第21話:長篠を救え!(2023年6月4日)
瀬名と千代、不確定な同盟の芽
有村架純演じる瀬名は、築山殿に古川琴音演じる千代を招待し、一緒にお茶を楽しむ。徳川の存在は繭から蛾への変化の如く、風前の灯火へと変わりつつあります。武田勢力は瀬名と信康に対して歓迎の姿勢を見せています。そして千代と瀬名が一緒に行動すれば、何か大きな可能性が開かれるのではないかと予感させます。
瀬名は千代に、夫や子供がいるのかを問い詰めます。戦闘で亡くなったと告白する千代は、家族がいない状況と武田との仕事の両立に満足しているようです。しかし、戦争がなかったら、どのような人生を送っていたのか、そして誰が彼女の幸せを奪ったのかについて思いを馳せています。
瀬名の雰囲気に引き込まれ、千代は危うく毒に飲まされそうになります。その毒とは、瀬名の魅惑的な眼差しによって彼女が口にすべきではないことを語りかけられそうになる状況です。彼女は瀬名を恐ろしい存在と感じます。
千代を送り出した後、當真あみ演じる亀姫が何か倒れているものを見つけ、報告に来ます。それは、髪が熊のようにもじゃもじゃとした奥平信昌(白洲迅)の家臣、鳥居強右衛門(岡崎体育)でした。強右衛門は空腹で、与えられた食事をむさぼり食う姿が描かれます。
長篠城の運命:救援はあるのか
長篠城は、武田の攻勢により落城寸前の状況に追い込まれています。食料も尽き、徳川からの援軍を待つだけの状況です。強右衛門は、徳川からの救援は期待できず、長篠城は見捨てられたと感じています。
信昌は、武田に戻る道はなく、徳川に頼るしかないと判断し、岡崎へ行くよう強右衛門を説得します。多くの者からは、一人だけで逃げ出し、武田に寝返るのではないかという疑いの目が向けられますが、強右衛門は泳ぎを使い、川を潜って岡崎に無事到着します。しかし、その動きは既に武田に察知されていました。
家康と家臣たちは、強右衛門が持参した信昌からの書状を読み、奥平を救うべきだと考えます。もし長篠が落城すれば、奥三河一帯を失うことになります。そして武田から徳川に寝返った奥平を見捨てれば、徳川の名誉が傷つくことになるでしょう。
しかし、武田の兵力は徳川の三倍にも及びます。そこで、織田の助けが必要となります。
家康の説得により、織田信長(岡田准一)は2万人以上の軍勢を引き連れて岡崎に姿を現します。家康たちは、この予想外の助力に喜びます。そのニュースを聞いた強右衛門は、亀姫に感謝の言葉を述べます。
家康に跪いたり、援軍の遅れを謝罪したりと、信長の異例の態度には家康たちも戸惑います。しかし、その背後には家康が信長から提示された条件がありました。それは、亀姫を奥平に嫁がせるというものでした。この事実に家康は家族から追求されますが、彼はそれが織田の勝手な計画だったと言い訳をします。
しかし、信康は亀姫をもっと良い家に嫁がせたいと強く反対し、亀姫も長篠城のような山奥に嫁ぎたくないと考えています。家康は家族から、この結婚の話を断るよう迫られます。
挑戦と決断の時
信長が家康に向けて「どうする家康?」と問いかける場面から物語は動き出す。その言葉には、清洲同盟からの関係を断ち切り、徳川家を独立させるか、それとも、全ての人々が信長の臣下となるという天下統一の宿願を叶えるかの選択を迫る意図が込められている。一方の家康は、彼の決断が信長に対する絶対服従を意味することに気付き、心を揺らす。
数正の問い、秀吉の返答
数正が”仮に”家康が信長の臣下にならなければどうなるのかと問いかけると、秀吉は今夜中にでも五徳を連れて立ち去ると答える。家康がそれに抗議すると、信長は家康に対してその決断が彼自身に委ねられていることを冷たく突きつける。更には、信長が家康に対して首を狙ってみてはどうかと刺激する。これに対し、家康はそれを脅しとみなし反発するが、信長は先に脅したのは家康だと反論する。
家康の思いと信長の提案
家康は、これまで自身が桶狭間から徳川家を守り抜くために払ってきた多大な犠牲を思い出し、信長の提案に対して反論を試みる。しかし、家康の決断を聞いた信長は五徳を連れて立ち去ろうとする。その時、亀姫が信長の前に出てきて、奥平家に喜んで嫁ぐという意志を固め、信長に彼女の決意を訴える。
織田信長の答え、そして亀姫の決断
この事態に家康の家臣である瀬名は、家康が信長の臣下になることを拒否しているわけではなく、ただ少し時間が欲しいと主張する。これに対して信長は亀姫に対し、自身が怒っていないことを伝え、長篠の救援を約束する。
亀姫はその信長の言葉を聞き、強右衛門に奥平家に輿入れを楽しみにしていると伝える。強右衛門はこれを聞いて喜び、一刻も早く奥平家にこの喜ばしい知らせを伝えるために奥三河へ向かう。
強右衛門の運命と家康の決断
しかし、奥三河に到着した強右衛門は武田家の兵に捕らえられ、勝頼から徳川家が長篠を見捨てたとの情報を伝えるよう命じられる。強右衛門は従いつつも、亀姫の信念を裏切ることはできず、最終的には彼女への愛情から信昌に対して、徳川家が織田の大軍を引き連れて長篠に向かっていることを伝える。
その後、強右衛門は勝頼によって処刑されるが、彼の遺志は忘れられず、奥平家の武士たちは強右衛門の記憶を保存するため、彼の姿を描いた旗を掲げることを決定する。
一方、家康は信長の提案を受け入れることを決断し、信長はその決断を受けて武田家攻略のための策を立て始める……
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