”酒が無くてなんの桜かな”と言われるように、花見には酒が付き物です。
「向島に花を見に行ったら酒屋がない、だから我々二人が金を出し合って酒を売らないか」
と言う事で酒を仕入れて売る事になった。
倍儲かるから2両が4両、4両が8両になって、8両が ・・・・、両手でも数えられないほど儲かるという。
借りのある酒屋だがそこで2両の酒を買った。一斗樽に仕込んだが底の方にわずか入った程度で、担いで出掛けた。
腹が空きすぎて力が出ないと言って1貫だけ残して置いた。
この1貫で芋でも買って力を付けて働く事にしたが、芋を買えば芋屋に儲けさせてしまう。
だったら、無駄がないように我々の酒を買えば損が無く、倍儲かるよ。
樽をそこに置いて、まず相手に1貫の金を払って一杯の酒を買って飲み出した。
金を受け取った相棒も待ちきれずに、その一貫を相手に渡して一杯やった。
イイ酒だと感心しながらやった。
相手が美味そうに飲むので 、その1貫で交互にまた飲んだ。
向島に着いて、酔った勢いで店開きをした。
最初の客が付いたが、酒が無く売り切れていて断った。
2両の金で仕入れているので、4両にはなっているはずで、そのお金で再び酒を仕入れて来る事にした。
相棒に売上金を出さすと1貫しか無い。
「2両で仕入れたのに1貫しか無いとはおかしいじゃないか」
「1貫出してお前が飲んで、俺が飲んで、またお前が飲んで、俺が飲んで・・・、で売り切れた」
「それなら、無駄が無くって良かったな」
[出典:落語「花見酒」の舞台を歩く] http://ginjo.fc2web.com/88hanamizake/hanamizake.htm
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