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小繋駅 命のノート 映画「待合室」立花和子さんの感動物語

      2019/09/03

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1冊のノートが命を救った

駅の待合室に置かれたノート。すべてはここから始まった……

1冊のノート

1998年。岩手県一戸町 小繋(こつなぎ)駅。

無人駅のため、近所で酒店を営む立花和子さんが、いつも掃除をしていました。

ある日、待合室に1冊のノートが置かれていました。

『好きな事を書き込んでいって下さい。旅の者より』と書かれていました。

いつの間にか、誰かが勝手に置いた旅の思い出ノートでした。

立花さんは、こんな小さな無人駅、書く人なんてそういないだろうと思っていました。

ところが、意外にも多くの書き込みが……

『この駅はいい所です。心がやすらぎます。』

『久しぶりに駅に立ち寄りました。昔と変わらなくとてもなつかしい気持ちになります。』

せっかくだからと、返事を書き始めた立花さん。

しかし、軽い気持ちの返事が運命を変えることになるとは!?

返事を書く立花さん

『正直ピンチに陥っています。かなりミスばかり連発しています。』

立花さんの返事は、

「最初から何も完璧に仕事が出来る人はいないよ。余り気落ちしてはダメ!」

『最近、いい事ありません。面接落ちてばかり……。なんか疲れちゃいました。』

立花さんの返事は、

「あなたはまだ花の20代じゃないですか。人間誰でも挫折があっていろいろな苦難を乗り越え生きて行くものと思います。頑張れ!又、小繋駅にいらっしゃい。」

沈んだ顔の青年

ノートを置き始めて5年後の、平成15年(2003年)

「あ、誰かいる。」

駅でポツンと座っている男性に立花さんは声をかけました。

「こんにちは、これからどちらへ?」

『青森に……』

「これ良かったらどうぞ。」と、リンゴを1個あげました。

沈んだ顔をしている青年に、

「私ね、あなたのような人を見るとなんだか気になっちゃうのよ。ここにはいろんな人が来るでしょ?」

沈み込んだ青年に、ノートの人生相談の経験を活かし、いろいろ問いかけました。

「ここの周りをずっと歩いてみた人が、いっぱい自然があるでしょ、自分がとても小さく見えて、今まで考えていたことがバカみたいだって思ってくれたのよ。」

そこへ列車の合図が。

表情は暗いまま去って行く彼を、行ってらっしゃいと見送りました。

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彼の行先は!?

彼が行ったあと、ノートを見ると

『ウソリの道は死への道。1歩1歩歩きつめて死へと向かう。』

ウソリとは、青森の霊場・恐山にある「ウソリ湖」のこと。

彼は、恐山で自分の人生を終えようとしていたのです。

急いでホームに出た立花さん、しかし、列車ははるか彼方へ。

もう、手遅れだったのかも知れない。

それからというもの、落ち着かない日々が続きました。

お願い!生きて帰ってきて!

毎日駅に来ては、ノートをめくり続けました。

「もし、思いとどまって帰ってくれば、あの人は絶対、このノートに何か書き込むはず……」

ノートには書かれていたのは!?

それから2週間がたちました。

駅のホームで、彼らしき人を見かけた立花さん。

必死に追いかけましたが、列車に乗って行ってしまいました。

あれは彼だったのだろうか?

そうだ!と思い、ノートをめくった立花さん。

「あった!」

そこにあったのは、何度も見て目に焼き付いていた、あの独特の書体でした。

『ウソリには何もなかった。ウソリ湖のほとりでただぼーっとしていると、何もしないでいるより歩いている時のほうが楽しく感じた。生きることが尊い。今回の旅は、会う人みんないい人で恵まれていた。向かいのお店のおば様には果物を頂いて……。ごちそう様でした。旅で出会った人達に心から感謝します。』

良かった……

生きて帰ってきたんだ……

誰かが偶然、勝手に置いたノート、それにたまたま、返事を書いての人生相談。

いつしか、人に話しかけることが習慣に……それが、人の命を救うことに。

このエピソードは、「命のノート」として話題になりました。

さらに、この物語には続きが!?

青年のその後の人生は!?

駅に立花さんがいると、あの青年が声をかけてきました。

『こんにちは!』

「はい!?」

『数年前に、あなたに助けていただいた者です。』

「生きて帰ってきてくれて本当に良かった。あなたにお会いしたかったんです。」

『本当に、ご迷惑おかけしてすみませんでした。実はあれからいろいろあって、今は人の命を救う仕事をしています。』

今度は、死にたいと言う人をサポートして、絶対に死ぬもんじゃないって励ます方に回ったそうです。

現在、「命のノート」は14冊目。

立花さんは、悩みが書き込まれるたび、それに答え続けています。

 

あなたも、悩みがあれば、「命のノート」に書いてみてはいかがですか?(S.A.)

 

 

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