あらすじ
舞台は、とある寿司屋。
この店の主人は二代目で、洋食料理の修業はしたが寿司を握ったことがない。
初代が亡くなる直前に呼び戻され、店を継いだが、デミグラスソースを穴子に塗ったり、「年越し寿司」と称して煮立った蕎麦つゆに刺身を入れたりと滅茶苦茶なことばかりしているので、たった一人の職人も呆れて店を出て行ってしまう。
しかたなく自らが板場に立つが、なにしろ経験がない。
客にトロを注文されるが包丁を持つ手が震え、トロは叩きのようになってしまう。
おまけに酢飯を切らしてチャーハンで寿司を握ったので客が怒り出す。
そこへ割って入ったのが職人風のいなせな男。
男がかわりにとろを切れば、これが絶品の美味さ。
この男、じつはトロ切りの政とあだ名される職人であった。
主人は男に懇願し、店で働いて貰う。
翌日、やってきた客がイカを注文すると、政は
「おれが切れるのはトロだけ。イカは切れない」と言い出す。
困っていると一人の客が割って入り……
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