第9話 あらすじ
田辺ヤスオ(北村一輝)は元・新宿流星会の構成員。しかし今は新宿流星会組長(笑福亭鶴瓶)の元・舎弟、梶力夫(橋本じゅん)が組長を務めるウルフ商会にいた。だが田辺は組の金を使いこんだうえに力夫の妻(真田ゆかり)にまで手を出し、組からは賞金までかけられているお尋ね者の身だった。
そんな田辺が虎児(長瀬智也)を頼ってやってくる。だが虎児はヤクザの世界を徐々に離れつつあり、生粋のヤクザである田辺を受け入れることができないでいた。そんな中、田辺がウルフ商会にさらわれてしまう。同じ頃、虎児は田辺が親を亡くした子供に送金していることを知るのだが、田辺の元に駆けつけたときには時すでに遅し…。だが殺されていたのは田辺ではなくウルフ商会の哲也(猪野学)だった。哲也は使い込みなどをしており、舎弟の泰次(小路勇介)にすっかり恨まれていたのだった。だがこのままでは力夫が追ってくることを危惧した虎児は、どん兵衛(西田敏行)に教わった粗忽長屋を思い出し、哲也の死体を替え玉にして一芝居打つことを思い立つ。哲也と服を入れ替えてすっかり力夫を騙しきった田辺は死体を担ぎながら「こうして田辺を担いでる俺は誰だろうね」と無事逃げ切るのだった…
粗忽長屋 あらすじ
不精でそそっかしい熊と性格はまめだがやっぱりそそっかしい八。
ある日、八が浅草寺までお参りに行くと人だかりができていた。何事かと騒ぎの中へ入ってみると、男の行き倒れが。知り合いなら一大事と行き倒れの顔を覗き込むと、何と隣に住む熊じゃないか。証拠に本人を連れて来ますと八は慌てて長屋へ帰っていく。その頃、当の熊は長屋で煙草をくゆらせていた。そこへえらい勢いで飛び込んできたのが帰ってきた八。八は浅草寺で見てきたことを熊に話し、熊は死んでしまったのだがそそっかしいせいでそれにも気づかず家へ帰ってきたと言うのだ。そういえば朝から気分がすぐれない上に、昨日は飲みすぎてどうも浅草寺の傍を通ったあたりから記憶がない。きっと自分は死んだに違いないと熊もすっかりその気になり、粗忽者二人は揃って死体を引き取りにいくことになった。そうして死体を目の前にした熊は
「死んでいる俺がここにいるのはわかったんだが、ここにいる俺は誰なんだ?」
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