第21作 1978年(昭和53年)8月5日公開
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(50)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(37)
- 諏訪博:前田吟(34)
- 諏訪満男:中村はやと(9)
- 車竜造:下條正巳(63)
- 車つね:三崎千恵子(58)
- タコ社長:太宰久雄(55)
- 御前様:笠智衆(74)
- 源公:佐藤蛾次郎(34)
- 留吉の母:杉山とく子(52)
- 温泉宿の親父:犬塚弘(49)
- 春子:岡本茉利(24)
- 備後屋:佐山俊二(60)
- 宮田隆:竜雷太(38)
浅草国際劇場の照明係。寡黙で無骨だが、紅奈々子の恋人でもある。舞台一筋に生きて来た奈々子にプロポーズするが、彼女は果たして…… - 後藤留吉:武田鉄矢(29)
熊本県で酪農をしている青年。女の子にモテずに、フラれた現場を寅さんに目撃され、寅さんに感化されてしまう。上京し、浅草国際劇場のレビューに夢中になり、そのまま音信不通となり、田舎の母(杉山とく子)を心配させる。
マドンナ:紅奈々子:木の実ナナ(当時32歳)
さくらの同級生で寅さんの幼なじみ。SKDのトップスターだが、ステージ一筋の人生のなか、結婚か、踊りを続けるかで悩んでいる。恋人は、浅草国際劇場の照明技師・宮田隆。寅さんのことを「お兄ちゃん」と慕っているが、少々おっちょこちょいで慌て者な面も……
父はジャズミュージシャン、母はダンサーという芸能一家に生まれる。バラエティ「ホイホイミュージックスクール」(NTV)でデビューを果し、タレントとして歌番組や映画で活躍。1974年からミュージカル舞台「ショーガール」の主演をつとめ、大人のエンタティナーとして、16年続くヒット舞台となった。
あらすじ
柴又帝釈天で「東京踊り」の大入り祈願を行っていた踊り子たちに街は盛り上がる。寅さんは踊り子たちの行列後ろを付けて柴又に戻る。その夜、寅さんがとらやの将来を語っていたことに軽蔑なまなざしを浮かべ、タコ社長が「お前になんか経営のことなんかわかりやしない」と大乱闘を繰り広げて旅に出る。
旅先の田の原温泉で自動車整備工の失恋青年の留吉(武田鉄矢)と意気投合する寅さんだったが、宿賃を貸してくれないかと速達を送ってさくらが迎えに行くことになる。
旅先から帰り、店を手伝いながらとらやで骨休めをしていた寅さん。そんなある日、店を訪ねてきた美しい女性の姿にハッとする。彼女はさくらの学友で松竹歌劇団(SKD)の花形スター紅奈々子(木の実ナナ)だった。
実は寅さんが旅の間、博の工場の慰安行事で浅草の國際劇場で東京踊りの公演を見に行っていた。実は、恒例の慰安旅行だったのだが、金づまりで中止になっていた。そんな寅さんは地味で所帯じみた妹とは対照的な奈々子にすっかり魅了されて後をついて浅草に行ってしまう。
ある日、好きな男がいると奈々子がさくらに告白。寅もこの恋も終わりかと肩を落としたが、仕事を辞めてまで結婚はしないという奈々子の言葉に復活。その晩、彼女の家で二人だけで飲むことになった。一晩中一緒に居てという奈々子。するとそこへ、奈々子と10年交際をしていたという劇場の照明担当の男・隆(竜雷太)が現れ、二人は雨の中で抱き合う。
そんな奈々子は初日の「夏の踊り公演」で正式に引退することを座長に伝えた。奈々子がソロで歌う「道」の出番直前、「踊りを辞めることが出来ない」とあこがれて入った世界から離れることへの迷いが出て、涙を流しながら苦心していたが「さあ、しっかり」と共演者に励まされ、最後の舞台に出た。
この日は、さくらも観劇していた。だが、後方で誰にも気づかれないように寅さんも観覧していたが、途中で退席。これにてこの恋も終わり。寅さんはまた旅に出るのであった……
ロケ地
- 田の原温泉熊本県阿蘇
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