御徒町の古着屋の太兵衛と同居している武兵衛は二人ともそそっかしい。
祭り好きな武兵衛が深川八幡の祭りに出かけた。今日が祭りの最後の日で永代橋の近くは大勢の人だ。武兵衛は人ごみの中で紙入れをスラれてしまう。仕方なく家へ帰りかけると知り合いの山田屋に会い、八丁堀の家でごちそうになる。そのうちに外が騒がしくなる。永代橋が落ちて大勢の死人が出たという。武兵衛はその晩は山田屋に泊まる。
翌朝、帰り道で太兵衛に出会う。お上から武兵衛が永代橋の事故で死んだから死骸を引き取りに来いと呼び出しがあったという。永代橋の死体置き場に来た二人、武兵衛の死骸に対面する。
武兵衛はこれは自分と似ていないというが、太兵衛は引取って帰り、葬式を出せという。武兵衛は死んだり自分で葬式を出すのは間尺に合わない話だと納得しない。言うことを聞かない武兵衛の頭を太兵衛がポカリと殴る。
二人が喧嘩を始めると役人が割って入り、「武兵衛から紙入れをすったスリが永代橋の事故で死んで、持っていた紙入れから武兵衛が死んだことになってしまったということだ。人違いだ」と説明する。まだ太兵衛からぶたれた事がくやしい武兵衛は、お白州で決着をつけるなんて言っている。
役人 「お前は武兵衛だな、相手は太兵衛だ。太兵衛(多勢)に武兵衛(無勢)はかなわない」
[出典:http://sakamitisanpo.g.dgdg.jp/eitaibasi.html]
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