5人のジュンコ 第3話 あらすじ&ネタバレ
「同じ、ジュンコだしね」
久保田の事務所。
「守川正志、生きてるのかなあ?」
「彼は佐竹純子に殺された6番目の被害者かもしれません」
出会い系サイトで榛名諄につきまとっていた守川正志は、父・繁、妹・美香の3人暮らし。母・諄子は30年前に他界。
妹の美香と会う田辺は、久保田に鵜飼を連れていけと言われ、嫌々従う。
レストランに来た美香、食事を頼んでひたすら食べる。
半年前から兄が帰ってないことを確認する田辺。
警察には届けていないという美香。
兄と最後に会ったときの事を話す美香。
どこに行くのかと尋ねると、恋人に会いに遊園地に行くと言った兄。
デザートも頼み、ひたすら食べる美香。
兄の写真を田辺に渡した。
どんな方?と田辺に聞かれ、
「一言で言うと、マザコン、それも重度の病気なんじゃない?」
兄は女性に興味はなく、母といられれば幸せ、母も嬉しそうにして、気持ち悪い親子だった。50にもなって童貞。
母は兄だけでなく、男を惑わす女だった。
いつも愛人がいた。
美香の家庭教師とも関係があった。
佐竹のニュースを見て、母と似ていると思った。
「同じ、ジュンコだしね」
榛名諄に兄が惹かれたのも、母の諄子と同じ字だからという美香。
別れ際に、兄の失踪届を出すと兄名義の銀行口座はどうなる?と田辺に聞き、恐らく凍結されると言われ、そちらから警察には言わないでと頼む。
事務所に戻り、ボードに守川正志の写真を貼る。
「守川正志(51)不動産会社経営」
久保田は、佐竹自身の方が進展しない事に腹を立てた様子で外出した。
久保田の急な態度に困惑する田辺と鵜飼。
佐竹は、弁護士に田辺を調べさせ、田辺が「真実を知る瞳」のモデルだった事を知る。
田辺の父は、冤罪と分かる前に自殺した。
「随分ドラマチックな過去を持ってるのね」
「こういう人と、もし学生時代に出会ってたら、仲良くなれてたかもね」
私だったらもっともっと上手くやる
篠田の会社の休憩室。
篠田が佐竹の親友という話題で盛り上がる同僚たち。
食べようとしていたデザートをゴミ箱に捨てる篠田。
守川美香が自宅に帰ってくると、向かいに住む大野奈々(48歳)(杉田かおる)がちょうどゴミを捨てに来て、美香に向かい「フン!」と一瞥した。
それに対し、「何なの?うちの店子のくせに!」
大野奈々は美香の母・諄子が経営していたスナックを引き継ぎ、ママになっていた。
スナックの大家は美香の父。
美香は父の首にかけてある金庫の鍵をとり、金庫を開けて兄名義の通帳を全て出した。
美香のクレジットカードは全て兄名義の口座引き落としになっている。
現金は父の年金だけしか入ってこない。
印鑑は兄が肌身離さず持っている。
途方にくれる美香。
久保田が出演し、佐竹の話をする番組を見ながら、スナックでカップラーメンをすする大野奈々。
従業員に、「でも下手すぎ、結局つかまってる。それじゃ意味ないじゃん。うふふ。私だったらもっともっと上手くやる」
篠田は上司に呼ばれ、佐竹と親友だと会社に知られたことで、徳島支店に異動を命じられる。
母の通院のため、徳島に行けないと言うと、「そっか、そりゃ残念だ」(これは、辞めてくれと言う意味?)
仕事場に戻ると、前の席の女に、「今月いっぱいなんだって?ほんと、お疲れ様でした」と全員に拍手される。
自宅に戻った篠田は、週刊誌の佐竹の記事を読んでいた母に、病院代を多めにほしいと言われるが、母にバッグを投げつけ、「うるさい」と言って部屋に入った。
「元気が出る薬、今日も飲もうね」
家を出た守川美香を確認すると、大野奈々は美香の父の元に行き、首もとの金庫の鍵を確認すると、
「元気が出る薬、今日も飲もうね」と言ってお茶を飲ませた。(ヒ素入り)
美香は会計事務所に来ていた。
領収書を見て、最近少ないけど何かあったんですかと聞かれ、「何も」と答える。
美香は、兄の給与振込の口座を変更したいと伝えるが、正志に来るように言ってと会計士に言われる。
自宅に戻った美香。クレジット会社の督促状にあわて、父に、スナックの家賃を集金したかと聞くが父は寝ていて答えない。(既に死んでいる?)
「スナック諄子」に来た美香。
大野奈々に家賃を請求するが、この店は「とある契約の報酬」として父からもらったと告げる。
愛人契約だという大野。
大野は父だけでなく、兄とも関係を持っていた。
「兄貴は情けないね、上手くいかなくて泣きやがった」
大野に悪口をさんざん言われ、最後に、
「私知ってるんだ本当の事、諄子ママって本当はさ、殺したのはあんた!」
そう言って微笑む大野。
大野にいきなり殴りかかる美香。
殴り合う2人。
ぼろぼろの服に、あざだらけの顔で帰る美香。
父に文句を言うが、父は既に息がなかった。
美香は父の年金が止められるのを心配し、父を庭に埋める。
その様子を、偶然、大野奈々に見つかってしまう。
大きな声を出した大野に驚いて腰を抜かしてしまう美香。
美香はスコップで大野を叩こうとするが逆にスコップを大野に奪われ、今度はのこぎりを持って振りかぶり、大野は避けようとして美香をスコップで殴り美香はそのまま倒れた。
血が流れて動かない美香。
大野が守川家を出た時、ちょうど近所の苦情で駆けつけた警官に声をかけられた。
本当の恋人に会わなきゃ
泣きやまない娘に困って泣き崩れる久保田の家を訪ねてきた田辺。
明日は生放送の久保田。
「本当あなたしか頼れる人がいないの」
翌日、公園に夫と久保田の娘をつれてやってきた田辺は、スマホのネットのニュースで、東京都八王子市の民家で父子2人の遺体が発見されたと知る。
守川繁(86)、守川美香(48)
スナック経営の大野奈々が容疑者として逮捕された。
ワイドショーに出演する久保田。
八王子資産家父子殺人事件で大野奈々容疑者が逮捕されたことの話題に。
スタジオで久保田を見守る田辺。
自宅でそのテレビを見る篠田。
取り調べを受ける大野奈々。
正当防衛を主張する大野。
守川繁の遺体からヒ素が検出された。
去年の11月に大野は友人からヒ素を手に入れていた。
翌日、新聞を読む久保田。
大野は守川繁殺害を自供した。
守川美香に対しては正当防衛を主張。
久保田はワイドショーの収録へ。
スタジオに速報が入り、半年前に発見された身元不明の遺体が、守川家の長男、守川正志と確認された。
取調べ室で、大野は、守川正志とは関係があったが、そのときに正志が泣きながら、
「やっぱり、お前みたいな女は違う。本当の恋人に会わなきゃ」
と言っていたと説明し、それきり会っていないと証言する。
「やっと、会えたね。榛名諄さん」
事務所のボードに守川家の人間関係の図を描く田辺に、繁と美香を殺した犯人とは別ということですか?と言う鵜飼。
「たまたま父と妹が近所に住む女に、金絡みのトラブルで殺された。でも、正志は、榛名諄に、佐竹純子に会いに行って殺された」
と説明する田辺に、「無理があるんじゃない?」と久保田。
「ある家族が、全く別の犯人に、全く別の動機で、偶然にも近い時期に殺されたなんて……」
「思い込みで事件を追うと、真実が見えなくなることが……」
という田辺に、「その言葉、そっくりあなたに返すわ」と冷たく言う久保田。
社宅の部屋から、外で話す女性たちを見つめる福留順子。
自宅で守川家の事件のテレビを見ている篠田淳子。
守川正志が遊園地に来たシーン。
歩いてくる女性に、目印のリュックを指差す正志。
「やっと、会えたね。榛名諄さん」
獄中で『宝塚フォト』の雑誌を読み、篠田と宝塚の名前を考えていたころを回想するシーン。
「消灯!」と言われ、「真実を知る瞳」の横に雑誌を戻す佐竹。
「真実を知る瞳」を読む鵜飼。
「絶対に父はやっていない。父はそんな人間じゃない。そう信じる彼女は、真っ直ぐな強い目をしていた。無実を訴え続けた父の自殺から10年、世間の好奇の目にさらされ続け、理不尽な扱いを受け続けてきた。もう牙をむく気力も信じる気持ちも、全て奪われてもおかしくないのに、空っぽな目をしていてもおかしくないのに」
久保田が言った、「あの子はあなたの近くにいるわ」の言葉を思い出し、「田辺さん……」とつぶやく鵜飼。
バーで一人で酒を飲む田辺絢子。
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