あらすじ
ご隠居のところに八五郎が訪れて、三度死んだ伊勢屋の旦那の葬式の手伝いだという。
不思議に隠居さんが思って尋ねると、伊勢屋のお嬢さんと最初に一緒になった色白の婿殿が亡くなり、二人目はごつい男だったがこれも亡くなり、三人目の亭主が一年足らずでこの間亡くなったので、これで三度死んだと言うでしょ。
どうしてこうも続けて死んじゃうのかねぇ、と八五郎。
話を聞いたご隠居が、解説を始めます。
店の方はすべて番頭が見ているので亭主は月に一、二回帳簿を見るだけで、普段やることがなく暇だ。
目の前には震付きたくなる様ないい女。
飯時には手と手が触れる。冬は炬燵で脚が触れる。周りを見ても誰もいない。となればやることは一つ。
短命だろう。
説明を受けた八五郎は、指から毒が移るのかとか、いい女を見つめて飯を食い忘れるとかトンチンカンなことを言うが、どうにか意味を理解して家に帰ります。
女房に給仕をさせて、ご飯茶碗を渡す時に手と手が触れる。目の前には震付きたくなる様な……。
「あぁ、おれは長生きだ」
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