朝ドラ「おしん」第26話

おしんは家庭の事情を話して何とか奉公させてもらえないかと訴えますが、奥様のみのが「おりきさんが何と言ったか知んねえども、はっきり決めたわけではなかったんだ。子守りに米5俵なんかとても出せねえしな。ごめんしてくんねえか」と言います。

すると大奥様のくにが「みのさん」と呼びかけ、「米5俵が惜しくて言ってんじゃねえんだ。たとえただでも子守りは無駄ださけ」と言います。その後、くにはみのを奥に呼びました。みのはおしんにうどんを食べてから家に帰れと言います。おしんが「女将さん！」と叫びます。

奥に入ると、くにがみのに言います。

くに「あの女子、うちさ置いてやれ。小作の家で米が獲れねえば、あの子の家もなんぼか困ってるんだが。たった一人でここまで来たんだって、病気のばばちゃや弟や妹にひもじい思いをさせたくねえ一念なんだ。その気持ち察してやらねば。

役には立たねえかも知らねえども人助けだ。俺たつ米問屋な、小作の衆が汗水流して米作ってくれるお陰で、こうして店も持ってるんだぞ。困った時は相身互いだ。（息子の清太郎に）お前、米5俵届けさせろ。あげな子どもで役には立たねえかも知れねえども、2年の年季奉公のうちに少しは稼いで返してくれるべ」

みの「へえ、おっ母様が許してくれたと聞いたば、ほんに喜びますの」
くに「ま、余計な事はしゃべるな。この事はな、お前の裁量でした事にしとけば、あの子もお前を恩に着るから。お前が預かった童だ。その方が使い良いべ。早く行ってやれ。めんじょけねえ（可哀想に）どど、肝潰してるでねえか」

みのは「へえ」と喜んでおしんの元に走りました。おしんはうどんを食べています。

おしん「これ食ったら帰るっす」
みの「お前、なんつう名だ？」
おしん「おしんだす」
みの「おしん、ここさ居てええぞ。今日からお前はここで働いてもらう事にしたさけ。もう心配いらねえぞ」
おしん「女将さん」
みの「お前にできる事を一生懸命にやってくれればそれで良い」
おしん「ありがとうごぜえました。ありがとうごぜえました」

★

おしんは奥で、くに、清太郎、長女の加代（志喜屋文）、次女の小夜を紹介されます。加代とおしんは同い年ですが、つんとしています。おしんは小夜の子守りをする事になります。

同じ奉公人で先輩のきく（吉宮君子）とうめ（佐藤仁美）を紹介されます。二人とも10歳くらいから奉公に来ています。奉公人の部屋に案内され、広くて綺麗な部屋にびっくりします。奉公人なのに良い布団に寝ているのにもびっくりします。

みのが加代のお古の着物を持ってきてくれました。おしんは風呂敷一つしか荷物がなく、着替えもなかったので喜びます。

★

おしんは、きくとうめがまだ寝ているうちからこっそり起きて着替え、台所に出ます。うろうろしているとうめが「何してんだ！　こげなとこで朝も早うから」と言いました。おしんは「かまどさ火入れるべと思って……」

うめが「お前にまんま炊けるわけねえ」と。おしんは「俺上手いんだから」と言います。奉公人は大根飯ではなく麦飯を食べる事にびっくりします。

おしんは米5俵ももらうのに子守りだけじゃ申し訳ない、飯炊きもやると言います。うめは野菜を切っているきくに、飯炊きはおしんに任せても大丈夫だと言います。「上手えもんだ。あいだば任せたって心配ねえでば」と。

★

おしんは加代を預かって子守りをします。おしめも洗うと言い、川で洗濯をしますがきくに怒られます。

「馬鹿が！　ここで洗い直すだ。川の水なんかで洗って綺麗になるわけねんだろ。井戸水で洗い直すんだ。お小夜様のはお前らのうちのぼんぼんとは違うんだぞ」

豊かさを知らないおしんには想像もつかない世界でした。