第31作 1983年(昭和58年)8月6日公開
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(55)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(42)
- 諏訪博:前田吟(39)
- 諏訪満男:吉岡秀隆(13)
- 車竜造:下條正巳(68)
- 車つね:三崎千恵子(63)
- タコ社長:太宰久雄(60)
- 御前様:笠智衆(79)
- 源公:佐藤蛾次郎(39)
- チンドン屋:関敬六(55)
- 記者:梅津栄(55)
- 小城港にある山本土産店 主人:人見明(61)
- タコ社長秘書:マキノ佐代子(25)
- 長万部の熊:佐山俊二(65)
- 三田:桜井センリ(57)
- 北村社長:藤岡琢也(53)京はるみの所属する芸能プロダクション社長。お調子者だが、憎めないキャラクター。はるみ失踪を隠そうと必死だが、自身の慌てぶりで、芸能記者に感づかれてしまう……
マドンナ:京はるみ/都はるみ(当時35歳)
人気演歌歌手。仕事と私生活の板挟みに悩み、新潟公演を前に、突然失踪。出雲岬の港で、寅さんと出会い、そのまま一緒に佐渡島へ。自分をスターとして見ずに、一人の女性として接する寅さんの優しさにふれて、癒される。京はるみは、もともと都はるみに付けられる予定だった芸名。
1964年レコードデビュー、同年の「アンコ椿は恋の花」のビッグヒットで、日本レコード大賞新人賞を受賞。
「北の宿から」(76年)で日本レコード大賞、「大阪しぐれ」(80年)で日本レコード大賞最優秀歌謡賞に輝く。
あらすじ(ネタバレ注意)
小学校の運動会準備で沸き返る頃、寅さんがひょっこりと帰ってくる。
博はここ三年ほど満男の運動会に行けなかったので、今年こそは必ず行くと約束していたのだが、重要な研修会の幹事での仕事が入ってしまい、またしても行けなくなってしまった。
そこで寅さんが父親代わりになって満男を応援してやる!と前日から張り切るが、満男をはじめ皆の本年はありがた迷惑。
それを察した寅さん「満男、おまえオレが行くのが迷惑なのか?」と満男に問い詰める。おいちゃん「少しは満男の気持ちにもなってやれよ……」
おいちゃんトドメ「迷惑なの決まってるじゃないか」の一言で、寅さんはブチ切れ書き置きを残してあてもない旅に出る。(翌日の運動会は雨で中止)
新潟の白根大凧合戦を見た後、出雲崎へやって来た寅さん。その港でどこか憂いのただよう女性と知り合いになり、二人は佐渡島に戻る漁船に同乗する。
民宿に泊まり佐渡の風光を楽しむ日々。だが民宿の女将のおばちゃんから、彼女が過密なスケジュールと失恋の痛手から失踪していた演歌の女王:京はるみ(都はるみ)だと聞かされ驚く。
世間では京はるみのツアーが軒並み中止になり大騒ぎになっていたが、寅さんは全くそんなことを知らなかった。寅さんは気付いていないふりをして気ままで楽しい旅を続け、気ままな寅さんの旅暮らしに憧れ、はるみの心は晴れていく。
だがしかし、やがてはるみはプロダクションの社長らに追いつかれ、寅さんに思い出にと指輪を渡し元の世界に戻っていく……
歌手として復活したはるみは絶好調であった。一方の寅は放心状態でとらやへ戻り、はるみの「涙の連絡船」など演歌ばかり聴き始めるようになる。心配するとらやの面々。だが寅さんの説明を聞いてもさっぱり分からない。
そんなある日、寅さんのもとに京はるみが訪れ、柴又の街は騒然となる。はるみは寅さんにお礼と、恋人と復縁したことを告げコンサートの招待券を渡す。
集った人々のリクエストに応え、はるみは団子屋さんのアンコにちなんで「アンコ椿は恋の花」を高らかに歌い上げ、拍手喝さいを浴びる。
その夜、寅さんは妹のさくらに、はるみから貰ったリサイタルの切符を渡し再び旅に出て、北海道へと向かった……
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