あらすじ
湯島大根畑の八百屋の長兵衛の子長吉は、母親が亡くなって、継母おみつが来ると、父親が取られてしまうと言う恐怖感に駆られて、心遣いをよそに悪戯の限りを尽くしてあることないこと父親に告げ口して苛め抜くので、見かねた大家が長兵衛を説教して、下谷山崎町の玄米問屋山崎屋に奉公に出す。
店では一部の隙もなく真面目に努めるのだが、夜中に悪友と巾着切を働いており、これを番頭権九郎に見つかる。
権九郎に唆されて店の金100両を盗むのだが、これを丁稚定吉に見つかったので、これを殺害し、店にもおれなくなったので、権九郎も殺して逐電する。
その後、長兵衛の長患いで、窮乏したおみつが、多田薬師の石置き場で物乞いをしているのに出くわして、長吉は連れ帰られて、病気の父に対面し、50両の金を残して、別れを告げる。
吹雪の中を急ぐ長吉に御用がかかり捕り物となる。
もう一度後ろを振り返り、深い闇に降り続く雪のその先に向かって、もう一度後ろを振り返り、深い闇に降り続く雪のその先に向かって、
「おっ母ぁ、お父っつぁんのことは頼んだぜ……」
と、ポツリと口にすると、来た道にふたたび背を向けて歩き始めたその途端、
「長吉!御用だ!」
大詰めにかかると急にライトがトーンダウンして、吹雪が舞い始めて、紙吹雪が高座の歌丸の頭上に舞う。
おでこに、白い雪をつけた歌丸が深々と頭を下げると頭上から静かに幕が下りてくる。
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