道灌(どうかん)は、落語の演目の一つ。
初代林家正蔵の咄本『笑富林』(1833年刊)に原型が見られる。
江戸発祥の落語であり、前座噺の典型。
ベテランになっても得意としていたのは3代目三遊亭金馬、5代目柳家小さんなど。
※聴き比べ ⇒ 三遊亭金馬 (三代目) 道灌
8代目桂文楽が初めて高座で演じた噺でもある。
見習いになった直後、白梅亭という寄席で最初にあがるはずの前座が来なかったので、仕方なく代わりに出て、うろ覚えながら最後までやったという。
あらすじ
八つぁんがご隠居の家で絵の説明を受けた。
鷹狩りに出た太田持資公が、俄かの村雨に合い、雨具を借用したいと山中のあばら家を訪ねると、少女が盆の上に山吹の花を差し出した。
中村一馬が兼明親王の古歌「七重八重花は咲けども山吹の実のひとつだに無きぞ悲しき」で(実の)と(蓑)をかけ合わせた断りの意味でしょうと、解説すると、まだまだ自分は歌道に暗いと帰城した。
後に入道して大田道灌となり返歌をした。
「急がずは濡れざらましを旅人の後より晴るる野地の村雨」
よし分かった、傘借りに来たとき雨具がねぇって歌だね。
相手がこの歌知らなかったら、その人は歌道に暗いって。
家に帰ると、雨が降り知人が訪ねて来た。
提灯を貸してくれというのを無理に雨具を貸せと言わせ、件の歌を聞かせた。
この歌知らねぇようじゃ歌道が暗いな。
ああ、角が暗いから提灯借りに来た。
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