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志村けんをドリフに加入させたのは加藤茶だった

      2018/05/17

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志村けんさんをドリフに加入させるため、いかりや長介さんを説得したのは加藤茶さんでした。

たけしに加藤茶が明かした志村けんがドリフに加入した裏事情

連載「道理で笑える ラリー遠田」
ラリー遠田2018.4.21 11:30dot.#ラリー遠田

『たけしが行く! わがままオヤジ旅3 古都金沢…爆笑珍道中』(テレビ東京系)は、ビートたけしが親友である島田洋七らと金沢を旅するロケ番組だった(4月14日放送)。

たけしの独立に絡んでたけし軍団と事務所社長の間の対立が騒がれていた中だったが、そんな緊張感漂う情勢とは裏腹の、のんびりしたムードの旅番組である。

ただ、そこでお笑い好きには見逃せない一幕があった。
ザ・ドリフターズの加藤茶がスペシャルゲストとして出演して、たけしとお笑い談義を繰り広げたのである。

かつては『8時だョ! 全員集合』と『オレたちひょうきん族』という人気番組に出演するライバルとして激しい視聴率争いを繰り広げてきた2人が、貴重な共演を果たしたことになる。
先輩である加藤がたけしのことを「たけしくん」と呼び、たけしが後輩らしく気を使っている姿が印象的だった。

2人の会話の中で特に興味深かったのが、1974年に荒井注がドリフから脱退して、付き人だった志村けんが加入したときのエピソードである。
荒井注の脱退はドリフのメンバーにとっても青天の霹靂だった。
これまで通りのコントを続けていくためには、新しくメンバーを加えるしかない。

当時、ドリフには新メンバーの最有力候補と噂されている人物がいた。
ドリフの付き人を務めていたすわしんじ(現・すわ親治)である。
すわは準メンバーのような形で『全員集合』にも何度も出演していた。

ブルース・リーのモノマネで奇声を発して舞台を横切っていくギャグが評判だった。
「6人目のドリフ」と言われるほどの活躍ぶりだったのだ。
そんなすわに関して、たけしも番組内でこう述べていた。

「俺らは見てて、笑い取るのはあの当時ブルース・リーのが取ってたような気がするんだよね。だけど志村のけんちゃんは、どうして勝ったのかなっていうと、ネタが広いのかね」

なぜすわではなく、志村が選ばれたのか。
この素朴な疑問に対して、加藤は意外な答えを返した。
実は、いかりやの当初の予定では志村でもなくすわでもない、別の人物を加入させる予定だったというのだ。

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いかりや長介が加入させようとしていた人物とは…

「長さん(いかりや)がね、荒井さんと同じ年のやつを入れようと思っていたのよ」

その人の名前は豊岡豊。
「豊岡豊とスウィング・フェイス」というバンドのリーダーとして指揮者を務めていた人物だ。
いかりやは、個人的に親交が深く、笑いのセンスもあった豊岡を加入させようとしていた。

しかし、加藤はそれに反対した。
テレビの仕事や営業を長年一緒にこなしてきて、ドリフのコントの作り方もよく分かっている志村を加入させた方がいい、といかりやを強く説得したのだ。
結局、いかりやが折れて、新メンバーは志村になったというのだ。

実は、これは今までお笑いファンの間で知られてきた定説を覆す衝撃的な事実である。
なぜなら、いかりや長介の自伝本『だめだこりゃ』(新潮社)でも、番組プロデューサーである居作昌果の著書『8時だョ!全員集合伝説』(双葉社)でも、いかりやが「新メンバーは志村しかいない」と初めから決めていたように書かれていたからだ。

実際には、それを後押ししたのが加藤だったとすれば、加藤のこの行動がその後のお笑い界の歴史に大きな影響を与えていたことになる。
ドリフに加入した志村は、初めのうちはなかなか活躍できなかったものの、「東村山音頭」のギャグなどをきっかけに頭角を現し、加藤と人気を二分するドリフのエースとなった。

その後、『8時だョ! 全員集合』が終了すると、加藤と志村だけを残す形で新番組『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』が始まった。
そこから現在に至るまで、志村はテレビやライブで長年にわたりコントを演じ続けるお笑い界のレジェンドとなった。

この話を聞いたたけしは、自分を脅かすような存在の志村をあえて加入させたのがすごい、と加藤の行動に感心していた。
加藤によると、自分だけが笑いを取る役目を課せられていて、それを重荷に感じているところもあったのだという。
「ちょっとだけよ」「すんずれいしました」「ウンコチンチン」などの伝説的なギャグの数々で日本中を爆笑の渦に巻き込んできた加藤は、華々しい活躍の影でそれだけの苦労を重ねてきたのだ。

お気楽な旅番組の中で、お笑い界の巨星が並び立ち、ここでしか聞けない貴重な話が次々に飛び出して、お笑い好きとしては思わぬ拾い物をしたような気がした。
(ラリー遠田)

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・ライター、お笑い評論家。
お笑いやテレビに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手掛ける。
お笑いWEBメディア『オモプラッタ』の編集長を務める。
『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『逆襲する山里亮太』(双葉社)、 『なぜ、とんねるずとダウンタウンは仲が悪いと言われるのか?』(コア新書)など著書多数。
http://owa-writer.com/blog/

[出典:たけしに加藤茶が明かした志村けんがドリフに加入した裏事情(AERA dot. > https://dot.asahi.com/dot/2018042000069.html?page=1 ]

加藤さんが、将来自分のライバルとなり得る志村さんをあえてドリフに加入させたのはすごいです。
今振り返っても、ドリフターズは真剣にお笑いに取り組んでいたなあと思います。

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