森田三郎さんの谷津干潟感動物語
2017/06/17
一人の男の行動が国を変えた!感動のエピソード
始まりは新聞記事
新聞配達店で働いていた、当時29歳の森田三郎さんは、ふと手にした新聞の記事で、故郷の干潟が埋め立てられることを知りました。
全ては、40年前の新聞記事から始まりました。
まるでゴミ捨て場になってしまった干潟
千葉県習志野市にある谷津干潟(やつひがた)。
子どもの頃、毎日遊んでいた干潟でした。
あんなきれいな干潟が何故?
森田さんが見に行くと、きれいだった干潟がまるでゴミ捨て場のようになっていました。
空き缶やビンだけではなく、日常で使うゴミ、冷蔵庫、電化製品、お墓の石、動物の死骸などが、堤防に沿って、山脈のようでした。
自分の故郷が汚されて、可哀想だったんです。(森田さん)
この後、森田さんは、ふつうには思いつかない5つの発想で、闘い続けます!
時代の流れに逆行
他にも反対グループはありましたが、森田さんは一人で反対活動を開始。
しかし、
「埋め立て撤回って、ヨソ者が余計な事しないでくれる?」
「住人みんな、悪臭に迷惑してんのよ。」
「あんなゴミだらけの干潟、早く埋め立ててほしいんだ。」
当時は高度成長期、まだ、エコや自然保護などは一般的ではなく、その行動は、時代の流れに逆行するものでした。
そんな逆風のなか、まず起こした行動は?
発想① 干潟の近所に引越し
地域の人と、同じ立場に立つためでした。
発想② 個人で干潟の清掃開始
少しでもゴミを減らそうと、清掃活動。
しかし、ゴミを片づけるだけでは済まない事態が、このあと、次々と!
朝刊の配達後、仮眠の時間を削って干潟のごみ拾いが日課に、しかし・・・
せっかくゴミを集めても、干潟のゴミは、どうせ埋め立てられるものなので、業者が回収してくれません。
ゴミを出すことさえ出来なくなってしまったのです。
近所の主婦は、
「あんな格好でうろうろされたら迷惑だよね。」
「イヤね、独りよがりで目立ちたがり屋は。」
ゴミの処理に困っているのに追い打ちをかけるように、近所の人がゴミを捨てて行きます。
いつまでもゴミはなくならない。
そこで、こんな発想を。
発想③ ご意見ノートを設置
勇気がなくて、表だって言えない人も、ノートに賛成の声を書きこんでくれるはず。
しかし、そのノートは滅茶苦茶に。
「これがみんなの答えか・・・」
一人で続けるしかない!
睡眠時間を削り、さらに根を詰めて、清掃活動を続けました。
疲れ果てた森田さんは、配達中に事故を起こし、入院することに。
こんな状況で、次にとった行動から、変化が起きていきました。
発想④ 松葉づえにもかかわらず、清掃活動
松葉づえをつきながら清掃活動を続ける森田さんを見て、近所の人は、
「本物のバカだな、あいつは。」
「足を悪くしてまで、何やってるんだか。」
ある日、干潟に来てみると、一杯のお茶とメモ書きが・・・
「日本一の大ばかさん、他人の目を気にしないで頑張りなさい。あなたのやってる事は間違っていません。私もかげながら応援しています。頑張ってください。」
”もう一人じゃない。応援してくれる人がいる。”
さらに・・・
「あの、拾ってきたゴミは、どこに置けばいいですか?」
手伝ってくれるんですか?
「一人で一生懸命頑張ってるの見てたら、なんか申し訳ないような気持ちになっちゃって・・・」
「埋め立てを開始するまで、まだ時間がかかりそうだから。少しでも嫌なニオイが減ったほうがいいでしょ。」
ありがとうございます。
”ゴミを拾い集めてから約2年半、主婦に声をかけられました。うれしかったです。風向きが変わってきました。(森田さん)”
最後に、行政との闘いが
しかし、まだ埋め立て計画と言う大きな問題が・・・
故郷の干潟を守ろうと始めた、干潟の清掃活動。
住民も、干潟を残そうという動きになっていました。
しかし、行政の、干潟の埋め立て計画は、まだ撤回できていません。
そこで、思いもよらない行動に!!
署名活動をする森田さんに、ある人が、
「これだけ支持してくれる人がいるんだ。森田さん、あんたが市議会議員に立候補して、あんたが干潟の埋め立てを撤回しろ。」
発想⑤ 市議会議員の立候補を決意
その結果、習志野市始まって以来の得票数でトップ当選しました。(現在は千葉県議会議員)
干潟の大切さを知った市民が、森田さんを、市議会議員に押し上げたのです。
そして、干潟の埋め立てを回避することに成功!
計画は一転し、干潟は、国の「鳥獣保護区」に!!
その後も、ゴミ拾いを続けること40年。
現在の谷津干潟は、街の憩いの場になりました。
森田さんは言います。
”ごみ拾いが終わって帰るときに、通りかかった、数人の小学生の男の子たちが、
「森田さん、谷津干潟、残してくれてありがとう。」
「ボクたちの谷津干潟です。」
涙、出てきました。
干潟が残ったからじゃないんです。
お礼を言われたからじゃないんです。
子どもたちが、「ボクたちの谷津干潟」
こんな嬉しい事、ないじゃないですか。
これだから俺は、国と闘えたんです。
嬉しいじゃない、子どもが言ったんですよ。
「ボクたちの谷津干潟を」
こんないい言葉ない。”
現在の谷津干潟は、大勢の人の手によって守られています。
東京湾からゴミが流れ着くようなので、できれば皆が、ゴミをなくす意識を持ってほしいですね。(S.A.)
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