Z世代の言葉はなぜすぐ死語になる?TikTok発ワードの未来予測《付録:流行語アイカーブ・死語リスト》

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TikTok発ワードがZ世代で拡散。「イイじゃん」など流行語化。その寿命は?

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はじめに

ぼくが最近おもしろいなと思うのは、Z世代の言葉の広まり方です。

昔ならテレビで芸人さんが言ったギャグや、雑誌で紹介されたフレーズが、半年から数年かけて「流行語」になりました。でもいまはTikTokを中心に、数日で広まり、数週間でみんなが使い倒し、数か月で「もう古いよね」と笑われてしまう。

特に「イイじゃん」という言葉の使われ方が象徴的です。ただの肯定じゃなくて、ちょっと皮肉や共感を含ませながらコメントするノリが、TikTokでバズって広まったんです。ここから、Z世代と流行語の関係を探っていきます。

TikTokが辞書になる時代

Z世代にとってTikTokは、辞書というより翻訳機に近い存在です。

日常で感じたことをどう表現するか、動画やコメント欄をのぞけば自然と答えが見つかる。「それな」「きまZ」「ワンチャン」などの言葉がそうやって浸透してきました。

ポイントは3つ。

ひとつめはシンプルであること。
ふたつめは音が耳に残ること。
みっつめは真似しやすいこと。

これがそろうと、一気に広まって「国語辞典に載るより早く会話で使われるフレーズ」になるんです。

なぜ寿命が短いのか?

とはいえ、Z世代の流行語はとにかく短命です。理由を3つ挙げます。

ひとつめは、コンテンツ消費のスピード。
ショート動画を毎日何十本も見るので、同じフレーズはすぐに飽きられます。

ふたつめは、リミックス文化。
「それな」が「それなンゴ」になったり、「草」が「w」に変わったりと、必ず改造されてしまう。改造されると元の言葉はすぐ古びるんです。

みっつめは、逆張り精神。
流行が大きくなると「もう古くね?」と切り捨てるのがZ世代流。大人や企業が使いはじめたら一気に冷めるのもお約束です。

こうして言葉はすぐ消えるけど、それ自体が悪いことではなく、「その瞬間の空気を切り取るタイムカプセル」になっているのがポイントです。

10年後の未来予測

さて、ここからは未来予測です。Z世代の流行語は10年後どうなっているでしょうか。ぼくの見立てでは、3つの方向に進むと思います。

まずは「デジタル方言化」。
地域の方言みたいに、アプリごとに独自の言葉が残るんです。「イイじゃん」はTikTok方言、「◯◯ンゴ」はX方言、みたいに整理されていくでしょう。

次に「AIとの共通言語」。
未来のAIやメタバース空間では、ユーザーが「イイじゃんw」と話しかけると、AIが同じノリで返すようになります。流行語が人とAIをつなぐ感情のインターフェースになるんです。

最後は「メタ流行語化」。
懐かしミームとして復活する流れです。2035年ごろ、「イイじゃん」がリバイバルして「逆に新しい!」と盛り上がる。ファッションの流行が回るのと同じで、言葉も循環するんです。

まとめ

Z世代の流行語は、確かに寿命が短いです。けれどその短さこそが魅力であり、爆発的に拡散して「その瞬間を共有する」役割を果たしています。

10年後には、デジタル方言・AIとの共通言語・懐かしミームとして再生と循環を繰り返すでしょう。

今のうちに「流行語アーカイブ」を作っておくのも面白いはずです。未来の人が見返したときに、「あの頃はこんな言葉がバズってたんだ」と笑える文化遺産になるのですから。


付録:Z世代流行語アーカイブ(2020年代前半)

TikTok・SNS発ワード

  • イイじゃん … 肯定と皮肉をまぜた軽い共感フレーズ
  • きまZ … 「決まってるぜ!」をZ世代風に崩した表現
  • それな … 「同意!」を短縮した共感ワード
  • ワンチャン … 「ワンチャンス(ひょっとしたら)」の略
  • … 笑いを意味するネットスラング。「w」の視覚化
  • おハーブですわ … 驚きをお嬢様風に表現するミーム

コメント欄・ノリから派生

  • 〜ンゴ … 語尾を伸ばしてユルさを出す。「それなンゴ」など
  • ぴえん … 悲しい・かわいそうの擬態語
  • ぱおん … 「ぴえん」の強化版。語感で遊ぶ派生語
  • ガチ恋 … 本気で推しに恋してる状態

ミーム・動画テンプレ系

  • チルい … 落ち着く、まったりしてる
  • エモい … 感情を揺さぶられる雰囲気
  • 秒で … 「即行で」という意味の強調表現

死語一覧(かつて輝いたが今は…)

  • ナウい(1980年代) … 「イケてる」意味。今は逆にダサさの象徴。
  • チョベリバ(1990年代) … 「超ベリー・バッド」。女子高生言葉の化石。
  • アゲアゲ(2000年代前半) … テンションが上がってる状態。今言うと昭和歌謡みたいな響き。
  • KY(2007年頃) … 「空気読めない」の略。当時は流行語大賞級。
  • リア充(2010年前後) … リアルが充実してる人を皮肉る表現。SNS普及で消滅。
  • バイブス(2010年代前半) … テンション・ノリ。クラブカルチャー寄り。
  • あげぽよ(2010年代) … JK用語の代表格。今や黒歴史扱い。
  • タピる(2019年) … タピオカドリンクを飲むこと。流行が急速に終わった。
  • ぴえん(2020年初頭) … 一時代を築いたが、Z世代的にはすでに「古」扱い。

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