第24話:築山へ集え!(2023年6月25日)
家康の難題と瀬名の計画
彼女の心の闇に触れるために、戦によって破壊された信康(細田佳央太)に、瀬名(有村架純)が長年封じてきた感情を明かすという衝撃的な開始となる第24話。心を打つ瀬名の告白は、見る者の心に深い共感と感動を引き起こす。
武田との新たな関係
一方、武田勝頼(眞栄田郷敦)の側では、穴山信君(田辺誠一)と千代(古川琴音)が瀬名との新たな関係について議論を交わす。瀬名が武田と手を組むことを望んでいると述べているが、その計画は千代にとっては驚きのものだった。その頃、岡崎の五徳(久保史緒里)は信康と再会を望むものの、それは現在の状況では不可能と七之助(岡部大)に告げられる。
築山殿の陰謀
遠江・浜松城において、家康(松本潤)とその家臣たちの間で、築山殿に武田のスパイがいるのではないかという疑念が浮上する。その提案者たちは、あらゆる手段を尽くして、特に岡崎との戦闘を避けるべきだと主張。その思いは家康の古参家臣たちの強い願いとなっている。
家康の困難な決断
しかし、家康の誠実な信頼は、彼の配偶者たちを信じる強い決意に由来している。それでも、事態が落ち着くわけではないと家康に忠告する数正(松重豊)。また、万千代(板垣李光人)は、自身が岡崎との関連性を否定し、適切でない発言を続ける。家康はこの発言を諫め、一刻も早く手を打つ必要性を説く。その中で、信長からの鷹狩りの招待が届く。
不思議なプロポーズと秘密の任務
一方、伊賀の女大鼠(松本まりか)が服部半蔵(山田孝之)に対して働き口を要求し、一風変わったプロポーズをする。しかし、その提案は女大鼠に拒否され、その行動はさらなる謎を深める。
彼女に託された任務は、築山殿の偵察だった。服部半蔵からの報告によると、築山殿の床下で一ヵ月を過ごした女大鼠が得た情報は、家康たちにとって衝撃的なものだった。千代と穴山信君だけでなく、於大(松嶋菜々子)と久松長家(リリー・フランキー)、さらに今川氏真(溝端淳平)と糸(志田未来)も築山殿を訪れていたことが判明。今後も何かしらの計画があると予想された。
予期せぬ出来事と家康の決断
しかしながら、床下に潜伏していた女大鼠は千代に見つけられ、家康はついに築山殿への兵を動かす決断を下す。その動きを察知した於愛は、彼女も築山殿に同行したいと要望する。
家康の築山訪問と瀬名の大いなる夢
万千代から築山殿に武田の医師が訪れているとの情報を受け取った家康は、信康を敬愛する五徳に連れられ、築山殿を訪れることとなる。そこで家康が見たものは、千代と信君、そして壮大な夢と謀を描く瀬名だった。
争いを終える新たなビジョン
瀬名は「なぜ戦うのか?」という問いに対し、戦の代わりに物々交換や互いの支援を提案する。彼女の夢は、同じ通貨を使い、商売や人々の行き来を自由にすることで東国に一つの大国を作り出すことだった。
しかしこの計画に対し、五徳は信長が許さないだろうと疑問を呈する。しかし、瀬名は於大と長家、氏真と糸もこの夢に共感しており、争いの絶えない世界を終わらせるために一緒に動こうと提案する。
最後に、この新たな夢を実現するためにはお金が重要だと信康は指摘する。力ある者同士が戦うのではなく、互いに見つめ合うだけで日本が一つの愛の国になるという願いを瀬名は述べ、その思いに共感した五徳は信康に従うことを決定する。
家康の決断と未来への一歩
家康の家臣、七之助は「戦い続けるのはいつまでか?」と問いかけ、左衛門尉も「殿の決断に従うしかない」と語る。ついに家康は未来を変える一歩を踏み出す決断を下すのだった。
複雑な策謀と挫折
叛逆者・勝頼の動き
武田家の勝頼が独自の動きを見せます。一方で、家康は築山殿の瀬名と深い対話を交わします。「いつからこんな思考があったのだろう」と彼は尋ね、瀬名は「それはあなた自身の中にも見つけられるのでは?」と返します。家康は若い日々、乱世と痛みと向き合ってきた自身の過去を思い起こします。
瀬名の野望と武田家の危機
武田家では、穴山信君が生き残るための策として瀬名の申し出を受け入れるよう勝頼に進言します。一方、徳川家では瀬名が目指す巨大な東国を形成するため、家康が一時的に武田との戦闘を装うことを決断します。当然、これは信長に気付かれないようにする必要があります。
城から城への駆け引き
1579年、安土城で状況は緊迫しています。信長は高天神城の攻略が進まずに焦燥を感じ、佐久間信盛の作戦に不満を示します。一方、岡崎城では信康と五徳の子供たちが中心となり、平穏な日々が過ごされています。
武田家の本拠地では、信君と千代が瀬名の東国計画が順調に進行していると報告します。勝頼はこれを契機に、すべてを明らかにするべき時が来たと判断します。「共に生きていくよりも、戦い続けて死にたい。信長と家康の関係が断たれれば、私たちはまだ戦うことができる」と、彼は語ります。
勝頼の悲願と築山の野望
勝頼の最大の望みは、父・信玄を超えることでした。そのためには、戦い続けることが彼の生きる道だと彼は語ります。一方、佐久間信盛は信長に新たな提案を持ちかけます。
築山の策がついに世間に広まったと知った家康は、左衛門尉に報告します。築山殿、すなわち瀬名は、これまでしばしば「悪女」や「したたかな女」と描かれてきましたが、今回は異なります。彼女は国を統一し、平和を実現する目指す人物として描かれています。
東国の一体化とその難題
瀬名の野望は、「戦のない世界」の実現です。そのために彼女は武田家や於大の方、長家、そして今川氏真と糸を巻き込み、東国の経済を一つの通貨で統一しようとします。東国が団結し、巨大な国家を創造すれば、信長に対抗できるだろうというのが彼女の想いです。しかし、理想通りに事は進まないものです。
結局、瀬名と信康は悲劇的な運命を辿ることになります。本作はこうして、一瞬の息つく暇もない駆け引きと激動の世界を描き続けています。
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