「一年半待て」金曜プレミアム 松本清張スペシャル 2016年4月15日(金)ジェームス三木×菊川怜
原作:松本清張「一年半待て」(新潮文庫「張込み」所収)
脚本:ジェームス三木
みどころ
『一年半待て』は、巨匠・松本清張の傑作短篇「一年半待て」が原作。
これまで10回以上ドラマ化された大人気サスペンスです。
主演は、松本清張作品5作目の出演となる「菊川 怜」さん。
女優にキャスターにと、マルチな活躍を見せる菊川さんが、クールでスマートな「弁護士役」を熱演します。
これまでに、主要キャストの高森滝子、須村さと子、岡島久男を演じた俳優陣は、森光子さん、樹木希林さん、淡島千景さん、三國連太郎さんなど、そうそうたる方々でした。
しかし、2016年版『一年半待て』は、それまでの作品とはひと味違います。
今までの作品の多くが、「容疑者・さと子目線」で描かれてきましたが、現代版『一年半待て』は、その容疑者・さと子を守ろうと奮闘する、「弁護士・滝子目線」でストーリーが展開していきます。
そんな、これまでとは全く視点を変えて描かれる名作『一年半待て』の脚本を手掛けたのは、「澪つくし」、「独眼竜政宗」をはじめ、大ヒット作を数多く生み出してきたジェームス三木先生。
一方、夫殺しの容疑者を演じる石田ひかりさんは、約3年ぶりのフジテレビ系ドラマ出演で、「夫によるDVの被害者としての顔」と、「加害者としての顔」の両面を併せ持つ、物語のカギを握る役です。
今回が初共演の二人を中心に、次々と現れる女たちの欲望が渦巻いていきます。
「家庭」という密室で起きた一つの殺人事件をきっかけに、すべてが動き出します。
あらすじ(ネタバレ)
ある日、弁護士・高森滝子(菊川怜)のもとに、一つの弁護依頼が舞い込んできた。
保険会社勧誘員の須村さと子(石田ひかり)が、無職の夫・要吉(渋川清彦)殺害容疑で逮捕されたのだ。
事件の夜、酒癖の悪い要吉が酔っ払って、妻のさと子に殴る蹴るの暴行を働き、さと子は家庭内暴力、いわゆるDVから、一人息子のタカシ(鴇田蒼太郎)を守るために、止む無く夫殺害に至ったと言う。
容疑者がDV被害者の妻で、無職の夫がヒモ状態だったことから、女性の人権に関わる注目の事件となり、さと子を擁護している婦人団体からの弁護依頼は、滝子にとって名誉を勝ち取る大きなチャンスでもあった。
「正当防衛は無理かもしれないが、情状酌量狙いで執行猶予がつけば、弁護士として勝ったも同然」だと話す、法律事務所所長・栗原英彦(寺田農)の後押しもあって、滝子はさと子の弁護を引き受けることにした。
滝子は、「正当防衛を主張し、無罪を勝ち取ろう」と、強くさと子に言う。
一方のさと子は、素直に夫殺害の罪を認め、罰を受ける覚悟をしている。
さと子が心配なのは、息子のタカシのことだけだった。
しかし、要吉には浮気相手がいたという新たな事実が判明する。
バー“ミモザ”のママ・脇田静代(雛形あきこ)は、さと子の高校の一年先輩で、要吉と男女の関係にあった。
そして裁判が始まると、さと子の正当防衛を主張し、無罪を求める弁護人の滝子と、あくまで殺意があったと主張する検察側の意見が、真っ向からぶつかる。
迎えた判決の日、裁判長は重い口を開き、「主文、被告人を懲役三年に処する。ただし、この裁判が確定した日から二年間、その刑の執行を猶予する」。
さと子の目から涙がこぼれた。
事実上の勝利を得た裁判だった、しかし、「まだ正当防衛で無罪を主張し控訴することもできる」という滝子に、さと子は「裁判は一事不再理ですよね」と問う。
そして、「タカシのことを考えると、これ以上、裁判を続けるのは辛い。もう人目にさらされたくない」と、さと子は控訴しないことを決意する。
世間から注目され敏腕弁護士の名をほしいままにした滝子には、参議院選挙への出馬打診の話まで舞い込み、「これですべてが終わった」と誰もが思ったが、ある日、滝子の自宅に鳴り響いた一本の電話……
それは、誰もが予想し得ない、おぞましい悲劇の始まりを告げる電話だった!?
キャスト・登場人物相関図
高森滝子……菊川怜
脇田静代……雛形あきこ
須村要吉……渋川清彦
栗原英彦……寺田農
須村さと子……石田ひかり
戸次重幸
前川泰之
ふせえり
松澤一之
近江谷太朗
春海四方
ジュディ・オング
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