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テレビ朝日 松本清張ドラマスペシャル 第二夜「黒い樹海」北川景子×向井理×沢村一樹
2016年3月13日(日)よる9時から放送
テレビ朝日系で放送された「松本清張二夜連続ドラマスペシャル」の第二夜が、北川景子さん主演の『黒い樹海』です。
第一夜『地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理』では田村正和さんが主演を務め、第二夜『黒い樹海』では北川景子さんが、姉の死の真相を追う妹・笠原祥子を演じました。松本清張作品らしい旅情、疑惑、そして人間関係の暗部が、現代的なサスペンスとして描かれています。
放送時間については、資料により「21:00〜23:06」「21:00〜23:10」と表記に差がありますが、2016年3月13日夜にテレビ朝日系で放送されたスペシャルドラマである点は確認できます。
原作
原作は、松本清張の長編推理小説『黒い樹海』です。講談社の作品紹介では、旅に出たはずの姉が思いがけない場所で事故死し、妹の笠原祥子が姉の交友関係を追ううちに、新聞社や文化人たちの周辺に潜む闇へ近づいていく物語として紹介されています。
清張作品の魅力は、単なる犯人探しにとどまりません。事件の背後にある人間の欲望、職業上のしがらみ、社会的な立場、そして見栄や保身が絡み合っていくところにあります。『黒い樹海』もまた、姉の死をきっかけに、祥子が人間関係の深い森へ踏み込んでいくミステリーです。
みどころ
「松本清張二夜連続ドラマスペシャル」は、清張作品の中でも旅情ミステリーの色が濃い二作を、二夜連続で放送した企画です。
第一夜の『地方紙を買う女〜作家・杉本隆治の推理』は、金沢を中心とした石川県が舞台。地方紙で連載を持つ小説家・杉本隆治(田村正和)が、心中事件と、新聞の購読を申し込んできた謎の女性との関係を追っていきます。
かたや第二夜の『黒い樹海』では、舞台を長野県へ移し、姉の事故死に疑念を抱いた祥子(北川景子)が、孤独な調査を進めていきます。信じられる人が誰なのか分からない状況の中、関係者が次々と不審な死を遂げていく展開は、清張ミステリーらしい重さがあります。
田村正和さんから北川景子さんへ。世代の異なる主演俳優が清張作品のバトンをつないだ二夜連続企画としても見どころのあるドラマでした。
『地方紙を買う女』では、灰色の空の下に広がる能登の日本海が印象的に使われました。一方『黒い樹海』では、北アルプスを望む雪景色が、事件の冷たさと人物たちの秘密を際立たせています。清張作品に欠かせない「土地の気配」が、ドラマの緊張感を支えています。
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第一夜の記事はこちらです。
『地方紙を買う女』
あらすじ

両親を早くに亡くした笠原祥子(北川景子)は、姉の信子(小池栄子)と都内のマンションで二人暮らしをしていました。祥子は就職活動中で、新聞社に勤める姉を信頼し、寄り添うように生きてきました。
ある日、信子は東北旅行に出発します。祥子はいつものように姉を見送り、面接へ向かいました。しかしその夜、信子が事故で亡くなったという知らせが届きます。
しかも、信子が命を落とした場所は、祥子に告げていた旅先とは異なる場所でした。なぜ姉は別の場所にいたのか。なぜ事故死として処理されたのか。祥子の中に、姉の死への疑念が芽生えます。
悲しみに暮れる祥子の前に、信子の同僚記者・吉井亮一(向井理)が現れます。吉井は祥子とともに、信子の死の謎を調べ始めます。一方、祥子は姉の後釜として新聞社の文化部で働き始めることになります。
祥子は、信子が生前に担当していた文化人たちを訪ねます。彼らは、表向きには華やかな世界に生きる著名人たちですが、その内側には欲望や秘密を抱えていました。
中でも、小児科医の西脇満太郎(沢村一樹)は、新聞連載を持つ人気医師でありながら、女性関係に問題を抱える人物として描かれます。祥子に対しても距離の近い態度を見せ、姉の死との関係を疑わせます。
やがて、信子の同僚だった町田知枝(酒井若菜)が自殺します。知枝は祥子に、信子の死について「責任をとるべき人がいる。有名人ならなおさらよ」と謎めいた言葉を残していました。
姉の死には、信子が生前に関わっていた著名人の誰かが関係しているのではないか。祥子はそう直感します。しかし真相を追えば追うほど、渦中の人物たちは次々と死んでいきます。
祥子は、誰が敵で誰が味方なのかも分からないまま、まるで“黒い樹海”のような深い闇へと引き込まれていくのでした。
キャスト・登場人物相関図
笠原祥子(かさはら・さちこ) ……… 北川景子
両親を早くに亡くした後、信頼する姉・信子と都内で二人暮らしをしている。就職が決まらず面接を受ける日々を送っていたが、姉の死後、信子が勤務していた新聞社で契約社員として働くことになる。姉の死に不審を抱き、真相を探り始める。
吉井亮一(よしい・りょういち) ……… 向井理
信子が勤めていた新聞社の文化部記者。姉の死を悲しむ祥子の前に突然現れ、ともに真相を調べ始める。無愛想で、思ったことをはっきり口にするため祥子と衝突することもある。敵なのか味方なのか、真意がつかめない男。
笠原信子(かさはら・のぶこ) ……… 小池栄子
祥子の姉で、新聞社の文化部記者。控えめで真面目な性格。休暇で旅行に出たはずが、祥子に告げていた行き先とは違う場所で命を落とす。
妹尾郁夫(せのお・いくお) ……… 鈴木浩介
経済評論家。西脇らセレブたちの狂騒ぶりに嫌悪感を抱いている。「西脇は女癖が悪いから近づくな」と祥子に忠告する。財閥の令嬢と婚約している。
町田知枝(まちだ・ともえ) ……… 酒井若菜
信子の元同僚で、新聞社の文化部記者。祥子にとっては先輩にあたる人物。信子の死について、祥子に謎めいた言葉を残す。
斎藤常子(さいとう・つねこ) ……… 江口のりこ
信子が亡くなった事故現場近くの食堂で働いていた女性。信子のハンドバッグを拾って警察に届けたが、事故の直後になぜか店を辞め、姿を消してしまう。
小川カズ(おがわ・かず) ……… 室井滋
祥子と信子が暮らしていたマンションの管理人。姉妹のことを気にかけている。
倉野むら子(くらの・むらこ) ……… 山本未來
デザイナー。著名人の中でも特にプライドが高く、他人を見下すような態度を取る。担当だった信子に、自分がデザインした服を売りつけようとして断られ、憤慨していた。
鶴巻完造(つるまき・かんぞう) ……… 六平直政
信子が生前に担当していた画家。“女はすべて娼婦たれ”という芸術テーマを掲げている。新たに担当となった祥子に、好色な目を向ける。
安原國政(やすはら・くにまさ) ……… 尾美としのり
刑事。信子が亡くなった事故の詳細と身元確認の経緯を、遺族である祥子に説明する。その説明が、かえって祥子の疑念を強めることになる。
佐敷泊雲(さしき・はくうん) ……… 古田新太
多くの弟子を抱える華道の家元。遅筆のため、担当の信子から催促を受けることも多かった。「神経質で世話好き」と思われがちだが、実は自分にしか興味がない人物。
西脇亜佐美(にしわき・あさみ) ……… 麻生祐未
西脇満太郎の妻。夫が祥子のような若い女性と浮気をしないか、常に気をもんでいる。
西脇満太郎(にしわき・みつたろう) ……… 沢村一樹
小児科医。新聞に連載コラムを持ち、信子が担当していた。著作を出版するなど多方面で活躍している一方、妻がありながら若い女性たちと遊ぶ人物として描かれる。
『黒い樹海』はどんな人におすすめか
『黒い樹海』は、派手なアクションよりも、人物の嘘や沈黙、関係性の違和感を追っていくタイプのミステリーです。松本清張作品らしく、事件の背後には社会的な肩書きや人間の欲望がからみます。
北川景子さん演じる祥子は、探偵ではありません。姉を失った普通の女性が、納得できない違和感を頼りに真相へ近づいていきます。そのため、視聴者も祥子と同じ目線で、誰を信じればいいのか分からない不安を味わうことになります。
向井理さん演じる吉井亮一の距離感、沢村一樹さん演じる西脇満太郎の危うさ、周囲の文化人たちのクセの強さも見どころです。清張ミステリーが好きな人はもちろん、重厚な二時間ドラマをじっくり見たい人にも向いた作品です。
参考リンク
文責:ライターズラボ編集部(2026年05月25日(月)06:41執筆)
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