白子屋お熊事件・山本屋おとよストーカー事件
2019/02/27
江戸時代の不倫事件
「生類憐れみの令」で有名な五代将軍 徳川綱吉のゲス不倫
綱吉には、正室の鷹司信子がいました。
そんな綱吉は、部下の柳沢吉保の家に「教授」の名目で頻繁に通っていました。
柳沢吉保とは、綱吉に寵愛されて大老格にまで出世した徳川の大名です。
当時、将軍が家来の家に行くことは珍しい時代でした。
ところが驚くことに、綱吉が柳沢の屋敷に訪れたのはなんと58回だったといいます。
実は、綱吉がそこまでして柳沢の屋敷に通ったのには、理由があったのです。
女癖が悪かったという綱吉は、柳沢吉保の側室・お染と不倫関係にあったと言われています。
そして、お染はその後妊娠しました。
表向きには柳沢の子、しかし噂では綱吉の子だと……。
それを聞いた綱吉の正妻・鷹司信子は大激怒!
怒りのあまり、彼女は驚きの行動に出ます。
なんと大奥にある宇治の間で、自分の夫であり将軍である綱吉を殺害したというのです。
あくまでも噂話ですが、大奥ではこれが「真実」として語り継がれてきたのです。
実際の綱吉の死因としては、麻疹にかかり予後が悪く、食事の最中に喉に物を詰まらせて窒息で亡くなったと言われています。
当時のゴシップ誌に「こういうことがあった」と書かれているんだそう。
実はこの話には続きがあって…。
将軍が殺害されたと噂の「宇治の間」は、夜な夜な幽霊が出ると言われて「開かずの間」になりました。
そのせいで、「江戸城が改築されるたびに同じ場所に同じように作り変えられた」という事も、この噂が真実だと語られている理由なのです。
悪女「白子屋のお熊事件」とは!?
白子屋の娘「お熊」は、江戸の日本橋界隈で美女として有名でした。
しかしこのお熊は、ケタ外れの浪費家だったのです。
実家の材木屋はお金持ちだったにのですが、そのお金も使い込んでしまいました。
そして彼女が思いついたのが、「裕福な男との結婚」でした。
金持ちの息子を婿養子にもらい、更なるお金を手に入れたお熊。
しかし、お金にしか興味のなく、夫のことは好きになれないお熊が出した答え、それは…
「夫に死んでもらう」
さっそく、夫の朝ご飯に毒を盛って殺そうと計画しますが、夫を指示する使用人にバレて計画は失敗。
さらには、お熊と使用人とのゲス不倫も発覚し、逮捕されてしまいました。
「江戸最恐」と言われるお熊の伝説はまだ終わりません。
当時、不倫は死罪。
お熊は市中引き回しの上、獄門の刑(斬首)に。
市中引き回しとは、縄をかけられ、みすぼらしい姿を見世物にされる刑罰です。
しかしお熊は、市中引き回しを「一世一代の晴れ舞台」と意気込み、当時最高級の着物に水晶の数珠をつけました。
堂々と日本橋の町を引き回されるその美しい姿に、町民たちは拍手喝采したのです。
このスキャンダルは、現在も歌舞伎の演目として語り継がれています。
お熊を裁いたのは、時代劇でも有名な大岡越前。
江戸で有名な町奉行の大岡越前には、大岡裁きといわれる落語や講談はありますが、そのほとんどが実際に扱ったものではないと言われています。
しかしこのお熊事件は、実際に本人が裁いた数少ない事件だと言われています。
※参考⇒https://ja.wikipedia.org/wiki/白子屋お熊事件
「山本屋おとよストーカー事件」とは!?
隅田川のほとり、桜餅が有名なお茶屋「山本屋」に、浮世絵にも描かれている看板娘、おとよが働いていました。
お店に行列ができるほど人気だったおとよでしたが、彼女にストーカー行為を繰り返していた人物がいました。
それは老中・阿部正弘。
老中・阿部正弘とは、ペリーが来航し混乱する幕府の中で、自らが主導をとって安政の改革を行った人物です。
そんな阿部は、頻繁にお店を訪れては、遠くからずっとおとよをみつめるストーカー行為を繰り返していたのです。
ついに抑えきれない気持ちが爆発した阿部は、おとよを強引に連れ去り、自分の妾にして屋敷に閉じ込めてしまいました。
しかし、これには世間が反発、政治家としての人気が急落した阿部は、その後、心労がたたって亡くなってしまいました。
[出典:2017年2月5日(日)放送「林先生が驚く初耳学!」]
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