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前向きながん患者は我慢しない

      2018/06/28

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気持ちを前向きに持つことが病気の改善に効果がある、という話です。

1000人以上にがんを告知した医師が見た「前向きながん患者さんがしないこと」

6/5(火) 7:00配信

最近、注目が高まっている免疫療法。
手術、放射線治療、化学療法の3大治療に続く「第4の治療」ともいわれていますが、実際研究はどこまで進んでいるのでしょうか。
気になる緩和ケアについても、森山紀之医師に教えていただきました(全3回の3回目/ #1 、 #2 より続く)。

前向きな人ほどいい結果が出る

──どんな状況でも前向きに生きようとする姿勢がいい結果につながる、というのにエビデンスはあるのでしょうか?

森山 分析もデータもありませんが、前向きな人ほどいい結果が出ることはあります。
「なるようにしかならない」なんて、本当は医者なら言うべきではない言葉ですが、最後にどうなるかを考えてしまうと必ず悪い方を考えますから、「死ぬときは死ぬんだから」と開き直ることも、ある意味大切なのかなと思います。

私の妻は透析患者です。
透析をすることになると「あと何年生きられるの」「どれくらい苦しいのか」「むくみがひどいんでしょ」など、最悪の状況を心配する方が多いんですが、妻は「死ぬときゃ死ぬんだから」といって、落ち込んだり悪いことを考える代わりに、毎日明るく過ごしています。

──透析は肉体的にも精神的にもきついですよね。

森山 もちろん苦しい日もあると思います。
でもそんな日は「今日はきついんだ」とゲーッと吐いて「わあ、さっぱりした」などとやって、もう9年になります。

科学的に生きている私が言うのもおかしなことですが、毎日お化けが出るんじゃないかとビクビクしたり、仕事をクビになるんじゃないか、会社が潰れるんじゃないかと心配したりしている人に、幸せな人はいませんよね。
がん治療にも同じことがいえる部分はあると思います。
妻はがんではありませんが、前向きに生きることでよい結果につながっている好例だと思います。

「免疫力」を利用して、がん細胞への攻撃力を高める

──最近免疫療法が「第4の治療」といわれ、注目が高まっているのも、「気持ちを前向きに保つことでいい結果につながる」というのと似たようなことなのでしょうか。

森山 単にそういうわけでもないんです。
免疫療法は、もともと体内に備わっている患者さん自身の「免疫力」を利用して、がん細胞への攻撃力を高める治療法です。
今までどの治療法でも効果がなかった症状が改善したケースもあり、多くの医者が期待しています。

しかし効果や副作用に関する科学的根拠はまちまちで、標準治療を上回る成績がまだ出せていないのが現状です。
今はちょうど過渡期なので、まだ値段が高すぎるなどの課題も多く残っていますが、大きな可能性があることは間違いありません。
世界中で研究が進んでいますので、この分野の研究は今後飛躍的に進んでいくと注目されています。

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「緩和ケア」は死を待つ場所ではない

──緩和ケアについても教えてください。緩和ケアはいつから考えればよいのでしょうか。

森山 緩和ケアは、将来苦痛が出そうな状況が見えてきた段階で考えるのがいいと思います。
緩和ケアを終末医療と間違えている人も多いですが、緩和ケアは終末期か否かにかかわらず、がんに伴う体と心の痛みやつらさを和らげ、「自分らしく生きる」ためのものです。
緩和ケアに行けと言われると「見捨てられた」と思う方がいらっしゃいますが、緩和ケアというのは死を待つ場所ではなく、今やりたいことをできるだけ長く続けるための場所だということを知ってほしいですね。

──いよいよ苦しくなってから「明日入れてください」と利用する場所ではないということですね。

森山 そうですね。
緩和ケアの医師は、痛みを取り除き、「その人らしい人生」を少しでも長く過ごせることを専門に行っています。
外科医は「点」で短期間の患者さんを診ていますから、本来であれば、がんと診断された時から緩和ケア病棟に登録をして、医師と連絡をとりながら、治療を進めていくのがいいんです。
私が以前国立がん研究センターにいた頃は、緩和ケア病棟で骨転移のある患者さんがゴルフに行くのをサポートしたり、患者さんの碁の相手を務めたりすることもありました。
今までやってきたことが続けてでき、新しいことにも挑戦できる場所。
それが緩和ケア病棟です。

──頑張りきれなかったら、どうすればいいでしょうか。

森山 頑張ろうとすることが大事なので、頑張りきれなくてもいいんです。
「200歳まで元気で生きよう」っていくら頑張っても、本当に200歳まで生きられる人はいないでしょ(笑)。
あと、日本人は「我慢や忍耐は美徳」と思っている人が多いように思いますが、我慢する必要もありません。
前向きながん患者さんは、できなくなっていくことを数えるのではなく、「まだ何ができる」と、「今できること」をいつも考えています。

「今は何ができる」といつも考えられるようになれば、自分らしく生き抜くことができ、そんなに不幸にはならないと私は思っています。
最後まで自分にできることを諦めない。
それが人間の喜びであり、幸せなのではないでしょうか。

写真=末永裕樹/文藝春秋
相澤 洋美

[出典:1000人以上にがんを告知した医師が見た「前向きながん患者さんがしないこと」(文春オンライン)(Yahoo!ニュース > https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180605-00007394-bunshun-life ]

確かに子どもの頃から、我慢や忍耐を教えられてきたし、それが日本人の良さだと思ってきました。
でも「できなくても良いんだ」と思えるおおらかさが大事なんですね。

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