ダメ、ゼッタイ!麻薬並にやっちゃいけない手皿ってナニ?
食事マナーにうるさいことで有名な近所の自称元お嬢様というおばさまが、愚痴をこぼしてました。
「ネエ、聞いてくださる?最近の若い人たちは食事の作法もなっていらっしゃらないのね。新入社員の研修後の食事会にお供したとき、あたくし驚きましたぁ。みなさん手皿でたべてらっしゃるのよ。んまあ、なんて下品な食べ方しているのかしら?マナーがなってらっしゃらないのネ、親御さんの顔が見てみたいわ」
不肖管理人、実は、手皿のことを知りませんでした。
マダムヤンを年寄りにしたみたいな山の手言葉のおばさまは、僕が激しく同意するのを待っていたようです。
でも目が泳いでいて挙動不審なあたしの様子をみて、蔑むような目でこう言われました。
「……あなた、手皿って、知ってらして?」
「え、ええ……、おかずや何かを手を皿みたくしてとって、ペロリッて味見すること…です…よね?」
「アハハハハハハハハ、あなた、そんなことやってらっしゃるの、ああおかしい」
で、白塗り妖怪マダムが、ポーズをつくって教えて教えてくれたのが、これ。
[出典:slism.net ※写真はイメージです]
ははーん、これかー。
って。下品とされる手皿の意味を、このとき初めて知りました。(恥)
これは、絶対にやってはイケないマナー違反、とてつもなくみっともない、下品なことらしいですよ?
ちなみに僕、幼児の頃から、おばあちゃんからしっかり躾られたので、いつもお茶碗の米粒は残さずキレイに食べます。
でも、手皿が下品だとは教えられませんでしたし、手皿をする家人は誰もいませんでした。
そういう理由で、この歳まで生きてきて、手皿をしたことは(記憶に残ってないくらいですから)ほとんどないと思います。
※にゃんこやわんこには、手皿でエサをあげたことは何度もありますが……
手皿やらずに、焼き鳥のタレ、ポタポタこぼしてるんですけど
手皿って、見た目は、なんかお上品そうに見えるポーズですよね。
お上品なレストランなんかでも、髪の毛をかきあげつつ手皿をする女子をみたけたことがあります。
いつも小指を立ててチューハイを飲むオネエっぽい知り合いの建設作業員は、焼き鳥を喰う時手皿してます。
肉にかぶりついてモググモグしながら手皿した手を口にあてて、おいひーんといってます。
イメージとしては、男が手皿するのはオネエっぽい。でもオネエや女が手皿するのは、なんか上品だなぁって思ってました。
手皿しないで焼き鳥を喰う女のテーブルにはタレがこぼれてるし、なんか下品だなと思っていました。
なぜ手皿がマナー違反なの?
前出のマダムに訊いてみました。
「自分、手皿ってなんか上品に思えるんスよね、なんで手皿やっちゃダメなんスか?」
「煮物などお食べになるときは、お取り皿(小皿)をそえていただきますの。お取り皿の代わりに手のひらを皿にするのが、お下品なんですの」
なるほどなるほど、手のひらを食器代わりにしてる、と。お取り皿の代わりに手のひらを使うからみっともない、ということなんですね。
このマダムの感覚は、たとえば回転寿司の皿の代わりに、アルバイト君が手のひらに寿司をのっけてススーッと近づいてきて客の手のひらに移し替える……みたいな感じの下品さなのかもしれませんね?
はい、理屈はわかりました。でも、僕は納得しませんでした。
このマナーの由来はツッコミどころ多すぎです。(抱腹絶倒のツッコミは、次回を待て!)
社会人としてのマナーは最低限知っておきましょう。
マナーを知らない者同志が手皿やったりしてる分には、お互いイケてる食べ方だと思っているのでしょうから、そんなに目くじらをたてなくてもいいんじゃないですかね?
ネット上でもこの件について、これみよがしにタレントが手皿をしてる画像をさらしてこき下ろしているのもあります。
でも、そういう人の方が無粋で下品だとおもいますよ?
社会人として、食事以外でも最低限守るべきマナーはありますから、それを覚えていることに越したことはないでしょう。
ですが、法律を犯したわけでもないのに、マナー違反!下品!と過剰にはやしたてるのはいかがなものでしょう?
気づいたら、ソッと教えてあげればいいことだと思います。
ちなみに自分、どんぶりものを食べる時は、肘が水平になるくらい脇を大きくあけ、豪快に食べます。
これを見た岩手出身の豪農の娘から、嘲笑され指摘されて初めて自分の食事スタイルを自覚したことがあります。
「じゃ風呂あがりの牛乳飲む時も、脇しめて飲むんかい!」と逆ギレしましたが、今となっては教えてくれてありがたい気持ちでいっぱいです。
マナーはわかりました。
それでも僕は今でも丼ものを食べるとき、肘を水平に保つ姿勢を崩しませんでした。(ぎゃふん)
とまあ、浮世ばなれした僕の苦し紛れの戯言は軽く聞き流してください。
社会人としてのマナーは知っておくべきです。よい社会人はマナーをまもりましょうね。
そんな、あなたに贈ります!
多くの人がやりがちなNGマナー、紹介いたしましょう。

手皿姿が美しいマナーちゃん
食べ終わったお椀のふたを裏返しにするのはダメ!
[出典:https://miso-press.jp/study/arekore/11080/]
蓋を裏返しにして置くことはNGです。
汁物を飲み終えましたら、元通りフタを閉じておきましょう。
貝の味噌汁の貝殻を、お椀のフタに取り除くのはダメ!
とんかつ定食なんかについてくる、あさりやしじみの味噌汁っておいしいですよね。
貝の身をすすって、裏返しにしたフタにポイッてする人が多ですが、これNGです。
お椀の中に残すのが正しいマナーです。
え?それじゃ、どれが身をすすった殻かわかんないじゃん!
っていう、貧乏くさいアナタ!(僕のことだお)
その気持、よくわかりますわかります。
ちっちゃいしじみだけがたくさん入った、味噌汁あるある。
大きめで身がたっぷり、プリっぷりの貝の身だったらよかったですよね。
ちっちゃくて実が入ってない貝殻を選んだときはブルーになっちゃいますよね。
そういうおかわり自由的なちっちゃいシジミの味噌汁の場合は、貝の身をすすらないでください。
味噌汁だけ飲んでください。そもそも、貝の身ってダシのもとですから、食べなくてもいんですから……
逆さ箸は、かえって不衛生だからやっちゃダメ!
料理を大きな皿から取り皿なんかに移して食べるシーンで取り箸がない場合、自分の箸を逆にして取る人、いますよね?
それって、アウトです。
まさか、べろべろなめた箸で取る人もいないでしょうけれど、自分が使った箸の先が不浄だという理由で、箸を逆さにして口にいれていないほうで取るのがマナーだと思っている人。それって、誰かに洗脳されたのかもしれませんよ?
なぜって、いっぱいバイキンがくっついてる手で触ったほうで、料理に手をつけようとしてるんですから。
このような場合、取り箸を使うのがベストです。
口をつけていない箸なら問題ありません。
わざわざ箸を逆さにしてとって、汁とかタレとか油に塗れた手にもつ方を、まさかそのまま手にする人もいないでしょう。
逆箸でとったらおしぼりかナプキンで拭いて使わなければならないのですから、それをやる意味がまったく不明です。
お椀料理のフタに必ず水滴をつける理由が深すぎる件
和食のお椀料理には、これから出される料理への準備と言う役割があります。
飲むことで胃を温め活性化し、やさしい香りの出汁によって食欲を増進させる、
お客さんのことを考えた料理人の、粋なはからいなのです。
しかし、会席料理のお椀を見ると、蓋に必ず水滴がついているのをご存じですか。
実はこの水滴、料理人がわざわざ霧吹きでつけているのです。
汁物というのは、香りが大切。
蓋を途中で開けてしまうと、香りが飛んでしまいます。
そういうことがないように目印をつけることにしたのです。
料理人は、お椀料理の最後の仕上げに水滴をつけます。
水滴がついているということは、香りを閉じ込めたお椀を誰も開けていないという証拠なのです。
お客様に対し、「香りを最初に楽しむのはあなたです」と、粋なメッセージを伝えているのです。
これは、およそ500年前の安土桃山時代から続けられている、粋でやさしい伝統なのです。
懐石料理で、濡れた箸に文句をつけちゃダメ!
[出典:http://tabelog.com/tokyo/A1306/A130602/13160021/dtlrvwlst/6724500]
懐石料理を初めて食べる人が、間違いやすいケースです。
すべての懐石料理がそうだとはいいませんが、本格的な懐石料理のお店では、お料理を運ぶ前にお箸を水に通しておきます。
これは、料理がお箸にくっつかないようにとの、きめ細やかな配慮です。これを『濡れ箸』または『利休箸』といいます。
知らない人が、濡れてる箸を気味悪がって眉をひそめたり、ひどいいのになってくると、店員さんを呼びつけて
「これ、箸が濡れてんだけど💢」などと箸の交換を要求することさえあります。
そういう無粋な人は、おそらく連れてこられた人で、自分の意志とお金を使って懐石料理を選んだわけではないはずです。
懐石料理の箸をみて、内心で気味悪がるのはまだいいほうで、あからさまに声に出して「箸、濡れてんだけど!」などと、何さまのつもりで文句を垂れないようにしましょう。連れて来ていただいた方に恥をかかせることになりますからね。
以上、知ってて損はないマナーを紹介しました。
マナーを知らない人が自分の固定観念だけで判断するのは、恐ろしいことです。
和食は世界に誇る文化です。日本人として、最低限のマナーを守っていきたいものですね。(自戒を込めて……)
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