男はつらいよ 第49作 寅次郎ハイビスカスの花 特別篇

男はつらいよ

第49作 1997年(平成9年)11月22日公開


制作予定だった『男はつらいよ 寅次郎花遍路』撮影前に車寅次郎役の渥美清が1996年8月に死去したことにより急遽48作で幕を閉じた「男はつらいよ」シリーズだったが、根強い寅さん人気に応える形で作られた作品。

内容は、満男(当時27歳)が寅さんを回想し、タイトルになっている 25作目『寅次郎ハイビスカスの花』だけではなく
11作目『寅次郎忘れな草』
15作目『寅次郎相合い傘』
のシーンが使われている。

映像技術の進歩によって制作することができた作品ともいえ、冒頭部では満男が見た幻として寅さんがCG合成で登場した。一部、新撮シーンも撮られ、終盤では三平と加代も登場する。

あらすじ

寅次郎ではなく、満男の夢から始まる。
セールスマンとしてサンプルをいっぱいカバンに詰めて日本各地を飛び回わり、時には安宿に泊まることもある満男は、最近、同じ旅の空の下にいる伯父の寅さんのことをよく思い出していた。満男は特に印象深かったリリーの夢を見る。

二人とも世間には特にいらない存在だということを自覚していた。
「リリーさんがお兄ちゃんのお嫁さんになってくれればどんなにいいか」とさくらが話し、リリーもその気になっていたことなど思い出す。

キャバレーに印刷の配達に行った博が結婚もしないままでいるリリーとばったり会う。
とらやで噂していると寅から電話。満男も小学生の頃の話だ。

水元公園のアヤメを見にピクニックに行こうとすると寅が帰ってくる。喧嘩して出ようとすると那覇にいるリリーからの速達が届き、病気で死ぬ前に会いたいという。
寅は大嫌いな飛行機に乗るのを拒否するが、スチュワーデスたちに説得されて乗って、リリーのいる沖縄の病院へと急ぐ。

寅の献身的な看病でリリーの体はみるみる回復し、彼女が退院した後、寅はリリーの療養のために間借りをして同棲生活を始めた。寅は水族館へ行って高志の妹とふらふら、リリーはキャバレーを回るが不景気で仕事がない。

「今日はどうしてるんだろう、あの男」というと、近所の高志が心配してくれる。
貯金もなくなり、歌手に戻るというのに反対。
「男の世話にはならないよ。夫婦だったら別よ」
そして「あんた女の気持ちなんか分からないのね」と涙。
高志がかばうと「おめえらできてるな」と、カタギの生活に慣れないふたりは、お互いを好きでいながら、喧嘩別れをしてリリーは突然いなくなる。柴又で行き倒れ!飲まず喰わずで帰った寅だった。

リリーがハイビスカスの花をもって柴又に現れ、「私幸せだったあの時」「リリー、俺と所帯持つか?」というとリリーは「変な冗談いって」とかわす。
柴又駅で「また病気になったら来てくれる」「当たり前だ」といい、「幸せになれよ」と別れる。

旅先で二人はばったり。

「20年近く前の話で、その後いろんなことがあったけど、その話はまた」と満男が語り、幕となる。

 

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