー、司、もしかしてお前か、俺の携帯、勝手に……」

「はあ?」と聞く司に「やっぱいいや」と言って立ち去る瀧。

「あいつ、今日は普通だな」と高木。

「昨日はなんか、かわいかった」という司に、ちょっと引く高木。

バイト先では、昨日奥寺と一緒に帰ったことを、バイト仲間の男たちに詰め寄られる。

「よく覚えてないっすよ、オレ」

「入れ替わってる!?」

三葉が目を覚ますと、左手に「みつは??お前は誰だ?」と書かれていた。

さらに左腕には「お前は何だ??」と書かれている。

まじまじと見ている三葉に「お姉ちゃん、今日はおっぱい触っとらんの?」と聞く四葉。

三葉は、学校に着いて教室に入ると、みんなが注目するのに驚く。

隣の席の早耶香に、「昨日のあれは、目立ったもんな」と言われる。

美術の時間に、(男だった)三葉が机を蹴飛ばしたからだった。

自宅に帰ってきた三葉は、急いで二階の部屋に行き、ノートをめくった。

そこには、「宮水三葉?」「祖母、妹・四葉、父親→町長らしい」「ド田舎」「この人生は何なんだ??」と書かれていた。

「これって、これってもしかして……」と三葉。

スマホをいじりながら「これってもしかして、本当に……」と瀧。

「私、夢の中であの男の子と……」

「オレは、夢の中であの女と……」

「入れ替わってる!?」と同時に叫ぶ二人。

そして、RADWIMPSの「前前前世」が流れる。

ルールを決めた二人

三葉)”何が起きているのか、だんだんわかってきた。瀧くんは、東京に住む同い年の高校生で”

瀧)”ド田舎暮らしの三葉との入れ替わりは不定期で、週に2、3度、ふいに訪れる。トリガーは眠ること、原因は不明”

三葉)”入れ替わっていた時の記憶は、目覚めるとだんだん不鮮明になってしまう”

瀧)”それでも、俺たちは確かに入れ替わっている。周囲の反応がそれを証明している。だから……”

三葉)”だから、私たちはお互いの生活を守るため、ルールを決めた”

・お風呂ぜっっったい禁止!!!!!!!!

・体は見ない!/触らない!!

・脚をひらくな!

・男子に触るな!

・女子に触るな!

…………

・無駄づかい禁止!

・訛り禁止!

・遅刻するな!

・女言葉NG!

・奥寺先輩と馴れ馴れしくするな!

・司とベタベタするな!

入れ替わった時の注意点や、守るべき禁止事項、それから入れ替わった日の出来事を携帯に残すこと。

この謎現象をとにかく乗り切るために、協力しあうこと。

「それなのに、(それなのに)、あの男!(あの女!)」

入れ替わったことに気づいた二人は、相手のやり方に文句を言いながらも生活していく。

奥寺と一緒にお茶をする三葉の瀧。

女子や男子に告白される瀧の三葉。

お互いの腕や顔に、「うぬぼれるな!!」「あほ」「バカ」と書く二人。

宮水神社の御神体

スマホのアラームで目覚めたのは瀧の三葉。

思わず胸を触ろうとして「あいつに悪いか」とつぶやく。

しかし、胸を揉んでいるところを四葉に見られて「ほんとに自分のおっぱい好きやな」と言われる。

テレビでは、ティアマト彗星が近づいているとのニュースが流れている。

祖母・一葉と妹・四葉とともに三葉(瀧)は、山の上の宮水神社の御神体に向かう。

一葉を背負って歩く三葉(瀧)に、「(結)むすび」の話をする一葉。

土地の氏神様を古くは「むすび」と言い、糸をつなげることも「むすび」、人をつなげることも「むすび」、時間が流れることも「むすび」と言う。

全部、神様の力だと。

自分たちが作る組み紐も神様の業、時間の流れそのものを表していると。

「縒(よ)り集まって形を作り、捻じれてからまって、時には戻って途切れ、また繋がり、それが『むすび』、それが『時間』……」

水・米・酒、人の体に入ったものが、魂と結びつくこともまた「むすび」だと。

これからする御奉納は、神様と人間を結ぶための大切なしきたりだと言う一葉。

広い窪み(カルデラ)の空間の真ん中に、宮水神社の御神体はあった。

途中に小さな川が流れていて、「ここから先は隠世(かくりよ)、あの世のことやわ」と一葉は言う。

三葉と四葉は、口噛み酒を御神体にお供えする。

「それはあんたらの、半分やからな」

帰り道、四葉が「もう片割れ時やな」とつぶやく。

「片割れ時……」と三葉。

山頂から見える湖が、夕暮れの光に輝いている。

「そうや、彗星見えるかな?」と四葉。

瀧が入れ替わっている三葉に、一葉が「おや、三葉、あんた今、夢を見とるな」と言う。

奥寺センパイとのデート

瀧は、自分の体に戻って目を覚ました。

目から涙がこぼれる。

「涙、何で?」

スマホに奥寺からのラインが入り、「もうすぐ着くよー。今日はよろしくね」とメッセージが。

何のことか瀧にはわからない。

日記を確認すると、「デート!?」

家を飛び出して走る瀧。

待ち合わせ場所で待っていると、奥寺がやってきた。

奥寺に手を引っ張られていく瀧。

「いいなあ、今頃二人は一緒か」とつぶやく三葉。

鏡に向かって髪を結う三葉の目から、涙がこぼれていた。

「あれ……私、何で……!?」

初めてのデートで、会話が噛み合わないと悩む瀧。

トイレで、三葉が用意した「厳選デート集」のリンクをチェックする。

途中、飛騨の風景写真が飾られていた。

その中に、宮水神社の御神体に行った時に見た湖の写真があった。

立ち止って写真を見ている瀧に奥寺が近づいて「瀧くんてさ、今日はなんだか別人みたいね」とささやく。

夕暮れの歩道橋を渡りながら、瀧は奥寺に晩飯を誘うが、「今日は解散にしようか」と言われてしまう。

「瀧くんて、違ってたらごめんね。君は昔、私のことが、ちょっと好きだったでしょ?」

「えっ!?」

「そして今は、別の好きな子がいるでしょ」

「えーーーー!?……いませんよ」

「ほんとかなあ」と疑いながら、「ま、いいや」と言って帰る奥寺。

夜空に飛行機が飛んでいた。

瀧は、スマホに三葉が残した日記を確認していた。

”デートが終わる頃には、ちょうど空に彗星が見えるね”

「何言ってんだ、こいつ……」とつぶやく瀧。

瀧は、三葉の携帯に電話をかけてみる。

髪を切った三葉

克彦から、三葉に電話がきた。

今日が、彗星が一番明るく見える日だった。

お祭りで会う約束をする三葉。

神社には出店が並んでいる。

バス停の椅子に座っている早耶香と克彦。

浴衣姿の早耶香は、「あんた、三葉の浴衣期待しとるやろ?」と克彦に言う。

あわてて否定する克彦、そこへ、「おまたせ」と現れた三葉の姿に二人は驚く。

三葉が髪を短く切っていた。

坂道を先に歩く三葉のあとから、克彦と早耶香が歩く。

「失恋か?!」と気にする克彦。

「見えるよ!」と夜空を指さす三葉。

キレイな虹色の彗星が、夜空を彩っていた。

そして、そのうちの一つが、下降してくるように見えた……

三葉に会いに行く瀧

歩道橋の上の瀧。

三葉の携帯にはつながらなかった。

散々だったデートの結果は、次に入れ替わった時に伝えることにした。

しかし、その後二度と、三葉と瀧の入れ替わりは起きなかった。

瀧は、飛騨の風景の絵を何枚も描いた。

ネットで検索しては、いくつも絵を描いた。

来る日も来る日も、瀧は絵を描き続けた。

描きためた絵をリュックに入れ、旅支度をして東京駅にやってきた瀧の目の前に、司と奥寺が立っていた。

「なんで、こんなとこにいるんすか?」

「ふふふ、司くんに聞いて、来ちゃった」

瀧は司に、親へのアリバイとバイトのシフトを頼んでいたのだが、司はバイトを高木に頼んでいた。

「お前が心配で来たんだよ」という司。

三葉との入れ替わりがなくなり、電話が通じず、メールも届かないので、直接会いに行くことにした瀧。

しかし、詳しい場所はわからず、手がかりは町の風景だけだった。

飛騨に着き、タクシー運転手に自分で描いた絵を見せてみる。

町の人に聞いたりしながら探してみる瀧。

しかし、まったくわからない。

司と奥寺は旅を楽しんでいた。

ラーメン屋で高山ラーメンを食べる三人。

「今日中に、東京に戻れるかな?」と言う瀧。

司がスマホで調べてみる。

「瀧くん、それでいいの?」と奥寺。

瀧が絵を見ていると、「おや、お兄ちゃん、それ糸守やろ!?」と店主の妻が聞いてきた。

店主は糸守の出身だった。

「そうです、糸守町!」(瀧)

「糸守って!?」(司)

「もしかして、あの彗星の?」(奥寺)

「消えてく……」

瀧は、高校の校庭から下を見下ろして、目の前の光景に驚いた。

糸守町は、隕石が落ちて跡形もなくなっていた。

瀧は、高校のことも周りの山も、はっきり覚えていた。

「ここに間違いない」と断言する瀧。

「そんなワケねえだろ。三年前に何百人が死んだあの災害、瀧だって覚えてるだろ?」

「死んだ?三年前?死んだ?まさか、だって、あいつの書いたメモだってちゃんと……」

スマホを確認すると、三葉の書いた文章がどんどん消えていった。

「消えてく……」

瀧と司と奥寺は、図書館で糸守町が消えた時を記録した本を読んでいた。

千二百年周期で太陽を周るティアマト彗星が、地球に最接近したのは三年前の十月。

隕石の落下で、糸守町は壊滅し、町人口の三分の1以上、五百人超の死者・行方不明者だった。

その日はちょうど秋祭りで、八時四十二分、祭りで人が集まっている場所に落ちたのだった。

今はもう、糸守には誰も住んでいない。

瀧は、犠牲者名簿の中に、勅使河原克彦と名取早耶香の名前を見つけた。

そして、宮水一葉、三葉、四葉の名前もあった。

本当にこの子なの?と言う奥寺。

「つい二~三週間前に、彗星が見えるねって、こいつはオレに言ったんです。だから……」

Sponsored Link

「あっ、あの場所なら……」

飛騨に泊まることになった三人。

瀧は部屋で糸守の記事を読んでいる。

休憩室でタバコを吸う奥寺に話しかける司。

「どう思います?、あいつの話」

「好きだったんだ、私。ここ最近の瀧くん。前から良い子だったんだけど、最近は特に。なんか、必死で、かわいくって……」

瀧はきっと誰かに出会い、その子が彼を変えたんだと奥寺は言う。

部屋に一人いた瀧は、「すべては妄想だった!?」と悩んでいた。

奥寺が部屋に来て、糸守の組み紐のページを見ながら、瀧の右手首の紐も組み紐?と尋ねる。

瀧は、誰からもらったのか思い出せない。

一葉から聞いた「むすび」の話をする瀧。

「あっ、あの場所なら……」

朝になった。

司と奥寺は布団で寝ている。

瀧は、机に向かったまま寝ていた。

「瀧くん」と呼ぶ、三葉の声が聞こえる。

「覚えて、ない?」

その声を聞いて、瀧は目を覚ました。

「むすび……本当に時間が戻るなら、もう一度だけ……」

瀧は、奥寺と司に「どうしても行きたいところがあるから先に東京に帰ってください」と置手紙を書いた。

ラーメン屋の店主の車で、瀧は糸守に向かっていた。

山の麓で弁当を渡し、店主は帰っていった。

瀧は、一葉と四葉と上った山道を歩き出す。

途中、どしゃぶりの雨が降り出した。

雨を避けながらおにぎりを食べ、地図を確認する。

瀧は、宮水神社の御神体のところにやってきた。

「あった!ほんとにあった!夢じゃなかった」

一葉が言っていた隠世(かくりよ)の川の前に立つ。

「ここから先は、あの世……」

川と言うよりも、湖のようになっていた。

口噛み酒があった。

「オレたちが運んできた酒だ」

三葉としてやってきた時の酒を御猪口に注ぐ。

「むすび……本当に時間が戻るなら、もう一度だけ……」

御猪口の酒を一気に飲み干す。

立ち上がった瀧は、後ろに倒れながら彗星を見た。

時間を戻っていく瀧。

三葉が生まれた時の映像が見える。

三葉と四葉の母が亡くなったときの様子が見える。

母・二葉が亡くなって、父は家を出ていった。

瀧と入れ替わった頃の三葉の記憶が見える。

「ちょっと、東京行ってくる」と四葉に言って出かける三葉。

祭りのために浴衣に着替える三葉に、「彗星が落ちる前に町から逃げるんだ」と呼びかける瀧。

三葉は、降ってくる彗星を見上げていた。

「やろうぜ、オレたちで!」

目を覚ますと、瀧は三葉になっていた。

「三葉だ。生きてる」

起こしにきた四葉が襖を開けると、三葉(瀧)が胸を揉みながら「妹だ、わーーー!」と近づいてきたので急いで戸を閉めた。

一葉に「お姉ちゃん、とうとうヤバいわ」と言う四葉。

「ヤバい、ヤバいよ」と言いながら、先に家をでた四葉。

テレビの前に立ち、今夜彗星が最接近することを確認する三葉(瀧)。

「まだ間に合う」

一葉は、「おや、あんた、三葉やないな」と言う。

「おばあちゃん、知ってたの?」

一葉も少女の頃、不思議な夢を見ていたと話しだす。

「夢で誰になっとったんか、今では記憶は消えてまったが」

「消える……」

三葉の母・二葉も、その夢を見ていたという。

三葉(瀧)は、一葉に、「今夜彗星が落ちてみんな死ぬ」と告げる。

しかし、そんなこと誰も信じないと言われてしまった。

誰も死なせるもんかと言いながら走る三葉(瀧)。

三葉(瀧)は教室で、克彦と早耶香に「みんな死ぬ」と言う。

「えっ!?」とクラス中が振り返る。

「だから、私たちで……」

早耶香はコンビニで買い物をしていた。

克彦と三葉(瀧)は、学校の部室にいた。

町の防災無線を使い、町の人たちを学校の校庭に避難させることにした。

早耶香は放送室で放送担当、克彦は爆破担当、三葉(瀧)は、町長である父を説得しにいく。

早耶香は「どうせいつもの妄想やろ」と本気にしていない。

しかし、克彦は、糸守湖は千二百年前の隕石衝突によって出来た「隕石湖」だと言う。

「千二百年前、少なくともこの場所に一度は隕石が落ちたんや」

その話を聞き、納得する三葉(瀧)。

三葉(瀧)と克彦は早耶香に向かい、「やろうぜ、オレたちで!」と叫ぶ。

「三葉……、いや、お前は…………誰だ!?」

三葉(瀧)は町長の父に会いにきた。

夜までに避難させるように言うが、まったく信じてくれない。

「本気で言ってるなら、お前は病気だ。妄言は宮水の血筋か……」

車を出すから病院で見てもらえと言う父のネクタイを引っ張り、「バカにしやがって!」と言う三葉(瀧)。

思わず我に返る三葉(瀧)。

「三葉……、いや、お前は…………誰だ!?」

とぼとぼと道を歩く三葉(瀧)。

小学生たちが祭りに行く約束をしていた場面に出会い、「行っちゃダメだ!友だちにも伝えて」と言う。

逃げる小学生たち。

そこへ四葉が走ってきた。

「三葉なら説得できたのか?オレじゃダメなのか!?」

「えっ?」

「四葉、夕方までにおばあちゃんと一緒に、町から出て!」

「ちょっと、何言ってんの。昨日は急に東京に行ってまうし、なんか、お姉ちゃん変やよ」

「えっ、東京!?」

そこへやってきた克彦と早耶香。

三葉(瀧)は、宮水神社の御神体の方を眺めながら「そこに、いるのか……」とつぶやく。

克彦の自転車を借り、山を目指す三葉(瀧)。

≪三葉の回想≫

御神体の前に倒れている瀧(三葉)。

目を覚まし、「私、瀧くんになっとる」

「どうして、瀧くんがここに!?」

瀧(三葉)は外に出て歩く。

目の前の光景に驚く瀧(三葉)。

「ああ……、町が、ない……」

隕石落下の場面を思い出す瀧(三葉)。

「私、あの時……死んだの!?」

座りこむ瀧(三葉)。

山道を自転車で駆け昇る瀧(三葉)。

三葉の声が聞こえてくる。

”瀧くん……瀧くん……覚えて、ない?”

≪三葉の回想≫

三葉は、瀧と奥寺のデートの日、東京に向かった。

”急に訪ねたら、迷惑かな。驚くかな……瀧くんは、嫌がるかな。”

東京で瀧に電話するがつながらない。

”会えっこない。でも、もし会えたら、どうしよう……やっぱり迷惑かな。気まずいかな。それとも、もしかしたら……、少し、喜ぶかな……”

歩道橋の上で瀧に電話するが、やはりつながらない。

”会えっこ……ない。でも、確かなことが一つだけある。私たちは、会えば絶対、すぐにわかる!”

”私に入ってたのは、君なんだって”

”君に入ってたのは、私なんだって”

駅のホームで座っていた三葉。

入ってきた電車を見て走り出す。

電車の中に入り、単語帳を見ている瀧の前に立つ。

≪瀧の回想≫

山道を自転車で上っていた三葉(瀧)だったが、自転車が崖下に落ちてしまった。

足で走り出す三葉(瀧)。

≪瀧の回想≫

”三年前のあの時、まだ、オレがお前を知る前…………”

電車に乗っている瀧と三葉。

「滝くん、瀧くん……」

「滝くん」

「えっ!?」

「あの~、私、ああ……、覚えて、ない!?」

「……誰?お前」

顔を真っ赤にして顔をそむける三葉。

「すみません……」

電車が揺れて倒れそうになる三葉。

”瀧くんなのに……”

”……変な女”

四谷駅に着いて、降りようとする三葉に声をかける瀧。

「あのさ……」

「えっ!?」

三葉は振り返るが、人波に押されて外に押し出される。

「あんたの名前……」

「みつは!」

三葉は、髪を縛っていた組み紐をほどいて瀧に渡した。

「名前は、みつは!」

組み紐を受け取る瀧。

山道を走る三葉(瀧)。

”三年前、お前はあの時、オレに……会いにきたんだ!”

すれ違う二人

立ち上がる瀧(三葉)。

”瀧くん……”

瀧(三葉)は歩き出す。

片割れ時(黄昏時)の前の夕日が、湖を照らしている。

「三葉ー!」

瀧の声が山彦になって聞こえる。

「瀧くん!?」

三葉の声に気づき、カルデラの周囲を走り出す三葉の体の瀧。

カルデラの真ん中には御神体がある。

三葉の体の瀧は、真ん中に向かって「三葉ー!」と叫ぶ。

「いるんだろ、オレの体の中にー!」

「滝くん、瀧くんー!どこー!?」

「三葉だ。声は聞こえるのに……」

走り出す三葉の体の瀧。

二人はすれ違うが、三年前と現在にそれぞれいるため、出会うことができない。

「瀧くん、そこに……」(三葉)

「いるのか?」(瀧)

お互い手を伸ばすが、相手の手には届かない。

呆然と立ち尽くす三葉の体の瀧は、空を見ながら「片割れ時だ」とつぶやく。

片割れ時に出会った二人

片割れ時の夕日が照らす中、二人はお互いが見えるようになった。

「三葉……」

自分の体に戻った瀧が、三葉の名前を呼ぶ。

「瀧くん……」

三葉も自分の体に戻り、瀧の名前を呼ぶ。

「瀧くん……瀧くんがいる」

瀧の体に触れ、涙があふれ出す三葉。

「瀧くん!」

「お前に、会いに来たんだ。大変だったよ。お前、すげー遠くにいるから」

片割れ時の夕日の光に照らされる湖と、雲海。

「はっ、でも、どうやって!?私、あの時……」

「三葉の口噛み酒を飲んだんだ」

「えっ!?」

顔を真っ赤にして後ずさる三葉。

「あっ、あれを……、飲んだ!?」

「えっ!?」

「バカ!変態!」

「えーっ!?」

「そうだ、それにあんた、私の胸、触ったやろ!」

「ちょ、ちょっ、どうしてそれを!?」

「四葉が見とったんやからね」

「あー、ごめん。それ、つい、一回だけだって」

「一回だけ?…………何回でも同じや。アホ!」

「すまん!」

「あっ、これ……」

組み紐を指さす三葉。

「あっ。お前さあ、知り合う前に会いに来るなよ。わかるわけねえだろ」

瀧は組み紐を三葉に返した。

「三年、オレが持ってた。今度は、三葉が持ってて」

「……うん」

髪が短くなっていた三葉は、鉢巻のように組み紐を頭に巻いた。

「どうかな?」

「ああ……、悪くないな……」

「ああー!?思ってないでしょ!」

「ははは、すまん」

「ほんと、この男は、ふん。……ははは」

三葉が笑い出したので、瀧も笑った。

笑う二人の天上には、彗星が輝いていた。

「三葉、三葉、三葉。名前は三葉」

「三葉、まだやることがある。聞いて……」

空を見上げた三葉。

「あっ、来た!」

「大丈夫、まだきっと間に合う」

「うん、やってみる。あっ、片割れ時が、もう……」

「終わる……なあ、三葉、目が覚めても忘れないようにさ……」

瀧はペンを取り出し、三葉の手に書きだした。

「名前書いとこうぜ」

三葉の手に書き、瀧はペンを三葉に渡した。

「うん!」

三葉が返事をした瞬間、ペンが地面に落ちた。

「えっ!?」

瀧の目の前には、三葉はもういなかった。

「三葉……」

周りを捜す瀧。

「おい、三葉!」

右手には、書きかけの線が一本だけ残っていた。

「言おうと思ったんだ。お前が世界のどこにいても、オレが必ずもう一度会いに行くって……」

空を見上げると、月がはっきりと見える。

「君の名前は、三葉。大丈夫、覚えてる」

「三葉、三葉、三葉。名前は三葉」

「君の名前は……」

瀧は思いついて落ちていたペンをとり、左手に書こうとするが、書けない。

「お前は……誰だ?」

「オレは、どうしてここに来た?」

「あいつに、あいつに会うために来た!」

「助けるために来た。生きていてほしかった」

「誰だ、誰?誰に会いに来た?」

「大事な人、忘れたくない人、忘れちゃだめな人」

「誰だ?誰だ?誰だ?誰だ?」

「名前はー。」

ここで、RADWIMPSの「スパークル」が流れる。

変電所が爆発

山道を、三葉が駆け下りて行く、

「瀧くん、瀧くん、瀧くん」

「大丈夫、覚えてる。絶対に忘れない」

「瀧くん、瀧くん、君の名前は、瀧くんー!」

神社の参道に立ち並ぶ出店、親子連れやカップルで賑わっている。

糸守変電所に来ていた三葉。

そこへバイクに乗った克彦がやってきた。

爆薬をカバンいっぱいに持ってきた克彦。

空を見上げて「落ちるんか、あれが、マジで」

「落ちる。この目で見たの」

「ああっ?見たってか?……じゃあ、やるしかねえな」

施錠された鎖を切り「これで二人仲良く犯罪者や!」

学校の放送室にいる早耶香に電話する。

「町が停電したら、すぐに非常用電源に切り替わるはずやから、したら放送機器も使えるで」

早耶香はやぶれかぶれにスイッチを入れる。

「そろそろかな」と爆薬を気にする三葉。

「んなもん、適当や」と克彦。

タイマーが切れ、変電所が爆発した。

そして、町中が停電した。

三人の計画は失敗

真暗な町の上空を、虹色の彗星が駆けていく。

早耶香の声が、防災無線のスピーカーから聞こえてくる。

「こちらは、糸守町役場です。変電所で、爆発事故が発生しました。更なる爆発と、山火事の危険性があります。次の地域の人は、今すぐ糸守高校まで避難してください……」

克彦と三葉は神社に来て、祭りに来ていた人たちに「山火事だ、逃げろ」と知らせる。

「こりゃ、とても間に合わん」と言う克彦。

しかし、三葉には違う問題が起きていた。

「あの人、あの人の名前が思い出せんの!」

「…………知るか、アホ!これはお前が始めたことや。消防出してもらわんと、とても避難させきれん。行って、親父さんを説得してこい!」

走り出す三葉。

しかし、途中で高校の放送室が発信元とわかり、放送は中断させられた。

そして、新たに放送され「町民はその場で待機してください」と告げられた。

神社にいた克彦は、父に見つかってしまう。

「すまん三葉、ここまでや……」

克彦が空を見上げると、本当に彗星が二つに割れていた。

瀧の名前が思い出せない三葉

日本全国で、彗星が割れた様子が目撃され、テレビでも中継されている。

瀧は、父と一緒にテレビを見ていた。

「オレ、ちょっと見てくる」

瀧は外に出て、マンションの屋上から空を見上げていた。

「ねえ、あなたは、誰?」

三葉は坂を駆け下りていた。

「誰?誰?」

「あの人は誰?大事な人。忘れちゃだめな人。忘れたくなかった人」

「誰?誰?」

「君は誰?」

「君の名前は?」

三葉は走りながら、夜空に輝く彗星を見た。

「ああー、割れてる!」

石畳につまづき、倒れて転がり、三葉は倒れたまま。

”目が覚めても、忘れないようにさ、名前書いとこうぜ”

三葉が右手を開くと、「すきだ」と書かれてあった。

ここで、RADWIMPSの「スパークル」が流れる。

三葉の目から涙がこぼれる。

ゆっくりと立ち上がって右手を見る。

「これじゃ……名前……わかんないよ」

三葉は手を顔にあてて泣いたかと思うと、突然、前を向いて走り出した。

「それはまるで、夢の景色のように、ただひたすらに、美しい眺めだった」

「お父さん!」

「三葉!」

三葉が町長室に来ると、一葉と四葉もそこにいた。

「お前まで、また……」

三葉は父の前に近付いた。

瀧は空を見上げてつぶやく。

「それはまるで、夢の景色のように、ただひたすらに、美しい眺めだった」

無数の隕石が地表に降り注ぐ。

そのうちの一つが、燃え尽きることなく雲を破り、糸守に落ちた。

そして大爆発が起こり、湖は広がった。

倒れて眠っていた瀧は、目を覚まして起き上がった。

目の前には、大きな湖が広がり、町はそこにはなかった。

右手を見ると、ペンで書かれた1本の文字。

「オレ、こんな場所で、何やってんだ?」

就職活動をする瀧

ネクタイにスーツ姿で電車に乗って、何も書かれていない右手をじっと見る瀧。

電車が代々木駅にさしかかると、ホームを歩く女性が見えた。

彼女は、頭に組み紐を巻いていた。

慌てて電車から降り、ホームに飛び出した瀧。

しかし、そこにはもういなかった。

”ずっと、何かを捜している。いつからか、そんな気持ちに憑りつかれている。”

瀧は、就職活動をしていた。

瀧はカフェで、司と高木とコーヒーを飲んでいる。

瀧は面接に落ち続けていた。

司と高木は、それぞれ複数の内定をもらっていた。

スマホに、ラインのメッセージが入った。

”探しているのが、「何か」なのか「どこか」なのか。それともただ単に就職先なのか。自分でもよくわからない”

駅前で奥寺が待っていた。

「今日は、急にどうしたんすか?」

「仕事で、こっちまで来たから。久しぶりに瀧くんの顔を見ておこうと思って」

ビルの大看板には「彗星災害から八年」の文字がある。

五年前、糸守に行ったときの話をする奥寺。

「なんだか、いろいろ忘れちゃったな」と奥寺。

”あの頃のことは、オレももう、あまり良く覚えていない。ケンカでもしたのか、司と先輩とは別々に東京に戻った事、どこかの山で、一人で夜を明かした事、記憶はその程度だ”

”ただ、あの彗星をめぐって起きた出来事に、一時期、オレは妙に心を惹かれていた。彗星の片割れが一つの町を破壊した大災害。しかし、町の住人のほとんどが、奇跡的に無事だった”

町民は、高校の校庭に避難していた。

”その日、偶然にも町を挙げての避難訓練があり、ほとんどの町民が被害範囲の外にいたと言うのだ。あまりの偶然と幸運に、様々な噂がささやかれた”

災害予言?

町長が強引に避難指示の謎。

”そういう記事を、ずいぶん熱心に、あの頃オレは読んでいた”

”いったい、何がそれほど気になっていたのか、自分でも、もう理由は良くわからない”

”あの町に、知り合いがいたわけでもないのに……”

”ずっと何かを、誰かを、捜しているような気がする”

すっかり日が暮れ、歩道橋にたたずむ瀧と奥寺。

「今日はありがとう。ここまででいいよ。君も、いつかちゃんと、幸せになりなさい」

そう言って立ち去る奥寺の左手の薬指には、指輪が光っていた。

瀧はたたずみ、右手を見る。

”ずっと何かを、誰かを、捜しているような気がする”

雨が降る中、ファーストフード店でコーヒーを飲みながら就活雑誌を読む瀧。

カップルが結婚式の話をしている。

克彦と早耶香だった。

後ろを振り返る瀧。

二人は店を出て行った。

雪が降る夜のビル街。

傘もささず、白い息を吐きながら瀧は歩道橋を歩く。

長ぐつを履いて傘をさした女性とすれ違う。

彼女は組み紐を髪につけていた。

「あっ!?」

瀧が振り返ると、彼女はそのまま歩いていた。

そして瀧は歩き出す。

彼女は立ち止まり、後ろを振り返ったが、瀧はどんどん歩いていく。

そして二人は遠ざかった。

「誰かを…………探していた!」

図書館で、糸守の本を読む瀧。

”今はもうない町の風景に、なぜこれほど、心を締め付けられるのだろう”

都会の街並みを雪で覆った季節は過ぎ去り、桜の季節になった。

克彦と早耶香らしきカップルは、新しい部屋を探していた。

四葉らしき少女は、もう高校生くらいになっていた。

RADWIMPSの「なんでもないや」が流れる。

瀧と三葉は、それぞれ朝の支度をして、お互いの家を出た。

改札を出る三葉。

駅のエスカレーターでスマホを見る瀧。

電車に乗る瀧。

三葉も電車に乗っていた。

思わず「はっ」とする三葉。

すれ違う電車に、瀧が乗っていたのだ。

瀧も三葉に気づく。

「ずっと誰かを」(瀧)

「誰かを…………探していた!」(三葉)

離れていく二つの電車。

「君の、名前は……」

駅に降りて走り出す三葉と瀧。

三葉は千駄ヶ谷駅。

瀧は新宿駅(たぶん)。

二人は、本能に従って道を走る。

瀧は階段の下に来た。

そして、見上げると、階段の上には三葉が立っていた。

ゆっくりと階段を上る瀧。

三葉は階段を下りて行く。

すれ違う二人。

「はあ……」(三葉)

「はあ……」(瀧)

階段を上りきった瀧は、深呼吸して振り返った。

「あの!」

「はっ!?」

「オレ、君をどこかで!?」

三葉はその声に振り返る。

三葉の目からは、涙がこぼれていた。

「……私も、ふふっ」

そして、瀧の目にも涙が。

「君の、名前は……」

二人の言葉が重なった。

そして、タイトル「君の名は。」の文字と、RADWIMPSの「なんでもないや」が流れ、映画は終わる。

総括と感想

「片割れ時」……、この言葉が良く登場する。

岐阜県飛騨地方の方言のようで、黄昏時を意味している。

劇中で古典の先生が、「誰そ彼は、黄昏の語源」と説明していた。

「誰そ彼」のもっと古くは、「彼誰そ」「彼は誰」とも言ったとか。

物語の序盤、瀧は三葉に、三葉は瀧の体に入れ替わり、夢かと思っていた頃、「お前は(あなたは)誰だ?」と言い続けた二人。

物語のクライマックス、糸守町の人たちを守るために再び入れ替わった後、元に戻った瀧と三葉が、相手の名前を忘れてしまう。

「誰?誰?」

「君は誰?」

「君の名前は?」

二人は、同じ状況に陥っていた。

”彼(彼女)は誰?”

「誰そ彼」、「彼は誰」の状態に陥っていたのだ。

「片割れ時」という言葉は、片方に割れるという意味だ。

体は男(女)で心は女(男)という状況も、片方に割れているという意味だろう。

そして、物語に重要な意味を示している彗星も、片方割れて地上に落ちてくる。

昼から夜に変わる、その時間帯が「片割れ時」……

その時間は、三年前の三葉の体に入った瀧と、現在の瀧の体に入った三葉が出会うことが出来る時間だった。

千二百年前に隕石が落ちて出来た糸守湖。

宮水家の人たちは、代々夢の中で入れ替わりを続けてきたと一葉が話したことから、再び千二百年周期で地球に最接近する彗星に備えて、準備されたのが宮水家の宿命だったことがわかる。

一葉が語った「むすび」の話。

”糸をつなげることも「むすび」、人をつなげることも「むすび」、時間が流れることも「むすび」と言う”

組み紐によって、分かれていた三年前と現代がつながった……

時々登場する「歩道橋」も、≪時をつなげる架け橋≫のようにも見える。

おそらく、神様が人間を作ったときは、男と女は一つだったのだろう。

分かれていた男女が出会い、夫婦となって一つになる。

太古の昔からそれは変わらず、これからもきっと同じに違いない。

まだその「彼(彼女)」に出会っていない「あなた」も、きっと出会うことだろう。

それはきっと、「片割れ時」なのかも知れない……

(S.A.)

Sponsored Link

 - アニメ, 映画

[PR]

日本で一番簡単にビットコインが買える取引所 coincheck bitcoin

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

Comment

  1. 達也 より:

    ちわっす!

    映画を観ていたときに、『ケンカでもしたのか、司と先輩とは別々に東京に戻った』っていうセリフを、『なんで司と先輩は別々に東京に戻ったんだろう?』って勘違いしてて、ググッたらここが検索に引っ掛かり、謎が解けました ありがとう

    ただ、一つだけ、本当にどっちでもよいことなんですが気になったことがあって、ラスト間際の、電車に乗っている二人が互いの窓越しに目が合うシーンは『すれ違う電車』ではなく、いっとき平行して走る路線があるんですよ確か

    さすがにすれ違う電車同士で互いを認識し合うには余程の動体視力が必要です 笑

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

  関連記事

150720_003
映画『の・ようなもの のようなもの』続編・森田芳光監督作品最新情報

森田芳光監督のデビュー作『の・ようなもの』の34年ぶりの続編。 映画『の・ような …

ookamisyojo
オオカミ少女と黒王子 アニメ実写版映画あらすじ・キャスト相関図・主題歌

映画「オオカミ少女と黒王子」主演:、山崎賢人×二階堂ふみ 2016年5月28日( …

img0640
海賊とよばれた男 岡田准一主演映画あらすじ・キャスト鑑賞ガイド

映画「海賊とよばれた男」主演:岡田准一 2016年12月10日(土)公開 原作: …

kiminonawa
君の名は。 新海誠監督アニメ映画 あらすじ みどころ 鑑賞ガイド

映画「君の名は。」 2016年8月26日(金)公開 原作・脚本・監督 新海 誠( …

bokunohelo
僕のヒーローアカデミア TVアニメ化!あらすじ・登場人物 視聴ガイド

僕のヒーローアカデミア MBS/TBS系列 全国28局ネット 2016年4月3日 …

bgf
BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント 映画あらすじ・みどころ 鑑賞ガイド

映画「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」 2016年9月17日(土)公 …

ameagari-a-san
雨上がりのAさんの話 映画の裏事情2016.4.26まとめ

映画関係者Aさんに聞いた 映画の裏事情 2016年4月26日 雨上がりの「Aさん …

tonorisokudegozarru
《殿、利息でござる》 実話映画 あらすじ・キャスト相関図・主題歌

映画「殿、利息でござる!」主演:阿部サダヲ 2016年5月14日(土)公開 原作 …

e-suwonerae
懐かしいアニメシリーズ エースをねらえ!画像 動画 DVD

昭和懐かしのアニメ・エースを狙え! 私たちの世代ではやっぱり、テニスと言えば「エ …

150423_000
『リピーテッド』 映画 ネタバレ・結末・原作 鑑賞ガイド

リピーテッド Before I go to Sleep 目が覚めると今までの記憶 …