『あさが来た』第76話 ~ ネタバレ・あらすじ まとめ
NHK朝ドラ「あさが来た」第76回 あらすじ&ネタバレ
アメリカは、えらいとこやったで!
わあ、いてた!
あさ姉!
久太郎!
久太郎と言わんといてえな、忠嗣や。もう、えらい仕事も任されているんやで。
えらいご立派になられて。(うめ)
お父はん、お母はんに気づかれへんかった?
大丈夫や、それに、お母はんは今、今井の分家の七回忌がある言うて、下総の市川まで手伝いに行ってはります。
お母はん、元気にしてはるの?
元気や、元気。近いうちに、大阪までお姉ちゃんのお子の顔見に行かな、いつも言うてはるで。
そら嬉しいなあ。お父はんは?まあ、お父はんは心配せんかて元気やろうけど。
あさ姉、お父はんらの話もええけど、アメリカの話も聞いてえな。
「アメリカ」と聞いて、手拭いで顔を隠した諭吉が頭を上げました。
アメリカは、えらいとこやったで!
その話が一番聞きたい、アメリカのお方て、みんな背が六尺五寸あるてほんま?
それよりもおあさ様、ほんまにええんだすか?せっかく東京まで来てんのに、親御様にお会いにならへんて。
そら会いたいけど、うちが千代を、旦那様やお母様に任せて東京に勉強に来てるやなんて聞いたら、お父はんどない怒りはるか・・・。
あさの後ろに立っている忠興が言います。
せやな、そらあ、えらい怒らはるやろな。
せやろ、せやさかい・・・ん?
今、久太郎が言うた?
忠嗣は、忠興を見上げて驚き、あさに向かって首を横に振ります。
うめも忠興を見上げて、声が出ません。
ゆっくりと後ろを振り向くあさ。
はっ!?
目を見開いた忠興が立っています。
お父はん!
おなごも、男と同じ人だす
あさたちの後ろのテーブルで、顔を隠して本を読む諭吉。
忠嗣の様子がなんやおかしい思うてね、仕事のついでに後を追うてみたら、まさかおまえがおるとはな。
お久しぶりだす。
お久しぶりやあれへん。何で言わへんねや?
お父はん、怒りはりますやろ?ほら怒ってる・・・。
そら怒るやろ、嫁いだ娘がこっちに来る言うたら、孫連れて土産持って親に顔見せに来る言うのがあるべき姿やないか。それがお前、親には知らせへん、千代は連れて来いひん、勉強だけしに来ましたて・・・。
お土産やったらありますさかい。これな、堀江のあみだ池で買うた「あわおこし」。
へー、こらええな、お母はんになんて渡そ。(忠嗣)
土産なんてどうでもええのや!
すんまへん、せやけどお父はん、近頃はうちが育ってきたころとは違うて、おなごも学問したほうがええ言う風潮になってきてるみたいだす。
はあっ!?
福沢諭吉先生の書きはった、「学問のすすめ」言う本はお読みになりましたか?
読んでいた本を閉じる諭吉。
「天は人の上に人をつくらず」言う言葉も感じ入りましたんやけど、うちがもっとびっくりぽんしたのは、3年前に刊行された第8編だす。「そもそも、世に生まれたるものは、男も人なり、女も人なり」言うこの一言だす。
うんうんとうなずく諭吉。
おなごも、男と同じ人だす。この世に男と女、両方によってつくられるべきものなんだす。
うんー、と深くうなずく諭吉。
そもそも、男と女の違いは、腕っぷしの強さ弱さだけだす。
立ち上がった諭吉。
せやのに、女が女や言うだけで、男の言うことは何でも聞かなあかん言うのは理不尽だす。これからはおなごかて勉強して、男の方と意見交し合ういうのは、あっておかしないことやと思います。
その通り!ザッツ ライト!うん、御無礼、御無礼。
そう言って、諭吉があさたちのテーブルに来て座りました。
福沢諭吉のスピーチ
まさしく、男女は体の作り以外は、平等一様にして、男も女も熱いお茶を飲めば熱いしね、おこしを食べれば甘くておいしいなど、男はとくにね、遊びたいなあと思うように、おなごもね、時には羽を伸ばしておおいに遊びたいと思う。
また、男がおおいに学んで、世の為に役に立ちたいと願うならば、女もまたおおいに学問をして、世の為になりたいと思う、これは必定。
男女とは、まったく同じものです。ところが、現実はいかがかな?
こんな熱くても、男がその茶はぬるいと言えば、ああそうですかと我慢し、たとえば、男が、遊びも仕事のうちだと言えば、そういうもんですかと、家で家事をしながらじーっと我慢をしてる。
日本の婦人は、生まれては親、嫁いでは夫、老いては子に従え、とそう教えられ従うとりました。
しかし、われら日本男児、果たしてそのようなことを強いられて、それに従えますか、従えますか、従えますか?
向こうのテーブルにいた男たちは、諭吉に指を差されて驚き、手を横に振ります。
従えますか?
無理ですと答える忠嗣。
うーん。
あれ、あなたは確か、新橋の・・・。(うめ)
いやいやいや、いかな身分の人間も、自由と独立を妨げられてはなりません。それが私の考えです。
婦人に対しても、同じです。
せやけど、おなごがそのように生きる言うのは、実際やってみますと、大層むずかしいことのように思われます。
あさの話を聞きながら、土産のおこしの袋を開ける諭吉。
理解ある親や夫に支えられていますのに、それでも難しいのはなんでなんだすやろか?
やはり、夫や家から自由に生きるためには、婦人も経済の自立を図るべきです。
しっかりとした財産を持ち、世間に対して己の責任を重とう持たねばなりません。
責任?
うん、独立自尊、おおいに学びしっかり働いて、しっかり稼ぐ!
ええ、そうだ、あなたはいつか、おなごの社長になりなさい。
えっ!?社長?
失礼ながら、あなたもしや、福沢先生・・・!?(忠興)
いや、ご無礼、ご無礼、愉快でした。これ、一枚だけ、懐かしいもの。ご無礼、ご無礼、ご無礼、いやー、愉快でした。
そう言って店を出る諭吉。
はあ、行ってしまいはった。(あさ)
おこしを食べながら外に出た諭吉。
うんー、日本にも、やっと新しいおなごが出てきたか・・・。
これから7年後に、福沢諭吉は新しい時代の女性のあり方を提案する「日本婦人論」を刊行します。
福沢の書物は、この先も長きにわたって、あさの心を支えることになるのです。
お互い、辛抱の時だすなあ
牛鍋を食べるあさたち。
はあ!?大久保様に会うたやて?
しー、内緒にしてな。大久保様、大変なお仕事の合間縫うて、時々五代様に会いに来てはるそうなんだす。
感激しましたわ、えらい大きい、あったかい手のお方でなあ。
ほんま、偉ぶるとこのない、優しいお方で。(うめ)
へー。(忠嗣)
何ちゅうことや。だいたいお前、炭坑はどないしたんや?
へえ、炭坑はやってみて、先のある仕事や言うのはようわかりましたさかい、どないかして復興させるつもりだす。
長い目で見たら、今が辛抱の時やて思うてます。今井みたいな銀行への道は遠なってしまいましたけど・・・。
いや、銀行経営もなかなか難しい。まだ日本に、遊んでるお金を銀行に預けて、そのお金を銀行が必要としてる人に貸すって言う考えが根付いてないねや。
そうだすか・・・。そやけど、きっともうじきだす。
五代様とこの街歩いてようわかりました。この国の文明は今、まさに花開こうとしてますのや。
今井のお金を金に換える人たちが出てくるのも、きっとそない遠い話やあらしまへん。
なるほど。
お互い、辛抱の時だすなあ。
ああーー!?何を生意気な!
おあさ様。(うめ)
すんまへん。
店を出て、忠興は忠嗣に言います。
認めざるを得んようやな。あさと話してると、なんやおなごと話してるようには思えへん。
いや、男や女や言うようなことやのうて、あいつはもう、一人の商売人なんやなあ。
★
回想シーン・・・
あさは、男として育ててみたらどないや?(忠政)
はあ?(忠興)
あさは実は男やったと言うことにして、今井の家督をあさに継がせるんや。(忠政)
★
負けたわ、お父はん・・・。
そうつぶやく忠興。
これからは、おおいにやってやっど!
五代と大久保が東弘成館にて。
よかとか?これはおはんがイギリスに行ってたときに買ってきたと言う、とっておきの酒じゃったとが。
はい、これを共に開けるのは、大久保さんしかいないと、前から決めとりました。
甘党のおまんさあ(あなた)の口には合いませんか?
「いやあ」と言ってグラスを飲み干す大久保。
おはんも、今はおいが、姑息な政治家になったと思っているか?
はあ?何をおっしゃる、大久保さんは日本の未来を一番よく考えてるお方じゃ。
大久保さんに弱気になられたら・・・。
いいや、おいは、これから変わっど!
今まで、外国やら藩閥やら、いろんなものに干渉されて、何も自由にできなかった。
じゃっどん、これからじゃ!
これからは、おおいにやってやっど!
じゃっど!その意気でごわんど。それでこそ、おいが昔から知ってる大久保さんじゃ。
ははは。
明治が始まって10年、おいは常々、新しい時代が出来上がるには、あと20年かかると思ってる。
20年・・・、ということは、トータルで30年か・・・。
じゃ。今までの10年は、事を起こし、落ち着かせるまでの始まりの時期。
そして、この先10年は、政治を整え、民の産業を活発にする建設の時期。
五代、おはんには、ますます気張ってもらわねばならん。
おはんもです。
うん。おいも、あと10年は気張ろう。そしてその先の10年で、ようやく新しい日本が出来上がる。
そうか。その頃には日本はどげん国になってるでしょうな。
外国に負けない、強い国じゃ。かと言って、力でねじ伏せるわけではない。本当に強いもんは、そんなことはしないものじゃ。
戦は、破壊するだけのもの。もうこりごりじゃ。
じゃ。おおっ。
チェリーか?
大久保さん、一つだけ忘れております。
おまんさあは、産業、農業、文化・教育、いろいろ細かいとこまで日本の未来を考えておられるが、女性を育てる道、それを作るのは忘れているようでございます。
おおっ、そう言えば、見落としていたなあ。
もしかしたら、その道を作る事の中に、この国を、戦いなくして強くする方法が隠されてるのかも知れんのお。
ファースト・ピングゥインの出番じゃ。おはんのおなご好きも、悪いことばかりじゃないなあ。
ああっ!?何をおっしゃる、さあ、飲みにいきもんそ、もっと、日本の話をしもんそ。
「おお」と言って、肩を抱く大久保。
「大久保内務卿 暗殺さる」
数日後、いよいよ、あさたちが大阪に帰る日となりました。
五代の秘書・三坂が五代に言います。
また昨日もお泊りになったんですか?
うーん、ちょっと飲みすぎてしもうた。そろそろ行かな、あささんの汽車を見送る時分や。
その後は、渋澤様との会合です、お忘れないように。
わかってる、わかってる。
窓から外を見る五代。
今日はあまり天気が良うないみたいやな。
職員が入ってきました。
五代様!
大変です!
★
号外、号外!
号外を拾って見るあさたち。
号外「大久保内務卿 暗殺さる」
暗殺て・・・。(あさ)
明治11年5月14日のことでした。
つづく。
激動の時代ですね。勉強になります。
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