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ロシア陸上界 衝撃のドーピング事情

   

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現役選手が告発!ロシア陸上界のドーピングを暴く!

ロシアの闇に潜む禁断のドーピング事情

2015年11月、ロシアの陸上界に激震が走りました。
ロンドンオリンピック女子800mの金メダリスト、マリア・サビノワ選手がなんと、永久追放処分の勧告を受けたのです。
その理由が「ドーピング違反」。

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実はドイツ公共放送(ARD)が放送したこの番組で、一組の夫妻が、腐敗したロシア陸上界の裏側を衝撃告発!

元陸上800mロシア代表選手 ユリア・ステパノフ)
「これが放送され政府が知ったら、私たちはロシアで生活できなくなるでしょう。何しろ国を敵に回すことになるのですから……それでも、ドーピングがなくなってほしいと心から願っています」

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これがきっかけとなり、多くの選手の間で蔓延していたドーピングの実情が明るみに出たのです。
一体彼らは、何を語ったのでしょうか?
ロシアの闇に潜む禁断のドーピング事情、その驚くべき実態が今明らかに!

ある夫妻の告発

今回、ドイツメディアの取材に応じたのは、夫ヴィターリーと妻ユリアの夫妻。
夫ヴィターリーは、ドーピングを監視するロシア・アンチ・ドーピング機関(RUSADA)の元検査官。
妻ユリアは、元陸上800mのロシア代表選手。
二人は、あることがきっかけで親しくなったといいます。

ユリア)「夫と付き合い始めたころ、私はドーピングで出場停止処分を受けていました。でも、検査官だった彼は私を責める事なく、心の支えになってくれたんです」
その後二人は結婚、子宝にも恵まれました。

彼らはドーピングがないクリーンな大会が開催されることを熱望し、ロシアのドーピング事情を告発することを決意。
それはとても根深く、人間の欲が複雑に絡み合う信じがたい世界でした。

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医師がドーピングの指示を与えていた!?

ユリア)「『大会で良い成績を残すにはドーピングが必要だ!』と、選手はコーチから徹底的に叩きこまれるのです。選手は悪い事だと自覚しながらも、コーチの言う事だからと、禁止薬物に手を染めてしまうんです」
ユリア氏によれば、コーチが率先してドーピングを勧めてくるのだといいます。

ユリア)「かつては、コーチの中には検査官にバレないよう『冷蔵庫の中に、常に正常な尿を入れておきなさい!』と、指示する人もいました。そして、もしドーピングが見つかり、選手が出場停止処分を受ければ、また新たに別の選手を見つけ、薬を服用させていたんです」
コーチにとって選手は、自らの名声を挙げるための「捨て駒」に過ぎないと彼女はいいます。

さらにユリア氏は、ドーピングに関わる重要人物を隠し撮りしたといいます。
「あの時の薬の効き目は素晴らしかったね。まるでターボエンジンを積んでいるかのようだったよ」

そう語るのは、セルゲイ・ポルトゥガロフ医師。
表の顔は、ロシアにおけるスポーツ医学の権威で、ドーピング撲滅の主導者。
しかし裏の顔は、陸上界を牛耳る「ドーピングの元締め」。

16この医師を良く知るトレーナーによると・・・
トレーナー)「コーチたちを操り、裏からドーピングの支持を与えていたのが、ポルトゥガロフ医師なんです」
ポルトゥガロフ医師は、選手の体調や練習内容によって、どんな薬を与えたら良いのか、コーチに細かく指導していたというのです。

さらに、薬を使用し結果を出した選手には、卑劣な要求をしていたといいます。
ユリア)「ある日、ポルトゥガロフ医師の元に行くと、筋肉増強剤を渡されました。その薬を見て戸惑っていた私に医師は、『怖がる必要は無い!私の言う事を聞けば全てが上手くいくさ・・・』と言いました。そして、薬を使って好成績が出ると、その代償としてお金を支払うよう言われたんです」

彼女によれば、そんな医師のもとには、世界大会のメダリストも数多くいたといいます。
しかし、ロシアのドーピング問題は、さらに根が深いのです。

RUSADAとロシア陸連は裏でつながっていた!?

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ユリア氏の夫ヴィターリー氏が検査官をしていたRUSADA(ロシア・アンチ・ドーピング機関)は、ドーピング撲滅とは全く逆の、とんでもない事態が起きていたといいます。
ヴィターリー)「私は自分の仕事に誇りを持っていたんです。真実を知った時は、まさかと思いました」
一体、何があったのでしょうか?

ヴィターリー)「実は、RUSADAとロシア陸連は、裏でつながっていたんです。RUSADAの一部の幹部たちは、抜き打ちで行わなければならない検査日程を、事前に陸連の人間に伝え、その見返りとしてワイロを受け取っていたんです」
ドーピングを暴くはずの正義の集団が、なんと、金で買収されていたというのです。
そして、万一、陽性反応が出たとしても、それが有名選手だったり、若手の有望株だった場合は、検査ミスとして処理されたといいます。

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この件に関し取材班は、ロシア陸連ワレンティン・バラフニチェフ会長を直撃しました。
取材班)「会長、初めまして。ドイツのテレビ局の者です。我々は今、ロシア陸連とRUSADAがワイロでつながっているとの情報を掴んでいます。この件に関し、お答えいただけませんか?」
バラフニチェフ会長)「身に覚えは無いね!変な言いがかりをつけるのはやめたまえ!」
取材班)「いつ正式にお話していただけますか?」
バラフニチェフ会長)「話をするつもりはない!」
と、質問に関する回答は得られませんでした。

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さらに取材を続けていくと、こうしたドーピングのもみ消しには、政府関係者が多く関わっていることがわかってきたのです。
当時のスポーツ相ヴィタリー・ムトコに取材の申し込みをしましたが、断られてしまいました。

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隠ぺい工作はロシア国内だけにとどまらない

そんななか、取材班のもとに匿名希望の情報提供者から、一つの資料が送られてきました。
それは、ある選手の血液に関するデータ。

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これを専門家に見てもらうと・・・

ディーヴィス教授「この血液データは、2009年から2011年に検査されたものですが、明らかにドーピングをしていた事を示す異常な数値が見てとれます」
のちに、この血液データは、2010年ロンドンマラソンと2011年シカゴマラソンで優勝した女子マラソン界の大スター、リリア・ショブホワ選手のものであることが判明しました。

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しかし彼女は、血液データに異常が見つかったにも関わらず、出場停止処分を受けることはありませんでした。
いったい何故?

その疑問に答えたのは、国際陸連の関係者を名乗る人物でした。
「国際陸連の幹部がワイロを受け取り、ドーピングの事実を隠ぺいしていたのです」

なんと、ドーピングをめぐる隠ぺい工作は、ロシア国内だけにとどまらず、国際的な組織にまで及んでいたのです。

リリア・ショブホワ選手の告白

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今回、ショブホワ選手が、罪の意識に苦しんだという胸の内を、特別に明かしてくれました。
リリア・ショブホワ)「ある日コーチから連絡があり、国際陸連の幹部に目をつぶってもらうには、お金が必要だと言われました。2回に分けて計45万ユーロ(約6600万円)ほど払ったと思います」

そして、彼女からワイロを受け取っていたのが、取材班が直撃し、「身に覚えはないね!」と言っていた、ロシア陸連バラフニチェフ会長でした。
実は彼は、国際陸連の財務責任者も務めていたのです。

そして国際陸連は、ショブホワ選手のドーピング違反を知りながら、2012年のロンドンオリンピック出場を認めました。
ところが彼女は、残念ながら途中棄権し、結果を残すことはできませんでした。
そして、切り捨てられるように、ショブホワ選手のドーピング違反が公表されたのです。

リリア・ショブホワ)「私はオリンピックに出場するため、人生の全てを捧げてきました。しかし結果的には、お金でオリンピックの参加権を買っていただけなのかも知れません」

ロシア陸上選手の国際大会への参加禁止

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そして、2015年11月、ついに正義の鉄槌がくだりました。
この番組の放送を受け、詳しい調査を行った世界アンチ・ドーピング機関は、ロシア陸連が組織ぐるみでドーピングに関与していたと結論づけたのです。
これにより、ロシア陸上選手の国際大会への参加は禁止されました。
このままでは、今年8月のリオオリンピックでは、ロシア陸上選手の活躍を見ることはできないかも知れません。

リオオリンピックに参加できるかどうかは、6月17日にウィーンで開催される国際陸連の理事会で決定する予定です。
そして、衝撃の告発をしたステパノフ夫妻は、母国ロシアを離れてから、8回以上も引越しをしたそうです。
現在の居場所は明かしていないものの、奥さんのユリアさんは、また国際大会などで活躍できることを夢見て、毎日トレーニングに励んでいるそうです。

(了)

[出典:2016年5月30日「世界まる見え!テレビ特捜部 ウソかマコトか?SP」]

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