Writerzlab

ライターズラボ ★ 知的快感!ポータルサイト

*

「君たちはどう生きるか」に学ぶ第2弾(世界一受けたい授業まとめ)

      2018/03/12

Sponsored link

「君たちはどう生きるか」に学ぶ第2弾 2018年1月27日 世界一受けたい授業まとめ

「君たちはどう生きるか」から学ぶ、人間としてあるべき姿

「君たちはどう生きるか」は、81年前の1937年に、文学者でのちにジャーナリストとして活躍する吉野源三郎さんによって書かれた小説です。
昨年初めて漫画化され、発行部数130万部突破の大ヒット、また、映画監督・宮崎駿さんが最新作のタイトル「君たちはどう生きるか」にすると発表したことで話題になりました。

この本が出版された1937年、日中戦争に突入した日本は軍国主義が日に日に深刻化し、言論への弾圧も強まっていました。
主人公の本田潤一君は、中学2年生で通称「コペル君」、父を亡くし母と二人暮らしでした。

潤一君の良き理解者だったのが、お母さんの弟で近所に住む「おじさん」。
おじさんは、潤一君が学校での出来事や悩みを打ち明けると、その日の夜に「どう生きるべきか」のアドバイスをノートに書いてくれます。
実はそのおじさんの言葉こそが、多くの若者たちへのメッセージになっているという構成でした。

ある日、潤一君がクラスメートの浦川君の家を訪ねると、浦川君は幼い兄弟の面倒を見ながら家の手伝いをしていました。
働く浦川君を見て「僕だったら投げ出しちゃうかも知れない」と初めて貧富の差を知った潤一君。
そんな彼に、おじさんがノートに書いたアドバイスはこうでした。

≪人間の本当の値打ちは、着物や家や食べ物にあるわけじゃない。豪勢な邸(やしき)に住んでみたところで、バカなやつはバカなやつ。自分たちの幸福ばかり念頭において生きてゆくとしたら、それは間違ったことだね≫

81年前の本から、現代にも通じる人生のテーマを教えてくれるのは、「声に出して読みたい日本語」の著者・明治大学教授 斉藤 孝先生(57歳)。

この本は、老若男女、様々な世代に売れていて、いじめや格差問題など、主人公が直面する問題は「誰にも共通する問題」だというところがポイントです。

信念を貫く

ある日、おじさんと銀座のデパートの屋上に来た潤一君は、下を歩く人を見ながらこんなことを思います。
「人間は分子みたいだ。目をこらしても見えないような遠くにいる人たちだって、世の中という大きな流れをつくっている一部なんだ」

潤一君の言葉に驚いたおじさんはこう言います。
「今日、君がした発見は、コペルニクスと同じくらいの大発見かもしれないからね、今日から君のことは「コペル君」と呼ぶことにするよ」

16世紀のヨーロッパでは、地球が全ての中心で、その周りを太陽や星が回るという「天動説」が常識でした。
しかしコペルニクスは、地球が太陽の周りを回る「地動説」を唱えたのです。

これは、教会の教えに反するため、コペルニクスは迫害を受けたのですが、それでも自らの信念を貫いた彼は、自分の考えを主張し、それがのちに認められました。

「コペルニクスみたいに、まわりの人にどれだけ間違っていると言われても、自分の考えを信じ抜ける立派な人間に僕もなってみたい」

おじさんはノートにこんなメッセージを書きました。
≪教えられたとおりに生きてゆこうとするならば、いつまでたっても一人前の人間にはなれない≫

つまり、自分が感じたこと、心が動かされたこと、それを大切にしてそれに従って生きるべきだというのです。

英雄とは?

ある日コペル君たちは、フランスの皇帝ナポレオンの話をおじさんに聞きました。

おじさん「わずか10年の間に、貧乏将校から皇帝の位まで一息で駆け上がった。ナポレオンはどんな状況でも決して屈することがなかった」

ナポレオンの功績に胸を熱くするコペル君たちでしたが、親友のガッチンが「うん…絶対に負けないぞ」と言いました。
コペル君は不思議に思います。

ガッチンは、上級生たちに目をつけらていて、間違いなく殴りにくると言うのです。
するとコペル君は、殴りにきたら、僕が止めてガッチンの前で壁になると言いました。

このとき、おじさんがノートに書いたメッセージはこういう内容でした。
≪なぜナポレオンの一生が、僕たちを感動させるのか?どんな困難な立場に立っても、不屈の闘志と王者にふさわしい誇りを失わないからだ≫

自らをツラく苦しい立場に置き、それを突き抜けることに喜びを感じるのが英雄的精神であり、コペル君がそういう気持ちを持って、人から尊敬される立派な人間になってくれるよう、おじさんは願っているのです。
おじさんのノートには、更にまだ続きがありました。

≪英雄や偉人と言われている人々の中で、本当に尊敬できるのは、人類の進歩に役立った人だけだ≫

戦いばかりが注目されるナポレオンですが、実は新しい秩序を法律で定めて世界の国々の規範になった「ナポレオン法典」を作っています。

Sponsored Link

大きな過ち

上級生から狙われていると悩む友人のガッチンに対し、コペル君は「みんなでガッチンを守ろう」と言い、みんなも「逃げずにみんなで戦う」と決めました。
しかし、そう約束したはずのコペル君でしたが、ガッチンが殴られているのに体が動かず、一人だけ約束を守れずに、仲間を裏切ってしまいました。

コペル君は「おじさん、もう…僕……、どうすればいいのかわかんないんだ…」と言い、おじさんもコペル君にかける言葉がありません。

このとき、おじさんはノートにメッセこんなージを書きました。

≪人間は、自分で自分を決定する力を持っている。だから、誤りを犯すこともある。だから、誤りから立ち直ることもできるんだ≫

仲間を裏切ってしまったコペル君は、「約束を守れなくて……本当にごめん…」とみんなに謝りました。

おじさんのアドバイスによって謝ることができたコペル君でしたが、実はその前に、公開して悩み苦しむコペル君に、おじさんはもう一つアドバイスをしていました。

≪だったら、一度 考えるのをやめてごらんよ≫

この作品は「自分で考える」というテーマを貫き続けてきました。
真逆のアドバイスとなった「一度 考えるのをやめてごらんよ」の真意はなんでしょうか?

コペル君が「あの日から、ずっとずっと後悔ばかりが押し寄せて、一歩も身動きがとれない感じなんだ」と言うと、おじさんはこう答えました。
「君がしてしまったことを、いくら思い返したって、それは君に変えられることじゃない。だったら、一度 考えるのをやめてごらんよ。変えられないことを考えるのをやめれば、いま自分がしなければならないことに、まっすぐ向かっていける」

つまり、「過ぎてしまった過去のことをくよくよ考えるのをやめ、これからどう生きるべきか、未来のことを考えろ」というのです。
このアドバイスがきっかけとなり、友人に謝ることを決意しました。

このときおじさんがノートに書いたメッセージはこうです。

≪自分が過っていた場合、それを認めそのために苦しむことは、人間だけができること。自分の過ちを認めることはつらい。しかし、過ちをつらく感じることの中に、人間の立派さもある≫

学ぶ理由

ある日コペル君は、粉ミルクの缶を見て発見したことがあり、それをおじさんに手紙を書いて伝えることにしました。

「オーストラリアの牛から僕の口に入るまで、粉ミルクに関係のあることをどこまでも考えていったら、まるできりがないんで呆れてしまいました。とてもたくさんの人間が出てくるんです」

ミルク缶がコペル君の手元に届くまでには、多くの人間が網目のようにつながっていることに気づいたのです。
それに対し、おじさんはノートにこう書きました。

≪学問とは、人間の経験をまとめたもの≫

勉強というのは、先人の経験を受け継ぐということだと。
コペル君が発見した「人は網目のように繋がっている」からは、”自分は社会の一員であり、個人の考えでも社会を変えることができる”というメッセージを感じとることができます。

書かれていたのは、作者(吉野さん)の実体験

ある日、浦川君がいじめられているのを見た正義感の強いガッチンは、「誰がなんと言ったってもう許さん!」といじめっ子に立ち向かいました。
すると、それまでいじめを見て見ぬふりをしていたクラスのみんなも、いじめっ子に襲い掛かりました。

コペル君が「行こう浦川君、今こそやり返すんだ」と言いますが、浦川君は「やめて。頼むから許してやっておくれ」と、いじめられていた浦川君が、自分をいじめていた男の子を助けたのです。
浦川君は、普段自分がいじめられていたからこそ、一方的にやられるのがどれだけイヤなのかわかっていたのです。

このシーンには、作者・吉野源三郎さんの実体験が反映されていると、息子の吉野源太郎さんは言います。
「親父はどっちかというと子どもの頃はいじめる側だったらしいですよ。あまりいじめまくったものだから、クラスの誰もが口をきいてくれなくなって、暴力でクラスを制覇したんだけれど、全然ダメだった……」

コペル君と同じ中学2年のとき、クラス全員に無視されたことで吉野さんは孤独を知ったのですが、そんな孤独な心を救ってくれたのが本でした。
学校に行っても誰も相手にしてくれない状況で、キリスト教と出会った吉野さんは、聖書の中にあった”汝の敵を愛せよ”という言葉に出会い、その後の価値観が変わったのです。

おじさんが唯一答えを出していない問いの答えは!?

何でも教えてくれるおじさんですが、唯一答えを出していない問いがあります。

おじさんに「君は、ある大きなものを日々生み出している。それはなんだと思う?」と聞かれたコペル君。
この問いの答えだけは最後まで明かされてはいませんが、原作である小説の最後には、コペル君は自分が生み出せるものに気づいていました。

コペル君自身が生み出せるものとは【いい人間】。

「おじさんの言うように、僕は消費専門家で何一つ生産していません。しかし僕は、いい人間になることはできます。自分がいい人間になって、いい人間を一人この世に生み出すことは、僕にもできるのです。そのつもりになれば、これ以上のものを生み出せる人間にだってなれると思います」

物語の最後に書かれた言葉

小説も漫画も、最後はこの言葉で締めくくられていました。

≪長い長いお話も、ひとまずこれで終わりです。そこで最後に、みなさんにお尋ねしたいと思います。君たちはどう生きるか≫

実は、作者の吉野源三郎さんは、生涯を通じて反戦の思想家でした。
日中戦争に突入し、言論の弾圧が強まっていく中、表向きは児童書ですが、世の中の風潮に流されないで、自分の意志・考えをしっかりと持つことの重要さを、子どもたちに根付かせようとしていたという点が、今の時代にも響くでのではないかと斉藤先生は言います。
[出典:2018年1月27日放送の「世界一受けたい授業」]

Sponsored Link

 - 雑学・豆知識

スポンサーリンク

この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

  関連記事

高田万由子と中澤裕子の大問題(「グサッとアカデミア」林修VS美女20人!)

高田万由子と中澤裕子の大問題(2018年3月8日放送「グサッとアカデミア」林修V …

太陰暦から太陽暦になった驚愕の裏話

太陽暦になったのは予算削減のため! カレンダーに隠された意外な歴史 現在、私たち …

日本人は「醜くても勝つより美しく負ける」を好む、その理由は?

日本人は「醜くても勝つ事より、美しく負ける事を好む」と言います。 日本人はなぜ「 …

どんな顔で写真を撮られるかで「性格と相性」を診断

写真を撮るとき、あなたはどんな表情をするでしょうか。 「自分が一番よく見えるキメ …

無限ループって怖くね? の元ネタはドロステ効果のイリュージョン!

合わせ鏡的な無限ループとはドロステ効果のこと Droste effect/Str …

星出彰彦さんのJAXAおもしろ宇宙トーク

宇宙飛行士 星出彰彦に聞く 宇宙の知られざるヒミツ   Super t …

生まれ順でわかる子どものタイプ 性格・知能・健康・成功

生まれ順で人生は変わるのか!? 第一子・真ん中っ子・末っ子・一人っ子に分けられる …

【感動】飛び降りるか餓死か!? 120mの断崖絶壁でカオジロガン雛鳥の決断

生後数日のヒナに課された究極の選択 グリーンランド東部にあるスピッツベルゲン島・ …

今日使える雑学~北海道愛別町 昼の花火はハッピーボーン!

北海道・愛別町で昼に打ち上げる花火のやさしい理由は? ”日本でここだけ!昼に打ち …

温泉旅館の饅頭は『お風呂に入る前に食べた方が良い』理由

温泉旅館の饅頭は『お風呂に入る前に食べるべき』!? 温泉旅館の部屋に入ると、茶菓 …