見えないものが見える。それは超能力ではなく、数学だった。応用数学史上の未解決問題「波動散乱の逆問題」を世界で初めて解読した神戸大学教授による、科学の最前線。
「見えない世界」に直面したとき、人類はずっと二択しか持っていなかった。盲目的に信じるか、破壊して開けるか。この制約を根本から覆す数学が、ついて現れた。
石を投げるから、波紋が広がるのが見える。原因がわかれば結果は計算できる。これは難しくない。
複雑に乱れた波紋を見るだけで、投げた石の「形と重さ」を完全に逆算する。これが応用数学の未解決問題だった。
X線被曝なし、圧迫なし。マイクロ波で細胞レベルのがんを特定する痛くない乳がん検査。
地面を掘らずに道路の空洞化を検出。衣服の下の危険物を歩くだけで検知するゲート。
ピラミッドの地下構造、ポンペイ遺跡の内部、プリンセス天功の埋蔵金探しまで。
南極の厚い氷の下に眠る古代生物の探索。人が踏み込めない領域への透視。
JAXAプロジェクトで月の内部構造を透視するレーダー開発が進行中。宇宙規模への応用。
細胞レベルの医療から深宇宙の探査まで。多重経路散乱場理論が生み出した5つのイノベーション。
今の科学も完璧じゃない。
あると思った方がいい。常に。