元統一教会信者の生活者思想エッセイ
信仰を自分の言葉で回収する記録
告発でも回顧録でもない。
中にいた人間が、二十年後に書いた記録。
About
著者は、かつて統一教会の献身者だった。十年間、月一万円のお小遣いで働いた。サラ金から借金して献金した。壺の返品対応をした。弁護士の内容証明を受け取り、裁判所でサラ金二十社と調停した。教会に「借りたカネ返しやがれ」と言った。
それでも、被害者とは名乗らない。「自己責任だから黙れ」という立場にも乗らない。
これは、そのどちらでもない場所から書いた本だ。
サラ金のカードが数えきれないほど増えた話
裁判所でサラ金二十社と調停した話
壺の返品で倉庫が溢れた話
弁護士に「あなた本当に信者なの?」と聞かれた話
ビデオセンターで「はい、統一教会です」と答えてスタッフが青ざめた話
弁当を食いながら穴を掘りながらずっと何かを考えていた話
Theme
教義と組織は違う。原理を唱えながら原理と反対のことをする組織を、著者は「反教義集団」と呼ぶ。組織を離れても、信仰は残りうる。残るのは組織への帰属ではなく、「自分の良心で判断する」という習慣だ。
血統転換という思想がなぜ危ういのか。アベル/カインの上下関係がどう現場を壊したのか。クレーム処理の最前線で見えたもの。弁当を食いながら考えていた土方の哲学。怒りをユーモアに変換することの意味。
統一教会の話に見えるが、「組織に飲み込まれた経験を、自分の言葉で取り戻す」という問いは、宗教と無関係な読者にも届く。
For
Contents
付録A:統一教会用語ミニ辞典 / 付録B:おやぢの補遺 収録
約48,000字(付録込み)
Author
小谷地市朗(オヤヂイチロウ)
元土方、元統一教会献身者。1999年から2001年にかけてメールマガジン「非原理教会:不良食口おやぢの独白」を配信。本書はその声の、二十年後の記録。
note:@futen_seisuke
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