星出彰彦さんの宇宙トークには、虫歯の治療やサバイバル訓練、宇宙食など、地上の暮らしとつながる話があります。この記事では、2015年の放送メモをJAXAの公開資料で補足し、当時の体験談と、その後に更新された実績を分けて紹介します。
元の記事が出典としているのは、2015年5月16日放送『ジョブチューン』「世界で活躍する10人の日本人SP」。今回、当日の番組映像や逐語録を再確認したものではありません。資料確認日は2026年10月25日です。
更新履歴
2024年01月15日(月):初投稿。
2026年10月25日(日):放送メモとJAXA資料を区別し、船外活動記録・人物紹介・説明文を更新しました。
星出彰彦さんの主なミッション
| 年 | 搭乗・滞在 | 主な活動 |
|---|---|---|
| 2008年 | スペースシャトル「ディスカバリー」・STS-124 | 「きぼう」船内実験室の取り付けなどに参加 |
| 2012年 | ソユーズ・ISS第32次/第33次長期滞在 | ISSに124日間滞在し、3回の船外活動を実施 |
| 2021年 | クルードラゴンCrew-2・ISS第65次/第66次長期滞在 | ISSに198日9時間57分滞在。約5か月間、ISS船長を務めた |
出典:JAXA「星出彰彦宇宙飛行士」。2015年の放送より後の活動として、2021年のミッションを追加しています。
虫歯の治療歴があると宇宙飛行士になれない?
元の放送メモでは、虫歯を治療していれば大丈夫という話が紹介されていました。JAXAの油井宇宙飛行士への質問と回答にも、治療済みであれば問題なく、詰め物があっても大丈夫という説明があります。打上げ前には、詰め物や悪化しそうな歯がないか歯科医師が確認します。
同じJAXAの回答は、歯に残った空洞と、船外活動時の気圧差が痛みにつながる場合があることにも触れています。治療歴が一度でもあれば一律に不適格、という話ではありません。ただし、これは歯についての説明であり、宇宙飛行士選抜の全条件を保証するものではありません。
確認先:JAXA・油井宇宙飛行士への質問と回答(質問58)。このページはISS長期滞在ミッションのアーカイブ資料です。
宇宙で体調を崩したときに備える訓練
放送メモには、宇宙飛行士が歯の応急処置や縫合などの訓練を受けたという話も残っています。宇宙での医療には制約があるため、地上での準備が話題になっていました。個々の処置の手順や、どの状況でも同じ対応をするという説明としては扱いません。
厳しいサバイバル訓練は、救助を待つための準備
星出さんの体験として旧記事が紹介しているのは、ロシアでの冬期サバイバル訓練です。雪の中で過ごし、救助が来るまで自分たちで生き延びることを想定した内容でした。「最も過酷」という表現は、そのとき紹介された本人の体験談として受け取る必要があります。すべての宇宙飛行士に共通する難易度の順位ではありません。
訓練には、宇宙船の操作だけでなく、言語や体力など幅広い準備があります。JAXAは宇宙飛行士の基礎訓練として、英語・ロシア語、宇宙機システムの講義や操作などを紹介しています。確認先:JAXA「宇宙飛行士」。
宇宙飛行士同士は何語で話す?
JAXAのFAQでは、日本人宇宙飛行士はISSで通常英語を使い、ロシアの地上局と交信するときにはロシア語を使うと説明されています。宇宙での共同作業には、相手や運用に応じた言葉の準備も必要になります。出典:JAXA「ISS内の言語表示は何語ですか」。
兄弟で宇宙飛行士になった人はいる?
元の記事に出てくるケリー兄弟は、スコット・ケリーとマーク・ケリーのことです。NASAは2人を一卵性双生児の元宇宙飛行士として紹介しています。双子を比較して宇宙滞在の影響を調べた研究も行われました。確認先:NASA「Twins Study」。
船外活動の訓練と、宇宙食についての話
放送メモには、プールを使った船外活動の訓練が紹介されています。また、宇宙食を試食して好みのものを選ぶことや、カレーが好きだという話も記されていました。こうした部分は当時の宇宙生活の紹介として残し、現在の全クルーの好みや食事内容を示すものとは区別します。
微小重力の影響で体液が上半身に集まり、鼻が詰まったように感じることについては、JAXAの回答(質問46)でも説明されています。同回答では、やがて体が適応するとされています。「宇宙ではずっと味覚が鈍い」と一律に考えるのではなく、滞在初期の体調変化も分けて見ると理解しやすくなります。
2012年の21時間23分と、その後の通算記録
元の記事の21時間23分は、2012年の3回の船外活動を合計した時間です。当時の日本人最長記録として紹介されていましたが、そのまま現在の通算時間として読むことはできません。JAXAの人物紹介では、2021年の船外活動を含めて通算28時間17分となっています。
JAXAの有人宇宙活動の統計表も、星出さんを4回・28時間17分と記載しています。ただし、EVA履歴表に付された基準日は2025年1月です。資料の基準日を付けずに、2026年現在の順位まで断定しないようにします。
放送メモの出典と、数字を読むときの注意
番組の体験談と、公式資料の実績は役割が違います。元の記事にあった宇宙服の価格や緊急用装置の作動時間は、今回一次資料で照合できていないため、現在の装備に共通する仕様値としては掲載していません。記事の公開日、番組の放送日、資料の確認日はそれぞれ別の日付です。
元記事の放送メモ署名:S.A.。放送出典:2015年5月16日(土)『ジョブチューン』「世界で活躍する10人の日本人SP」(元記事の出典表記による)。
当時の記事で紹介していたISSからの投稿
以下は、ISSから撮影された台風Maysakについての2015年の投稿です。星出さん本人の発言や船外活動記録の根拠ではなく、当時の記事で紹介していた宇宙からの映像の補足として掲載しています。
Super typhoon #Maysak captured from @Space_Station with rainfall exceeding 50mm/2in per hour. https://t.co/YFlfOgtDFV
— Intl. Space Station (@Space_Station) 2015, 4月 1
文責:ライターズラボ編集部(2026年10月25日(日)08:29執筆)


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