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2017年07月24日(月):初投稿
2026年05月14日(木):2015年放送時点の内容であることを明記。現在の読者に誤解が生じにくいよう、性自認・性的指向・性表現に関する注記と追記を追加し、表現を整理。
今更聞けないオネエの本音
オネエな男たちに禁断の質問!オネエの裏の顔に迫る!
この記事は、2015年7月31日(金)放送の「ダウンタウンなう」で紹介された内容をもとにしています。当時の番組内では「オネエ」「ニューハーフ」「女装家」などの呼称や分類が使われていました。
ただし、2015年当時と現在では、性自認や性的指向、性表現に関する社会の理解は大きく変わっています。性自認は「自分の性別をどう認識しているか」、性的指向は「どの性別の人を好きになるか」、性表現は「服装・言葉遣い・ふるまいなどで性をどう表すか」に関わるもので、本来は別々の概念です。
現在では、外見や職業、テレビ上のキャラクターだけで人の性のあり方を決めつけず、本人が望む名前・呼称・性別表現を尊重することが大切だとされています。この記事では、番組で使われた表現を当時の文脈として残しつつ、現在の読者にも誤解が生じにくいよう補足しながら紹介します。
5人のオネエが本音をさらけ出す!
[出典:asahi.com]
集まったのは、2009年「ミス・インターナショナルクイーン」で世界一となったはるな愛さん、当時大ブレーク中だったGENKINGさん、人気ヘアメイクアーティストのおぐねぇーさん、化粧品ビジネスでも成功したピカ子さん、ミュージシャンのHIDEKISMさんです。
おぐねぇーさんは、かつてGENKINGさんと恋人同士だったことでも知られています。番組では、GENKINGさんから元「きゃまたん」と紹介され、10年前に一緒に住んでいたことも語られていました。
ピカ子さんは、ブラッド・ピットさんなどハリウッドスターのメーキャップを担当した経験を持ち、化粧品ビジネスでも成功した人物として紹介されていました。
HIDEKISMさんは、イケメンすぎるオネエ、いわゆる「オネメン」として話題になったミュージシャンです。
いつ周囲に打ち明けた? その時の反応は?
ドン釜ワールドの栗林もえさんは、18歳のとき、父親に面と向かって「ちょっとオカマになるけん」と告げたそうです。これは番組内で語られた本人の表現です。
父親からは「オカマバーでは働くな」「手術は絶対にしちゃだめ」と言われたものの、2か月後くらいに手術したと話していました。
CLUB MEMORYの瞳条美帆さんは、家族に打ち明けたところ、父親から「出て行ってくれ」「勘当だ」と言われ、認めてもらうまで7年かかったそうです。
CLUB MEMORYの若菜さんは、番組の1年ほど前にカミングアウトしたそうです。最初は受け入れてくれたものの、徐々に拒絶反応が出て、女性の格好をするときはコートで体を隠すように言われ、最終的には喧嘩別れになったと語っていました。
KUKUA MAHAROの日出郎さんは、高校1年生、16歳のときの出来事を語りました。家に帰ると部屋が整理されていて、ベッドの下に隠していた雑誌が見つかり、積まれていたそうです。
はるな愛さんは、高校1年生のとき、ファミレスで父親に「女として生きていきたい」と告白したと話していました。
HIDEKISMさんは、テレビでカミングアウト。それまでは彼女がいたそうです。
ピカ子さんは、26歳のときに自分がゲイだと気づいたと語っていました。きっかけは、ゲイの男性から熱烈にアプローチされ、「いいかも」と感じたことだったそうです。
両親は当時ブエノスアイレスに住んでおり、ピカ子さんは「I am gay」とFAXで伝えました。10日後、父親からは「同性愛も一つの形なので、身体に気を付けて頑張れ」と返事がありました。一方、母親からはカウンセリングを勧める反応があったそうですが、その後は理解してくれたと話していました。
GENKINGさんは、2015年3月1日のテレビ初登場時にカミングアウト。友人たちは「やっと白状したな」という感じだったそうです。一方で、親はいまだに番組上の演出だと思っているようだとも話していました。
恋愛について、ピカ子さんは妻帯者に目が行くことがあると語り、好きな人とデートするだけで幸せを感じ、その先は求めないと話していました。
はるな愛さんは、女性として見てほしい、女性として付き合いたいという思いを語っていました。ただ、テレビ出演で広く知られているため、女性を好きな男性との恋愛では、最初は面白半分で付き合っても、最終的に普通の女性がよいとなることが多いと話していました。
イジメや差別を受けたことは?
Oh! BooBee BaaBee!のいなりさんは、カードで買い物をするとき、本名が男性名のため、盗んだカードだと思われることがあると話していました。「本当にご本人様ですか?」と確認されることがあるそうです。
ドン釜ワールドの友森詞音さんは、知人が空港でパスポートを偽造だと疑われ、入管に連れて行かれたという話を紹介していました。
ひげガールの米山ババ子さんは、昔は「オネエ」と言われる人に対して、石をぶつけるような差別的な行為もあったと語っていました。
ドン釜ワールドの来夢さんは、「差別化されないと、この仕事をやっていけない」と語っていました。変わっているから見に来る、珍しい存在でありたい、という芸能の仕事としての考え方です。
はるな愛さんは、小学校のときに心ない言葉を浴びせられて泣いたことが最初の記憶だと語っていました。中学では、母親から男らしくしないといじめられると言われ、男っぽくしようとしたものの、やはりいじめられたそうです。
トイレは始業のベルが鳴ってから行き、遅れて教室に入っていたとのこと。プールの授業も、海パンになるのが嫌で、いつも休んでいたと話していました。
大人になってからも、マンション契約で本名と職業を書いたところ、入居を断られた経験があるそうです。
ピカ子さんは、26歳でゲイだと気づいたものの、振り返ると子どものころから周囲になじめず、楽しい記憶が少なかったと語っていました。今は自分を開けるようになり、楽しく過ごせているそうです。
GENKINGさんは、トイレに入るとき、男子トイレにも女子トイレにも入りづらく、多目的トイレを使うと話していました。どうしても入れないときは、男友達に囲んでもらって入ることもあるそうです。
老後のことはどう考えている?
CLUB MEMORYの星鶴心渚さんは、老後が本当に不安だと語っていました。老人ホームでひっそり暮らせるのが一番だけれど、どうなるか先は見えないという不安です。
ドン釜ワールドのサキさんは、老後は怖くて考えたくないと話していました。独り身の仲の良い仲間たちと、一つ部屋を借りて住みたいそうです。
黒鳥の湖のYUKIさんは、ホルモン摂取をしていることもあり、将来の健康面が不安だと語っていました。ニューハーフ専門の老人ホームを作ってほしいという希望も話していました。
CLUB MEMORYの瞳条美帆さんは、年齢を重ねたときに自分の性別や身体への認識が揺らいだらどうしよう、という不安を語っていました。
番組では、60代、70代になってから、髪を短くし、胸をなくして、男性として老後を過ごす人もいるという話も出ていました。背景には、生きづらさがあるのではないかという見方も語られていました。
IVANのオネエ仕分け
番組では、IVANさんが「オネエ」をざっくり3種類に分けて説明していました。
- 女性的なゲイ
- 女装家
- ニューハーフ
ただし、これはあくまで2015年当時の番組内での説明です。実際には、性自認、性的指向、性表現、身体のあり方は人によって異なり、簡単に3分類できるものではありません。
女性的なゲイ
番組では、心は女性的、見た目や身体は男性として生活している人たちを「女性的なゲイ」と説明していました。
例として、クリス松村さん、おすぎさん、ピーコさん、仮屋崎省吾さん、真島茂樹さん、小椋ケンイチさん、ピカ子さん、HIDEKISMさんの名前が挙げられていました。
特徴として、几帳面、綺麗好き、気を遣う人が多いという説明がありました。また、恋愛対象のタイプが重なりやすく、恋愛で競合することもあると語られていました。
女装家
番組では、心は女性的、見た目は女性的、身体は男性として、女装やショー的な表現を行う人たちを「女装家」と説明していました。
もともとはドラッグクイーンのように、ショー要素を含む派手な衣装やメイクで活動する人たちも含めて紹介されていました。
例として、マツコ・デラックスさん、ミッツ・マングローブさん、ナジャ・グランディーバさん、日出郎さん、GENKINGさんの名前が挙げられていました。
番組では、ストレート男性を好きになる傾向があり、恋愛を成就させるのは難しいことが多いという説明もされていました。
ニューハーフ
番組では、心も見た目も女性で、身体も女性に近づけている人たちを「ニューハーフ」と説明していました。
例として、カルーセル麻紀さん、はるな愛さん、佐藤かよさん、KABA.ちゃんの名前が挙げられていました。
当時の番組では「性同一性」という言葉で説明されていました。現在では、本人の性自認に応じて「トランスジェンダー女性」「女性」など、本人が望む表現を尊重することが重要です。
KABA.ちゃんについては、2016年に性別適合手術を受け、戸籍上の性別も女性に変更したことが報じられています。番組放送当時とは状況が変わっている点に注意が必要です。
恋愛対象についても、ゲイ、トランスジェンダー、女装家などの分類だけで一律に決まるものではありません。番組では、はるな愛さんは年下の可愛いやんちゃな男性が好き、KABA.ちゃんは韓国系のマッチョなアイドルが好きと紹介されていました。
GENKINGさんについては、番組では「女装家ではなく中性系」と説明されていました。スカートは履かない、胸は入れたくない、起きたときの気分で「今日は男」「今日は女」と感じることがあり、男も女もない象徴になりたいと語っていました。
2015年当時と現在で変わった、性自認への向き合い方
この記事のもとになった番組が放送された2015年ごろは、バラエティ番組で「オネエ」という言葉が広く使われ、性のあり方を面白さやキャラクターとして紹介する場面も多くありました。出演者自身がその言葉を使っていた場合もありますが、現在の感覚では、外から一括りにする表現として慎重に扱う必要があります。
特に大きく変わったのは、「見た目」や「話し方」だけで、その人の性別や恋愛対象を決めつけないという考え方です。女性的な服装をする人が必ず女性として生きたいとは限らず、男性を好きな人が必ず女性になりたいわけでもありません。反対に、外見からはわからなくても、自分を女性、男性、あるいは男女のどちらにも限定しない存在として認識している人もいます。
また、当時よく使われていた「性同一性障害」という言葉も、現在では医療や制度の文脈を除き、日常的な説明では「トランスジェンダー」「性自認」などの言葉が使われることが増えています。重要なのは、診断名や分類名ではなく、本人がどのように生き、どのように呼ばれたいかです。
メディア表現でも、本人の了承なく過去の名前や戸籍上の性別を強調したり、身体の手術の有無を興味本位で取り上げたりすることは避けるべきだと考えられるようになっています。LGBTQ報道ガイドラインでも、本人が公開してよい情報の範囲や、望む表現を尊重することの重要性が示されています。
その意味で、この記事に出てくる分類や言葉は、2015年当時のテレビ番組の空気を伝える資料でもあります。一方で、現在読むなら、「オネエだからこう」「ニューハーフだからこう」と決めつけるのではなく、一人ひとりの生き方や言葉を尊重する視点を持って受け止めたいところです。
性のあり方は、単純な3分類では語りきれません。自分をどう認識するか、誰を好きになるか、どんな服装や表現で生きるかは、それぞれ別の要素です。そして、そのどれもが本人の大切な一部です。
[出典:2015年7月31日(金)放送「ダウンタウンなう」]
文責:ライターズラボ編集部(2026年05月14日(木)14:23執筆)


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