【感動実話】パトリック・アイヴィソンと波乗り介助犬リコシェ 奇跡の物語
2019/09/03
全米が涙したサプライズ 卒業式の奇跡とは?
突然の悲劇
1994年に生まれたパトリック・アイヴィソンくんは、活発で、片時もじっとしていない元気な子供でした。
パトリックが1歳2か月の時に、悲劇は突然訪れました。
母の手を離して走り出したパトリックは、バックする車に巻き込まれて、重傷を負ってしまいました。
かろうじて命は取り留めましたが、首の骨の一部が砕け、脊髄を損傷してしまいました。
脳からの信号を伝える中枢神経が損傷し、信号が手足に伝わらなくなり、体の運動機能が失われてしいました。
母・ジェニファーさん
「事故の時にそばにいたのに、パトリックを助けられなかった罪悪感と、息子の一生を台無しにしてしまった後悔に苛まれました。」
手足の完全な麻痺は免れましたが、ほとんど力が入らない状態です。
支えを使っても、車イスから立ち上がることさえ不可能でした。
さらに その1年半後に両親が離婚しました。
母のジェニファーさんは、離婚前に妹のジュディちゃんを身ごもっていたため、2人の子供を女でひとつで育てていくことになったのです。
更に最悪な事に、事故の相手が保険に入っていなかったために、賠償金を得ることも出来ず、貧しい暮らしを余儀なくされたのです。
それでもパトリックは、どんなときでも『笑顔』を忘れませんでした。
支えてくれる仲間
その後パトリックは、地元の公立高校に進学しました。
手足を思うように動かせないパトリックはノートも取れず、授業についていけない日々が続きました。
そんな時、ノートをさっと差し出すクラスメイト。
「え?いいの?」
「当たり前だろ。」
「でも、どうして?」
「友達じゃないか!」
クラスメイトは、いつもパトリックの側にいて支えてくれました。
ハンディキャップなど全く関係なく、友情を育んでいきました。
当時のクラスメイトのヒュンジン・シンさんは、
「パトリックはいつも笑顔で、弱音なんて絶対吐かないんです。」
「一緒にいると楽しいから、みんな彼と話したくて・・・」
「誰もが自然にパトリックに手を貸していたんです。」
当時の担任のロン・ツイさん、
「みんながパトリックの行くところについていくので、いつも友達に囲まれていて、生徒たちの人気者でした。」
どんなときも支えてくれる仲間の存在こそが、パトリックの強さと明るさの原動力だったのです。
あきらめないリハビリ
そしてもう一つ、彼自身の努力もありました。
パトリックは、『プロジェクトウォーク』と言う、『脊椎損傷患者専門トレーニングジム』で、週に6時間のリハビリに取り組んでいたのです。
それは、決して生易しいものではありませんでした。
パトリックさん
「トレーニングは、本当に過酷でした。でも、やるたびに、どんどん力が入るようになっていくのが、実感できたんです。辛いからもうやめたいと思ったことは一度もありません。だから、休まず通い続けました。」
当時、医学的には、一度 損傷した脊椎は、二度と再生することはないと言われていました。
それでも、パトリックは必死にリハビリを続けました。
しかし医師からからは、支えを使っても、「車イスから立ち上がることは不可能」と宣言されていたのです。
パトリックの夢
そんな状況にありながらも、パトリックは、『ある夢』を持つようになっていました。それは…
パトリックさん
「自分の足で歩きたい、本気でそう願うようになったんです。 無理だよと言わるれたびに、どうしてもチャレンジしたいという気持ちが強くなりました。」
”支えを使っても、立ち上がることは不可能”と言われたパトリックが、歩くことに挑戦するというのです。
母の悩み
母に、「こんなに持ち上がるようになったよ」と見せるパトリック。
すごいわと言う母に、もっとリハビリを頑張るよと言います。
パトリックのリハビリを応援したい母ですが、リハビリには多額のお金がかかります。
貯金も底をつきかけて、あと1ヶ月くらいしか続けられません。
リハビリをやめれば、せっかく動きかけた体も元に戻ってしまうと言います。
母・ジェニファーさん
「本当にお金がなくて、トレーニングを続けることが難しくなっていたんです。パトリックに、その事実をどう伝えればいいのか、すごく辛くて悩みました。」
思いもよらぬ転機
ある日、パトリックは、リハビリも兼ねて始めたサーフィンをするために海に来ていたのですが、そこで、思いもよらぬ転機が訪れたのです。
そこで出会ったのは、犬種ゴールデンリトリバーのリコシェでした。
リコシェは、生まれつき水を怖がらず、優れたバランス能力を持ち、サーフィンを得意とする珍しい犬でした。
パトリックはリコシェと一緒にサーフィンを楽しむことにしました。
しかし、この日はあいにくの悪天候で波も高く、パトリックは何度もボードから落ちてしまいました。
しかし、その時、誰も予想しないことが起きたのです。
リコシェが、パトリックのボードに乗り移ったのでした。
荒海の中、リコシェは実に上手くバランスを取り、パトリックは安心して波に乗ることができました。
それはそれは、見事なコンビネーションでした。
このときの様子を映した映像がyoutube動画サイトにアップされ、300万回以上の再生を記録したそうです。
そして、パトリックの挑戦を応援したいという人々から、多くの寄付金が寄せられ、その額は約100万円でした。
パトリックは、このお金で、断念しかけていたリハビリを続けられることになったのです。
更なる幸運
さらにパトリックに幸運が続きました。
介助犬が家にやって来たのです。
おかげで、日常生活のほとんどが1人で出来るようになりました。
パトリックは、 家族や、友人に支えられながら、さらにリハビリに励みました。
物に掴まっても、立つことが出来ない体と戦いました。
そして、高校の卒業式を間近に控え、パトリックは、あるサプライズを計画していたのです。
奇跡の卒業式
2012年6月12日の高校の卒業式。
パトリックは、卒業証書授与のセレモニーに参加していました。
彼の名が呼ばれた瞬間です。
人々は息をのみました。
パトリックが、車イスから立ち上がったのです!
歩行器につかまって、歩いてくるではありませんか。
医学的に不可能と言われたことを、可能にした奇跡の瞬間を見た人々は、歓喜に震えています。
今まで支えてくれた、全ての人たちに、「ありがとう」の言葉に代えて、彼が密かに準備していたサプライズがこれでした。
次なる挑戦
現在、パトリックは大学生となって、寮で一人暮らしをしています。
パトリックは、南カリフォルニア大学、映画芸術学部で学んでいます。
ジョージ・ルーカスや、ロン・ハワードなどの、著名な映画監督を数多く輩出している、映像制作の名門校です。
彼の夢は、偉大な先輩と並ぶ様な映画監督になることだそうです。
パトリックの次なる目標、それは…
『大学の卒業式に自らの足で歩いて、卒業証書を直接受け取ること』
TEDxYouth@SanDiego – Patrick Ivison
パトリックの奇跡への歩みは、まだまだ続きます。(S.A.)
スポンサーリンク
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます。
関連記事
-
-
【感動】黒田博樹引退の裏に隠された驚愕の半生と母の教え
黒田投手が語る半生・ありえない決断と母の教え 《アンビリバボーな決断を下した男》 …
-
-
高校選手権優勝 前橋育英・山田耕介監督の熱血感動物語
1984年に放送されたドラマ「スクールウォーズ」は、山下真司さんが体当たりの教師 …
-
-
【感動】かりゆし58 アンマー誕生秘話
かりゆし58 アンマー誕生秘話 不良の心を変えた《母の愛》 彼は、自他ともに認め …
-
-
ムヒカ大統領「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」演説動画日本語意訳書き起こし
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで国際会議が開かれました。 環境が悪化した …
-
-
#日本生きろ! ホセ・ムヒカ大統領インタビューまとめ 書き起こし
「ムヒカ大統領のメッセージ」2015年10月11日放送 Mr.サンデー拡大スペシ …
-
-
【感動実話】自閉症児への奇跡の誕生プレゼント
全米が涙! 6歳の少年に、奇跡のサプライズ 6歳の誕生日 2015年2月8日、グ …
-
-
ほんとにあったイイ話~「お母さんの顔、汚いよね?」 息子→〇に〇〇がついてるだけじゃないの?
40歳になった私が、自宅で鏡を見ていたときのこと。 シミが気になりだした私は、隣 …
-
-
【感動動画】飼い猫タラちゃんが犬に体当たり、子どもの命を救う! 【全米が泣いた】
飼い猫タラちゃんが犬に体当たり、子どもの命を救う! 子供を犬から救った猫 タラち …
-
-
【感動】アゴものまねHEY!たくちゃんのラーメン屋鬼そばと佐野実の深イイ話
アゴものまね”HEY!たくちゃん”とラーメンの鬼・佐野実の感動秘話 アゴものまね …
-
-
【感動実話】武辺寛則さんのガーナアチュワ村日本人長老伝説
長老は26歳の日本人、ガーナで英雄になった日本人 毎年 2月下旬になると、アフリ …