あらすじ
御隠居が着ている服の名前は十徳だと教えて貰った。
その名の由来を聞くと、立った姿を前から見ると衣のごとく、座った姿を後ろから見ると羽織のごとく……
ごとくとごとくで十徳だと。
「よし分かった、みんなに教えてやらあ!おう、あの服をどうして十徳って言うか知ってるか?」
「知らねえなら教えてやらあ、いいか、立った姿を前から見ると衣のようだ、座った姿を後ろから見ると羽織のようだ、ようだとようだで、やあだ?」
「あれ!もう一回やるぞ、立った姿を前から見ると衣みたい、座った姿を後ろから見ると羽織みたい、みたいみたいでむたい。」
「なんだおめえ!眠たいのか? 布団敷くか?」
「いや、そうじゃなくて、えぇと、立った姿を前から見ると衣に似たり、座った姿を後ろから見ると羽織に似たり、にたりとにたりで、うん、これはしたり。」
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