朝ドラ「なつぞら」第27話

なつと富士子は、十勝から2日かけて東京・新宿にやってきました。待ち合わせていた信哉と合流し、咲太郎を4年前に見たという人の話を聞くために、新宿では有名なパン屋・ベーカリー兼カフェの「川村屋」に入りました。

なつたちが店に入ると、川村屋の経営を取り仕切るフロアマネージャー、ギャルソンの野上健也（近藤芳正）が対応してくれました。

信哉が「マダムはいらっしゃいますか？」と尋ねますが、野上は「約束はしていますか？」と聞きます。なかなか取り次がない野上に業を煮やした富士子が「だから、妹が兄を捜して北海道からはるばるやってきたんです」と声を荒げます。

咲太郎と聞いて「あの咲太郎……。あの野郎」と野上は呟き、マダムを呼びに行きました。

テーブルに着いてメニューを見ると、雪月の3倍高い値段に富士子は驚きます。ウエイトレスの三橋佐知子（水谷果穂）が、注文を聞いた後もなつをじっと見ていた事をなつは気にしました。

「前島光子（こうこ）と申します」川村屋のオーナーで周囲からは「マダム」と呼ばれている前島光子（比嘉愛未）が挨拶しました。

マダムは、咲太郎はムーランルージュ新宿座で掃除やもぎりなどの裏方をしていたと話します。

そこへ大型書店「角筈屋（つのはずや）」社長・茂木一貞が入ってきました。新宿の事なら何でも知っているとマダムが紹介します。

茂木の紹介で、ムーランルージュ新宿座の歌い手で今はクラブ「メランコリー」の歌手・煙カスミ（戸田恵子）を紹介され、訪ねていきます。カスミも、咲太郎が今どこにいるかは知りませんでした。カスミの付き人・土間レミ子（藤本沙紀）がじっと見つめていた事もなつは気になりました。

川村屋に戻ってきたなつと富士子が、安い宿はないかとマダムに尋ねると、従業員の住むアパートに空きがあるからそこに泊まればと勧めます。

野上が「あんな奴の身内に情けをかけて」と言うと、マダムが「だからよ。あの子がいれば捕まえられるかもしれないでしょ」と。「あの子は人質、ですか？」「そう、誰が逃すもんですか」