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恩師が語る荒川静香と羽生結弦二人の天才の違い

      2018/04/05

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今回の平昌オリンピックで一番の感動と驚きは、羽生結弦選手の金メダルでした。
直前のケガで万全な身体ではなかったはずなのに、痛み止めを使いながらの見事な滑りでした。
そんな羽生選手を恩師は「努力型の天才。本当に努力していた」と語っています。
2連覇・羽生結弦は“ただの天才”ではない…恩師が見た荒川静香との違い〈週刊朝日〉

2連覇・羽生結弦は“ただの天才”ではない…恩師が見た荒川静香との違い〈週刊朝日〉2/20(火) 7:00配信

「自分の人生史上、一番幸せな瞬間」。ケガを乗り越え、不死鳥が舞った。
平昌五輪のフィギュアスケート男子で羽生結弦(23)が66年ぶりの2連覇。宇野昌磨(20)も銀メダルで続いた。
異次元の高みに到達した“ゆづ”が、「僕の武器」というある戦略とは──?

やはり、羽生は「絶対王者」だった。

 解説者の佐野稔氏が言う。

「ケガで3カ月のブランクからここまで復活したのは、超人的。普通の選手なら試合勘が鈍るなど影響が出るが、羽生に関してはまったく心配していなかった。五輪での勝ち方を本当の意味で知っているのは羽生だけ。色々なアクシデントを経験し、そこから不死鳥のような力強さや粘りを手に入れたと思います」

昨年11月、NHK杯の練習中に転倒し、右足首を負傷。
3カ月間すべての試合を欠場し、練習を始めたのは1月。
ほぼ“ぶっつけ本番”で臨んだ平昌五輪だったが、現地入りした羽生は落ち着いていたという。

「記者への対応も普段以上に、ニコニコして、開き直っている感じもありました。足首を痛めていたので、フリーはきつい。でも、彼はそういう逆境が実は好きなんです。『弱い自分がいるということは、これから強くなる余地がある』とおもしろがれるメンタリティーがある。万全な状態じゃないけど、それを楽しんでいるという感じに見えました」(朝日新聞スポーツ部・後藤太輔記者)

公式練習後の2月13日の記者会見では、「何も不安要素はない。クリーンに滑れば絶対に勝てる自信がある」と予告していた羽生。

だが、実際にはギリギリの勝負だった。
フィギュアスケートに詳しいスポーツライターがこう語る。

「事前練習では跳べていないジャンプも結構あって、内心、焦りはあったと思う。そんな中での『絶対勝てる』発言は、自分に言い聞かせるような意味合いもあったのではないか」

羽生の出身校である東北高校フィギュアスケート部で顧問を務めた五十嵐一弥学園長はこう語る。

「今までの羽生と今回の羽生の一番大きな違いは『目力』。あの『目力』は、今までになかった。この1カ月、カナダのトロントでしっかりと練習してきて、自信を持っている表れなのかな、と感じました」

足首のケガという最大の危機を乗り越えての、フィギュアスケート男子での66年ぶりの五輪連覇。
いったい何が、羽生をここまで強くしたのか。前出の後藤記者は言う。

「ケガで練習できない間、リハビリで陸上トレーニングをやったそうです。しかし、体力は落ちていたと思います。彼の練習時間は短く、1日約2時間、週4~5回程度です。今回、故障した足首はもともと弱く、食も細いので風邪をひきやすい。喘息(ぜんそく)の持病もあり、心肺能力が高いわけでもない。短時間に集中してやるしかない、という必然性もあると思います。短時間で効果を上げるために、記録、言葉、考えることを彼は大切にしてきた。羽生本人は自分の強みを『他人の考え方を自分のものにすること』『研究が僕の武器』と分析していました」

羽生は、コーチに受けた指導や体の動きで気づいたことをノートに書き、整理し、分析する習慣があるという。

「小学2年生のとき、コーチに『ノートをつけなさい』と言われ、つけ始めたのがきっかけだったそうです。今でも体の動きやタイミングを整理し、言葉にして記録に残しておく。羽生はその能力が高い。ジャンプが成功したときの共通点は何か。足や腕の位置などをずっとメモする。コーチに聞いたり、ほかの選手を見たり、家族の話を聞いたり。いろんな材料をいっぱい集める。そこから絶対必要なものを絞り込む。ジャンプ成功のために絞り込んだポイントを『最大公約数』と彼は呼び、再現していく。金メダルはその分析力が発揮された成果でしょう」(前出の後藤記者)

いわば“脳力”の強さが生んだ勝利。
その力は、普段の取材の場面でも感じられるという。

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「羽生の試合後の取材は、負けたときや失敗したときのほうがおもしろい。そのときの精神状態とか、体が開いたとか、失敗した理由はああでこうでと、饒舌に語るんです。動きを言葉に置き換えるのがうまいんですね。小学4年くらいからメディアの取材を受けてきたことが、良い効果を生んだと、本人も語っています。また、小さい頃から『なんで、どうして』とよく言う子どもだったそうです」(同)

羽生を知る関係者が口をそろえるのは、現在の強さは、人一倍の努力で培われたものということだ。
東北高校フィギュアスケート部の後輩の証言を紹介しよう。

「ゆづは練習熱心でした。毎日滑っていたし、体力をつけるためマスクをして滑っていた。マスクをすると呼吸が苦しいので、肺活量が上がるらしいんです。でも、練習してても、人には言わないんですよ」

一方で、普通の高校生らしい一面もあったという。
「おしゃべりで、どちらかというとボケ役で、私たちが突っ込むという感じ。練習の合間にちょこっと冗談を言ったりする。でも、全然オチがなくて、しらけたり。下ネタを言うこともある普通の男子高校生でした」(後輩女子)

ちなみに、研究熱心な性格は競技以外にも発揮されたようで、高校時代には意外な趣味もあったという。別の後輩の証言。

「ゆづ君の趣味は家電でしたね。見るのが好きで、家電量販店に一日中いられるくらいだった。ゲームも好きで、プレステ2とかを分解して遊んでいたそうです」

前出の五十嵐氏は、同じ高校の先輩である荒川静香と羽生を比較し、「荒川静香は天才少女だったが、羽生結弦は努力型の天才。本当に努力していた」と評する。
羽生はアスリート一家に生まれたワケではない。

「結弦君の父も、父方の祖父も教員。特にスケートには縁がない一家だった」(羽生家を古くから知る知人)

羽生の幼い頃を知る親族がこう語る。

「スケートを始めたのは4歳ぐらいのとき。結弦はお姉さんと2人姉弟で、最初はお姉さんがフィギュアスケートをやってたんですよ。お姉さんについて行った結弦は『自分もやってみたい』と始めたんです。その後、お姉さんはやめましたけど、結弦がこんなに立派になって……。涙が止まりませんでした」

人一倍の努力で上り詰めた男は、まだ23歳。
ただ、過酷な競技であるフィギュアスケートの引退年齢は早く、浅田真央も26歳で引退した。
4年後も五輪の舞台で、史上初の3連覇をかけた演技を見ることができるのか。

「羽生は昨年、取材に対して『誰も跳んだことがないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を跳びたい』と語ったことがある。今回の五輪には間に合わないとも言っていたので、その夢を実現するまでは、競技を続けていくのではないかと思います」(ジャーナリストの田村明子さん)

(本誌・小泉耕平、上田耕司、堀井正明)

※週刊朝日 2018年3月2日号

[出典:2連覇・羽生結弦は“ただの天才”ではない…恩師が見た荒川静香との違い〈週刊朝日〉(AERA dot.)(Yahoo!ニュース > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180219-00000014-sasahi-spo ]

荒川さんは「天才少女」で、羽生選手は「努力型の天才」。
ただの天才ではないからこそ、多くの人の心を魅了するのでしょうね。

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