男はつらいよ 第8作 寅次郎恋歌 あらすじ・キャスト・登場人物相関図

男はつらいよ

第8作 1971年(昭和46年)12月29日公開


キャスト・登場人物

  • 車寅次郎:渥美清(43)
  • 諏訪さくら:倍賞千恵子(30)
  • 諏訪博:前田吟(27)
  • 諏訪満男:中村はやと(2)
  • 車竜造:森川信(初代おいちゃん役最後の出演)(59)
  • 車つね:三崎千恵子(51)
  • タコ社長:太宰久雄(48)
  • 御前様:笠智衆(67)
  • 源公:佐藤蛾次郎(撮影直前交通事故に遭い出演ならず)(27)

  • 諏訪飈一郎(ひょういちろう):志村喬(66)
  • 諏訪毅(長男):梅野泰靖(38)
  • 諏訪修(次男):穂積隆信(40)
  • 坂東鶴八郎(旅役者座長):吉田義夫(60)
  • 大空小百合(座長の娘・一座の花形):岡本茉利(17)
  • 昔のテキ屋仲間:谷村昌彦(44)

マドンナ:六波羅貴子/池内淳子(当時38歳)

1960年代から70年代にかけてテレビドラマのヒロインとして活躍。映画デビューは1950年代。東宝の「駅前」シリーズや、TBSの日曜劇場「女と味噌汁」で人気を博す。加藤泰監督の『沓掛時次郎 遊侠一匹』(66年)で、渥美清(身延の朝吉役)と同一場面はないが共演をしている。

 

あらすじ

旅役者坂東鶴八郎一座との出会い
頃は九月、雨のそぼふる四国の田舎町。
寅さんは、雨で商売にならないので芝居を見に来たのだが、芝居小屋のほうも客足が途絶え、午後の部を中止したばかりだった。

寅さん「なぁ、座長さん、お互いに稼業はつれえやなあ……まあ、こんなことはいつまで続くもんじゃねえよ。今夜中にこの雨もカラッと上がって明日はきっと気持ちのいい日本晴れだ。お互いにクヨクヨしねえでがんばりましょう」
座長「どうもありがとうございます。……お客様、傘をお持ちでないのではないですか?」

寅さん「なに、宿はすぐそこ、濡れるヒマに着きますよ」

座長「いえいえ、それはいけません。これ、小百合!」

「一座の花形、大空小百合にございます」

博の母の死

博の母が危篤との報せで博、さくらは岡山(備中高梁)へ急いだ。そこへ葬儀にやってきた旅先の寅さんとバッタリ再会。
博と父・飃一郎の関係はギクシャクしているが、寅さんは博の父:飃一郎と意気投合して高梁に残る。

『庭先に咲いたりんどうの花』のエピソード
「りんどうの花が咲き乱れ、夕げの明かりとともに笑い声が聞こえてくる……」

飃一郎「そう、あれはもう十年も昔のことだがね、私は信州の安曇野というところに旅をしたんだ」

寅さん「へぇ~、先生も旅したことあるの?」

飃一郎「うん、バスに乗り遅れて田舎道を一人で歩いているうちに日が暮れてしまってね。暗い夜道を心細く歩いていると、ぽつんと、一軒家の農家が建っているんだ。
りんどうの花が庭いっぱいに咲いていてね、開けっ放した縁側から明かりのついた茶の間で家族が食事をしているのが見える。まだ食事にこない子供がいるんだろう、母親が大きな声でその子供の名前を呼ぶのが聞こえる。わたしはね、今でもその情景をありありと思い出すことができる。庭一面に咲いたりんどうの花。明々と明かりのついた茶の間。賑やかに食事をする家族達。私はそのとき、それが、それが本当の人間の生活ってもんじゃないかと、ふとそう思ったら急に涙が出てきちゃってね。
人間は絶対に一人じゃ生きていけない。逆らっちゃいかん。人間は人間の運命に逆らっちゃいかん。ここに早く気がつかないと不幸な一生を送ることになる。分かるね、寅次郎君…分かるね……」

飃一郎から、家庭を持つ人間らしい生活をするようにと諭された寅さんは、家庭の幸せについて真剣に考えるようになり、反省の気持ちと共に柴又へ。

柴又に帰った寅さんは、飃一郎から聞いた話をおいちゃんたちに聞かせてみたが反応はいまひとつで、柴又の者は教養がないと呆れる。そんな折、近所に美人の未亡人・貴子(池内淳子)が経営する喫茶店がオープン。数日後、偶然に店の扉を開けた寅さんは、店を一人で切り盛りする貴子の姿を再び目にする。

たちまち脱け殻のようになってしまった寅さんは足繁く通っては大嫌いなコーヒーを飲み、貴子と家庭の幸福を分かち合うことを夢見るが……

ロケ地

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