- NHK大河ドラマ「どうする家康」上半期・見逃し人の為の視聴ガイド
- 第1話: どうする桶狭間 (2023年1月8日)
- 第2話: 兎と狼 (2023年1月15日)
- 第3話: 三河平定戦 (2023年1月22日)
- 第4話: 清須でどうする! (2023年1月29日)
- 第5話: 瀬名奪還作戦 (2023年2月5日)
- 第6話: 続・瀬名奪還作戦 (2023年2月12日)
- 第7話: わしの家 (2023年2月19日)
- 第8話: 三河一揆でどうする! (2023年2月26日)
- 第9話: 守るべきもの (2023年3月5日)
- 第10話: 側室をどうする! (2023年3月12日)
- 第11話: 信玄との密約 (2023年3月19日)
- 第12話: 氏真 (2023年3月26日)
- 第13話: 家康、都へゆく (2023年4月2日)
- 第14話: 金ヶ崎でどうする!(2023年4月16日)
- 第15話: 姉川でどうする!(2023年4月23日)
- 第16話: 信玄を怒らせるな(2023年4月30日)
- 第17話: 三方ヶ原合戦(2023年5月7日)
- 第18話: 真・三方ヶ原合戦(2023年5月14日)
- 第19話: お手付きしてどうする!(2023年5月21日)
- 主要キャスト・登場人物一覧
NHK大河ドラマ「どうする家康」上半期・見逃し人の為の視聴ガイド
第1話: どうする桶狭間 (2023年1月8日)
戦国時代、松平元康(のちの徳川家康)は、人質ながらも今川義元のもとで楽しい生活を送っていた。しかし、織田信長が領地に攻め込み、元康は重要なミッションを任される。
1560年、伊勢湾沿いの小高い山に位置する要塞のような大高城(おおだかじょう)では、鎧を身に纏った武士たちが家康を捜し求めていました。しかし、本人である家康は頬被りをして城の外堀に身を隠していました。彼は雷雨の中、逃亡を試みるもつまずいてしまいます。
「もう、嫌じゃ! もう、嫌じゃぁぁぁぁぁぁあッ!」と叫びながら、松平元康(のちの徳川家康/松本潤)は全力で走り続けます。
1556年、松平次郎三郎元信は三河の国衆・松平家の第九代当主です。彼は駿河の今川義元の元で人質生活を送っていました。しかし、人質とはいえ拘束されたり苦しめられるわけではありませんでした。
当時15歳の次郎三郎は今川家の菩提寺・臨済寺で『論語』を読んで過ごしています。自身が作った木彫りの人形や城、民家が部屋に並び、彼はそれらで一人芝居を楽しんでいます。石川与七郎数正(松重豊)と平岩七之助親吉(岡部大)という側近たちがやってきます。
数正と親吉は次郎三郎の元にやってきた理由は、今川義元の嫡男である氏真との剣術稽古の前に呼び出されたからです。しかし、次郎三郎は緊張するとお腹の具合が悪くなると言います。厠に行ってからと言い訳するものの、数正たちに連れられて今川館へと向かいます。姫たちが見守る中、次郎三郎は氏真との勝負に敗北します。注目を浴びた氏真は次郎三郎に再戦を持ちかけますが、今川義元が止めに入り勝負は終了します。関口氏純の娘である瀬名(有村架純)だけが敗北した次郎三郎に興味を持っていました。
次郎三郎と瀬名の初恋は数日後に雑木林で再会します。次郎三郎は兎の木彫りを作り、騎馬の木彫りを取り出して一人芝居を楽しんでいます。その様子を目撃した瀬名と遭遇し、恥ずかしさから口止めをするよう求められます。瀬名は仲間に入れてもらえなければ秘密を暴露すると脅します。誘われるまま、次郎三郎と瀬名は一緒にかくれんぼを楽しみます。数正が二人の姿を見ていました。
その夜、数正は次郎三郎の父・広忠の七回忌のため、三河への墓参りを勧めます。久しぶりの里帰りに喜ぶ家臣たちが集まります。数正はすでに今川義元から許可を得ています。帰郷した次郎三郎は、小さな岡崎城や貧しい身なりの民たち、補修の必要な直垂(ひたたれ)を身にまとった家臣たちを目にし、松平家の立場を痛感します。
酒井左衛門尉忠次(大森南朋)、鳥居忠吉(イッセー尾形)、息子の彦右衛門(音尾琢真)、左衛門尉の妻・登与(猫背椿)、大久保忠世(小手伸也)、本多忠真(波岡一喜)や夏目広次(甲本雅裕)らが集まります。左衛門尉は得意のえびすくいで宴会を盛り上げますが、次郎三郎は少し引っ込んで寝室に退きます。
数正が次郎三郎のもとへやってきて、三河衆は作物のほとんどを今川家に献上しているため、もてなしは限られていると伝えます。そして、今川がいる駿府城こそが松平の本拠地であり、いつか家臣たちと共に三河一国を統べるために立ち上がってほしいという思いを告げます。
駿府に戻った次郎三郎は雑木林で瀬名とのデートを楽しむものの、国を背負うことが重荷であると嘆きます。彼は「向いている人に任せればいい」と話し、さらに自分は臆病で涙もろく、力も心もお腹も弱い存在だと言います。
しかし瀬名は次郎三郎のそんな一面が好きだと告白しようとする矢先、瀬名の母・巴や関口家の家臣を引き連れたお田鶴が現れ、二人は引き離されてしまいます。関口家は今川の一門衆であり、その姫を手にかけるとは身分を超えた行為だというのです。
数日後、次郎三郎は再び今川館に氏真との剣術稽古のために訪れます。珍しく今川義元も観戦しており、関口氏純と瀬名が彼の隣に座っています。そして義元は、この勝負の勝者に瀬名を嫁がせると宣言します。
瀬名を側室にしたいと願っていた氏真は怒りを露わにしますが、次郎三郎は従来とは異なる姿で、勇ましく鬼神のような力を発揮し、氏真に勝利します。義元は次郎三郎がこれまでわざと敗北していたことを知っていました。氏真の名誉のためだったとはいえ、それは実は最大の侮辱であると叱責します。こうして次郎三郎はついに瀬名と結婚し、幸せな三人暮らしを始めるのです。次郎三郎は初陣を迎え、名を松平蔵人佐元康(まつだいらくろうどのすけもとやす)に改め、嫡男の竹千代も誕生しました。彼は瀬名と共に幸福な日々を過ごしていくのです。
1560年、19歳の元康は今川義元からの指令により、陥落寸前の大高城への兵糧運びを担当する。義元は元康を鼓舞し、戦闘の時に着用する金陀美具足を授ける。元康は勇猛に行動し、兵糧を無事に城へ届ける。だが、義元が織田軍の奇襲により討ち取られた報せが届きます。
織田軍が迫る中、元康はどうすべきかを迷い、逃げ出してしまいます。そこへ本多平八郎忠勝が現れ、元康を連れ戻す。元康がどうすれば良いのかを自問自答する場面で終わります。
同時に、織田信長が今川義元の首を手に馬を走らせている様子や、武田信玄の笑み、巴が元康の危機を知り瀬名を訪れる場面が描かれる。
第2話: 兎と狼 (2023年1月15日)
織田軍に包囲された元康は、駿府に瀬名を残す中、家臣団は故郷の三河に戻りたいと猛反対。元康は渋々三河へ向かうが、敵の罠にはまり、重臣の鳥居忠吉が大けがを負うなど松平軍は壊滅状態に。
織田信長(岡田准一)の軍勢が迫りくる中、松平元康(松本潤)は家臣たちから「どうする?」という決断を迫られています。本多平八郎(山田裕貴)は戦う覚悟があり、兵糧も充分にあるので籠城すべきだと主張します。一方、酒井左衛門尉(大森南朋)は120人の兵勢では織田軍の2000人には勝てないと冷静な意見を述べます。
元康は家臣たちの議論に悩みながらも、織田軍がますます近づいていることを感じています。逃げれば良かったと後悔しています。
一方、過去の出来事を振り返ります。1542年(天文11年)、於大の方(松嶋菜々子)と広忠(飯田基祐)は、家康の誕生を家臣たちに披露します。家康は寅年に生まれたとされますが、実際は卯年に生まれていました。しかし、ウサギが狼に襲われてしまうという於大の意向で寅年とされたのです。
1549年(天文18年)、家康の父である広忠は織田信秀(藤岡弘)の侵攻に苦しんでおり、今川の援助も受けられずに降伏する決断を下します。その際、7歳の家康は戸田宗光に預けられますが、裏切られて家康は織田に引き渡されます。信秀は竹千代を人質にして広忠に今川を裏切るよう迫りますが、広忠は息子を見捨ててしまいます。竹千代を殺そうとする信秀に対し、彼を生かしておけば使い道があると言い出したのは信長でした。竹千代は白い子兎のようであり、信長はその狼のような存在でした。
1560年(永禄3年)、織田軍は一時的に城を囲んだ後、実は脅しであり、余力がなく撤退しました。家康は夜、駿府に戻ることを決断します。しかし、出発直前に岡崎城から城主の山田新右衛門が討ち死にし、家臣たちも家来を連れて駿府に戻ったという知らせが入ります。家康は妻子のいる駿府に帰りたいと思っていますが、家臣たちは岡崎に戻るべきだと主張し、対立が生じます。
最終的に、家康は三河領に入ったら家臣たちには自由に過ごす時間を与えると告げ、自身は1人で駿府に帰ることを宣言します。元康の側には左衛門尉、数正(松重豊)、忠吉翁(イッセー尾形)、彦右衛門(音尾琢真)など40人ほどの家来たちが残ります。岡崎に向かっていた平八郎も引き返してきました。しかし、物見に行っていた七之助によれば、先に進む道に敵がいると報告します。
無数の松明が近づいてきます。その中には大草松平家の当主である松平昌久(角田晃広)が率いる軍勢も含まれています。彦右衛門は喜びますが、数正は冷静に彼らを制止します。なぜなら、大草松平家は過去に何度も裏切りを繰り返してきたからです。
しかし、元康は信じる決意を固めます。その瞬間、元康が名乗りを上げようとすると、平八郎が彼を押し倒します。大草の軍勢が一斉に銃を発砲します。これは罠だったのです。しかし、平八郎の行動により、元康は助かります。
榊原康政と元康の決断
三河武士の次男坊・榊原小平太(のちの榊原康政)が大樹寺で『論語』を読みつつ微睡んでいるシーンから物語は始まります。寺は元康率いる軍勢が敵からの追撃を避けるための避難場所になります。戦闘で負傷者が出た元康は、自分の判断ミスを後悔し、対立する大草勢との緊迫した状況の中で、自身の命を絶つことを考えます。だが平八郎の言葉に励まされ、自らの生きる道を模索します。
元康は信長の元で過ごした過去を思い出し、強く生きることを決意します。そこに現れた小平太から、世界を浄化するという新たな視点を得ます。その思いを胸に、元康は戦闘の準備を進め、大草勢に対峙します。
元康の決断を知った信長は期待に満ちた表情を見せ、遠方の武田信玄も元康の存在に注目します。元康は父の追悼のために故郷・岡崎に戻り、困難を乗り越えていく決意を新たにします。次の動きについての戸惑いを胸に秘めながらも、自身の信念を家臣たちに告げます。
第3話: 三河平定戦 (2023年1月22日)
家康は今川氏真から三河の織田軍を倒して駿府に戻れと命じられる。しかし、家康は織田軍にことごとく大敗し、武田信玄にも相手にされない。その中で、家康は妻子を救うために今川を切る決断をする。
3話では、松平元康(松本潤)が今川氏真からの手紙を受け取る場面から物語が進みます。手紙には岡崎に留まり、織田軍を打ち破り三河を平定した後に駿府に帰るよう命じられています。元康はこの功績によって駿府に戻れることや氏真の側近になれることを喜びますが、石川数正(松重豊)からは「我々だけで?」と突っ込まれます。元康たちは軍資金もなく武器も揃えることができない状況ですが、忠吉翁(イッセー尾形)がへそくりを準備していたと告げ、また夏目広次(甲本雅裕)は足軽たちの名簿を作成します。
最初の標的は、元康の叔父である水野信元(寺島進)です。彼は今川を裏切り、織田に味方した裏切り者です。平八郎は信元が自分たちの母である於大の兄であることに疑問を持ちますが、元康はもともと信元を嫌っていたため、首を取っても構わないと判断します。
元康たちは刈谷城を襲撃する前に食事をとります。夏目広次は足軽たちの名簿を元康に渡し、元康は瀬名に手紙を書き、氏真の命を果たしたら駿府に帰ることを伝えます。
しかし、刈谷城攻めの際に元康軍は苦戦し、信元は城内でのんきにサイコロ賭博を楽しんでいました。この時、久松永家と共にいた信元は元康と話し合い、彼が真の敵を理解していないと嘲笑います。「馬鹿っていうのはかわいいものよ」と信元は言います。実は、元康軍の背後には織田軍が迫っていたのです。信元軍と織田軍に挟まれた元康軍は80人以上の犠牲者を出し、敗走するしかありませんでした。
信元は清須城に逃げ込みます。信長は信元に対して、「狩りとは獲物を追い込むことだ。兎(元康)をしっかりと自分の前に追い込め」と命じます。
元康は夢を見ます。生きている義元(野村萬斎)が現れ、「騙されてどうする。やり直しましょう。駿府に帰りましょう」と言います。目を覚ますと、元康は岡崎城にいたのです。一方、駿府では新たに生まれた亀姫に女たちが愛情を注いでいます。瀬名は元康や他の夫たちが戻ってくるのをきれいな着物で迎えるため、ハギレを使って着物を作るように言います。女たちは「もったいない」と言いますが、瀬名は微笑みながら「私も同じ三河の女ですから」と答えます。
信元から再び書状が届き、今川と手を切り、織田に付けば命は助かると書かれています。元康は怒りを覚え、氏真に援軍を求める書状を送ります。しかし義元の死後、氏真は各地で忙しく動いており、関口氏純が元康の援軍の要請に対応する余裕がありません。
そんな中、吉良義昭(矢島健一)が今川勢の援軍として現れます。大久保英世(小手伸也)の策略によって攻め込みますが、連合軍は大敗を喫します。
また、元康は信元からの書状に腹を立てます。元康たちは意見の対立が生じ、左衛門尉が原因を尋ねると、「今川と決別すべきだ」「このままでは皆が死ぬ」と発言した者がいたためです。家族がいる三河の仲間を見捨てることができない元康に対し、左衛門尉は今川と織田の連絡を取ることを提案します。しかし、武田信玄(阿部寛)は今川の家臣である元康に対して相手にしないと言います。
元康は左衛門尉や数正と信元に会い
に行きます。信元は元康に対して頭を下げれば何とか取りなしてやると言います。もし殺したいのなら殺せばいい。待っている者が死ぬという言葉を残し、久松長家と共に現れたのは実の母である於大の方(松嶋菜々子)でした。
母の助言と涙の選択
母・於大の方からの驚くべき進言を受ける元康。彼女は今川との縁を断つように勧め、信長と手を組むことを提案します。しかし、これは元康にとって重い選択であり、自身の妻子が今川の下にいる現状と、家族と国のための答えを見つけるのは困難です。
しかし、織田信長の指示で吉良義昭を攻撃するよう命じられ、避けられない決断の時が迫ってきます。また、民間人からは、今川と戦う意義が薄れてきており、自身の立場が危ういことを感じます。
家臣の左衛門尉と数正は、元康が今川との関係を断つことを望みますが、元康はその選択を躊躇します。だが、最終的には、その道を選ばざるを得なくなり、親しい吉良義昭に向かって剣を向けることになります。この決断が、元康の周りの状況を一変させ、特に瀬名たちの運命に大きな影響を与えます。
第4話: 清須でどうする! (2023年1月29日)
家康は織田信長と再会し、信長から今川を滅ぼせ、お市を娶れと命じられる。家康はこの命令に従い、今川領を切り取り、今川を滅ぼすことを宣言する。
4話では、松平元康(松本潤)と水野信元(寺島進)が織田信長(岡田准一)の居城である清須城に乗り込む場面から物語が展開します。信元は勝家(吉原光夫)に案内され、元康たちは信長との対面を果たします。
信長のそばには、元康の妹であるお市(北川景子)がいました。一方、宿所に案内された元康たちは、軽妙な口調で明るい性格の木下藤吉郎(ムロツヨシ)という人物と出会います。彼は「サル」と呼ばれることや蹴られることにも動じない変わり者です。
藤吉郎はすぐに信長が元康と相撲を取りたいと言っていると伝えます。熱い戦いが繰り広げられますが、元康もかつての弱者ではありません。一度は信長を投げ飛ばしますが、最終的には信長に制されます。その後、藤吉郎はもう1人の対戦相手がいると告げます。その相手とはなんと信長の妹であるお市のことでした。
お市は元康や本多忠勝平八郎、七之助に清須の風景を見せます。高台から見下ろす清須の繁栄ぶりに驚く元康ですが、お市は力があれば何でも手に入ると語ります。戦乱の世は男なら楽しいものであり、男性たちと一緒に相撲や剣術を楽しみたがるお市は、かつて竹千代(元康の幼名)に自分の方が強いと言っていたのです。
一方、今川氏真は関口家の縁者を皆殺しにすると言いますが、瀬名に好意を抱いていた氏真は情けをかけると決心します。
さらに物語は桶狭間の戦いに移ります。信長は元康との間で「織田は何があっても松平を守り、松平は何があっても織田を守る」という密約を交わします。元康は尾張と三河の国境を境川にする提案をし、信長はそれを承諾します。さらに元康は今川と和議を結ぶことを提案しますが、信長は元康の首を何度も叩きつけ、今川を滅ぼすよう命じます。
信長はお市との結婚を命じますが、お市は急すぎると言っても信長は応じません。そこで元康は酒を飲んで勇気を出し、臣下の礼をとるつもりで言葉を発します。彼は自分が大高城の戦いで勝利したのは自分自身の力であり、信長は偶然に今川に勝っただけだと主張するのです。
藤吉郎が説明します。大高城を攻め落とさずに苦しめるよう指示していたのは信長の作戦であり、大高城を落とすことは許されませんでした。なぜなら、今川が引っ込んでしまうからです。その作戦は見事に成功し、元康が勝利したため、大高城に引き寄せられていた義元(野村萬斎)が討ち死にしたというのです。
この衝撃的な事実に元康はショックを受けます。「そんな芸当ができるのは戦神ぐらいのものじゃ!」と彼は口にします。
松平元康(松本潤)は織田信長(岡田准一)の城へ行き、信長との対話の中で戦術と相撲に挑まれます。ここで、信長の妹お市(北川景子)との再会と、木下藤吉郎/豊臣秀吉(ムロツヨシ)という明るく独特な人物との出会いがあります。
信長は元康と密約を結び、お市との結婚を命じますが、これには元康が過去の戦いに対する自身の勘違いを明らかにする藤吉郎の説明と、ショックを受ける事実が含まれます。
一方、今川氏真(溝端淳平)は瀬名(有村架純)を強制的に迎え、元康への脅迫の手紙を送ります。元康は怒りと悲しみに打ちのめされ、婚礼を断ることを決心します。それに対し、お市は自分から婚礼を断ることを選び、元康に力を持つ重要性を説く。
このエピソードは、元康とお市の関係と、元康の今川への戦闘意志、そして氏真の裏切り者への復讐を描いています。
第5話: 瀬名奪還作戦 (2023年2月5日)
家康は今川氏真と対峙する前に妻子を救出したいと考え、本多正信の提案で忍びの服部党に銭を与えて瀬名たちをこっそり盗み出そうとする。しかし、計画が今川にバレてしまい、関口家は全員死罪を言い渡される。
5話では、元康(松本潤)が織田信長(岡田准一)との同盟を結び、今川氏真(溝端淳平)との全面戦争に踏み切ります。於大の方(松嶋菜々子)は、今川領を切り取るために鵜殿長照(野間口徹)の城を狙います。しかし、元康は瀬名たちが駿府に囚われていることを気にかけています。
元康と家臣たちは瀬名たちを奪還する作戦を考えますが、なかなか良い案が浮かびません。そこで大久保忠世(小手伸也)が思いついたのは、本多正信(松山ケンイチ)の活躍です。正信なら奇策を考え出せるのではないかと期待されます。しかし、家臣たちは正信を「いかさま師」と評し、戦になると逃げ出すと悪評が立っています。しかし、元康は正信を呼び出す決断をします。
正信は自らの奇襲作戦を語りますが、作戦内容を話すことはできないと言います。ただし、元康だけには話すと述べます。家臣たちは元康の家族が裏切られた過去を思い出し、また正信が策を考え出したわけでもないのに詐欺師のような振る舞いをすることに嫌悪感を示します。しかし、なぜか正信の言葉に説得力を感じる元康の判断で、家臣たちは退席します。
正信の作戦は、服部党の一族を利用するというものです。彼らは金銭でしか動かないと言われており、元康は金を渡します。しかし、左衛門尉や数正は服部党はもはや存在しないと主張し、彼らは百姓同様に扱われるべきだと述べます。金をだまし取られた可能性もあると疑念を抱きます。
正信は服部半蔵(山田孝之)のもとに向かいます。服部家は忍者ではなく武家の家系であり、忍者の活動は父から禁じられていました。正信は彼らに「武士としての誉れを得るために忍者もできる」と訴えますが、半蔵は冷たく拒絶します。しかし、正信は帰るふりをしてわざと金をばらまきます。武士としての誇りを持つならば、忍者の役割も果たせるはずだと説得します。
半蔵は「武士として」とつぶやきながら、鉛の玉を特定の穴に落とします。その穴を通って玉が反響すると、秘密の合図として穴熊が遠吠えし、服部党のメンバーが集結します。正信の作戦は、夜中に忍者たちが鵜殿長照の城に潜入し、瀬名たちを救出した後、海から船で脱出するというものでした。正信自身は当初は参加するつもりはなかったのですが、左衛門尉や元康は失敗は許されないとして彼を現場に送り出すよう命じます。
一方、今川氏真は鵜殿長照に命じていたことを知らせます。その命令は、瀬名たちの元へ向かうことです。長照の妹であるお田鶴(関水渚)は既に行動を開始しているとのことです。彼女は囚われの身となっている瀬名や巴たちにお菓子を届けていました。
本多正信は信頼に値するのか?
元康(演:松本潤)は、織田信長(演:岡田准一)と連携し、今川氏真(演:溝端淳平)との戦を開始する。想像する今川の領土を自分のものにするよう勧める於大の方(演:松嶋菜々子)だが、元康は駿府に捕らわれた瀬名一行が気にかかっている。
元康とその家臣たちは瀬名たちを救出する作戦を練るが、なかなか良いアイデアが見つからない。そこで本多正信(演:松山ケンイチ)の助けを借りる提案が出る。しかしながら、正信は一部から不信任の目を向けられている。しかし、元康は、この状況で彼の助けが必要だと感じる。
正信の作戦は?
正信は自分に資金を提供すれば瀬名たちを救出できると自信を見せる。彼の策略について問いただすと、詳細を元康だけに打ち明けると主張する。家臣たちの反応はさまざまだが、最終的には元康の意志が通り、彼らはその場を去る。
正信の策略は服部党を利用するというもの。服部半蔵(演:山田孝之)との交渉の結果、彼らは金で動くと判断され、元康は資金を提供する。しかし、半蔵はなかなか同意しない。そんな半蔵に対し、正信は説得を試みる。
正信の作戦は、夜間に密かに瀬名たちを救出し、船で脱出するというものだった。ところが、元康と左衛門尉からは作戦の成功を求められ、正信自身も現場に赴くよう指示される。
一方、今川氏真は鵜殿長照(演:野間口徹)に命じる。そして、お田鶴(演:関水渚)は、すでに氏真の命令を実行中で、瀬名たちに対し小さな助けを提供していた。
結末
市場で出会った男から、瀬名へのメッセージが渡される。そして、正信と服部党が策定した脱出作戦が始まる。しかしその作戦は失敗し、服部党の人々は次々と捕らえられる。
失敗の原因は、巴がお田鶴に計画を漏らしたことだった。その結果、氏真は関口家全員を死刑にすると宣告し、牢に投じる。
敗北を経験した正信と半蔵は再度奪還作戦を提案する。今度の作戦は、戦闘中に鵜殿長照とその二人の子供を捕えるというものだった。
第6話: 続・瀬名奪還作戦 (2023年2月12日)
6話では、元康(松本潤)たちの奪還作戦が描かれます。
瀬名と子供たちを奪還するため、元康たちは新たな計画を立てます。本多正信(松山ケンイチ)と服部半蔵(山田孝之)が考えたのは、鵜殿長照(野間口徹)の上ノ郷城に忍び込み、長照と息子2人を誘拐し、人質を交換するという作戦です。
正信は甲賀の忍びたちも仲間に引き入れ、半蔵は手裏剣の腕前を披露します。そのとき、大鼠の娘である女大鼠(松本まりか)が現れ、見事な手裏剣の技を披露します。
しかし、上ノ郷城への攻撃は敗北に終わります。険しい岩山の上にある城への突撃は困難を極めます。長照と彼の家臣たちは上から矢を放ち、元康の軍勢は苦戦を強いられます。長家は早々に撤退を余儀なくされます。
一方、瀬名は牢獄に囚われている間、関口家の一同は外に連れ出されます。今川氏真(溝端淳平)は上ノ郷城への出陣を命じ、瀬名たちの処刑を元康の前で行うと宣言します。しかし、氏真の家臣である岡部は瀬名たちの手を解放し、元康の前での処刑を拒否します。侍女のたねは一緒について行くよう懇願しますが、許されません。
元康たちは服部党の支援を待っていますが、なかなか現れません。その間に、今川軍が吉田城に入城し、瀬名たちは縄で繋がれて歩かされているとの報告が元康に伝えられます。元康の家臣である正信は、上ノ郷城での敗北に心を痛めながらも、状況を報告します。
しかし、元康たちはあきらめず、甲賀の忍びたちの活躍と共に上ノ郷城に潜入します。半蔵たちは見張りを欺いて敵を倒し、そのまま城内に潜入します。甲賀の忍びたちは眠っていた敵兵を鉛玉で起こし、夜討ちを行います。
元康は前後から敵を挟み込むよう指示し、戦闘を展開します。最終的に、長照が半蔵と女大鼠に追い詰められ、自害します。彼の最期の瞬間を見逃さなかった女大鼠は手裏剣を投げ、彼の息子たちの所在を確認します。息子たちは海に身を投げようとしますが、半蔵たちが彼らの足を捕らえ、生け捕りに成功します。
家康(松本潤)と彼の家臣たちは、奪還作戦の失敗後、瀬名一行を再度救出するため新たな計画を立てる。本多正信(松山ケンイチ)と服部半蔵(山田孝之)の策は、鵜殿長照(野間口徹)とその二人の子供たちを誘拐し、瀬名一行との交換を試みることだった。
正信は甲賀忍者を引き入れ、城攻めの策を練る。一方、於大の方(松嶋菜々子)は家臣たちと侍女に心を込めたおにぎりを作り、戦いへの決意を新たにする。
しかし、上ノ郷城への攻撃は難航し、元康たちは退く。その間、瀬名一行は今川氏真(溝端淳平)に引き出され、元康の前で処刑されると脅される。
しかし、家康たちは諦めず、再度城への攻撃を試み、最終的には長照の子供たちを捕らえることに成功する。その結果、氏真は元康との交渉に応じ、人質交換が成功する。
氏真と元康は再び対峙し、氏真は自身と父・義元の過去を思い返す。
第7話: わしの家 (2023年2月19日)
7話では、家康の名前の由来や彼が直面する出来事が描かれます。
家康(松本潤)は、妻子を取り戻し、三河の平定を目指す中で新しい名前を考えています。瀬名(有村架純)は、「泰康(やすやす)」がいいと提案します。それは何事もスムーズに進むような意味が込められているからです。家康は瀬名がいつも変わっていると感じながら、「家康」という名前を思いつきます。この名前は、武家の元祖である八幡太郎義家から取ったものですが、家康自身は三河を一つの家と考えていたからです。信長(木村拓哉)も「家康」という名前に賛同し、左衛門尉(大森南朋)は瀬名も同じようなことを言っていたとユーモラスに返します。
信長の指示で、家康は鷹狩りに誘われます。西尾周辺で行われると聞いた家康は鷹狩りの装備で出かけますが、信長の鷹狩りは実は謀反人を捕まえることを指していました。吉良義昭の家族や大草松平の一派、上野の酒井忠尚が捕らえられていたのです。
家康が家族や家臣たちと鷹狩りを楽しんでいる最中、信長は家康に向けて「ネズミは殺せ」と命じます。この言葉には深い意味が込められており、藤吉郎(ムロツヨシ)から謀反の計画を聞いた家康は家臣たちと共に鎮圧します。
しかし、松平家は戦いの連続で金欠状態になっています。家康は本多正信(松山ケンイチ)に奇策を出すように指示します。その策は、信長からお金を借りて今川領を切り取り、得た資金を返すというものです。しかし、家康は信長に借金をすることに抵抗を感じています。彼は信長とは対等な立場であるはずなのに、なぜか上下関係が逆転していると感じています。正信は家康を煽りながらも可愛いとからかいます。
一方、瀬名は一向宗の本證寺に潜入する機会を得ます。和尚のお経や食べ物の豊富さに魅了された瀬名は、家来たちも連れて行くようにと誘われます。しかし、家康は反対します。彼は本證寺が不入権を持っているため物資が豊富であることを説明し、一向宗の寺から年貢を取り立てることを考えます。
家臣たちは寺に触れないほうがよいと反対する一方、家康は三河の寺であるならば自分の言葉に従うべきだと主張します。
於大が街の実情を把握することを決心し、瀬名と登与の話に触発されて町人に変装します。一方、元康も仲間たちとともに本證寺の寺内町に秘密裡に進入します。そこでは、千代とその仲間たちが人々を引きつける舞を踏み、空誓の説法に人々を導きます。
空誓は悲しい話を通して、人々の同情を引き、彼らの罪を認めさせる一方で、阿弥陀仏の救済を約束します。これにより、人々は一緒に踊り、一体感を享受します。
元康は空誓に会い、寺がなぜ年貢を納めないのか問い詰めます。空誓の答えは冷淡で、彼らは苦しむ人々を助け、元康は苦しみを与える側だと述べます。
元康は、その後、一向宗の寺から強奪したもみ米を回収しようとしますが、逆に門徒たちに奪い返されます。千代は人々を助け、彼ら自身の生活を守ることを誓います。これらの出来事は、家康が直面する大きな試練、三河一向一揆の引き金となります。
第8話: 三河一揆でどうする! (2023年2月26日)
8話では、家康の内面や彼が直面する困難な状況が描かれています。
ある夜、家康は若き日に学んだ論語の夢を見ました。夢の中で、今川義元(野村萬斎)が現れ、国の主は誰かと問いかけます。家康は当然太守様と答えますが、義元は「否」と言い、国の主は天子様であると改めるように指摘します。その時、家康は目を覚ますのです。
家康は長引く戦いによる財政難に悩まされています。そこで彼は、一向宗の寺からみそぎのための寄付を集めるための措置を取ります。しかし、逆に寺から奪い返され、家康が下手人を差し出せと要求した書状を持った家臣たちは対抗意識を燃やされてしまいます。
家康は家臣たちから寺側に寝返る者が続出していると知らされます。本證寺、上宮寺、勝鬘寺、土呂御堂本宗寺などの寺からは、各地から武装した門徒たちが集まっているとの情報も入ります。
家康は家来たちが寺につかないだろうと高を括っていますが、城下の家来やその家族も次々と寺に向かっています。この状況に対し、家康は心配に駆られます。本多正信(松山ケンイチ)は足を痛めたと嘘をついて出陣を回避し、家来たちも戦に参加しない意欲を示します。
家康は寺を襲撃しますが、敵は鉄砲を持っており、苦戦を強いられます。左衛門尉(大森南朋)は対戦相手に軍師がついている可能性があると指摘します。夏目広次(甲本雅裕)は寺側が不入の権を守りたいだけであり、何もなかったかのように戦いを終わらせてほしいと訴えます。しかし、数正はそれはもはや不可能だと告げます。
家康は空誓(市川右團次)に戦わない方法を尋ねますが、瀬名が現れて軍師の存在や三河の主になることに対する抵抗感を伝えます。家康は引けない立場にあると悩みますが、瀬名はあほたわけと呟いて去ってしまいます。
家康の家臣たちに対して一向宗側が離反を勧めています。多くが謀反を起こし、三河地方は混乱に陥っています。家康は家臣たちの見張りを強化し、自分の立場を見つめ直します。
一方で、小平太と平八郎は吉良からの離反勧告に迷っています。広次も自分の忠誠を問われ、結果的に寝返る決断をします。
家康と数正は、服部党に本證寺に侵入して空誓と軍師を殺すよう命じます。しかし、半蔵と女大鼠は軍師に阻止され、計画は失敗します。その後、家康自身が出陣を決めますが、謎の銃撃に遭います。
家康は義元の言葉を思い出し、民への尊敬を新たにします。しかし、一向宗門徒たちに襲われ、長吉が身を挺して家康を守ります。家康が命を取り留めた後、長吉は死に際して家康に裏切り者の存在を警告します。
家康は信じられる者がいなくなり、瀬名を部屋に閉じ込めます。そして半蔵が帰ってきて、衝撃的な事実を伝えます
軍師の正体は本多正信であると。
第9話: 守るべきもの (2023年3月5日)
9話では、信頼と裏切り、家臣と主君の絆に焦点が当てられています。
物取りに連れ去られた幼なじみのお玉の過去を胸に秘める本多正信(松山ケンイチ)。彼の裏切りの噂は岡崎城でも広まっています。左衛門尉(大森南朋)と石川数正(松重豊)は吉良義昭(矢島健一)からの誘い状を破るべきか迷っていますが、家康の様子を見るとそう簡単にはできません。
戦いに気乗りしない家康の前に立ちはだかる課題があります。戦いの継続期間が見えないため、士気が上がらず、小平太(杉野遥亮)や平八郎(山田裕貴)も方針を示してもらわなければ戦えないと悩んでいます。
家康は誰も信じることができなくなり、恐怖におびえています。その時、鳥居忠義(イッセー尾形)が忠義の思いを伝えにやってきます。「道は2つに1つ」と忠義翁は語ります。家康の父や祖父も家臣の裏切りによって命を落としましたが、それを避けることはできませんでした。結局のところ、家臣を信じるしかないのです。主君が家臣を信じなければ、家臣も主君を信じません。
家康は家臣たちに信じられたいと思い、家臣たちが裏切られた場合の処置について考えます。謀反の疑いがある者を殺すしかないのかもしれません。忠義翁は自らが最初に殺すべきであると言います。病で死ぬよりも、自ら命を絶つ方が楽だというのです。
忠義翁の言葉に心を揺さぶられた家康は、金荼美具足を身につけて診断の前に現れます。そして、「わしはお前たちを信じる。供したい者だけ付いてまいれ」と叫びます。家臣たちは喜び勇んで立ち上がります。数正と左衛門尉も喜びのあまり誘い状を破り捨てます。この決断によって戦況は好転し、一向宗側は追い詰められていきます。
空誓は、亡くなっていく門徒たちを悲しそうに見つめます。正信に対して彼がここにいる理由を尋ねます。正信はただここにいたいだけではだめだと答えます。家康が現れたことを知ると、銃を持った正信が一向宗の門徒たちを扇動し始めます。
しかし、正信が家康を撃とうとした瞬間、大久保英世(小手伸也)が銃を撃ち阻止します。8年前、正信と英世は寺内町での戦いで協力していました。彼らは盗賊たちを罠にはめて一斉に捕らえる計画を立てていたのです。正信もまた、弓の名手として盗賊たちを倒していたのです。
正信はケガをした遊び女を助けようとしますが、その女性の顔には幼なじみのお玉(井頭愛海)のほくろがあります。医者を呼ぼうとすると、お玉は「南無阿弥陀仏」と唱えながら早くあの世に行きたいと言います。
一方、岡崎城に出向いた水野信元(寺島進)が寺との和睦を提案します。しかし、和睦には方便があり、門徒兵を解体した後に寺を潰すと言います。家康は卑劣な策略には手を染めたくありませんが、他に選択肢はありません。
渡邊半蔵盛綱(木村昴)は正信に、殿が和睦を申し出てきたと報告します。しかし、正信は仲介人が水野だと聞くと、それは罠だと考えます。謀反人には厳罰が下るのだと言い切るのです。
空誓は、戦いに参加した子供たちに対し、彼らに戦って死ぬように命じることはできませんでした。ただ、門徒たちの生活を守りたかっただけの空誓も、侍の戦いに利用され、多くの犠牲者を出したことを後悔していたのです。
正信は戦いの中で亡くなってしまったお玉のことを思い出します。彼女が極楽浄土に行けるようにと、正信は手で彼女の顔を包み込みながら何度も「南無阿弥陀仏」と唱えたのでした。
三河一向一揆の終結と家康の成長が描かれます。家康は一向一揆の指導者、空誓と和解し、寺を元通りにすると誓います。一方で、家康は夏目広次の謀反について不問にすると決定します。
しかし、主要な反乱者である正信に対しては違う対応を見せ、家康は正信を呼びつけます。家康は正信に対し、寺を元に戻す意志がないことを伝えます。その後の正信の過ちに対する弁明は家康に対する強い非難を含んでいました。
正信は家康がすでに自分の失敗を悔いていることを知っていました。だが家康は国を立て直すために前を向いて進むことを誓います。この言葉を聞いた正信は、家康に切腹または打ち首を選ぶ権利を与えました。家康は正信を三河から追放することを決定しました。
また、本證寺の踊り子である千代が武田信玄の間者であったことが明らかになります。千代は信玄に対し、家康が天下人になっていく過程を描く成長物語であると説明します。
家康の内面の葛藤と彼が領民と家臣を守るための覚悟を描いた重要なエピソードです。
第10話: 側室をどうする! (2023年3月12日)
第10話では、徳川家康が豊臣秀吉の側近としての立場で、独自の思惑を巡らせながら行動する様子が描かれます。
家康は大坂城での生活の中で、豊臣秀吉の政治手腕や力量にますます感服していきます。同時に、彼自身も自らの野心を抑えきれなくなっていきます。家康は、豊臣秀吉に対して複雑な感情を抱きながらも、自身の地位をさらに高めるための策略を巡らせ始めます。
一方で、大坂城内では政治的な駆け引きや陰謀が渦巻いています。家康は周囲の人々の動向を見極めつつ、自身の立場を守るために様々な手段を講じます。しかし、同時に家康は忠誠心も持っており、豊臣秀吉への裏切りを躊躇う場面も描かれます。
家康の動きに気づいた一部の人々は、彼の意図を看破しようと試みます。政敵や豊臣秀吉の忠実な家臣たちは、家康の野心を暴こうと策略をめぐらせます。
家康の思惑と周囲の騒動が交錯し、緊迫感とサスペンスが漂います。家康はどのような選択をするのか、彼の野心と忠誠心がどのようにぶつかり合うのか、注目が集まります。
三河一向一揆鎮圧後の家康は、今川氏の支配地を調略し、その力を一層強めます。この中には今川氏の親族である飯尾連龍も含まれます。瀬名は、民と家康の間を取り持つための新たな生活を始め、家康には新たな側室を持つよう勧めます。
その側室となったのは、気立ての良いお葉で、家康も次第に彼女を愛するようになります。しかし、お葉は自分の愛する人ができ、側室をやめることを決意します。
一方で、京都では政変が発生し、武田信玄が今川氏真の家臣を調略しようと動きます。信玄の策略により、飯尾連龍は氏真によって誅殺され、その情報は連龍の妻、お田鶴から提供されていました。
第11話: 信玄との密約 (2023年3月19日)
三河国主から徳川家康へ
松平家康(松本潤)が三河国主から徳川家康として新たな地位に就くことが描かれています。
一方、武田信玄(阿部寛)の動きが明らかになってきました。彼は駿河と遠江を狙っています。信玄のビジュアルは非常に特徴的で、ただちに彼の存在感を感じます。ただし、武田軍の作画は他のキャラクターとは異なるスタイルになっているのも気になります。
一方、織田信長(岡田准一)は上洛を果たし、天下統一に一歩近づいています。家康は信長から「今川領を武田に渡すな」と強く命じられています。家康は何度も信玄に交渉を申し入れますが、返事はありません。周囲の国々から見れば、家康はまだ若輩者と見なされているのでしょう。武田信玄と織田信長に挟まれる家康の姿は、本当に小さな存在に見えます。
武田軍に大きな動きがないため、家康たちは「今川攻めを諦めたのではないか」と考えていました。しかし、冬になり、突然信玄から面会の申し出があります。
交渉の日、家康は落ち着きがなくソワソワしています。しかし、ギリギリになっても信玄本人が現れないことが分かります。やってきたのは談判役の家臣たちだけです。数正(松重豊)や忠次(大森南朋)らは、家康と信玄では立場が違いすぎるため、談判役の家臣の方が家康よりも上位であるとつぶやきます。しかし、信玄が来ないことが分かると、家康の気持ちは一気に大きくなります。家康は数正たちに交渉を任せ、自らは小平太(杉野遥亮)と平八郎(山田裕貴)を連れて出発します。
平八郎は血気盛んに槍を振り回し、家康は瀬名(有村架純)が好きな栗を拾おうとします。そして、彼らは体を寄せ合い、信玄のことを悪口を言います。その時、信玄本人が現れます。実は、この場所で「信玄との密約」というサブタイトルの通り、家康と信玄の間で秘密の協定が行われるのです。
しかし、実際のところ、信玄の手下たちが周りに取り囲んでおり、家康に逆らう余地はありません。駿府からは武田が、遠江からは徳川が今川領を分割しようと提案されます。当然、家康には反論する余地はありません。
帰り際、家康は栗を渡されます。「奥方が好きだと聞いたから」と言われますが、いつ、どこでそんな話があったのかは不明です。もちろん、家康と信玄がこの場所で偶然出会ったわけではありません。すべては計画された秘密の会談の一環です。この時点で、家康には勝利の見込みはありませんが、それでも彼が生き残っていく理由を考えさせられます。
武田軍は駿府を、徳川軍は遠江を攻め始めます。遠江の引間城は、瀬名の幼馴染であるお田鶴(関水渚)が城主として統治していました。瀬名はお田鶴に連絡を送り、徳川側につくよう説得しようとしますが、返事はありません。瀬名とお田鶴の回想では、二人が笑い合い、結婚しても仲良くしていようという優しい約束がありました。
しかし、家康が今川から離れたことで、その願いは叶わなくなりました。さらに言えば、今川の苦境は家康のせいでもあります。
源氏の名を継ぐ新たな戦闘の幕開け
源氏の末裔として確固たる立場を築いた家康が、三河守として名を徳川に改め、正式に地位を固めるところから始まります。この時点から、日本の未来が大きく動き始めることが感じられます。
一方、遠江とおとうみの引間城主であった飯尾連龍が誅殺され、その城は今川氏真の従姉妹・お田鶴が受け継ぎます。お田鶴は、瀬名の幼馴染でありながら、飯尾連龍が家康との繋がりを持っていたことを氏真に密告した人物。彼女の強固な忠誠心が、今後の展開にどう影響するのか注目が集まります。
しかし、武田の使者として山県昌景と穴山梅雪が登場すると、物語は新たな展開を見せます。家康は彼らを迎えることなく、あえて山へと出て栗拾いに専念。そんな家康の元に、信玄自身が現れます。この不意の出会いは、家康と信玄の間に新たな密約が結ばれるきっかけとなります。お互いが遠江と駿河の領地を自由に切り取ることを許し合う、その約束の中には信玄の巧妙な策略が隠されていたのです。
最後に、瀬名が再びお田鶴に手紙を送り、徳川に降伏するように促しますが、お田鶴はこれを拒否。武田の駿府侵攻が始まると、家康も遠江侵攻を進めることに。忠義に生きるお田鶴の運命は、家康軍との壮絶な対決の中で繰り広げられます。
このエピソードは、徳川家康の名が初めて明らかになるだけでなく、家康と信玄の戦略的な駆け引き、そしてお田鶴の決断という三つの見どころが展開、お見逃しなく!
第12話: 氏真 (2023年3月26日)
今川氏真と家康の因縁
窮地に立たされた駿府の今川家が武田と徳川によって攻められています。家臣の岡部元信(田中美央)は、他の家臣たちはみな武田についてしまったため、駿府は完全に無防備だと氏真(溝端淳平)に伝えます。
なぜみんな私たちを見捨てるのだろう……。元信はそう嘆く氏真に、義元(野村萬斎)から授けられた短剣を渡し、武田が到着する前に腹を切るように進言します。
氏真は、父から将としての才能がないと言われたことを思い出します。義元は幼い頃から尾張で厳しい人質生活を送ってきた家康(次郎三郎)に目をかけており、彼の才能も認めていました。氏真は、家康が剣術の稽古で意図的に負けていたことや、自分が好きだった瀬名を奪われたことに気付きます。さらに家康は大高城の兵糧の管理など重要な任務を任される一方、自分には任せてもらえないと感じています。常に家康に対して劣等感を抱いていたのです。
一方、武田信玄(阿部寛)は家康が氏真を倒せないことを聞きつけると、山県昌景(橋本さとし)に氏真の首を切り落とすよう命じます。
糸との結婚と懸川攻め
氏真を心配する家康や親吉(岡部大)、鳥居元忠(音尾琢真)たち。彼らは今川家に仕えていましたが、氏真と戦いたくない本音を抱いています。武田から討てと言われているが、正室の糸(志田未来)の実家である北条方に匿ってもらっている間は手出しできないという言い訳にもなります。本来は氏真の行方を追っていた服部半蔵(山田孝之)がやってきます。
半蔵はお腹が空いており、握り飯を食べた後で任務に取り組むそうです。氏真たちは逃亡します。正室の糸(志田未来)は石段から落ちたことで足を怪我し、足手まといになってしまいます。糸は政略結婚で北条の姫であると義元が決めた嫁です。政略結婚ではありますが、糸は氏真の努力をよく知っていました。
家康たちは懸川城を攻めれば遠江をほぼ制圧できると考えていますが、半蔵が報告するところによると、氏真は懸川城に入ったとのことです。武田から氏真の首を討ち取れという命令が届きます。しかし、糸は北条に身を寄せることを提案しますが、氏真は逃げることは許さないと拒絶します。
氏真とは兄弟のように育った家康は、氏真の首を取ることに躊躇いますが、家臣たちから自分が氏真に受けた仕打ちを思い出すように言われ、決意を固めます。しかし、4か月経っても氏真を討ち取ることができませんでした。激戦が繰り広げられる中、本多平八郎忠勝(山田裕貴)の槍が氏真に命中します。
義元の本当の思いと家康の選択
今回は、今川義元とその養子、氏真との深い絆と家康との微妙な関係に焦点が当てられます。
義元は、桶狭間に出降する直前に氏真に対して率直な意見を述べます。その一方で、家康は氏真に対する深い愛情を隠すことができず、兄のように思っている氏真を自害から必死に止めます。
このエピソードでは、糸というキャラクターが重要な役割を果たします。彼女は、義元が氏真の成長を認め、氏真がいつか優れた将となることを願っていたという事実を伝えます。これは、氏真に対する義元の愛情と信頼を示しており、視聴者は氏真の孤独と自己矛盾を感じつつも、彼が持つ可能性に期待を寄せます。
一方、家康は自分自身と氏真との間の複雑な関係性を認識します。本心では氏真に仕えたいと思っていたが、義元の意向に背くことになり、家康は氏真に対する感情の深さと複雑さを謝罪します。
そして、糸は氏真に対して、彼女が最も愛する氏真の姿~戦う者ではなく、蹴鞠をする者~へと戻るように勧めます。氏真は自分が何もなせなかったことを認めつつも、糸を幸せにすることはできるかもしれないと思い、北条に身を寄せることを決意します。その決断を聞いた家康は、氏真の選択に羨望の念を抱きつつも、まだ降伏する時ではないと励まされます。
一方で、武田側は家康が氏真を助けたことを裏切りと見なしますが、家康側では北条と手を組めば武田を挟撃し、駿府を奪取することが可能かもしれないという希望が芽生えます。家康がどう行動するのか、その選択は物語の次の展開を大きく左右します。
このエピソードでは、義元の思いやりと信頼、家康の葛藤と選択、そして氏真の自己認識と決断が見事に描かれています。これらの要素が組み合わさった結果、視聴者は登場人物たちの深い感情と人間性に触れることができ、物語により深く引き込まれます。
第13話: 家康、都へゆく (2023年4月2日)
13話では、主人公の家康(松本潤)が氏真(溝端淳平)を救ったことで、武田方の信玄(阿部寛)らは約束違反と激怒します。しかし、家康の家臣団は北条との連携で武田を打倒できる可能性を見出し、興奮します。一方、家康は信玄に謝罪するよう左衛門尉に命じます。
時は永禄13年(1570年)。家康は足利義昭から上洛するよう命じられます。
徳川家では、瀬名が信康(寺嶋眞秀)と五徳姫(松岡夏輝)の夫婦仲の悪さに悩んでいます。五徳姫は信長(岡田准一)の娘であり、夫婦といってもまだ子供ですが、まんじゅうのことで口論しています。
家康が何か言えば父上の信長に言いつけると脅す五徳姫に、家康は京で珍しい菓子を買ってくると約束します。そこで五徳姫は「コンフェイト(金平糖)」を欲しいと伝えます。
上洛した家康は、あいさつ参りに忙しく従事しています。明智光秀(酒匂芳)からは、将軍への面会はいつになるか分からないが、いつでも来られるようにしておくよう指示されます。
家康は3日目に腹痛を起こし、数正と左衛門尉の勧めで三河の商人・茶屋四郎次郎(中村勘九郎)に会います。家康は金平糖を求めますが、それは南蛮の菓子で手に入りにくいものだと言われます。
また、信長が到着するまでは街に出るなと忠告されますが、金平糖を探すために鳥居元忠(音尾琢真)と平岩親吉(岡部大)が京の女性たちに興味津々で近づくと、他の男たちが女性たちに手を出そうとしているところに信長が現れます。家臣たちが男たちを斬り捨てると、信長は近々家康との宴席を設けることを告げます。
歴史の轍を辿る家康の決断
このエピソードは、徳川家康(主人公)の立場がさらに複雑化する様子を見事に描いています。初めに、家康の家臣である平八郎と小平太が、浅井長政の家臣とトラブルを引き起こすという出来事が発生します。これにより、家康は織田信長に召喚されます。この場面から、戦国時代のサムライたちが直面していた日常的な対立とその解決への努力が感じられます。
その後、長政が登場し、家康の家臣・本多平八郎忠勝から戦の指南を受けたことに感謝を示す場面が描かれます。これにより、家康と長政の関係に新たな展開が生まれます。さらに、信長は家康に対し、将軍の手足となり乱世を治めるべきだと諭します。信長の考えを通じて、戦国時代の支配体系とそれぞれの役割について学ぶことができます。
さらに続き、家康が15代将軍・足利義昭との謁見に挑むシーンが描かれます。義昭の振る舞いは、家康にとって驚きの連続で、視聴者も家康の立場に共感し、その葛藤を感じることでしょう。義昭の振る舞いから、当時の将軍の地位とその振る舞いが反映され、実際の歴史の一端を垣間見ることができます。
同時に、信長は将軍と自分に逆らう者を排除して天下統一を志向する構えを見せます。そして、驚くべきことに、お市の夫である浅井長政が信長に対する裏切りを予告します。
最終的に、家康は三河への帰路を考えますが、藤吉郎に引き留められます。これからの彼の戦いはまだまだ続くということを示しています。それは同時に、戦国時代の難しさとリアリティを示しています。
第14話: 金ヶ崎でどうする!(2023年4月16日)
敦賀・金ヶ崎の漁村。干し柿の争奪戦が繰り広げられる浜辺で、子供たちがはしゃいでいます。阿月(伊東蒼)も女性ながら一番速く帰還しましたが、父親に連れられてしまい、干し柿を味わうことは叶いませんでした。
……10年後、同じ金ヶ崎の浜辺で、家康の家臣たちが楽しそうに茹でたてのカニを頬張っています。カニの美味しさを存分に楽しむ彼らの姿が見受けられます。その夜、金ヶ崎城で信長と家康(松本潤)を含む家臣たちが宴を催しました。
4月27日、妙顕寺で家康の家臣たちが食事を楽しんでいます。皆、いつ自分たちが三河に帰れるのかを心待ちにしていますが、すぐに帰還できる日が来るだろうと楽観的な様子が広がっています。
一方、小谷城では、浅井長政(大貫勇輔)がお市(北川景子)に対し、信長(岡田准一)を討つと宣言しています。お市は兄の危機を感じ、侍女の阿月に、お手玉の中に信長へのメッセージを忍ばせるよう頼みます。阿月はその使命を遣いの忍者に託しました。浅井長政はすでに軍勢を進めています。
お市が託したお手玉は長政の家臣に発見されてしまいます。通常ならば腹を切るべき場面でしたが、このことが家康も巻き込まれる可能性があることに気づかされます。お市は阿月に金ヶ崎まで走って知らせに行くよう頼みますが、お市には阿月の心意気だけで十分だと返されます。
家康の家臣たちは、浅井と朝倉が手を組んでいた場合、挟み討ちに遭う可能性があると予測します。
信長が足利義昭を将軍に任命したのは、おだてておけば扱いやすいという意図があったのかもしれません。将軍を操って織田家が天下を取ることが本当の目的であるとの考えもあります。長政はそれに気づいているのではないかと数正は推測します。
阿月はお市が寝静まった隙に金ヶ崎へ向かいます。出かける際に「もらい乳に行く」と言ってしまいますが、見張りの兵たちは阿月がワラジを履いていることに気付き、彼女を追いかけて沢へと突き落とします。一方、浅井軍は疋田城へと到着します。
義と信念の戦場
今回は、歴史の轍が深く刻まれるシーンが多く描かれており、織田信長と家康との複雑な関係性が中心に展開されます。
開始早々、家康が信長に対し、浅井長政の信念についての進言を行います。家康は長政を「ただ信長の機嫌を取るだけの家臣とは違い、義の男だ」と評し、裏切る可能性も指摘します。ここから、信長と家康の間に生じる激しい感情的な対立が描かれます。
信長の激高と家康の強い説得により、視聴者は戦国時代の大名間の繊細な人間関係とその精神的な葛藤を感じ取ることができます。特に、信長が家康を信じられないと指摘したとき、家康の「お前の心の内などわかるか!」との反応は、その深い感情的な葛藤をよく表しています。
さらに興味深いのは、信長が家康に対して涙を流すというシーンです。その後、家康が信長を「あほたわけ」と呼び、その発言を後悔するエピソードは、視聴者に家康の人間性とその思惑を示しています。この一連の展開は、家康と信長との間の深い信頼と緊張感を描いています。
また、阿月という侍女の過去が描かれ、その苦難と勇気が強調されます。阿月がお市の伝言を家康に届けるために疲弊する姿は、視聴者の共感を呼びます。阿月の献身的な行動は、当時の侍女の困難な生活とその義務について考えさせます。
一方、家康は阿月の亡骸を目の当たりにし、信長を説得しようとします。そして、家康は信長が逃げる時間稼ぎをするために、金ヶ崎で戦いを挑むと決めます。ここから、今後の展開に対する期待感が高まります。
最後に、浅井・朝倉軍が金ヶ崎に迫ってきたという情報が舞い込むシーンで、このエピソードはクライマックスを迎えます。
第15話: 姉川でどうする!(2023年4月23日)
家康(松本潤)と秀吉(ムロツヨシ)は、困難を乗り越えて金ヶ崎の戦いを制しました。秀吉は信長(岡田准一)の姿を見て、自分が采配し功績を挙げたと自負し、猛アピールしました。
明智光秀(酒匂芳)は、浅井長政に寛大な処置をすることはできず、再び出陣するよう命じました。光秀は将軍様の命令だから断るわけにはいかないだろうと考えました。家康はしばらく国を留守にしたくないと答えると、信長は判断を委ね、乱世を終わらせるのは誰だと圧力をかけながら、金平糖を渡しました。
岡崎に戻った家康は、金平糖を五徳や信康、亀姫、そして瀬名に配りました。子供たちは喜んで受け取りました。五徳は少し家康を見直したようで、「父上もなかなかやりますな」と少々生意気に口をききました。
岡崎城では、大久保英世(小手伸也)が留守を預かっています。夏目広次(甲本雅裕)が見附城で拡張工事を行っていると報告しました。
織田・徳川の幕府軍は、姉川で朝倉浅井軍と対峙する作戦を展開します。家康は岡崎城に入る予定でしたが、信長は遠江を抑えるなら引間城だと指示しました。引く馬城という名前は縁起が悪いので、名前を変えて家康が入るべきだと言いました。また、武田を抑えるには岡崎を信康に任せるよう命じました。家康はまだ子供である信康に当主をやらせることに納得がいかず、さらに不満を抱きました。信長は徳川勢に先陣を切り、一番槍を務めるよう命じました。
小谷城では、浅井長政(大貫勇輔)がお市(北川景子)に対し、今夜出陣し織田に戻ってもよいと告げ、見張りを解いて送り出しました。長政は家康に文書を送りました。
家康は信長による高圧的な支配に我慢できなくなっていました。信長の家臣として指図されることに反発する平八郎(山田裕貴)に煽られ、信長を詰りながら長政からの文書を受け取りました。
文書には、信長には義はなく、信長が天下を我が物にしようとしていること、一緒に信長を討つことを訴える内容が記されていました。
1570年6月28日、朝倉浅井軍が迫ってきました。浅井勢は織田に、朝倉勢は徳川に分かれて攻めてきます。信長は皆殺しを宣言し、秀吉には家康を見張るよう命じました。
家康はどうすべきか悩みましたが、結局、浅井長政を討つために信長に立ち向かう決断をしました。今なら討つことができるのです。織田と浅井が戦っている間に、家康は朝倉と結託し、後ろから攻めることで勝利できると平八郎や鳥居元忠(音尾琢真)が家康を煽りました。
家康は待ったをかける左衛門尉に対し、浅井の言う通り、信長には義はないと答えました。左衛門尉が義とは何か尋ねると、家康はお前は学がないからだと返しました。左衛門尉は殿が本当に理解しているのか、義というものは理想論であり掲げてはいけないと忠告しました。朝倉浅井勢が進軍を開始し、出陣の合図の貝が鳴り響きました。決断は刻一刻と迫っています。
家康は浅井につきたいと思いましたが、それは浅井を好きだからであり、彼らに罠を仕掛けるつもりはありませんでした。左衛門尉が家康に幕府に逆らうことになると警告します。秀吉は徳川に対して銃撃を指示しました。
もしかしたら、その銃撃で家康は死んでいたかもしれません。家康はそんな信長を信じるのかと疑問を抱きました。信長は自分を試しているのだと言い、裏切れるなら裏切ってみろと馬鹿にしています。家康は信長に支配されることに嫌気がさしていました。
左衛門尉が家康に織田勢を攻めるのか尋ねると、数正は今なら信長を倒せると答えました。しかし、信長が亡くなった後、将軍は誰になり、天下はどうなるのか、岡崎や遠江、美濃はどうなるのか、武田との関係はどうなるのかと疑問を投げかけました。左衛門尉と数正は桶狭間の後の混乱の中で再び争いが起きるだろうと考え、再び生き延びることができるのかと懸念しました。しかし、数正は家康がやれると言えば従うと言いました。
苦渋の選択と新たな決意
今回は、一つのクライマックスに達し、歴史の波紋が生じる決定的な瞬間を描き出しています。家康とお市がそれぞれ苦渋の選択を迫られ、彼らが取った決断が、戦国時代の舞台に大きな影響を及ぼすことが示唆されています。
家康は朝倉浅井軍との戦闘を決意し、それにより彼らの3万の兵を撃破するという重大な勝利を手にします。この戦いの結果、家康の判断力と戦略が評価されますが、浅井長政を取り逃がすという結果には、明智光秀や藤吉郎からは懐疑的な視線が向けられます。
一方で、逃げ延びた長政はお市のもとへ逃げ込みます。お市からの彼に対する訴えは、兄である織田信長に対する彼女自身の信念を強く示しています。この一連の展開は、視聴者に戦国時代の大名間の複雑な人間関係とその精神的な葛藤を感じ取ることができます。
さらに、家康が岡崎に戻ると、親吉との別れを迎えます。家康の別れの言葉と行動は、彼のリーダーシップと人間性を示しており、視聴者に強い感動を与えます。新たな城の名前「浜松」は、その地域の美しい風景と瀬名の提案に由来しており、これが新たなスタートの象徴となります。
しかし、家康が引間城に入ったとき、彼が想像していた歓迎のシーンは訪れません。逆に、彼は住民から憎しみの眼差しを受け、その事実に直面します。このエピソードは、視聴者に家康の人間性とその困難を感じさます。
そして、最後に、家康が踊り子に襲われるという衝撃的なシーンが登場します。その踊り子が井伊虎松だったことが判明し、新たな展開が示唆されます。
第16話: 信玄を怒らせるな(2023年4月30日)
16話の物語は、美少年による家康への襲撃事件から始まります。家康はその美少年を生け捕りにし、暗殺の目的を尋ねます。彼は武田信玄のほうが国主にふさわしいと言い放たれ、遠江の民がそう思っていることを知ります。家康は、頼りになる領主となることを決意し、少年を無罪放免にすることを選択します。
一方、信玄は千代(演:古川琴音)を通じて、遠江の地侍や民に金をばらまくなど、懐柔作戦を展開しています。これに危機感を抱いた家康は、岡崎から左衛門尉(演:大森南朋)や数正(演:松重豊)を呼び寄せ、夏目広次(演:甲本雅裕)や大久保忠世(演:小手伸也)ら家臣団を集めて相談します。
しかし、武田に勝つ見込みはなく、さらに信長からは「信玄だけは怒らせるな」と忠告を受けている状況です。家康の家臣たちも適切な策を見つけることができず、最終的には信頼を築いていくことが唯一の方法であると結論付けます。
さらに、家康の義理の弟である松平源三郎勝俊(演:長尾謙杜)が武田の手に捕らえられているという情報が入ります。家康の実母である於大(演:松嶋菜々子)からの依頼を受けた服部半蔵(演:山田孝之)が彼の状況を確認しに行きます。
家康は彼をすぐにでも助けたいと思いますが、武田は策略を張り巡らせ、奥三河も制圧している状況です。上杉謙信との連携案が浮かび上がりますが、夏目広次からはそれが信玄の怒りを買う可能性が高いと忠告されます。さらに、家康が密かに送った謙信への書状が何者かに奪われてしまいます。
結局、家康は武田との戦いを避けることはできず、信玄は遠江を切り取るために時機をうかがっていることが明らかになります。この戦いに勝つために、家康と彼の家臣たちは団結し、知恵と勇気をもって立ち向かわなければなりません。
勇敢な救出と大いなる試練
家康の勇気と家臣たちの信頼、そして武田信玄との決定的な対決への道を描いています。
家康は、家臣の源三郎を救出するために服部党を活用します。源三郎は重傷を負っていますが、驚くべきことに、彼の体験は武田軍の内部を描き出す貴重な情報源となります。源三郎の体験を聞くことで、我々は武田信玄の厳しさとその指導方法を理解することができます。
また、信玄は独特の戦略を用いています。彼は源三郎が家康のもとに戻ることを予知し、わざと見逃すことで、彼を通じて家康へのメッセージを伝えます。彼のメッセージは明確で、家康に対する挑戦を明らかにしています。彼の言葉は、次の大きな戦いへの布石となります。
家康はこの挑戦に直面し、家臣たちとの会議を開きます。ここでの家康の選択と家臣たちの反応は、このドラマの主要なテーマである「信頼と忠誠」を強調しています。家臣たちのコメントは一見否定的に見えますが、それは彼らが家康を支持し、信玄との戦いに臨む決意を示していることの裏返しと言えます。
このエピソードは、信玄が次の戦略を計画し、家康が彼に立ち向かう決意を固めるところで締めくくられます。信玄は天下平定のために都に向かい、家康は地元の領地を守り、信玄に立ち向かうことを決心します。
家康とその家臣たちの団結と勇気を描き出しており、また武田信玄との大いなる対決に向けて舞台を整えています。
第17話: 三方ヶ原合戦(2023年5月7日)
物語は、1573年10月3日の朝に始まります。武田信玄(演:阿部寛)率いる武田軍の圧倒的な勢いに対抗すべく、上之郷城の久松長家(演:リリー・フランキー)も出陣の決意を固めます。一方、城内では、登与(演:猫背椿)が精一杯の思いを込めて握り飯を作り、それを見送る酒井忠次(演:大森南朋)が、最後の別れを惜しみながら彼女を抱きしめます。
岡崎からも、信康(演:細田佳央太)が出陣し、その熱意は家康(演:松本潤)にも感じられました。彼は、「我々の桶狭間の時が来た」と強い決意を示し、武田信玄を必ず倒すと誓います。
10月10日、戦況は厳しさを増しています。武田軍は速いスピードで城を落とし、その勢いはまるで炎の如く広がります。鳥居元忠(演:音尾琢真)の報告によれば、次の目標は高天神城のようです。しかし、家康はその城の強固な防御に自信を持ち、そう簡単には落城しないだろうと信じています。
しかし、10月21日、その信念は裏切られます。高天神城が落とされ、次のターゲットは見附城に向けられました。物見に行っていた本多忠真(演:波岡一喜)と平八郎(演:山田裕貴)は、武田軍の先遣隊を発見します。戦闘になり、二人は何とか生還するものの、平八郎は負傷し、そのダメージは無視できません。
信長(演:岡田准一)の元から、水野信元(演:寺島進)が連絡を持ってきます。しかし、信長の応答は冷たいものでした。「この浜松で武田を食い止めろ」と言いつつ、加勢の兵力は送らないというのです。それでも、家康は信長と共に行動し、共に鷹狩りを行うことを提案します。
二人の密談で、家康は武田信玄の真の目的が信長であり、自分自身が餌にすぎないことを悟ります。信長もこれを認め、家康が援軍として5000人を要求すると、信長は3000人までしか譲らないと言います。しかし、そのやりとりの中で、信長は家康の頬をつねりながら、「死にそうな顔した大将に誰も着いてこない」と冗談を言いつつ、信長は家康の手を自身の肩にかけ、「お前とは一心同体だとずっと思っている」と言います。
瀬名(演:有村架純)には家康が心の中の弱さを象徴する木彫りのウサギを預けます。瀬名は、家康が再びそのウサギを取りに戻る日を静かに待つことを誓います。その日が来るまで、彼女は彼の「弱い心」を大切に保管するのです。
運命の一撃と衝撃の結末
家康の生き残りをかけた大いなる戦略と、戦国時代の残酷な現実を描いています。
ドラマの開始直後、家康の総力戦がスタートします。佐久間信盛と水野信元が約3000人の援軍を引きつけて到着します。これは、家康が武田信玄の首を奪うという大胆な計画の一部です。しかし、家康は単に戦闘だけでなく、心理戦にも打って出ます。家康は遠江の民に対する情報戦を進め、浜松城を守りつつ、武田の勢力を分散させます。
見どころは、信玄が家康の「弱さ」を見抜き、家康が自分の「弱さ」を利用するという心理戦です。家康の戦略は複雑であり、信玄と戦う意志と戦術的な洞察力を示しています。そして信玄もまた、家康の戦略を理解し、それに対抗する方法を模索します。
その後、衝撃的な展開を迎えます。三方ヶ原での戦闘後、家康が死んだという噂が広がります。岡崎にいる信康たちは、その噂に戸惑い、不安を感じます。そして、井伊虎松は戦闘の現場を目撃します。その場面は、戦国時代の残酷さと家康の運命の不確定性を鮮明に示しています。
信玄の名言「勝者はまず勝ちて、しかる後に戦いを求む。敗者はまず戦いてしかる後に勝ちを求む」とともに、戦争の真実と戦略を理解するための深い洞察を視聴者に提供します。
歴史的な真実とフィクションを融合させ、視聴者にスリリングで教訓的な体験を提供します。また、家康と信玄の戦略と心理戦についての洞察は、戦国時代の複雑な戦略と人間の本質を理解するための重要な一助となります。
第18話: 真・三方ヶ原合戦(2023年5月14日)
徳川家康の命運についての謎
井伊虎松(演:板垣李光人)は三方ヶ原の戦場で唖然とした表情を浮かべている。徳川軍が敗北したのだ。彼の目の前で、武田の戦士たちは金の兜を被り、豪奢な鎧を身に纏った遺体と、その首を得意げに掲げていた。
徳川家康の死の報せは岡崎城の瀬名のもとにも届き、さらに織田信長(演:岡田准一)と足利義昭(演:古田新太)にもその情報が伝わる。義昭は徳川の終焉に際し、武田と手を組むことを決意する。なぜなら、徳川が滅んだ後の時代において、織田は武田に対抗する力を持てないと考えていたからだ。明智光秀(演:酒匂芳)は家康の死が確定したわけではないと主張するものの、その声は義昭には届かなかった。
同じ頃、武田信玄は首とされるものを見つめ、微笑んでいた。彼はかつて家康と対面したことがあり、その顔をよく覚えていた。だからこそ、首の持ち主が影武者だと彼はすぐに看破したのだ。
影武者の正体とは?
だが、一体三方ヶ原で何が起きたのか?家康の出陣前、彼は夏目広次(演:甲本雅裕)に問う。「なぜ私はお前の名前を覚えることができないのだろう?」広次は「私が影のように薄い存在だからでしょう」と答え、家康を戦場へと駆り立てる。
三方ヶ原での戦闘で、家康は武田の待ち伏せを察知し、軍を撤退させようとする。しかし、武田軍の攻撃は激しく、多くの兵士が倒れていく。次々と城に戻る徳川軍の兵士たちは、家康の所在が不明だと報告する。
状況を見た水野信元と佐久間信盛は、この戦いに勝つ可能性はないと判断し、急ぎ信長の元に戻ることを決める。それは戦場を見限るというより、信長の判断を仰ぐためだった。
一方で、家康を捜し続ける家臣たち。平八郎(演:山田裕貴)と康政(演:杉野遥亮)の危機を救ったのは、平八郎の叔父、本多忠真(演:波岡一喜)だった。酒好きでありながらも腕前は衰えておらず、二人に「逃げろ」と命じる。しかし平八郎は叔父を一人で死なせるわけにはいかないと決意する。忠真は「お前の死に場所はここではない。お前の夢は主君を守って死ぬことじゃろう!」と一喝し、平八郎が「主君などと…」と言いかけると、「好きなんじゃろうが!大好きな殿を守れ」と抱きしめ、逃がす。
泣き叫びながら後退を余儀なくされた平八郎。しかし、本多忠真は一人、徳川家康を守る盾となるのだった。
忍耐、奇策、そして信玄の謎
家康の過去と現在が織りなす深い繋がりと、戦国時代の緊迫した状況を描いています。
浜松城では、負傷した武士たちが次々と戻ってきますが、家康の所在は未だ判明していません。忠次(大森南朋)は、自身の怪我にも関わらず、家康を見つけ出すために決死の覚悟を見せます。
その一方で、家康もまた、武田の武士たちから総力を挙げて生き延びるために奮闘しています。そしてこの緊急事態の中で、家康は自身の過去と再会します。登場するのは、夏目広次~家康がかつてよく遊んだという家臣、夏目吉信でした。
広次は家康に影武者として身代わりになることを提案します。家康はこの提案に反対しますが、家臣たちによって押さえつけられます。そして平八郎もまた、自身が代わりになろうと志願しますが、広次によって窘められます。
この時点で、家康は広次の正体を思い出します。夏目吉信、そして後の広次は、家康が過去に床下に隠れた際に寄り添い、支えてくれた人物だったのです。広次の存在は、家康の弱さを受け入れ、それを力に変える機会を与えてくれました。
一方、武田勝頼(眞栄田郷敦)の軍勢が浜松城に迫る中で、忠次は奇策「空城の計」を提案します。これは敵を欺くための秘策で、諸葛孔明が取ったとされるものです。この提案に対し、信玄は勝頼に対して故事を勉強することを理由に一度だけ見逃すことを提案します。これは、信玄自身が時間との戦いを強いられていたからで、彼は信長を討つために西へと向かいます。
このような中で、家康は自身を守り続ける家臣たちに深く感謝し、また必ず復興を遂げることを誓います。それぞれが自身の立場で歴史を動かそうとしている中で、信長を見捨てたにもかかわらず信玄がなぜ現れないのかという疑問が都に広がります。
家康たちはまた、甲斐へと引き返した武田軍の動きに戸惑いを覚えます。なぜ武田軍がこのような行動を取ったのか、その真相はまだ明らかになっていません。
この歴史の流れをしっかりと理解することで、私たちは当時の人々がどのような状況でどのような決断を下したのかを理解することができます。
第19話: お手付きしてどうする!(2023年5月21日)
武田信玄の最期と息子・勝頼への願い
1573年4月12日、信州駒場。武田信玄(演:阿部寛)は、自身の力を取り戻し、織田との決戦に備えているという噂を広め、自分の死を3年間秘密にするよう息子の武田四郎勝頼(演:眞栄田郷敦)に遺言する。信玄は息子への深い思いを伝え、永眠する。「自らの世を作れ。勝頼よ、君の器量は私を遥かに凌ぐ。私が創り上げた至高の逸材だ。黄泉の国から見守る…」
その頃、徳川家康(演:阿部寛)とその家臣たちは、信玄の死を確信し、天が味方したと喜ぶ彦右衛門(演:音尾琢真)を見て、家康は彼を諫める。「敵とはいえ、人の死を喜ぶとは何事か」と。平八郎(演:山田裕貴)はこの機会に武田から奪われた領土を取り戻すべきだと提案する。
家康は木彫りの戦神・摩利支天を手に信玄との戦いを思い出し、身震いする。一方、岡崎城では瀬名が亀姫に生花を教えていた。
信長の野望と秀吉の野心
山城槇島城で、織田信長(演:岡田准一)と足利義昭(演:古田新太)は対立していた。義昭の地位は既に揺らぎ始めており、明智光秀も信長の命令に従って義昭を見捨てる。一方、小谷城では、木下藤吉郎(演:ムロツヨシ)が羽柴秀吉と改名し、お市(演:北川景子)の元へ向かう。お市は自分と娘たちの世話をすると秀吉に告げる。
お万と家康の接近
家康は三方ヶ原の戦いの記憶に取り憑かれ、無気力になっていた。風呂に入りながら、お万(演:松井玲奈)に髪を梳かせる。彼女の優しい雰囲気に触れ、家康は心の内を打ち明ける。お万は、家康の髪を触るたびに胸が高鳴り、その感情に気づかれないように戸惑う。
岡崎で、五徳(演:久保史緒里)は瀬名に対し、家康と会うために浜松に戻ることを提案する。信康(演:細田佳央太)も、これからは五徳が自分を支え、瀬名は家康を支えるべきだと言う。
家康はお万に再び髪を梳かせ、彼女の色香に抗うことができず、お手つきをしてしまう。服部半蔵(演:山田孝之)はお万の妊娠を確認し、家康に告げる。そのニュースはすぐに瀬名に伝わり、彼女は怒りの手紙を書いて信康に送る。瀬名は直接家康と話すために浜松に向かう。
愛と権力の間で揺れ動く人々
第19話は、家康(主役)とその周りの人々が、愛と権力、そして家族と義務との間で揺れ動く様子が描かれています。そして、それぞれが選んだ道とその結果によって歴史がどのように形成されていくのかを考察する契機ともなるエピソードとなっています。
家康の正室である瀬名は、家康が子をもうけたお万に対して彼女自身の立場と、子供たち信康や亀姫の立場が脅かされることに憤慨しています。彼女は家康が彼女たちを軽視したと責め立て、家康は心から謝罪します。しかしその後、瀬名は家康に痛烈なビンタを浴びせ、お万と話すことを宣言します。
お万は侍女たちに逃がされようとしますが、彼女は特別なお願いを持っています。瀬名が到着すると、お万は木に縛り付けられて泣いています。彼女の妊娠により、徳川の家が乱れる可能性があること、城を出ても実家はすでに焼失していること、家康の子として恥ずかしくない躾ができないという不安から、彼女は瀬名に躾をお願いします。
瀬名はお万を見直し、彼女がとても賢くて知恵があり、家康を手玉に取るだけの才能があることを認めます。そして、家康からたっぷりの金子をもらって、家を再建し、その子供を立派に育てるようお万に命じます。
その後の話し合いで、お万は恥じてはいないと断言します。彼女が家康と関係を持ったのは、多くの家臣を失い、心が疲れていた彼を慰めるためだったと語ります。男たちは欲しいものを手に入れるために戦争をして人を殺す一方で、女性は癒しと安らぎを与えてものを手に入れます。彼女は、男たちが戦争のない世界を作ることができないなら、政治は女性がやるべきだと主張し、瀬名ならできるはずだと信じています。
お万は家康のもとには二度と来ないと宣言し、子供を立派に育て、いつか家康の役に立てるようにすると誓います。瀬名は、浜松に行く計画を延期し、信康や五徳がまだ心配だと述べます。
その頃、遠江では家康が民衆たちの笑いものになっていました。しかし、家康の動向を見守っていた井伊虎松(板垣李光人)だけは、笑ってはいませんでした。
戦闘は依然として続いており、三方ヶ原の戦いで多くの兵を失った徳川軍は、かろうじて生き延びています。武田信玄の死後も、武田家は依然として強大です。その中で、勝頼は三河を手に入れるため、次のターゲットを岡崎の信康と瀬名に定めていました。
主要キャスト・登場人物一覧
徳川家康(とくがわ いえやす) 松本潤
織田信長(おだ のぶなが) 岡田准一
築山殿 / 瀬名(つきやまどの / せな) 有村架純
豊臣秀吉(とよとみ ひでよし) ムロツヨシ
今川義元(いまがわ よしもと) 野村萬斎
武田信玄(たけだ しんげん) 阿部寛
酒井忠次(さかい ただつぐ) 大森南朋
本多忠勝(ほんだ ただかつ) 山田裕貴
榊原康政(さかきばら やすまさ) 杉野遥亮
井伊直政(いい なおまさ) 板垣李光人
鳥居元忠(とりい もとただ) 音尾琢真
大久保忠世(おおくぼ ただよ) 小手伸也
平岩親吉(ひらいわ ちかよし) 岡部大
鳥居忠吉(とりい ただよし) イッセー尾形
於愛の方(おあいのかた) 広瀬アリス
服部半蔵 / 正成(はっとり はんぞう / まさしげ) 山田孝之
石川数正(いしかわ かずまさ) 松重豊
本多正信(ほんだ まさのぶ) 松山ケンイチ
夏目広次(なつめ ひろつぐ) 甲本雅裕
本多忠真(ほんだ たださね) 波岡一喜
渡辺守綱(わたなべ もりつな) 木村昴
登与(とよ) 猫背椿
大鼠(おおねずみ) 千葉哲也
女大鼠(おんなおおねずみ) 松本まりか
徳川信康(とくがわ のぶやす) 細田佳央太
お市(おいち) 北川景子
織田信秀(おだ のぶひで) 藤岡弘
柴田勝家(しばた かついえ) 吉原光夫
山県 / 飯富昌景(やまがた / おぶ まさかげ) 橋本さとし
水野信元(みずの のぶもと) 寺島進
久松長家(ひさまつ ながいえ) リリー・フランキー
松平昌久(まつだいら まさひさ) 角田晃広
今川氏真(いまがわ うじざね) 溝端淳平
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