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映画《ソロモンの偽証 前篇・事件》 ネタバレ結末・詳細あらすじ・感想・批評

      2016/05/22

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映画「ソロモンの偽証 前篇・事件」のあらすじと考察・感想

23年前に卒業した母校・城東第三中学校に、教師として赴任してきた中原涼子〈旧姓・藤野〉は、今の校長に、伝説となった「校内裁判」の話を始めます。

1990年12月25日の大雪の朝、2年A組の藤野涼子は同級生の野田健一と登校し、2人は雪に埋もれた同級生の柏木卓也を発見しました。
遺書は残されていなかったが、警察は屋上からの飛び降り自殺と断定しました。

冬休みに入り、柏木卓也の葬儀が執り行われ、同級生が参席するなか、他校の男子生徒が一人来ていました。
冬休み最後の日、2年D組の大出俊次とその手下の橋田祐太郎・井口充が、柏木を屋上から突き落とすところを見たという「告発状」が、涼子の家に届きました。

同じ内容の手紙は津崎校長にも届き、刑事である涼子の父は担当刑事の佐々木礼子と学校に来ました。
2年A組の誰かが送ったものと推定し、生徒たちには「告発状」のことは伏せながら、2年A組にカウンセリングを行ない、告発状の差出人を探すことにします。

告発状を送った三宅樹里は、ニキビが気になる女の子で、父は画家、母は音楽系のライターをしていて、母は父を嫌っています。
浅井松子は三宅樹里に心酔していて、一緒に告発状を送ったのでした。
2人のカウンセリングをして、佐々木刑事は薄々感づいたようです。

樹里は、ニキビのせいで大出たちから、暴力によるひどいいじめを受けていました。
樹里は松子に、「大出たちが突き落とすのを見た」とウソをついて信じ込ませ、「告発状」を出すことで大出たちに復讐しようとしていたのです。

涼子の担任の森内恵美子宛てに届いた告発状がゴミ捨て場に破り捨てられていたのを拾ったという手紙が、テレビ局に送りつけられていました。
校長や森内に詰め寄るマスコミは、2年A組の生徒たちにも取材します。
それによって、「柏木は殺された」という話題がクラスに広まります。
犯人と疑われることになった大出・橋田・井口は、学校に行かなくなります。

樹里は、佐々木刑事に、大出たちが笑いながら「うまくいった」と話しているのを聞いたと話します。
その夜、佐々木刑事は、津崎校長に樹里と松子が復讐のために告発状を出したことを報告しますが、校長は生徒たちがお互いを不信することでいじめに発展することを恐れ、これ以上のカウンセリングを止めるように要請します。
その後の職員会議で、告発状の送り主は特定できなかったと報告する津崎校長。
告発状を破りすてたことを同僚の教師に責められる森内は、自分は「受け取っていない」と言っても信じてもらえません。

米屋を営む松子の両親とも太っていて、娘が太っていても気にしない明るい家庭。
そこへ忘れ物を届けにきた涼子。
涼子は松子と歩きながら「ごめんね」と言います。
松子と別れ、以前のことを回想する涼子。
実は涼子は、卓也がまだ生きていたころ、大出たちに暴力を受けていた樹里と松子を遠くで見ながら、助けることができなかったのです。
「どうして助けてあげないの?」と声をかけてきたのは卓也でした。
ホームルームでいじめ廃絶を訴えてたくせに「口先だけの偽善者、お前みたいなやつが一番悪質なんだよ」と卓也に言われてしまいます。

担任の森内が佐々木刑事を訪ねて警察署に来ました。
「誰も私の言うことを信じてくれない」と、卒業式のあと、森内は辞表を提出していました。
森内は、「告発状は誰かに盗まれた」と佐々木刑事に捜査を依頼しますが、所轄が違うし郵便物紛失だけでは動いてくれないから調査会社に依頼することを勧めます。
「嫌がらせをする誰にか心当たりは?」と聞かれ、「柏木くんです、自分の死後にこうなるように呪いをかけたんです」と答える森内。

3年生に進級した涼子。
マスコミによって告発状の内容が報道されます。
テレビを見ながら喜ぶ樹里。

卓也が発見された場所に立って、屋上を見上げている卓也の友人で他校の生徒・神原和彦に声をかける野田健一。
神原は卓也と小学校で一緒だったと言い、座って卓也の話を聞く事にした健一。
以前、健一は、卓也とウサギ小屋の前で話したとき、卓也から「死後に生まれかわるとしたら、人間とウサギどっち?」と聞かれていました。
「人間に決まってるだろ」という健一に卓也はうさぎを抱えながら、「こいつらの生き方にはウソがないんだよ」と言います。
「うさぎは無垢で純粋だが、人間はそうじゃない、だったらウサギの方が良いよ」と笑う卓也。
健一には、卓也が辛そうに見え、自殺と聞いて「ああ」と思ったといいます。
神原は健一に、「また会ってもらえないか」と頼みました。

森内がマンションの自宅に入ろうとすると、隣の家のドアが開いて、妻を殴って出て行く夫。
「大丈夫ですか?」と声をかける森内を、頭から血を流しながら見つめる隣人の妻。

テレビ報道後、緊急保護者会が開かれ、佐々木刑事が告発状のウソを説明し、納得する保護者たち。
母親からその話を聞き、「樹里ちゃんちに行ってくる」と言って家を飛び出す松子。
土砂降りの雨の中、泣きながら走る松子は、車にはねられて亡くなってしまいました。

次の日、クラスの友人から松子のことを聞いて倒れ、保健室に行く涼子。
となりのベッドには、ショックのあまり声が出なくなった樹里がいました。
そして、津崎校長も責任をとって辞職することになりました。

松子が生前、放課後に教室で、樹里に一方的に悪口をいわれているのを見ていた涼子。
そこには卓也もいて、卓也の視線を気にしながら樹里に「やめなよ、そういうの」と言います。
しかし、松子は「気にしないで、私たちいつもこんな感じだから」と笑います。
教室を出る涼子を追いかけた松子は「樹里ちゃんのこと嫌いにならないで、本当はいい子だよ」と言います。

1991年・初夏、同級生の2人の死と、卓也の言葉を忘れられない涼子は、自殺を考えて線路の側にいました。
しかし、自殺を踏みとどまり、「もう逃げるのはやめて闘おう」と涼子は心に決めました。

6月の半ばを過ぎたころ、涼子は健一に紹介され、神原に会いました。
東都大付属中に通う神原は、卓也と小学校5、6年の同級生で塾も一緒でした。
どうして卓也が死んだのか、本当のことを知りたいという神原。

大出と樹里が2人とも犯人扱い、有罪判決を受けているという涼子。
「それは本物の裁判ではありえない」という神原。
涼子は2人に、「学校で裁判をやろう」と言いだします。

涼子の母は、内申書を心配して反対しますが、涼子の決意は変わりません。
涼子と健一は、バスケ部顧問の北尾に相談すると、快く賛成してくれました。

神原と図書館で話をする涼子と健一。
神原は、卓也が大出に殺されたとは思えないと言います。
神原曰く、「ぼくが知る柏木くんは、いじめられるタイプではないし、夜中に呼び出されてのこのこ出ていくなんて考えられない」
「ぼくを、大出くんの弁護人にさせてもらえないかな?藤野さん、検事をやれる?」という神原。
自殺を信じる神原に対し、「大出くんならやりかねない」と、検事をやることを決意する涼子。

卒業文集作成のために体育館に集まった3年生の中の、元2年A組の生徒たちを集め、裁判に協力してほしいと話す涼子と健一。
いち早く賛成する倉田まり子と向坂行夫。
井上康夫は、学校を敵に回すと受験に不利になると反対。

学年主任の高木が集会をやめさせようとすると、食ってかかる涼子。
言いすぎる涼子を思わず平手打ちにしてしまった高木。
高木を抑えようとする健一たちを、投げ技で投げる楠山教諭。
さらに涼子を殴ろうとする高木の手を掴む井上。

校長室に来ている涼子と涼子の母・邦子と井上。
井上の証言で教育指導ではなく、行き過ぎた暴力だったと認める高木。
涼子は校長に「学校内裁判」を認めるように言います。
涼子を諌めようとする楠山。
邦子は校長に、「学校内裁判」を認めなければ、診断書をとって教育委員会に訴えると迫ります。
校長室を出てきた2人、「涼子がいい子のふりをやめるなら、私も学校にいい顔するのやめる」という邦子。

裁判の参加希望者を募る涼子たち。
「内申書に響く」と生徒たちを脅し、裁判に圧力をかける高木と楠山。
しかし、それが生徒たちの反発を招くことになります。
まず、松子が所属していた吹奏楽部が動きだし、バスケ部の顧問だった森内のためにバスケ部が立ち上がります。
さらには、北尾が校長に辞表を提出し、生徒たちを応援することに。

裁判の準備を始める涼子たち。
弁護人の神原の助手を健一が務め、検事の涼子の助手をまり子と向坂が務めることに。
そして、判事を秀才の井上がすることに。

調査の結果、森内のポストから告発状を盗んだのは、隣人の垣内美奈絵だったことが判明します。
理由は、夫が愛人と結婚したいと離婚をきりだしたことによるストレスからでした。

夏休みの直前、大出の自宅が火事で全焼し祖母が亡くなりました。
大出の引っ越し先を訪ねてきた涼子たちは、大出に裁判に被告人として出るように頼みます。
顔を腫らした大出は、毎日父から殴られていました。
母は嫌がらせの電話でノイローゼに。
神原は大出に殴られながらも、自分の父は母を殴り殺したと衝撃の告白をして、当時の新聞記事を見せます。
「人殺しの息子のぼくが、君の弁護人をやる、やらせてくれるね?」

涼子は、佐々木刑事に、卓也の死に関する資料の提出を頼みます。
「傷つく人が出てくると思わない?」と聞く佐々木刑事に、「私たち、もうぼろぼろです。告発状の差出人が本当に求めているのは、かばってもらうことじゃないんです。信じてくれと訴えているんです」と涼子。

大出と母・佐知子に当日のアリバイを聞き、裁判で佐知子に証人として出てほしいと頼む神原と健一。
しかし、父・勝が帰ってきて、佐知子が裁判に出ることに腹を立て、佐知子や大出に暴力を。
これにより、大出は裁判に出ないと言いだします。

裁判の準備で集まっている涼子たちに、当日必ず大出を連れてくると宣言する神原。
その場にいた北尾が「どうしてそこまでヨソの学校のために頑張れるんだ?どうしてそこまで必死になる?」と聞きます。
「試されてるような気がするんです、柏木くんに。自分が命をかけた問題、お前みたいな口先だけの偽善者に解けるかって。それには絶対負けたくないって気持ちが、ぼくにはみんなより強いんだと思います」と答える神原。

暗い自宅の部屋で、ニュースアドベンチャーの茂木に「学校内裁判を全国に報道してほしい」というメールを書く樹里。
そこに母・未来がやってきて、メールの内容を読み「何書いてるの、樹里ちゃん!?」と叫ぶところで前篇の終了です。

 

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エンディング曲、「ADAGIO PER ARCHI E ORGANO IN SOL MINORE(アルビノーニのアダージョ)」が静かに流れます。

「アルビノーニのアダージョ」と言いながら、実は第二次世界大戦の空襲によって運び出されたトマゾ・アルビノーニの楽譜の断片をもとにして、レモ・ジャゾットが編曲したというものです。
いかにも、ソロモンの偽証のエンディングにふさわしい感じです。

原作は、第Ⅰ部「事件」、第Ⅱ部「決意」、第Ⅲ部「法廷」の三部作の長編です。

前篇だけで2時間、とても重厚で見ごたえがありました。

卓也の死の真相は、当然ながら後編を見ないとわかりません。

なぜ「ソロモンの偽証」という題名になったのか、後編でわかることを期待したいです。

観終わって、一番頭に残っている言葉が「口先だけの偽善者」です。

亡くなった柏木卓也が、涼子と神原の2人に言っています。

ちなみにこの言葉は、原作にはない映画オリジナルだそうです。

卓也は、涼子や神原のような「口先だけの偽善者」を許せないようです。

また、健一とウサギ小屋の前で、「こいつらの生き方にはウソがない」「うさぎは無垢で純粋だが、人間はそうじゃない」と話しています。

卓也は、「純粋でないもの」「ウソをつくもの」に対する嫌悪感がひどいように思えます。

「人間は純粋ではなく、ウソをつく生き物」と、この人間社会に対してあきらめを感じていた卓也なら、自殺する動機は大いにあると思います。

卓也の葬儀の場面から、突如現れた他校の生徒・神原は、「ぼくが知る柏木くんは、いじめられるタイプではないし、夜中に呼び出されてのこのこ出ていくなんて考えられない」というように、自殺に確信を持っているようです。

この物語の中で、闇の部分を一身に背負っているのが三宅樹里です。

告発状のことがテレビ報道されたとき、テレビを見ながら笑っていたり、暗い部屋でメールを打ちながら笑っている場面が本当に怖いです。

最後の場面で、母・未来役の永作博美さんが叫ぶシーンで終わるところなんて「ぞー」っとします。

この樹里と対照的なのが、米屋の娘・松子です。

樹里と同じように、大出から殴る蹴るの暴力によるひどいいじめを受けているのに、性格が歪むことなくおおらかに生きています。

にきびや、大出のひどいいじめで性格が歪んでしまった樹里に悪口を言われても、平気な顔でつきあえるところがすごいというか。

松子の両親である浅井洋平(塚地武雄)、敏江(池谷のぶえ)の夫婦が、おおらかで優しい娘に育てたことが感じられました。

それに比べ、樹里の母・未来は、画家である夫の愚痴を娘に言い続けてたようで、母による間違った養育のしわよせが娘にきているように思いました。

学校一のワル・大出俊次は、工務店を営む父が暴力的で、日常的に妻や息子に暴力をふるっていますから、女子生徒に対しても平気で殴る蹴るの暴行ができる人間に育ってしまったんですね。

一方、小1のときに父親が母親を殴り殺してしまったという神原は、その後どのように育つことで、有名進学校に入るまでに成長できたのかも、後編で明らかになれば嬉しいです。

しかし、一見優秀そうに見える神原が、もしかしたら深い闇を抱えているのかも!?

それが卓也の死につながっているとしたら・・・。

「偽証」とはウソをつくこと、後編でどんなウソが暴かれていくのかが楽しみです。(後篇へつづく

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