あらすじ
長寿の人の血液型を調べたら、ほとんどがB型だった。
B型人間はマイペースで我が道を行くから、ストレスも溜まらず長生きをするのだ。
B型の典型がジャイアンツの長嶋茂雄さん。
クリーニング屋で背広を買おうとしたり、ジャイアンツの監督に就任したとき
「大変です。毎日がジャイアンツ戦ですから」とコメントしたという逸話がある。
総理大臣を調べてみたらO型の人が多かった。
O型の人はリーダーシップがあって頼りがいがあると言うが、総理大臣の言動を調べてみると、どうもそういう人ばかりではないようで……。
寄席の爆笑派、歌之介のレパートリーを代表する一席である。
「B型人間」という題が付いてはいるが、歌之介がさまざまな人間たちをスケッチした漫談であり、噺の中で展開される逸話もそのつどに変化する。
血液型による人間分類が中心のネタであるが、そこに行くまでの導入も面白い。
沖縄旅行で、沖縄県民のおおらかさに驚かされたり、鹿児島に暮らす母に「入れ歯」をねだられる逸話も歌之介流に脚色され、爆笑を呼ぶ。
家族をはじめ、さまざまな人たちをサカナにしているが、その根底にあるのは年長者への敬意と、人間への深い愛情である。
「人生は限りがあるから面白い」という箴言も含め、歌之介の人間哲学が笑いにまぶして発揮されている佳品。
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