★笑福亭松鶴(六代目)天王寺詣り・一人酒盛り

笑福亭松鶴(六代目)

笑福亭松鶴 落語演目『一人酒盛』を自ら解説


天王寺詣り⇒03:48~
一人酒盛⇒29:01~

天王寺詣り

大阪の四天王寺ではお彼岸に七日のあいだ無縁の仏の供養、極楽往生を願って北撞堂の引導鐘をつく。その音は十万億土まで聞こえると言う。
愛犬のクロが子どもたちにいじめられて死んでしまった男が、友達の所へクロの往生供養のため引導鐘をつきたいと言ってくる。
男「子どもたちに棒で叩かれ”クワァ~ ン”と泣いたのが、この世の別れ。無礙性(無下性)にはどつけんもんでんなぁ」と泣きながら言うので、友達は「牛に引かれて善光寺参り」ならぬ「犬に引かれて天王寺参り」で、天王寺さんへ連れて行くことにする。
坂沿いに寺が並び坊さんが行き交う下寺町を抜け、逢坂は合法ヶ辻(がっぽうがつじ)から、安井の天神さん一心寺に参り、日本三鳥居の石の鳥居をくぐって、参詣人で賑わう天王寺の境内に入る。
二人は人混みをかき分け北撞堂にたどり着いて、クロの戒名の書いてある紙を坊さんに渡すと、「……今日、引導鐘の功力を以って、三月十五日の諸霊俗名クロ……」で、坊さんが引導鐘をつくと、”ボォ~ン、クワァ~ ン~クワァ~ ン~”とクロの泣き声のように鳴り響いた。
男「坊さん、引導鐘は三つやと聞いてまんねん。あと一つわてに撞かしとくなはれ」
坊さん「撞いてあげなされ、功徳になりますで」
男「おおきに、クロ、えぇ声で頼むで。ひぃのふのみっつ」
”クワァ~ン~”
男「あぁ、無下性にはどつけんもんや」

一人酒盛り

引越ししたばかりの男の家に友人が遊びに来る。
男は酒でも用意するからゆっくりしてくれと言いつつ、自分は壁紙を貼っているのでちょっと火を起こしてくれ、水を汲んできてくれ、うどんの出前を頼んできてくれと、友人に酒の準備を全てさせてしまう。
さて、壁紙貼りが終わり、飲み始めると酒はほとんど男が飲んでしまう上に、男は酒癖の悪く、友人に向かって言いたい放題。
友人は終いには怒って帰ってしまう。
そこに出前を頼まれたうどん屋が着き、
「今すれ違った人は、注文しに来た人だと思うが、えらい怖い顔で出て行きましたよ」と言うと、
男が「放っておけ、酒癖の悪い男だ」。

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