テレビ朝日 松本清張ドラマスペシャル第一夜「地方紙を買う女~作家・杉本隆治の推理」田村正和×広末涼子×水川あさみ
松本清張 二夜連続ドラマスペシャル 第一夜「地方紙を買う女 ~作家・杉本隆治の推理」3月12日(土)よる9時放送
原作
松本清張「地方紙を買う女」(新潮文庫「張込み」-傑作短篇集 所収)
みどころ
名優・田村正和さんが 松本清張の名作で、“かつて父娘を演じた2人の女優”と共演する今回のドラマ。
追い詰められる広末涼子さん、 田村さんとともに真相を追う水川あさみさん。
小説家の視点で描く新たな解釈で これまでにない珠玉のドラマが誕生しました。
北陸新幹線の開通で脚光を浴びている、石川県の金沢、能登半島の、美しく力強い風景と、豪華キャストが揃った極上サスペンス。
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「地方紙を買う女」は、松本清張が1957年に発表し、過去には映像化もされてきた短編小説の名作です。
ドラマ「点と線」、「砂の器」、「疑惑」などの清張作品でおなじみの脚本家、竹山洋さんが、新たな視点で描いています。
原作では、自らが関わった事件の捜査状況を知るために、「連載小説が面白いから」という理由をつけて、東京から地方紙の購読を依頼する女性の目論見が、小説の原作者によって破綻するまでが描かれています。
今回のドラマでは、その流れを、現代の金沢を中心とした石川県を舞台に、小説家の視点で描写しています。
小説家の女性アシスタントなど、独自のキャラクターも登場。
小説家という立場で女を追い詰めていく男、心ならずも犯罪に関わってしまった女、それぞれの心理を、味わい深く描いています。
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出演は小説家・杉本に田村正和さん、地方紙の購読を希望する芳子に広末涼子さん、杉本のアシスタント・ふじ子に水川あさみさん。
広末さん、水川さんとも、過去に田村さんとは父娘役で共演していて、今回は、それぞれ十数年ぶりの共演になりました。
そのほか、佐野史郎さん、寺島進さん、大杉漣さん、橋爪功さんといった豪華ベテラン俳優陣。
芳子の夫・潮田に北村有起哉さん、心中事件を追う社会部記者に片瀬那奈さん、愛人と謎の心中を遂げる男・庄田に駿河太郎さん、さらには木下ほうかさん、須藤理彩さん、遊井亮子さん、西田尚美さんらが集結。
謎解きサスペンスには留まらない、男と女の人間ドラマを、それぞれの俳優さんが、重厚な演技で盛り上げています。
あらすじ
小説家の杉本(田村正和)は、地方紙・金沢日々新聞の連載が決まって、東京から金沢へ移住した。
自らの作家生命を賭け、連載小説「遠い記憶」の執筆に専念し、作品の評判は上々で、同紙文化部長の服部(佐野史郎)から連載の延長を依頼された。
そんな折り、杉本は、東京に住む芳子(広末涼子)という女性が、「『遠い記憶』を読みたいので購読したい」という手紙を新聞社に送ってきたことを聞かされた。
「芳子はどこで自分の小説を読んだのか、そしてなぜ途中から読みたいというのか?」と、杉本はささやかな疑問を抱く。
杉本のアシスタントのふじ子(水川あさみ)は、「手紙は服部の捏造ではないか」と、「杉本が候補になっている文芸賞の落選が決まり、執筆意欲を失わせないように」、と言う。
ふじ子は居ても立ってもいられなくなり、一人上京し、芳子の存在を確認すると、一旦は安心した。
しかし、身分を偽って接近した芳子から、何がしかの思惑を感じ取ったふじ子は、疑惑を払拭することはできなかった。
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数日後、芳子から、「遠い記憶」がつまらなくなったからと、購読を断る手紙が送られてきた。
「小説は最近になって面白くなってきたはず」、杉本には自信があったし、小説家仲間の東山(橋爪功)もそれを認める。
杉本は、芳子の一連の行動に、「この読者は、私の小説が読みたくて新聞を購読したのではない」と、一つの決断を下した。
”なにが目的で金沢日々新聞を購読したのか?”
杉本とふじ子は、芳子が購読を希望した日付の新聞から詳細に読み返し、東京と北陸を結ぶ、「ある心中事件」の記事を見つけた。
それは、「東京のデパート警備員・庄田(駿河太郎)と、愛人でデパート店員の梅子(須藤理彩)の遺体が、関野鼻で発見された」というものだった。
”芳子が読みたかった記事は、この心中事件に違いない!”
そう確信した杉本は、銀座の高級クラブで働く芳子を訪ねた。
杉本が「遠い記憶」の著者とわかり、芳子は素直に詫びた。
夫の潮田(北村有起哉)は代議士の秘書のため、羽咋に単身赴任していて、自分は東京で、今は亡き姑の介護に追われていたという芳子。
その夫も秘書を辞め、15年ぶりに東京で一緒に暮らせるようになるという。
「幸せになれますね」という杉本の言葉に、芳子は何故か、複雑な表情を見せた。
初対面の男女の何気ないやりとりのあと、帰り際に杉本がそっと置いていった1枚の写真を確認した芳子は、震えあがった。
そこに写っていたものとはいったい?
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金沢へ帰った杉本は、ふじ子と共に心中事件、潮田の周辺などを調べることにした。
「庄田と梅子は本当に心中だったのか?」、「他殺だとすれば、芳子がどう関わったのか?」。
「真実が知りたい」という小説家の業に突き動かされた杉本。
彼の前で明らかになる真実とは!?
キャスト・登場人物相関図
杉本隆治(すぎもと・りゅうじ)……田村正和
小説家。
地方紙・金沢日々新聞での連載が決まり、東京から金沢市へ移住してきた。
自らの作家生命を賭けた推理小説「遠い記憶」を連載中。
同新聞社主催文芸賞の、候補にもなっている。
亡き妻・繁子からプレゼントされた万年筆を愛用する。
潮田芳子(しおた・よしこ)……広末涼子
代議士秘書の潮田の妻。
「幸せな家庭を作りたい」と願い結婚。
専業主婦として、姑の介護もこなしてきた。
夫は石川県羽咋に単身赴任中。
田坂ふじ子(たさか・ふじこ)……水川あさみ
小説家・杉本のアシスタント。
杉本の手書き原稿をパソコンで入力する。
婚活中で、おっちょこちょいな性格。
小説家として尊敬する杉本のために、労を惜しまず行動的な女性。
潮田早雄(しおた・はやお)……北村有起哉
芳子の夫。
本間代議士の秘書。
本間の地元、石川県羽咋市で働いている。
流産を経験している芳子との間に子供を作るため、本間の入閣を機に秘書を辞め、東京へ帰る決意を固める。
広田(ひろた)……片瀬那奈
金沢日々新聞 社会部記者。
庄田と梅子の心中事件について、取材結果を杉本に説明。
2人の心中に疑惑を抱いている。
庄田咲次(しょうだ・さくじ)……駿河太郎
東京のデパート警備員。
能登の関野鼻で、愛人の梅子と共に遺体で発見。
不倫関係を精算するために、梅子と青酸カリによる死を選んだとみなされるが、その心中現場には不自然な点も……。
小島(こじま)警部補 ……木下ほうか
石川県警捜査一課 警部補。
庄田と梅子の心中事件を担当している。
事件に不自然な点があることを認めているが、決定的な証拠を見出せないため、心中を他殺と疑う杉本をたしなめようとする。
福田梅子(ふくだ・うめこ)……須藤理彩
庄田が務める東京のデパート店員。
庄田とは愛人関係。
能登の関野鼻で庄田とともに遺体となって発見。
庄田恵(しょうだ・めぐみ)……西田尚美
東京のデパート警備員・庄田の妻。
愛人と心中した夫に腹をたて、遺骨箱は押し入れにしまったまま。
しかし、訪ねてきた杉本の前では、2人の子供と共に遺骨を前に手を合わせ、涙を流す。
由紀子(ゆきこ)……遊井亮子
芳子が最初に働いていた西銀座のバー「エンゼル」のママ。
潮田久子(しおた・ひさこ)……佐々木すみ江
芳子の夫・潮田早雄の実母。
死ぬまで嫁の芳子の介護を受けていた。
芳子の流産の原因が介護のためと考え、芳子にわびつつこの世を去る。
好きな花は、亡き夫からのプロポーズでもらった吾亦紅(われもこう)。
服部(はっとり)……佐野史郎
金沢日々新聞文化部長。
杉本の担当。
「遠い記憶」の連載を半年延長して欲しいと依頼。
心中事件に興味を抱いた杉本に広田記者を紹介するなど、杉本をサポートする。
山下(やました)県警本部長 ……寺島進
庄田と梅子の心中事件に関して調査をする杉本に、抗議の電話をする。
抗議の裏には、本間代議士の影が!?
本間精次郎(ほんま・せいじろう)……大杉漣
芳子の夫・潮田が秘書を務めている国会議員。
厚生労働大臣。
大臣就任を機に秘書を辞め、東京に帰ろうとする潮田を引き留めようとする。
東山善吉(ひがしやま・ぜんきち)……橋爪功
杉本の小説家仲間で友人。
芸者の雪乃にゾッコン。
杉本が候補になっている文芸賞の選考委員も務めている。
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