朝ドラ「なつぞら」第33話

なつが帰ってきて、富士子は泰樹に「なつには変な事言わないでくださいよ。今のは聞かなかった事にするから」と言います。

それでも泰樹が「おいなつ、ちょっと折り入って話がある」と言い出します。富士子が「なんもない、今はない」となつに言い、泰樹に「でしょ？」と念を押します。「……ない」と答える泰樹。

夕飯時、「何かあった？　なんだかおかしいよみんな黙って」と夕見子が言い出しますが、「普通だよ」と言う剛男と富士子。

明美がなつに「どうしたの、なんか悩んでる事でもあるの？」と尋ねます。明美はなつが「お兄ちゃんの夢を見たと言うから」だと言い、「どっちの？」と聞く剛男。「東京の」と答えるなつ。咲太郎は無実となり釈放されましたが、その後の行方はわかりません。

「人が死ぬとき、大事な人の夢に出るって言うでしょ」と明美。「関係ねえだろ、夢に誰かが出るなんて普通の事だよ」と言う照男に「お前の夢にも誰か出るのか？」と剛男。

数日後、なつと天陽は帯広の映画館でディズニー映画「ファンタジア」を観ました。

ウォルト・ディズニー(Walt Disney) – ファンタジア(Fantasia) Part1

映画が終わり、「東洋」と大きな文字が浮かび上がります。その後、東洋映画株式会社・大杉満社長（角野卓造）の話が続きます。

「皆さん、日本で初めて総天然色長編漫画映画を、我が東洋の手によって作りたいと、この度新しい映画スタジオが完成しました。皆さんご承知の如く、漫画映画は一般の映画と比較いたしまして多分に国際性を持っております。そこで私どもは立派な漫画映画を作りまして、広く世界に進出いたしたいと考え、我が東洋動画は日本ではもちろん、世界でも珍しい最新式のスタジオを作りまして早速製作に着手いたしました。

その第一回の作品は、中国の有名な昔話を題材とした「白蛇姫」でございます。どうか皆様の絶大なるご支援をいただきますよう、お願い申し上げます。それと共に、もし志のある若い人がいましたら、是非とも世界を切り開く力になってもらいたい。我が社では広く新しい人材を求めております。どうか皆様、新しい東洋動画をよろしくお願い申し上げます」

白蛇伝（日本最初の長編アニメ）

映画の後、なつと天陽は雪月にやってきました。なつが「アニメーションって何でも出来るんだねえ」と言うと、天陽は「何でも出来るって事は、何もないのと同じだよ」と言います。

天陽「何でも出来るって事はさ、何もない広い土地に行くのと同じ事だからな。自分で土を耕す方法を覚えて、作れる種を見つけて、それを手に入れないと何も出来ない。なっちゃんはさ、それでも行きたいと思うのか、そういう土地に？」

なつ「そうか、そういう事か。そういう事だよねえ。やっぱり天陽くんすごいなあ。私の悩んでいる事に簡単に答え出しちゃう。無理だよねえ、そんなの。私がそんなとこに行けるわけがないわ。酪農だって中途半端なのに。私が出来るわけがない、アニメーションなんて」

天陽「なっちゃん、本当は行きたいんだべさ？」
なつ「ははは、無理無理無理無理無理」