なぜ子どもたちは猛勉強してまで狭き門を目指すのか、その実態に迫る!
2015年度、東京都の小学生総入学者数10万1628人のうち
公立小学校 9万6887人
私立小学校 4140人
私立小学校は全国に213校
東京53校、神奈川29校、千葉9校、埼玉5校と、約半数が首都圏に集中。
3人のカリスマ塾講師
石井至先生(東京・原宿「アンテナプレスクール」)
カリスマ塾講師歴14年。
東大医学部を卒業後、外資系投資銀行に就職。
自分の息子が通った塾に不満を持ち、自ら小学校受験対策の塾「アンテナプレスクール」を開校。
主に、慶應・早稲田へ、毎年多くの子どもたちを送り出しています。
【息子が通った塾への不満とは?】
偶然、塾の見学に行ったとき、ドリルで息子が間違えた部分を息子に教えずに、先生が正解を書いていたのを目撃したため、これでは勉強できないなと思いすぐに辞めました。
その後、いろんな塾に行ってみましたが、納得できるところがなかったので、最後は自分で教えました。
大野啓子先生(東京・吉祥寺「メリーランド教育研究所」)
カリスマ塾講師歴28年。
平成元年に東京・吉祥寺に「メリーランド教育研究所」を開校。
慶應・早稲田・桐朋など、数々の名門に子どもたちを送り出し、その合格率は毎年9割超え。
4月からは「こどもと保育園」を開園。
元々は専業主婦でした。
自宅にある広い別棟で、知人が教室をやりたいということで始めたのですが、その知人が流産しかかってダメになり、まったくの素人なのに手探りで始めました。
中村ゆかり先生(大阪・本町「エリートキッズアカデミー」)
カリスマ塾講師歴15年。
大阪市内の幼稚園で5年勤務後、小学校受験指導教室「エリートキッズアカデミー」を開校。
智弁学園を中心に、関西私立の合格率はなんと100%。
ラジオをはじめ様々な形で幼児教育をするスペシャリスト。
カリスマ塾講師が、合格への秘策を伝授!
大野先生が受験生の親に対し、「家で必ず子どもとやってください!」と指導していることとは?
石井先生の答え「絵本を読む」
中村先生の答え「幼稚園に行く用意を一緒にする」
大野先生の正解「クッキング」
生活力がつくことで自立できます。
自立すると判断力がついてきます。
「こういう場面ではこうする」という判断力が受験には必要です。
手先を使うことで器用になります。
包丁や火など危険な物を扱うため、集中力がつきます。
出来る方は幼児でも、魚のさばき方まで教えています。
そういう子は間違いなく第一志望に受かります。
他にはトランプも良いです。
ケンカする場面があるなど、協調性がつきます。
人とのコミュニケーション能力がつきます。
1人でゲームをさせるのではなく、一緒にゲームをすることです。
石井先生「絵本を読む」
勉強は、教えてもらえるのは大学に入るとこまでで、それ以降は自学自習の世界になります。
本が読めない人は自学自習ができないので、社会に出てから行き詰るのです。
なので、子どものころから絵本を読んで、自分で本を読めるようにするというのが、人生長い意味ですごく大事です。
中村先生「幼稚園に行く用意を一緒にする」
小学校就学に向けて自立を促すために、自分で用意をすることが大事です。
中村先生が受験の準備をスムーズに運ぶようにと考えた全国初の授業とは?
石井先生の答え「お受験ママ心得講座」
大野先生の答え「時間内に何枚ペーパーをするか子どもに決めさせる」
中村先生の正解「お受験ママスクール」
受験に対する母親力をつけるためです。
初めて受検する母親の不安を解消するためでもあります。
家庭学習のみで受験を考えている母親に教え方を伝授するために「お受験ママスクール」を始めました。
内容は、私立の先生の講演会や、面接対策です。
両親の面接に6割かかっているとのことです。
また、他人の母親が違う子を教えることもやります。
元々人間には、共同養育というDNAがあります。
現在、核家族が進んでいますが、自分だけで育てるのには無理があるといいます。
人の子を我が子のように思える社会が住み良い社会ですね。
大野先生のオリジナル授業「クマさんゲーム」
小学校受験では、問題文が書かれているわけではなく、口頭で出題されます。
(それは、幼児は読解力に差が出るため)
一回で話を理解しないといけないので、そのためには集中力が必要。
クマさんの言うことだけを聞き取り、反応するゲームです。
石井先生が長年、受験生の親を見て感じた、受検の準備を始めるのに一番良いタイミングとは?
中村先生の答え「幼稚園に入る前」
大野先生の答え「自我に目覚めて何でも自分でやりたがる時期」
石井先生の正解「子作りの時期」
多くの小学校では、4~7月生まれの月例の大きな子の合格者の割合が多いです。
早生まれの子どもは不利になります。
そこから考えて仕込むことが大事です。
慶應幼稚舎の場合、ここ10年ペ―パーの問題が出ていないそうです。
ペーパーがないから簡単と勘違いするかもしれませんが、それ以外のお絵かきや行動観察などで合否が出るとのことです。
【ある学校で行われた行動観察の内容】
積み木で高いタワーをつくり、高さを競う。
5人1組になり、4チームで競争。
制限時間は3分間。
作戦タイムが設けられ、「次にもう一回やるので、より高く積むにはどうするべきかを相談してください」と言われます。
そのときに、リーダーシップを発揮する事が出来るように練習させることが大事です。
相手も当然、リーダーシップをとろうとするので、その場合にどうするかということも石井先生は練習させます。
「子どもが勉強に集中できない」悩みに対し、中村先生がアドバイスしている、集中して勉強できる場所とは?
石井先生の答え「自動車の中」
大野先生の答え「ダイニングテーブル」
中村先生の正解「車の中」
子どもは好奇心旺盛なので、「何もない部屋に机を置いて勉強する」と。
ケジメをつけて「今は勉強する時間」という風に。
それが、統計をとったら「車の中でやったらすごく伸びた」というお母さんが多かったのです。
勉強させるためにキャンピングカーを買った方もいらっしゃるそうです。
石井先生の場合
親と一緒だと甘えてしまってできないので、今はスマホで勉強させています。
大野先生の場合
受けようとしている学校がどんなに楽しいかを言って聞かせます。
「勉強は今だけでいいの、行けばしなくていいから」と言います。
日本を代表する名門校・慶應義塾幼稚舎に在学中の生徒に、石井先生が独自の調査をしたところ、驚くべき事実が発覚!その事実とは?
中村先生の答え「わんぱくくんが多い?」
大野先生の答え「運動のできる子が多い」
石井先生の正解「6年生でも九九を言えない」
慶應の小学校だと勉強が出来ると勘違いしている人が、特にお受験を知らない人は多いのですが…。
福沢諭吉の教えでは、「子どもの頃は勉強よりもまず体を作れ」と。
その教えには「9歳まで」という条件がついていますが、慶應幼稚舎は9歳を過ぎても勉強をさせないクラスがたまにあるらしく、そうすると2年生で習う九九が6年生になっても言えない、4年生で習う分数ができないのはもっと当たり前という感じです。(あくまでも石井先生が独自で調査した結果です)
「そういう子もいる」というだけで、全員では決してありません。
慶應は、クラスがK・E・I・Oに分かれています。
O組は勉強をするクラス、K組は「あまり勉強をさせたくないと親が考えている」クラス。
なのでK組は、宿題を出すと親から苦情がくるとか。
E・とIは中間のクラス。
慶應と対照的なのは早稲田実業初等部。
文武両道を打ち出し、長いスパンで人生の目標を設定し、勉強も運動も励むようにしているのが慶應とは対照的です。
おじいちゃんおばあちゃんに育てられた子どもの特徴、良い点は「やさしくなる」、では悪い点は何?
石井先生の答え「のんびりしすぎる」
中村先生の答え「甘えん坊になる」
大野先生の正解「左手を使わない」
利き手しか使わない。
食事のとき、茶碗を左手で支えない、つまり自立していないという事。
テキパキと物事をやろうとすると、必ず左手が出るはず。
手をかけてもらって育っているからです。
お姉ちゃんがお母さんみたいに世話を焼くと、家に母親が2人いるような環境になります。
それも同じように、甘えて自立できなくなります。
お母さんにべったりな男の子は女子化しています。
買い物も喜んでいくし、トイレは座ってやります。
カリスマ塾講師が見た、現代の子どもの信じられない行動!
蛇口はひねるものではなく、手を出せば出てくると思っています。
年長期でもひねれないと。
親の「お金払えばいいんでしょ!」の口癖が子どもにうつって、注意されても先生に向かって「お金払えばいいんでしょ!」という子どもがいます。
試験1週間前になったら、子ども用の「リポビタンDキッズ」を飲みます。(関西で大人気)
体調管理の意味で、1週間前から飲むそうです。
他では教えてくれない!私立小学校合格への近道を伝授
「受験生の親が気をつける事」「心得ておく事」を五七五の川柳で発表。
「都心では 金がなくても 私立です」(石井先生)
今、東京の公立の小学校が、戦後で一番悪い時期になっていると石井先生は思っています。
それは、先生の質がまちまちであること。
公立小学校は、教育方針が先生によって違う場合があります。
団塊の世代の先生が定年になり、今は若い指導力のない先生が増え、学級崩壊が増えています。
学級崩壊がニュースにならないのは、それがニュースではなく当たり前になっているからです。
慶應や早稲田ではなくても、「五流でも私立」と石井先生は言っているそうです。
石井先生曰く「より教育方針が明確な私立に行かせるべき」
「面接で 使っちゃだめだよ 関西弁」(中村先生)
ぜったいダメということではありませんが、印象がよろしくないと。
親が、あまりにキツイ関西弁だったら、ちょっと減点になるかもしれないです。
たとえば「そない思うてますねん」とか。
面接官はきちんとした標準語で面接するので、こちらも標準語で返さないといけないということです。
関西弁に限らず、面接で方言はやめたほうが無難です。
中村先生曰く「親も常日頃から、標準語を覚えておくべき」
「マンションの 高層階に 住んじゃダメ!」(大野先生)
下に降りるのに時間がかかるので、ついつい外に行く機会が減るからです。
家の中で過ごすことが多くなり、テレビやゲームなどをして、運動能力やコミュニケーション能力が低下します。
母と子が密着しすぎて自立できないという結果に。
ベランダ自体も危ないです。
大野先生曰く「外に遊びに行きやすい低層階で子どもを育てるべき」
ジュニアさん家は9階で「ギリギリですね」(by大野先生)
お受験面接三択クイズ
「この学校に求めるモノは何ですか?」
A 今のままの学校運営でお願いします
B 我が家の教育方針にご協力頂きたい
C さらに高みを目指して、学校改革をしてほしい
正解は「今のままの学校運営でお願いします」
Cの「学校改革」は、現在の学校運営を否定しています。
Bの「我が家の教育方針に」は、一人一人の家庭に合わせることは不可能。
そして、学校の教育方針に賛同したうえで受験しているのに、それを否定していることに。
逆に、今の教育方針に賛同(満足)して受験しているのでAが正解。
「子どもができる前とできた後で変わったことはありますか?」
A 親としての責任感を持つようになった
B 自分の両親の大変さを知り、感謝するようになった
C すべての事を子ども中心に考えるようになった
正解は「自分の両親の大変さを知り、感謝するようになった」
AやCの答えは間違いではありませんが、一般的すぎてあまり印象に残りません。
人に感謝ができる父親である事をアピールすることが大事です。
「もしも子どもがいじめられて帰ってきたらどうしますか?」
A 相手の親とじっくり話して仲直りさせます
B 担任の先生に報告し、指導してもらいます
C 子ども同士、じっくりと話をさせて解決させます
正解は「担任の先生に報告し、指導してもらいます」
子ども同士で解決出来ればいじめは起きないのでCは不正解。
子どもは都合の悪い事は親には言わないため、親が鵜呑みにすると余計に揉めます。
これは担任の先生に相談すべきです。
学校にお任せするという態度は、学校運営に協力的であることを示し、学校側もこういう保護者を求めています。
この問題はよく出る問題ですので、ぜひご参考に。
[出典:2016年5月5日放送「ダラケ! ~お金を払ってでも見たいクイズ~」]
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