第40作 1988年(昭和63年)12月24日公開
昭和最後の作品。題名の由来は俵万智の歌集『サラダ記念日』から。
キャスト・登場人物
- 車寅次郎:渥美清(60)
- 諏訪さくら:倍賞千恵子(47)
- 諏訪博:前田吟(44)
- 諏訪満男:吉岡秀隆(18)
- 車竜造:下條正巳(73)
- 車つね:三崎千恵子(68)
- タコ社長:太宰久雄(65)
- 御前様:笠智衆(84)
- 源公:佐藤蛾次郎(44)
- 三平:北山雅康(21)
- 運動靴泥棒:笹野高史(40)
ソウルオリンピック公認
フローレンス・ジョイナー
カール・ルイス ご愛用
スポーツ シューズ 大特価 一足九八〇円 - ポンシュウ:関敬六(60)
- 祭りの若者:出川哲朗(24)
- 小諸病院院長:すまけい(53)
- タコ社長秘書:マキノ佐代子(30)
- 由紀:三田寛子(22)早稲田大学に通う、真知子の姪。小諸の真知子宅に遊びに来ていたところを寅さんと出会う。感性豊かな女子大生で、“とれたての短歌”を書きためている。ひょんなことから出会った同学の尾崎茂と交際を始める。
- 尾崎茂:尾美としのり(23)早稲田大学文学部ロシア語学科在籍。ある日、キャンバスで寅さんから、由紀探しをたのまれ、学籍簿などをあたって、ようやく判明。それがきっかけで、由紀と交際。金町に住んでおり、真知子、由紀とともにとらやを訪ねる。車の運転が得意と言っているが……
- 中込キクエ:鈴木光枝(70)寅さんが小諸駅前のバス停で出会うおばあちゃん。夫に先立たれ、独りぐらしをしているが、重い病気にかかっており、小諸病院の真知子が再三入院を進めている。思い出のつまった我が家を終の住処と思うおばあちゃんは、なかなか、入院を承知しなかったが……
マドンナ:原田真知子/三田佳子(当時47歳)
小諸病院に勤務する女医。夫が山で遭難、一人息子を東京の母(奈良岡朋子)へ預けて、一人暮らし。命の現場の最前線でストレスがたまる日々を過ごしているとき、患者のおばあちゃん(鈴木光枝)宅に泊まっていた寅さんと知り合う。
1960年、東映に入社。同年『殺られてたまるか』でデビューを果たし、東映の看板女優として活躍。渥美清とは1963年の『おかしな奴』で共演している。67年にフリーとなり、テレビ、映画、舞台、CMに活躍。1984年の『Wの悲劇』の演技が高く評価され、NHK大河ドラマ「いのち」(86年)とNTV「外科医・有森冴子」(1990〜2000年)で演じた女医役などでお茶の間に親しまれた。
あらすじ(ネタバレ注意)
とらやの従業員としてイケメン青年:三平(北山雅康)が新しく雇われることになった。
一方満男は大学受験のことで悩んでいた。満男が地方の小さい大学へ行きたがっていると知った博は、自分の望むことと違うことに腹を立て急に不機嫌になる。
初秋の信州は小諸。
寅さんは駅前のバス停で、キクエ(鈴木光枝)という一人暮らしおばあさんと知り合う。
面白い寅さんを気に入ったキクエは、山間にある自宅へ招き、手料理とお酒でもてなし楽しいひとときをすごした。
翌朝、寅さんが顔を洗っていると、小諸病院の女医:原田真知子(三田佳子)がキクエを迎えにやって来る。
キクエはかなりの重病で、これ以上放置できない状態だった。
しかし、キクエは、病院ではなく家で死にたいと言ってきかない。
寅さんは、俺も一緒に病院に行くからと言って励まし、キクエを入院させる。
寅さんのおかげでキクエが入院してくれたので、真知子はお礼に自宅の食事に誘う。
夫の先立たれた真知子は、大きな屋敷の一画を間借りして、一人暮らしをしていた。
そこへ、東京から姪の由紀(三田寛子)が訪ねてくる。
由紀は早稲田大学の国文科で、趣味は短歌。
「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ……」(千曲川旅情の歌)
由紀が島村藤村の詩を詠むと、寅さんは『遊子』を『勇士』と勘違い。真知子と由紀は大ウケ。
※註:遊子とは、旅人のこと。なぜ悲しんだのかは……寅さんに聞くべし。
その夜、テンションのあがった寅さんは満男に「おじさんいろいろ考えたんだが、早稲田大学を受けなさい」と電話する。
満男:ぽかーん。
翌日、寅さんはキクエを見舞い、真知子には会わずに小諸を後にする。
柴又に帰った寅さんは、由紀が通う早稲田大学へいそいそと出かける。
ひょんなことから講義を受ける事になるのだが、ワットに始まる産業革命を語る教授に対しおかしな問答がはじまり、せっかくの講義がシッチャカメッチャカてんやわんやの大騒ぎ。
そしてついには自ら講義を始める!(ワット君こと良介のガス自殺未遂の話)
ここで一句。
「寅さんが早稲田の杜にあらわれてやさしくなった午後の教室」
やがて、キクエの危篤の報せが入る。寅さんは由紀と茂(尾美としのり)の車で急いで小諸へ向かうが、すでにキクエは天に召されていた。
キクエの葬儀に出席した寅さんは真知子の帰宅を待たず独り旅に出る。
そんな寅さんの様子をみた由紀「おばちゃまのこと好きなのね」
寅さんは由紀が作ってくれたサラダを食べながら「うん、これはいい味だ」とつぶやく。
「寅さんがこの味いいねと言ったから 師走六日はサラダ記念日」
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